今回の話は書いてて微笑ましかったです^^
私は雫と一緒に帰ったあと自宅で翔人君に何を作ろうか考えていた。
(洋食かぁ…。オムライスやハンバーグ、パスタなんかもありだよね…。)
ピンポーン
そう考えていると自宅の玄関チャイムが鳴った、
(誰だろう?)
と、不思議に思うがとりあえずインターフォンを見てみる。
するとそこに立っていたのは翔人君だった。
「ほのかー。開けてくれ~。」
(えっ!?ちょっと来るの早くない!?まだ部屋の片づけしてないよ!)
と少しパニックになる私。
「ま、まだ部屋の片づけしてるからもう少しそこで待っててもらえる?」
一先ず部屋の片づけをしようと試みる。
なぜなら視線の先には洗濯物が干してあったのだから。
こう言っとけば待っててくれると思ったのだが、
「片付け?俺の部屋の片付け手伝ってもらったことだし、俺も手伝うよ。」
そう言った瞬間急に翔人君は家の中に入ってきた。
「えっ…?」
「よっ!」
「ちょ、ちょっと待っててって言ったじゃん!」
急に家の中に現れた翔人君に慌てる私。
「何をそんなに慌ててるんだ?片付けなら手伝うぞ?」
「そ、そうじゃなくて…!」
翔人君は好意で手伝いを申し出てるのにこれ以上断るのは悪いなぁ…なんて考えた私は名案を思いつく。
「そ、そうだ!今日は翔人君の家で作ってあげるよ!片付けしてからご飯作って食べるより、すぐにご飯食べたいでしょ?」
「う~ん…それもそうだな。模擬戦で腹も少し減ってるし。じゃあ俺の家でお願いできるか?」
「うん!任せて!」
なんとか場所を移せた私は心の中で安堵した。
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そして2人でスーパーへと向かう私と翔人君。
その途中、たわいもない話をする私たち。
ふふっ…なんかこういうやりとりも久しぶりだなぁなんて思いながら翔人君の顔を見る。
雫も言ってたけど顔はかなりかっこいい方だと私も思う。
昔もかっこよかったけど以前のような幼さはなく、少し大人の魅力が加わった感じがする。
しかし性格は昔のままだ。
昔のようにくだらないことをすぐ言ったり、少しだらしないところは何も変わっていない。
まぁそんなところも含めて翔人君のことが好きなんだけど…
そう考えていると翔人君がずっと見つめられていたことに気づいたのか私に声をかける。
「どうしたんだ、ほのか?俺の顔に何かついてる?」
「な、なにもついてないよ?」
「そうか?」
あ、危なかった…。
見つめてることに気づかれたら恥ずかしい思いをするところだった…と私は安堵する。
「それより翔人君は晩御飯何が食べたい?どうせなら食べたいものを作ってあげたいって思うんだけど。」
「食べたいものかぁ…。ほのかの作ってくれるものだったらなんでもいいんだが…。そうだな…オムライスなんてどうだ?」
翔人君がそんなことを言うので、頬が少し赤くなってしまうが私は話を続ける。
「お、オムライスね。わかった、おいしくできるか分からないけど楽しみにしててね!」
「おう!楽しみにしてるよ。」
その後も楽しく会話を続けながら歩いていると目的地のスーパーへとついた。
「オムライスを作るって言ったけど何が必要なんだ?」
翔人君はかごをもって私に尋ねる。
「えっ?もしかして翔人君オムライス作ったことない?」
「ないぞ?というかオムライスどころか自炊はしたことないな…USNAでは俺を育ててくれた家にメイドさんがいたし、日本にいたときは母さんが作ってくれてたからな。」
翔人君は懐かしむようにそう言った。
もしかして翔人君は雫みたいなお金持ちの家に住んでいたのかな?なんて疑問に思う。
でも自炊ができないのではこれから一人暮らしするのに不便じゃないか?と思った私は翔人君に尋ねることにした。
「翔人君、自炊できないならこれからどうするつもりだったの?」
「まぁ基本は外食で偶にカップ麺にでもしようかなぁ~って思ってたけど?」
何か変なことでも?と言いたそうな声で告げる翔人君。
いくらなんでもそれは不味いんじゃ…。
「流石にそれは良くないと思うよ?カップ麺ばっかりだと体壊すし、外食ばかりだとお金もすぐなくなっちゃうでしょ?」
「そうは言ってもな…今更自炊しようなんて思わないし…。」
そう言って翔人君は少し落ち込んでしまった。
う~ん、どうしよう…。
そこで私が解決策を模索しているとある一つの策が思いついた。
だけど…これはすごく恥ずかしい…。
というか変な子だって思われるかもしれない…。
でも翔人君のためになるなら!
