目が覚めると、零達三人は学校の医務室のベッドで寝ていた。
「・・・う。こ、ここは・・。」
零の前には一夏と他の専用機持ち達がいた。
「あ、気がついたか?」
「い、一夏・・。ここは・・。」
「ここは学校の医務室だ。」
「・・・・。」
「と、とにかく無事で良かったわ。」
すると、ヒカルとショウも目を覚ました。
「こ、ここは?」
「一体・・?」
「ここは学校の医務室です。お二人共、怪我はありませんか?」
真耶が二人に尋ねた。
「あ、ああ。・・っ!」
「くっ・・!」
二人は笑顔で応えようとしたが、身体中に激痛がはしり、肩を押さえながら体を横にした。
「・・・なあ、今、外はどうなってる?」
「外はまだ暗いままよ。それに変な城まで出てくるし・。」
「それに、ルシフェルとかいう奴も出てきたしな。」
「か、怪獣達は・・。」
「何言ってるの、ウルトラマン達が全部倒したわよ。」
「だが、何が起こるかはまだ分からない。」
ラウラの言う通り、依然として空は闇に包まれたままだった。
すると、城から魔神ルシフェルとして蘇ったルシフェルが地上に降り立った。
「来い、ウルトラマンゼノ。今こそ決着だ。」
そして、零を挑発するかのようにルシフェルは街を破壊し始めた。
「くそ、あの野郎・・!」
零は脇腹を抑えながら学校の外へでた。
そして、ゼノブラスターを取り出した。
すると、一夏達も零を追って来た。
零はそれに気付き、一夏達の方に振り向いた。
「・・・!」
一夏達も零のゼノブラスターに気が付いた。
「・・・やっぱり、零だったんだね、ウルトラマンゼノ。」
沈黙の中、シャルロットが口を開いた。
他のメンバーは驚きを隠せないでいた。
「え・・?」
「嘘・・ですわよね?デュノアさん。」
「・・・前に僕達でお昼ご飯を食べた事があったよね?その時にみたんだよ。零が光に包まれて、ゼノになるところを・・・。」
シャルロットはそう言って俯いた。
「零、嘘だと言ってくれ!」
「・・・嘘でもなんでも無い。これは本当の事なんだよ・・。ごめん、皆。今まで隠してて。」
零は強くゼノブラスターを握りしめた。
「・・・何故私達に隠していた?」
「皆を危険な事に巻き込みたくなかった・・・。危ない目にあうのは俺だけで良い、・・・俺だけで良いんだよ!」
「そんな訳あるか!」
ずっと黙っていた一夏が口を開いた。
「だったらなんであんなに笑えたんだよ!なんであんなに綺麗な笑顔が作れたんだよ!それに・・・なんでそんなに涙を流すんだよ!」
一夏に言われ、零は頬に触れた。
触れた手のひらには、涙のような水滴が付いていた。
「俺達は仲間だろ!?何をそんなに一人で抱え込む理由があるんだよ!」
「・・・・。」
零は我慢出来なくなり、ついに涙が溢れだした。
「・・・ごめん・・・皆・・!」
零は涙ぐましに言い、そして涙を拭ってルシフェルの方を向き直した。
「最後に言っとくよ・・。俺は、お前達と会えて本当に良かった。」
そう言って零はゼノブラスターを振り上げた。
「うっ!」
一夏達は突然の光に目を手で覆った。
そして、一夏達の前には、ウルトラマンゼノが立っていた。
「セャッ!」
そして、ゼノはルシフェルを飛び立って行った。
「零ーーーー!」
零は一夏の呼びかけを耳にして、涙を流しながらルシフェルの元へ急いだ。
そして、ゼノはルシフェルの元へ着き、地面を揺らしながら地面に降り立った。
「漸くきたかゼノ。俺はこの時をずっと待っていたぞ・・!」
「ああ、悪いが、さっさと終わらせて貰うぜ。連れがいるんでね。」
「ふん・・。今に貴様のその減らず口をだまらせてやるぞ・・!」
「「はあっ!/セャッ!」」
二人は同時に走りだし、掴みあった。
ゼノはルシフェルを引き剥がし、地面に叩きつけた。
しかし、ルシフェルには対して効いてないようで、立ち上がって首を鳴らしていた。
