翌朝、零は少し早く起きて見回りに出掛けた。
特に理由は無かったが、強いてあげるとするなら、何か嫌な予感がした、としか答えようが無い。
・・しかし、特に異常は無かった。
やはり気のせいだ、と零は思い、部屋に戻った。
その後ろで影が不気味に笑っていることにも気付かずに。
そして、旅館を歩いていると、何かを見つめている一夏に出会った。
一夏の前には[引っ張って下さい]と書かれた看板と何かの耳のようなものが生えていた。
「おう、一夏。どうした?」
「何してらっしゃいますの?」
二人に偶然出くわしたセシリアも声を掛けた。
「いや、ちょっとな・・。」
一夏はそう言って耳のような物を引っ張った。
すると次の瞬間、何かが花火のように上空に飛び上がり、その勢いで一夏は尻もちをついた。
「お?」
「ん?」
そして、その何かは三人の前に物凄い速さで地面に激突し、激しい風を巻き起こした。
そのあまりの風圧で三人は身を守った。
落ちて来たのは人参型の機械であった。
その中から笑い声が聞こえ、その後に機械が割れ、中から一人の女性が姿を現した。
「引っ掛かったね、いっくん!ブイブイ!」
その女性は髪がとても長く、前に出会った鈴仙に似ていた。
だが、性格は全然違った。
「お、お久しぶりです、束さん。」
「うんうん、お久だねー!本当に久しいねー!ところでいっくん、箒ちゃんはどこかなー?」
「え、えっと・・。」
「まあ、私が開発したこの箒ちゃん探査機ですぐ見つかるよ。じゃーねーいっくん!また後でねー!」
そう言って女性はどこかへいってしまった。
「・・なあ、一夏。」
「何だ?」
「今の人、知り合い?」
「篠ノ之束。箒の姉さんだ。」
「「えっ!?」」
零とセシリアは驚いたような顔をした。
数分後、セシリア、鈴、一夏、零、ラウラ、シャルロット、箒が千冬の元に召集された。
「よし、専用機持ちは全員揃ったな。」
「ちょっと待って下さい。箒は専用機を持ってないでしょ。」
「そ、それは・・。」
箒が口ごもっていると、代わりに千冬が説明しようとした。
「私から説明しよう。実はだな・・。」
「やーーっほーーー!」
崖の上から束が走り、千冬の元へ飛び込んだ。
千冬はそれを華麗に受け流し、束の顔を押さえた。
「やあやあ、会いたかったよちぃちゃん!さあハグハグしよう!愛を確か・・。」
「うるさいぞ束。」
「相変わらず容赦のないアイアンクローだねー!」
束は次に箒の元へ近寄った。
「ジャジャーン!やあ!」
束は顔をうずくまらせている箒の顔を覗きこんだ。
「どうも・・。」
「久しぶりだねー!こうして会うのは何年ぶりかなー?大きくなったねー、箒ちゃん!特におっぱいが」
束は最後の一言を言った瞬間、箒に思いっきり木刀で殴り飛ばされた。
「殴りますよ!」
「殴ってから言ったー!箒ちゃんひどーい!ねえいっくんひどいよねー!?」
「は、はあ。」
一夏は呆れたように束を見ていた。
それに見かねたように千冬が束に言った。
「おい、束。自己紹介位しろ。」
「うえええー、めんどくさいなあ~。」
束はしぶしぶと言う感じから一転、明るく自己紹介をした。
「私が天才の束さんだよー!終わりー!」
「束って・・。」
「ISの科学者にして、天才科学者の!」
「篠ノ之束・・!」
「さあ、大空をご覧あれ~!」
そう言って束は空を指差した。
そして、風を切る音と共に零達六人の前にひし形の物体が落ちてきた。
「ジャジャーン!これぞ箒ちゃんの専用機こと、紅椿~!」
ひし形の枠組みが消えるのと同時に星のエフェクトが散らばり、赤いISが姿を現した。
「全スペックが現行ISを上回る束さんお手製だよー!なんたって紅椿は天才束さんが作った第四世代型ISなんだよー!」
「第四世代!?」
「各国でやっと第三世代型の試験機が出来た段階ですわよ!?」
「なのにもう・・!」
「もはや何でもアリじゃん!」
各々は驚きを隠せなかった。
「そこがほれ、天才束さんだから~。さあ箒ちゃん、今からフィッティングとパーソナライズを始めようか!」