と決心した私は翔人君に告げる。
「ひ、翔人君!もしよかったらなんだけど…自炊できないなら、わ、私が作りに行ってあげようか?」
「えっ?」
言ってしまった!
おそらく私は今ものすごく顔が赤くなっていることだろう。
か、通い妻…ってことになるのかな!?
そんなことを考えるとさらに顔が熱くなって爆発しそうだ。
「ほ、ほのか!?いや、た、確かにそうしてくれたら助かるけどそれだとほのかにすごく負担がかからないか?」
「だ、大丈夫!私も一人暮らしだから1人分を作るのも2人分を作るのもそんなに変わらないから!」
「そうなのか…?」
自炊についての知識がない翔人君は私の話を信じてしまう。
まぁあながち嘘でもないんだけどね。
「うん…だから翔人君がよければ私は全然いいよ!」
私がそう告げると翔人君は悩み始めた。
もしかして私に毎日作ってもらうのが嫌なのかな…。
少し不安になった私は翔人君に告げる。
「あっ。べ、別に嫌なら断っても全然いいよ。無理してまで私の料理を毎日食べることないし!」
言ってて少し悲しくなってしまうがしょうがない。
私にとって翔人君にプラスになるようなことをしたいのだから。
「いや、ほのかの料理を毎日食べることが出来るのは、ものすごくうれしいことなんだけどな…もし料理を作ってくれるとなると夜遅い時間に帰るってことだろ?いくら俺が送るとはいえ、ほのかを少しでも危険な目にはあわせたくないんだよ。」
えっ?
もしかして翔人君は私の心配をしてくれてたの?
料理のことじゃなくて?
「あっそうだ!」
私がそう考えていると何かを思いついたのか翔人君が声をあげる。
「どうしたの?」
「俺がほのかの家に食べに行けばいいんだよ!そうすればほのかは危険な目にあうこともないし、俺はほのかの料理を食べることが出来る!…うん、これがいい!」
わ、私の家!?
ま、まぁ翔人君と毎日夜ご飯を食べれるのはうれしいけど…
う~ん…。
「どうだ、ほのか?ほのかの家でいいなら俺はお願いしたいんだけど。」
私はその一言で折れてしまった。
結局、自分の家の中を見られるという恥ずかしさより翔人君と毎日夜ご飯を食べることを選んだのだった。
翔人君が来てくれるなら、私は通われ妻ってことになるのかな?と変なことを考えながら…。
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「ふぅ~。ごちそう様でした。」
「お粗末様でした~」
あの会話の後何事もなくスーパーで買い物をした私たちは、翔人君の家に行き約束通り私が料理を作り2人ともその料理を食べ終わって今に至る。
「やっぱりほのかの料理はうまいなぁ~。これから毎日こんなご飯を食べれると思うと幸せだよ。これだけでも日本に帰ってきたかいがあったってもんだよ~」
「そ、そんなに褒めたって何もでないからね!」
恥ずかしくなってしまった私はついつい言い返してしまう。
素直に受けっ取っておけばいいのに…。
「…そういえば今日の模擬戦ってどうだったの?やっぱり服部先輩は強かった?」
「いや、それがな―――――」
私は演習室であった出来事を翔人君に告げられる。
そして話が進むごとに私の顔は驚愕に変わっていった。
「つまり3巨頭の一人、渡辺先輩に勝っちゃった…ってこと…?」
話を聞き終えた私は翔人君に尋ねる。
いくら翔人君とはいえどあの渡辺先輩に勝っちゃうなんて…。
しかも無傷で。
「あぁ、はっきり言って拍子抜けだった…。3巨頭っていうくらいだからどれだけ強いか期待していただけにちょっとショックを受けたよ…」
「へ、へ~。そうなんだ。」
どうやら本気でショックを受けていたらしい翔人君に対して私は乾いた笑いしか返すことができなかった。
