「そんな、カイルが…」
授業が終わり放課後に直ぐにふたりを連れて私は家の帰路につく。
家まではステラさんが運転するリムジンで送り迎えしてもらっているために待っていたステラさんの車に私達は乗り込むとその車の中で粗方のカイルの現状を話した。
「カイルは無事なのよね」
リアラがそう私にカイルの心配を訪ねると私は今のカイルのことを話す。
『うん、こっちでもカイルの状況はモニタリング出来ているから、今のところ』
「そっか、よかった…」
説明を聞いて安心するリアラ…やっぱり親友だから心配するのが当たり前だもんね。
『家ならカイルとの通信もできるから、話したいことあるなら話せるよ…っと、そろそろ来るはず…あっ来た!』
「ミコト姫のお通りだ!」
リムジンの外で学園の男性生徒がそう叫んでいると突如帰る生徒が足を止めて左右に分かれると、リムジンと学園の間の道が人一人も居なくなり、その間を私の知っている子がみんなからの視線から顔を真っ赤にして歩いてくる。
その顔を真っ赤にしているのがミコト・デュナミス、この学院に通う初等科2年、デュナミス家の末っ子、髪色はお母さん譲りの黒髪が腰まで伸び、容姿もさながら地球の日本でいう大和撫子のようだ。
「キャー!!ミコトちゃんこっち向いて~」
「ミコトちゃん!おれだ!結婚してくれ!!」
「おい!いま誰だ!我らのミコトちゃんに求婚した、不届き者は!」
「こいつです!」
「HA・NA・SE!」
「よし!ちょっとそいつを体育館裏まで連れていて、ミコトちゃんに求婚した罪を懺悔させなければならない」
「イエス!マイロード!」
「嫌だ!死にたくない!死にたくなーい!」
まあこの通りミコトはこの学院では学院に愛される妹みたいな女神祭り上げられているわけ、今じゃ非公開ファンクラブや、非公開親衛隊、非公開ミコト様愛したい党なんかも作られているぐらい。
まあミコトはこの学院に来たのはカイルがいたからでもあった。
ミコトはカイルに対してブラコンでよく甘えている、家から遠い、ここに来たのもカイルが居るからというのがそもそもの理由だ。
カイルはミコトが入学する前、デュナミス家であるから多少は目立つと思うけど、頑張れと激励したのだが、もうこの人集りはミコトがデュナミス家の人間だからとかそう言うのではない…単純に可愛いからこうなっているのだ。
だがミコトはそれに気付かず、これはデュナミス家であるから見られているのだと未だにそう思っている。私もカイルも流石にと違うと教えようと思ったけど…ミコトが
(「こ、これもデュナミス家に生まれた、ミコトの試練です…カイルお兄様もユミナお姉様も通った試練、ミコトも乗り越えなければなりません!ですから大勢から注目されてもミコトは頑張ります!」)
と完全に見られている意味を履き違え、今もなお私もカイルもその事実は言えてはいない。
それと流石にカイルもここまで凄いことになるとは予想していなかったようで、何度か帰る人たちの邪魔になるという大義名分を掲げて鎮圧をしていた。
だがそのカイルはSAOに囚われ抑止力がなくなったミコトちゃんの愛狂者達は規模を拡大するかと見られたけど、それはある人が来てくれたことで今も未然に防いでいる…
『さてと…そろそろ…』
と思っていると学園の方から土煙が見えてきて私は今の彼らの抑止力が来たのだと察した。
「あなたたち!!!!!いつもいつも!帰る人たちの邪魔になると、何度も言ったはずですよぉぉぉぉぉっ!」
「や、やばい!シスターシャーハーだ!」
「に、にげろぉぉぉぉ!!」
「捕まればまた矯正されるぞ!!
」
シスターシャーハーの登場で集まっていたミコトの愛狂者達は散り散りに逃げ出し始める。
「まちなさぁぁぁぁぁぁぁい!!今すぐそこに正座して、己の罪を…懺悔しなさぁぁぁぁぁぁい!!!!」
鬼のような表情のシスターシャーハーは逃げていくミコトの愛狂者達を凄い早さで追いかけていく。今日もいつもの鬼ごっこが始まったわけだ。
「お疲れ様です、ミコト様」
「はぅぅ…恥ずかしかったです…それにしても皆さん…また鬼ごっこをしているんでしょうか…」
…流石、天然…この事態がミコトにも起因があることに全く気付いていない。
そんなことを、私は心の中で苦笑いしているとミコトもリムジンの中に入り、乗る人は全員乗ったのでステラも運転席に乗ってすわるとリムジンは私の家に向かって走りだした。