「なるほど?前よりは楽しめるって訳か。」
「ふん、今のが攻撃か?でほ本当の攻撃を見せてやろう。」
ルシフェルはゼノよりも早く動き、ゼノの体に一撃を入れて上空に吹っ飛ばした。
「ふん!」
ルシフェルはゼノに追い付き、さらに重い一撃をゼノに叩きこんだ。
「ぐあああっ!」
ゼノは凄まじい勢いで地面に叩きつけられ、土煙を上げた。
その頃、作戦本部では一夏達がゼノの様子を見守っていた。
「零・・。」
「まずいな・・。」
「え?」
千冬が口を開いた。
「あいつはあんなタマではない。あいつは相当体力が無いのだ。」
「じゃ、じゃあ柊君は・・!」
「最悪の場合・・・死ぬかもしれん・・。」
その言葉でそこにいた一同が固まった。
「ぐあっ!」
ゼノはルシフェルにおもちゃのようにいたぶられていた。
ゼノのカラータイマーはとっくに鳴っていた。
「どうした、ウルトラマンゼノ?貴様らしくないではないか。」
「ぐっ・・!」
ルシフェルは最後におもいっきりゼノを蹴飛ばした。
「では、そろそろ止めを差すか。」
ルシフェルは手のひらにエネルギーをため始めた。
ゼノはその隙を見て逃げーーーー出そうとしたが、謎の触手とハサミのような物に捕らえられた。
「なっ!?これは・・ガタノゾーアの!?」
「私は生まれ変わったのだよ、邪神ガタノゾーアや、ダークルギエル等の強力な闇の力をな・・!」
そう言って、ルシフェルは高笑いをした。
「さらばだ、我が生涯のライバルよ・・!」
そして、ルシフェルはゼノに石化光線を放った。
その光線はゼノの体を貫いた。
「「「「零!」」」」
「く、くそ・・!」
ゼノは立ち上がろうとしたが、その前に石になってしまった。
「零くーーーん!」
百合はゼノが石になる姿を見ながら叫んだ。
「ふん、他愛もない。今に復活できないようにしてやろうぞ・・!」
ルシフェルがゼノに止めを差そうとするのを、間一髪でギンガとビクトリーが阻止した。
「邪魔が入ったか・・・まあいい。」
ルシフェルはそう言うと、城に戻って行った。
ギンガとビクトリーはすぐに変身が解けた。
「くそっ!何でだよ!なんで・・・!」
一夏は何度も地面を叩いていた。
「一夏、落ち着いて・・。」
シャルロットが一夏をなだめようとしたが、一夏は耳を貸さず、何が変わるわけでもないのに地面を叩き続けた。
モニターには、変わり果てた姿のウルトラマンゼノが映っていた。
「・・・すまん、シャルロット。一人にさせてくれ。」
一夏はそう言い、部屋から出ていった。
「一夏・・。」
「待て。今は放っておけ。辛いのはアイツも同じだ。」
「・・・・・。」
ラウラに言われ、シャルロットは一夏を追うのを止めた。
すると、緊急通信が入った。
「大変です!世界各国に大量の怪獣が発生したとの通信が入りました!」
真耶が慌てた様子で全員に言った。
「今はどうしている!?」
「ISで怪獣達との交戦をしているそうです!」
「うむ。了解した。我々も、怪獣が出ない様に見張りをしておこう。各員は、街に散開し、怪獣を見つけ次第報告せよ。」
「「「「はい!」」」」
千冬の号令でセシリア達は街に飛び立って行った。
一夏は暗い廊下の窓からゼノの石像を見つめていた。
「・・・零。俺、どうしたら良いんだよ・・。何をすべきなんだ?何をしたら良い?俺には・・・全く分からない・・。」
一夏はしゃがみこんで頭を抑えた。
すると、ふと昔の事を思い出した。
自分が檻禁された時には、完全に諦めていた。
すると、千冬が大会を投げ出して自分を助けに来てくれた。
でも、今回は違う。
怪獣と対抗できるウルトラマンが戦えなくなってしまったのだ。
「・・・・何がISだよ。何が世紀の発明だよ・・。何も出来ないじゃないか・・!」
いつの間にか、一夏は涙を流していた。
己の無力さを痛感して涙を流していた。
