プロローグ
「私のせかいへようこそ」
突然のことだった
意識を取り戻した俺は目にしたのはどこかわからない広間におり、その広間にはかなりの中世的な防具や質量兵器に推定されるだろう武器を携えている人々が多く此処に密集していた。
といっても俺もそれと同じ服をしているのだが…
俺は何故こうなってしまったか頭の記憶を呼び起こして整理する。
まず俺はカイル・デュナミス…今年で年齢15歳の第一管理世界ミッドチルダのミッド北東部出身、そして桜月流剣術正当後継者にしてデュナミス家の三男…兄と姉が二人ずつに同い年の妹が一人…そして弟妹四人の計12人家族…
デュナミス家は旧暦から存在する家系で旧暦では没落貴族だったみたいだけどじいちゃんがデュナミス家を建て直して、父さんの代でデュナミス家の地盤を築いた。
よし、自分の素性についてはちゃんと言えてるし次は意識を失う前のことを思いだそう。
確か俺の所属の管理局の仕事で犯罪者拠点に強襲して…そうそう罠にはまって意識を失ったんだ…となると捕まったはずだけど…
「私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ」
広間の中央の空に浮かぶ赤ローブの物体は茅場晶彦となのり周囲を動揺を誘った。
「晶彦…さん…!?」
他の人たち同様俺も戸惑う。
だが、周囲とは違い俺…というよりデュナミス家は晶彦さんとは知人であったために彼がいっていることに違和感を覚える。
何故、あの晶彦さんが自分の世界と言ったのかそれはまるでこの世界は自分の支配下にあると言わんばかりの象徴だ。
俺が知る晶彦さんは異世界というものに憧れて、自分もそういう世界をゲームで作りたいと願う人だった。
そんな自分の知るあの人といまあの人の名を語るあの人と比較していると話も進んでいく。
「プレイヤー諸君は、既にメインメニューからログアウトボタンが無いことに気づいてると思う。それは、不具合ではなくソードアート・オンライン本来の仕様である」
ソードアート・オンライン…確かそんな名前だったな晶彦さんが地球で作っていたVRMMOのタイトルはその上ロクアウトができないねってことは俺達は籠の中の鳥というわけか
「また、外部の人間によってナ―ヴギアの停止、解除を試みられた場合、ナ―ヴギアが諸君の脳を破壊する」
脳を破壊する…つまり殺すというわけか…
だが、ナーヴギアの構造上確かに出来るが不可能だ…あれには強力なセーフティーがあるからリミッターがついている…ナーヴギアの開発を手助けをしていた妹のユミカが言っていたんだ間違いない。
「正確には10分間の外部電源切断、2時間のネットワーク回路切断、ナ―ヴギア本体のロック解除、または分解、破壊のいずれかによって脳破壊シークエンスが実行される。現時点で、警告を無視しナ―ヴギアの強制除装を試み、すでに、213名のプレイヤーがアインクラッドおよび現実世界から永久退場している」
213人が犠牲に…このテロが本気だとするデマか…本当は死んではいないが意識を失い植物状態になっているか…
「今、ありとあらゆる情報メディアによってこの状況は報道されている。ナ―ヴギアを装着したまま、2時間の回路切断猶予時間のうちに病院、施設に搬送される。現実の肉体は、厳重な介護体制のもとにおかれる。諸君には、安心してゲーム攻略に励んでほしい」
こんな状態で平常にできるはずがないだろう。
「さらに、ソードアート・オンラインはもうただのゲームではない。もう一つの現実だ。今後、ありとあらゆる蘇生手段は機能しない。HPがゼロになった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し、ナ―ヴギアによって脳を破壊される」
晶彦さんがゲームでもうひとつの世界を作ろうとしていた…だがこんな狂ったものじゃなかった
「このゲームから解放される条件はただ一つ。アインクラッドの最上部、第100層に辿り着き最終ボスを倒すことだ。そうすれば、生き残ったプレイヤーは全員は安全にログアウトされることを保証しよう」
すると文句をいっていた回りのプレイヤーが黙り出した。
恐らく途方にくれているのだろう一体何日…いや年月がかかると思っているかと
それに晶彦さんならこの約束は守るだろうが…偽物と思われる奴だ…当然口約束でしかない…守るともかぎらない。
「最後に諸君にこれが現実である証拠を見せよう。アイテムストレージに私からのプレゼントがある。確認してくれたまえ」
そういわれると周りが右手をスライドしていくので真似てスライドすると空中にメニューが表示される…此処はなんか空中ウインドウに似てるな。
そう思いながらアイテムストレージを開けると中には手鏡が入っており出して俺の顔を写すとそこには現実の俺の顔であった…
確かユミカの話だとナーヴギアの信号とキャリブレーションによって完全再現できるんだっけ
すると突然プレイヤーたちが光に包まれて俺も光のあまり目を腕で遮って収まって周囲を見渡すと先程とは顔も体格も性別さえ違う人達がいた、全員現実の姿に変えさせられたのだろう。
回りは現実の姿になったことで戸惑いの声がどこからも聞こえてくる。
「おいあんた」
すると俺に声をかけてきたのか男性の声に振り向くと体格が大きい地球の黒人の男性が元の姿に戻されたことに戸惑いながらも俺に訪ねてきた。
「あんた何で姿が変わってねえんだ?」
男性は変化前の俺の姿が目にうつっていたのであろう全員姿が変わった中、俺だけが変わっていなかったことに疑問を覚えたらしい。
「元々、これが現実の顔だ…あんたと同じで手鏡を見たしな…」
恐らく手鏡を見た瞬間現実の姿になるように細工していたのだろう。
「諸君は、今なぜこのようなことをしたのか、と思っているだろう。大規模なテロでも身代金目的でもない。私の目的はすでに達成してる。この状況こそが目的だ、だがまだ私の最終目標の過程にすぎない…以上でソードアート・オンライン正式チュートリアルを終了する」
すべてを話終わると赤いローブの奴は姿を消した。
しばらくの静寂の後、広場は絶叫のに包まれた。
どなり、わめき、悲鳴と様々だ。
正直俺も此処にはいたくはなかったために広間から出るために立ち止まっている人達を掻い潜って通路に走る。
掻い潜る中途中にはまだ幼い泣きじゃくる小学生までいた。
良心が痛む、こういうとき先頭だって落ち着かせなければならないというのに…
そして路地裏に辿り着いた俺は思いっきり壁に手を叩きつける。
痛い…壁に叩きつけて痛いわけではない、心が痛いのだ…
俺一人じゃできることができる未熟さに頭に来る。
それと同時に頭に来ることもある。
それはあの支配者と名乗る奴だ。
あれは間違いなく晶彦さんじゃない…つまり晶彦さんの夢を踏みにじった。
それだけじゃない…ユミカもこの開発にかなり力を尽くしていた。
喜んでくれるか楽しみと期待していた…俺もそうあってほしいと思っていた。
けどそれさえも奴は踏みにじったこの事を知ってユミカ…泣いてるだろうな…
デュナミス家家訓…家族を苦しめた奴は容赦なく完膚なきまでに叩き潰せ
妹が泣いてるかもしれないんだ、七割の動機はそれだ、一割五分は晶彦さん、一割が同じくとらわれた人たちのために、残りの五分は管理局いんとしての義務
「ぶったおす」
滲み出る怒号を瞳に燃やしながら俺は夕暮れの空を見上げた。
いま見てるかもしれない支配者に睨み付けるように