「お前忍者やめろよ。」
登校一番のクラスメイトからの言葉がこれである。はて、全く理解出来ないぞ。
「俺は君に嫌われるような事をしただろうか。」
そのまま訪ねてみる。普通嫌われていると思っている相手に自分嫌い?と聞くのはKYが過ぎるだろうが、本当に心当たりが無いのだ。
しかも相手はあのキバ君だ。犬塚キバ君。シノくんと同じ班になるはずの人物である。愛犬家の家庭で生まれた生粋の愛犬家。愛犬家のサラブレッドといってもいい。
そんな彼に最後に接触したのは何時の事だったか……たしかあの犬……犬……犬丸?だったか?をキバ君の頭の上に乗せていたのを見てふとした疑問を抱いて聞いたのだったか。「犬丸は先程小便をしていたがそのまま頭に乗せて平気なのか?」
「あ?ああ、犬の小便は人間からは無臭なんだ。それにこうしておけばマーキングにもなってもし敵が俺に変化して襲ってきても、“犬丸“が教えてくれるんだぜ!」
この会話の後、同じ教室にいたクラスメイト全員が数ヶ月程キバ君から距離を置いた。女子なんかは絶対に近寄らないように机からキバ君の私物、果てには紙までもを避けるようになった。
……もしかしてこれか?
そんなに女子に避けられるのが堪えたのか?確かにあの連携は心を抉るものがあったが……。
そういえばその辺りからだな、キバ君が授業サボったりするようになったの。最初の頃は向上心の塊のような腕白坊主だったが、今ではナルト、シカマル、チョウジに続いての問題児だ。反抗期だと思ってたわ。……なんだ、俺のせいじゃないか。納得した。つまりその仕返しだな!良いぞ!受けて立とうではないか!!
「ふふふ、良いだろう!その挑戦を受けようではないか!!」
「ここにいるメンバー全員一致の結論だ。お前忍者向いてねえよ。」
「hun……。」
良く見るとキバ君の後ろにはクラス全員が並んで俺を見ていた。良く見なくても明らかじゃないか。なんで気付かなかったし俺。いやだって野次馬だと思ったんだよ。
しかし全員一致か……ッハ!成る程分かったぞ!つまり!!
「嫉妬しているのだな!フフフまあそれも天才の業というものだろう……甘んじて受けよう。しかし!簡単に俺を忍者の高みから引きずり落とせると思うなよ!なんといっても俺は強いのだからな!!ハッハッハッ!」
「…………。」
「おいシカマル、てめえ何輪から出ようとしてんだ。」
「めんどくせえ。」
「どうせ何言ってもアラタは聞かないって。だからもうやめようよ。忍者になるかならないかなんて本人の勝手だし。」
「さあどうしたキバ君。来たまえ。なんなら全員でかかってきてもいいんだぞ?俺が忍者としての才能に満ち満ちているということを分かって貰おうじゃないか。」
「本人がこれだしさ。」
「キャウン」
「赤丸……。ああっ!そうだよな!!俺はアラタをやめさせる!赤丸のためにもアラタのためにも!!悪いなチョウジ!俺はアイツをやめさせるぜ!!」
「フッ!漸く来る気になったか!よし!こおい!!」
「うおりゃああああっっっ」
ッハ!殺気っ!!
俺はその場から華麗にバックステッポ!
目の前を巻物が通り過ぎていくのを無駄に良い視界で見過ごす。ふむ、中々良い攻撃だな。巻物が俺に中たろう時には紐がほどけてしまう絶妙さ。いてっ!という声を出したキバ君から意識を外し、巻物を投げた者へと目を向ける。
「イルカ先生、体罰はこどもに良い影響を与えませんよ。」
「授業だ席につけ。キバ、お前はアラタに肩を貸してやれ。」
「だからお前忍者向いてないって言ってるだろ。」
そう言いながらキバ君が俺の腕を掴み肩を貸してくれる。ふむ、これがツンデレというものなのだな。若干青ざめた顔が視界が上がる事で更に白くなる。肩を貸してくれてありがとうもういいよおろして安静にさせてくれ。
「おい、椅子に座れよ。」
「あぁ……、ありがとうキバ君……。」
机は布団のように包んではくれないが、そこにあるという安定感があるな。差し詰め布団は恋人で机は友人といったところか。よし、
「これからこの机の名前はキバ君にしよう。」
「やめろ。」
今日の一限目はうつ伏せで聞くことになった。後でキバ君に写させて貰おう。
思ったように筆がのりませんでした……無理矢理感がハンパない。
これが負け組ということ。
いつか書き直せたらいいよねって。