束は手に持っていたスイッチを押し、ISを乗れるようにした。
「さ、篠ノ之。」
箒は千冬に言われ、箒はISに近寄り、見つめた。
「箒ちゃんのデータは先行していれてあるから~、後は最新データに更新するだけだね~。」
束は物凄い指の早さでコンピューターを操作した。
「凄い・・!」
「信じられない早さだわ・・!」
「はい、フィッティング終了!早いね流石私~!そんじゃ、試運転も兼ねて飛んでみてよ~。箒ちゃんのイメージ通りに動くはずだよ~。」
「ええ。それでは試してみます。」
ISに乗っていた箒が答えた。
そして、箒は目を閉じ、紅椿を飛ばした。
「何これ速い!」
「これが第四世代の加速・・と言うこと?」
箒は凄まじい速さで空を飛んでいた。
「どうどう?箒ちゃんの思った以上に動くでしょー?」
束は箒に通信をした。
『ええ、まあ。』
「じゃあ、刀使って見てよー!右のは雨月で、左が空裂ね!属性のデータおくるよー!」
束はコンピューターを操作してデータを送った。
箒が放った攻撃は雲を切り裂き、穴を開けた。
「良いね良いね~!次はこれ撃ち落としてみてねー!はーいっと!」
カラフルな星のエフェクトとともにミサイルの発射台が設置され、大量のミサイルを撃った。
紅椿は物凄い速さでミサイルから距離を取り、衝撃波でミサイルを全て壊した。
「やるな・・。」
「すげえ・・。」
「う~ん、良いね良いねウフフ~!」
そうやって無邪気に笑う束を千冬は険しい顔で見ていた。
「大変です!」
すると、真耶が一夏達の元に駆け寄って来た。
「織班せんせーい!これを!」
真耶は千冬に携帯のような物を手渡した。
そこには[緊急事態]と表示されていた。
「特命任務レベルA・・。現時刻より対策を始められたし・・。テスト稼働は中止だ!お前達にやって貰いたい事がある。」
全員は基地のような場所に移動し、千冬がミーティングを始めた。
「2時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ、イスラエル共同開発の第三世代のIS、シルバリオゴスペル、通称福音が制御工を離れて暴走、監視空域より離脱したとの連絡があった。情報によれば、無人のISという事だ。」
「無人・・。」
「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから2キロ先の空域を通過する事が分かった。時間にして50分後。学園上層部からの通達により、我々がこの事態に対処する事になった。教員は学園の訓練機を使用して、空域、及び海域の封鎖を行う。よって本作戦の要は、専用機持ちに担当してもらう。」
「は、はい!?」
「つまり暴走したISを我々が止めるということだ。」
ラウラが一夏に分かりやすく説明した。
「マジ!?」
「一々驚かないの。」
一夏を鈴が叱った。
「では作戦会議を始める。意見があるものは挙手をするように。」
「はい。目標ISの詳細なスペックを要求します。」
セシリアが真っ先に手を上げた。
「うむ、だがけっして口外するな。情報が漏洩した場合・・。」
こうして、長きにわたる会議は続いた。
「偵察は行えないのですか?」
「それは無理だな。この機体は今も超音速飛行を続けている。アプローチは一回が限界だ。」
「いや、その追跡は俺が行く。俺のリュウセイなら、音速飛行は可能だ。」
「そうか。なら追跡は柊に任せる。」
「決めるには、一撃必殺の攻撃力を持った機体でないと当たるしかありませんね・・。」
敵の情報を見ていた真耶が口を開いた。
その事に頷いていた一夏が周りを見渡した。他のメンバーは全員一夏の方を見ていた。
「?ええっ!?」
「あんたの零落白夜で落とすのよ。」
こうして、会議は終わった。
今回はここまでです。
アニメ見ながらじゃないと書けないくせ直そうよ俺・・
「こちとら全然話が進まなくて困ってるんだ・・!」
え!?零!?ちょ、ちょっまっ。
「ソニック、卍固め。」
あああー!なんでええっ!
・・次回もまた見てください。
感想お待ちしています。