「で、でも達也さんも相当強かったんでしょ?」
落ち込んでしまっている翔人君に対して私は話題を変える。
「そうなんだよ!あいつは相当な手練れだ。あいつとならいい戦いができる気がするよ。」
「そんなに強かったんだ~」
「ああ、とてもじゃないけど2科生とは思えないよ…。やっぱ魔法師に必要なスキルは処理速度、演算規模、干渉強度だけじゃないと俺は思う。魔法師の中にも魔法は得意じゃないけど強いやつらなんてたくさんいるんだ。」
「そんなにたくさんいるものなの?」
私もその3つだけで魔法師としての評価をつけられてしまうことには疑問を覚えるが、それでも翔人君の言ったことはいまいち信じられなかった。
「ああ、そんな奴はたくさんいるぞ?俺のいたUSNAなんてそんな奴らばっかりだったよ。」
「そうなんだ。」
やっぱり翔人君は一高主席なことだけあっていろんなことを知っているな~なんて思いながら私はこの後も話を聞いていた。
その後も翔人君と談笑しているとだいぶ遅い時間になっていた。
「おっといけない、だいぶ話し込んじゃったな。明日も学校だしそろそろ帰るか?」
「そうだね。そろそろお暇しようかな。」
「そうか、じゃあ俺と手をつないでくれ。」
「うん、わかった…って、えっ!?」
な、なんて急にそんなことを!?
もしかしてまだちょっと肌寒いから手をつないで送ってくれるとかかな?
様々な思考を繰り広げる私だったが答えはすぐにわかった。
「最初はちょっと怖いかもしれないけど我慢してくれ…1,2,3!」
「えっ?ちょっと怖いって何!?えっ!?」
そう言われた私は目をぎゅっと瞑った。
そして一瞬ふわっとした感覚のあと目を開けるとそこには見慣れた景色があった。
「えっ?私の家?」
私は何が起こったのかまったくわからなかった。
それもそうだ。
ついさっきまで翔人君の家にいたのに一瞬で私の家にいたのだから…。
ん?一瞬で?
「翔人君、これってもしかして…」
「あぁ、おそらくほのかの思っている通りだ。…
翔人のもつ特殊な目を利用して対象の地点を指定。
そこに自分の位置との空間距離を演算し魔法を発動。
そうすることで移動が可能になる。
「やっぱり!翔人君、空間移動が使えるなんてすごいよ!」
私はつないでいる手のことも忘れて翔人君にそう告げる。
いや、実際にはすごいなんてものじゃないだろう。
これは魔法社会に大きな影響をもたらすかもしれない。
「まぁ頑張って練習したからな。…そこでほのか、お願いなんだがこの魔法のことはなるべく内密に頼みたい。」
「えっ?何で?」
「おそらくこの魔法が十師族なんかに知られたら後あと面倒なことになる。今はまだ面倒事にまで発展させたくないんだ…。」
「う、うん。わかった。でも何でこのことを私に?」
十師族なんて物騒なキーワードが出てきたため少しおびえてしまう私であったが、ふと疑問に思ったことを翔人君に尋ねる。
「まぁそれは今日と…これからのお礼ってことかな。まだ誰にもこの魔法のこと言ってないんだぞ?ほのかが初めてだ。……人を一緒に移動させるのもな。」
私が初めてだと言われ少し照れてしまうが、最後にボソッと言った言葉を私は見逃さなかった。
「翔人君…人を一緒に移動させるの初めてってことは、私もしかして実験台にされたのかな?」
「さ、さぁ何のことかな?それよりそろそろ帰んないと明日も寝坊しちゃうかもしれないから俺は帰るな!おやすみ!あと晩飯サンキューな。」
そう言ったつないでいた手を放し、瞬間空間移動で消える翔人君。
もうっ…。
翔人君は相変わらずだね。
そう考え少し微笑む私。
…でも、人を実験台にした罪は重いよ?
そうして明日の晩御飯は翔人君の嫌いなピーマン料理にでもしようかな、と悪い笑みを浮かべて自分の部屋へと向かうほのかであった。