(「その目はなんだ!?その涙はなんだ!?それで皆を守れるのか!?」)
一夏は零が言いそうな事を思い浮かべた。
「・・・あいつだったら、今の俺を見て言うんだろうな・・。」
「今のところ怪獣はいなさそうね。そっちはどう?」
「こっちも特に変わった所はありませんわ。」
「こちらも特に異常無しだ。」
セシリア達は街の見回りをしていた。
『どうだ?怪獣はいたか?』
「いえ、今のところ出現しておりません。」
「いや、ちょっと待って!空から何か・・!」
鈴が空から何かが無数に飛んでくるのを見つけた。
『お、おい・・・うし・・返事を・・』
たちまち通信は遮断され、ノイズしか聞こえなくなった。
「ど、どうしたの!?」
「どうやらアイツらが電波を遮断しているようだ。」
空から飛んできたのは、ドビシと呼ばれる魔虫であった。
「こいつらを倒さないといけないらしいわね・・!」
鈴達は各々の武器を構えた。
そして、鈴達はドビシの群れと戦いを始めた。
鈴達はドビシ達を沢山倒し、善戦をしていた。
しかし、ドビシ達が危険と感じたのか、ドビシが集合、合体して怪獣、数体のカイザードビシになった。
「キシャアアアッ!」
「えっ!?嘘でしょ!?」
カイザードビシは鈴に光弾を放った。
鈴はそれを素早く避け、砲撃を行ったが、カイザードビシには効かず、反撃を喰らった。
「キャアアアッ!」
そこを、怪我が治り駆け付けたギンガに救われた。
勿論、ビクトリーも一緒だった。
「もしかして、さっきの・・?」
ギンガは頷いた。
そしてギンガは鈴を安全な場所に降ろし、カイザードビシ達と戦い始めた。
「行くぞ、ショウ!」
「ああ!」
「ショウラッ!」
「セヤッ!」
ギンガとビクトリーはカイザードビシ達との戦いを始めた。
「私達もあのウルトラマン達に加勢するわよ!」
「ええ!」
「うむ。」
「ああ!」
「そうこなくちゃね。」
箒、セシリア、シャルロットはビクトリーへ、鈴とラウラはギンガへ加勢しに行った。
「セヤッ!」
ビクトリーが一体のカイザードビシを相手にしていると、もう一体のカイザードビシがビクトリーに攻撃をしようとした。
「!しまった!」
ビクトリーは慌ててカイザードビシを蹴り飛ばし、手でガードをしようとした。
そこをシャルロットとセシリアが銃で撃ち、カイザードビシの光弾は箒が切り裂いた。
「油断大敵だよ!」
「大丈夫か。」
「あ、ああ。すまない。」
「ショウラァッ!」
ギンガはカイザードビシに強烈なジャンプキックを入れ、もう一体のカイザードビシの方に素早く振り返って肘撃ちを浴びせた。
しかし、三体目のカイザードビシの接近に気付けなかった。
そこをラウラがワイヤーで足を止め、そこに鈴が砲撃をした。
「助かった。ありがとな。」
「なんてことはない。」
「さっさと倒しちゃいましょう!」
「おう!」
ギンガは三体目のカイザードビシに手刀をいれ、肩車をして投げ飛ばした。
そして、ギンガとビクトリーは近寄った。
「一気に決めるぞ!」
「おう!」
「ウルトラターーッチ!」
二人はバク中をし、ヒカルのフュージョンブレスとショウのビクトリーランサーを合わせた。
「ギンガーー!」
「ビクトリーー!」
「ギンガビクトリー!」
二人のウルトラマンは合体し、ウルトラマンギンガビクトリーへ変身した。
「二体のウルトラマンが・・・合体した!?」
「いくぞ!ウルトラフュージョンシュート!」
ギンガビクトリーは腕にエネルギーを溜めて発射するウルトラフュージョンシュートを放ち、カイザードビシ達を一掃した。
そして、合体が解け、元の二人に戻った。
変身を解除し、もとのヒカルとショウに戻った。
ドビシ達がいなくなったことで通信は回復したが、まだ空は闇に包まれたままだった。
そして、ショウ、ヒカルと鈴達は本部に戻った。
「皆、よくやった。」
