魔法科高校の劣等生 ~幼馴染たちと共に~   作:ローニエ

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AセットとBセット

翌日、ほのかと雫と一緒に俺は第一高校へと登校していた。

周りの人が見れば美人2人と一緒に登校できてうらやましいと思うかもしれないが、俺は違う。

絶賛後悔中だ。

なぜなら登校中ずっと怒っている2人を相手にしているのだから。

 

「もう!高校生活二日目にして早くも寝坊なんてありえないよ!」

 

「翔人はやっぱり変わってない。」

 

「だから悪かったって。まだ日本に来て数日だから時差ボケなんだよ。」

 

と同じような会話を繰り返していたのである。

 

「それに2人とも昨日は電話で俺を寝かせてくれなかったじゃないか…。」

 

「確かにそれはそうかもしれないけど…色々隠してた翔人君だって悪いよ。」

 

「ほのかの言う通り。」

 

そう、昨日…性格には今日もだが2人とは深夜3時まで電話していたのである。

女の子は長電話が好きっていうのは知っていたがここまでとは思ってなかった…。

俺には3時まで電話していたのにも関わらず今普通にしている2人の方がおかしいと思うのだが…。

 

「分かったわかった、悪かったって。」

 

そんな感じで俺はずっと謝り続け、2人はずっと怒ったまま学校へと歩いていくのであった。

 

 

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そして昼休み。

ほのかと雫は深雪に昼食を食べるように話しかけるが生徒会長に呼ばれているとかでその話を断っていた。

人の迷惑を考えない生徒会長だな…なんて七草に対する嫌悪感を抱いていると、深雪に話しかけられる。

 

「そういえば翔人君も生徒会室に呼ばれているんでしたよね?よろしかったら一緒に行きませんか?」

 

「「えっ!?」」

 

「「そうなの翔人(君)?」」

 

そういえばそんなことメールで来てたなぁなんて思い出す。

もちろん返事はしていないのだが。

 

「悪いけど俺はパス。あんなやつと一緒に飯を食べるなんて拷問だ。ってことを七草には伝えといてくれ。」

 

俺は深雪にそう言い残し一人で食堂へと向かった。

 

 

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食堂についた俺は目の前のショーケースの中を凝視していた。

ランチセットAとランチセットBだ。

Aのセット内容は、ご飯、チーズハンバーグ、サラダ、ドリンクの洋食セット、Bのセット内容は、ご飯、焼き魚、味噌汁、漬物の和食セットだ。

俺は和食も洋食も好きなためどちらにしようか頭を極限まで働かせて考えていた。

 

(値段は一緒か…今の気分的には洋食をがっつり食べたいが、日本に来てまだ和食を食べていなかったため日本の和食を食べたい気もする…。どっちにすればいいんだぁ!!)

 

と真面目に考えているところに後ろから声がかけられた。

 

「翔人早くして、後ろにたくさん並んでる。」

 

「ん?なんだ雫か。だがもう少し待ってくれ俺は昼食をAセットにするかBセットにするかで真剣に悩んでいるんだ。…ちなみに聞くが雫ならどっちにする?」

 

どうやら雫とほのかも俺に続いて食堂に来たようだ。

そこでふと雫へと質問するが、

 

「私ならBセット一択。」

 

「まぁ、そうだよな~」

 

雫は日本のものが好きだ。食べ物で言えばお茶や大福、習い事で言えばお花なんかが挙げられる。

そんな雫がBセットを選ぶのは必然だろう。

 

「ちなみにほのかは…ってお前はどうせAセットだからなぁ…。余計どっちにしようか悩むな…。」

 

「えっ?なんでわかったの?」

 

「昔のままならAセットだろうなぁって思っただけだよ。」

 

俺がそういうとほのかが頬を赤く染める。

そんなほのかを見た雫は、

 

「翔人はほのかのことよく見てるんだね。」

 

と俺に告げる。

まぁよく見てるって程でもないんだけどな…。

 