「いえ、あのウルトラマン達がいなければ・・。」
「いや、そうでもないぜ。」
「お前達もよく頑張っていた。」
「そう言えば、まだあなた達の名前を聞いていなかった。なんと言う名だ?」
「俺は礼堂ヒカル。そしてさっきのウルトラマンの一人、ウルトラマンギンガだ。」
ヒカルはギンガスパークを取り出して見せた。
「俺の名はショウ。ウルトラマンビクトリーだ。」
ショウもヒカルに習い、ビクトリーランサーを取り出した。
「しかし、味方が増えても、まだ世界は暗闇に包まれたままだ。」
「しかも、ルシフェルは前よりも更に力を付けて来ている。油断は出来ない。」
「そう言えば、あなた達はどうやってここに来た?」
千冬は二人に尋ねた。
「ルシフェルの尖兵である怪獣達がここに向かって来ていたんだ。それを、俺達は迎え打っていたんだが、ゼノがやられたから、俺達は急いでここに来たんだ。」
「奴は次元を越えて活動ができる。無論俺達の次元にも現れ、奴を追っていたらここに来たんだ。」
「そう言う事か・・。」
「そのルシフェルは倒した事があるのですか?」
セシリアが二人に質問をした。
「前に一度、化け物となったルシフェルをゼノとなった零が倒したが、奴は完全に死んでいなかった。」
「そして、復活してあのような姿になったのですか?」
「ああ。さっきも言ったが、奴は前よりも力を付け、色々な怪獣や宇宙人を取り込んだ。」
「それに、普通のゼノで倒した訳じゃない。覚醒したゼノで漸く倒せた。今のゼノでは到底倒せない。それがあの結果だ。」
ショウはゼノの石像を顎で示した。
「そうだったのか・・。」
「ま、まあ、アイツさえ復活させればなんとかなる!それまで頑張ろうぜ!」
ヒカルが皆に呼びかけ、皆も元気を取り戻した。
すると、一人になっていた一夏も戻ってきた。
「皆、すまん、待たせて。・・この人達は?」
千冬は一夏に今の状況を説明した。
「そう言う事か・・。」
「一応全員揃ったな。ではこれより作戦会議を始める!」
千冬の号令により、一夏達とヒカル、ショウはその場に座りこんだ。
作戦会議は数時間にも及んだ。
「・・・では、作戦会議は以上だ。各員は明日に備えて準備をしておけ。」
一夏達は地球を守るため、そして零を救うため、明日に備えて準備を始めた。
「・・・・・。」
一夏はゼノの石像を窓から見ていた。
すると、ヒカルが一夏の元に近寄った。
そして、一夏の肩に手を置いた。
「どうしたんだよ。」
「あ、ヒカルさん。」
「アイツの事が心配なのか?」
ヒカルはゼノの石像を示した。
「大丈夫さ。アイツなら心配無いぜ。」
「でも・・・俺はどうにも零が心配で・・。もしも死んでしまったらどうしようって・・。」
一夏は顔を俯かせた。
「・・お前は優しいんだな。」
「え?」
「俺も、沢山旅をして、いろんな人々に出会ってきたけど、お前位優しい奴ははじめて見たよ。これは、俺が出会った人の言葉の受け売りなんだけどさ、[何故戦うのか、自分は何者なのか、誰かにその答えを教えて欲しい。でも最後は、自分で出さなきゃいけない答えもある。人として出来ること、それは、自分自身で決める事なんだ]って。俺も、まだその答えは分からないし、零もまだ分かっていない。でも、最初から諦めるより、出来る事を精一杯やるしかないって俺は思うぜ。お前も、自分が出来る事、いや、自分だからこそ出来る事をやってみな。きっとそこに、答えはある。」
そう言ってヒカルは一夏の元を離れた。
「俺だからこそ出来る事・・!」
一夏は後ろを振り向いたが、ヒカルはもういなかった。
しかし、一夏は何かを確信したように澄んだ目をした。
結構長くなりました。
でも次回は今回より長くなるかもです。
※次回を読む前に、[幻想の郷の光の戦士]の最新話を読んでから来て下さい。
でないと、何が何やらわからなくなってしまうので。