「まぁな~。しかしどうしたものか…。このまま考えていたら昼休みが終わってしまう…!」

 

「じゃあ提案がある。」

 

俺があまりにも長い時間悩んでいたのが我慢ならなかったのか雫が提案する。

 

「昼はBセットを頼んで和食を食べる。夜はほのかの手作りで洋食を作ってもらう。…どう?」

 

「ちょ、ちょっと雫!?」

 

「確かにそれなら解決するけど、ほのかはいいのか?」

 

「えっ!?もちろんいいよ?」

 

何故に疑問形?と思った俺だったが、承諾してくれたことだし今はBセットにしよう。

そう思った俺はBセットを頼み席に着いた。

 

 

 

 

 

 

席についてほのかと雫と共に昼食をとり談笑していると、ふと思い出したのか、ほのかが俺に尋ねてくる。

 

「そういえば翔人君、生徒会長に呼ばれてたみたいだけど本当に行かなくてよかったの?」

 

「あぁいいんだよ。別に強制はされてなかったんだから。…それにお前たちには昨日話しただろ?」

 

「確かに聞いたけど、七草先輩に昨日みたいな態度をずっと取ってると上級生や同級生に確実に目をつけられちゃうよ?」

 

俺の心配をしてくれたのかそう告げるほのか。…相変わらずほのかは優しいな。

 

「まぁそれならそれでいいさ。俺は誰にも負けないからな。」

 

「…そういう問題じゃないと思う。」

 

「2人とも心配してくれるのは嬉しいけどさ、俺はどうしても十師族を許すことができないんだ。あの家を除いて…。今でもすぐにつぶしたいほどの憎んでるし、怒ってる。だけど俺にはまだ十師族全員を相手にできるほどの力は持っていないんだ。だから今は何もしないだけでいつか来るべき時が来たらその時は…」

 

「「………」」

 

「なんだか悪いな空気悪くしちゃって…。」

 

「翔人君は悪くないよ!でも…」

 

そう告げほのかは俯いてしまう。

そんなほのかを見かねた俺は、ほのかの頭をなでる。

 

「えっ?」

 

「心配するな。俺はお前たちのそばにずっといてお前たちを守るから。昔約束しただろ?」

 

「…そうだね。でも困ったことがあったら私や雫に相談してね!」

 

「雫はともかくほのかに相談することはないと思うけど…まぁ頼らせてもらうよ。」

 

「ちょ、ちょっとそれどういう意味!?」

 

と言って、じゃれる翔人たち。

そんな翔人とほのかを見ていた雫は、

 

(早くくっついちゃえよ。)

 

なんて考えてたんだとか…。

 

 

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そして放課後、俺は夕食をほのかに作ってもらうことで頭が一杯だった。

昔からほのかは料理がうまかったから、今ではどのくらいおいしくなっているのか楽しみだなんて思って歩いていると後ろから声をかけられる。

 

「翔人君!」

 

誰だろう?と思った俺は声をした方を振り向いた。

するとそこにいたのは風紀委員長の渡辺摩利だった。

 

「どうしたんです、渡辺先輩?」

 

「今日の昼、君を呼んだんだが来てくれなかったのでね、今から話そうかと思い君に会いに来た。」

 

俺に用事?

考えられるのは昨日の一件だけなんだけど…。

 

「俺に用事ですか?昨日の件のことなら解決したはずじゃ?」

 

「いや、昨日の件は関係ないんだ。ここで話すのもなんだし、生徒会室で話さないか?」

 

()()()()()…ですか?」

 

「あぁ()()()()()だ。」

 

とわずかに笑いながら話しかけてくる渡辺先輩。

きっとこの人七草と俺をどうにかしたいとか考えているんじゃないか?

そんなこと無駄なのに…

しかしここで修復不可能なほどのものだと証明できればこれから先関わられることもないかもしれないな…。

と、色々考えた挙句、俺はほのかたちに少し待っててくれとメールを送り、渡辺先輩と共に仕方なく生徒会室へと向かった。

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