なんちゃってシリアルです。
今日は待ちに待った家庭訪問の日!いや~嬉しいな~まいっちゃうな~!フハハ!!
カカシやイタチ同様に俺もこの年で暗部入りの決定的瞬間ですよ!!マジで!!あの時のイルカ先生の目はマジだったもん。アラタ……お前を暗部に推薦しといたから気を引き締めていけよ。って目だったもん!!
やっべードキドキするついに、ついにかー。俺ってば暗部で活躍しすぎて゛木の葉の陽炎゛とか゛木の葉の烈火゛とか言われちゃうのかな!!やっべー格好良すぎる!!
まだかなまだかなとソワソワする中、両親は固まってこちらをチラチラ見ながら話し込んでいる。やっぱり自分達の子どもが暗部入りするのが不安なのだろうか。まあまだ俺も幼いしな(ドヤァ)!でも大丈夫だぜ、あなた達の息子は立派に忍務を果たす素晴らしい忍者になってやりますよ安心してください!!
そう思っていると、ピンポーン、とチャイムが鳴った。ついに……ついに来たのだ!!
内定よっしゃああああっっ!!!!
「はーい!!」
元気良くドアを開けると、其処には見慣れたイルカ先生が立っていた。アカデミーじゃないだけでなんとなく新鮮な感じがする。
「父さん、母さんー!先生来たよー!!」
「え、ええ、こんにちはイルカさん。お久しぶりです。」
「はい、お久しぶりですネンリンさん。……今日は、息子さんの事で少しお話があってきました。」
「どうぞ、お上がりください。主人もおりますので。」
スッ、スッと先を行く母さんの後ろを歩き、イルカ先生をなんとなしに眺める。どうやらイルカ先生と母さんは知り合いらしい。初めて知った。そういえば母さん中忍だもんな、中忍同士で接触があっても何もおかしい事ないか。父さん安心して大丈夫だと思うよ。多分。俺もあんまり考えたくないので考えを中断させた。
「こちらの椅子におかけください。アラタ。」
「ん、なに?」
「アナタはお部屋に戻っていなさい。」
「え。俺の話しなんでしょ。俺いるよ。」
「アラタ、母さんの言う事を聞きなさい。お前は部屋に戻っていろ。」
2人から言われて不承不承に引き下がる。流石に2人に言われてしまったらどうしようもなかった。
「……じゃあ、話し終わったら呼んでくれよ」
「わかったわ、必ず呼ぶから安心なさい。」
「ん。」
パタパタと二階にある自室に戻る。ああー、決定的瞬間見たかったのにうがあああ
「……それで。」
「…………単刀直入に言います。アラタは忍びに成るべきではありません。」
暗い顔を更に落とし込む。表情には、やりきれなさがついていた。
「自分達の息子が、忍びになれないのは、あなた達にとってやはりお辛いとは思いますが、アラタには身体的欠点が余りにも極端です。どうか納得していただけませんか。」
「……違うんです。私達にとって、アラタが忍びになれない事はどうでもいい事なんです。ただ、」
「……あの子の事を思うと、辛いのです。アイツはあんなにも忍びに成りたがっている。毎日のように今日あった事、知った事、覚えた事、いろんな事を私達に話してくれます。アラタはいつも楽しそうで、確かに少し身体は弱いかもしれませんが、それ以上に、アイツは努力をしています。」
悲痛な訴えだった。イルカはこの時、如何に忍者であろうと親は親なのだ、子どもを想う心は皆同じなのだと気づいた。自分の両親も、きっとそうだった。九尾め……。
思考が黒く澱んでいく。目の前に夫妻が居る為その心はひた隠しにするが、はたして今の自分は先程と同じだろうか。
「イルカ先生……。アラタには最後までアカデミーを通わせては頂けませんか。」
「お願い致します。」
「お願いします。」
深く頭を下げる夫妻に、イルカは眉尻を下げた。
決してこの結果を想像しなかった訳ではない。しかし忍びとしても教師としても若輩者であるイルカには荷の重い思いだった。
なので彼は一考を投じた。
「……特別クラス、というものをご存知でしょうか。」
「いえ……聞いた事もありませんが」
「これまではそういった特別な事情の子達が居なかったため、閉鎖されていましたが、どうしてもと仰るようでしたらアラタ君をこちらに移す他ないと思います。」
「そんな……」
「イルカ先生……あなたはウチの息子をみんなと一緒にとお考えにならないのですか……!」
夫妻が敵意を宿した目で見る中、イルカは只管頭を回転させていた。どうしたらこの夫妻に分かって貰えるだろうか。
イルカとてアラタが可愛くない訳ではない。しかし日増しに嘔吐してしまうアラタを見て心配になった結果が忍者を諦めさせるという事だった。
イルカは自らの気持ちを更に固めて考えを述べる。
アラタを心配している事を。アラタの身体の不調は激しい運動や環境によるものだという事を。その影響でクラスに良くない亀裂が走ってしまい直接的ではないがアラタがイジメを受けていることまでもを正直に話した。
「イジメなんて、あなたの怠慢ではないですか。何故そうなるまで放っていたのですか。」
「勿論、対策は講じました。しかしいついきなり吐いてしまうアラタ君にみんなは寄り付かなく……そうでない子も居ますが、直に対象不能なまでに子どもたにの不満は爆発するとアカデミーの教員全員一致の見解です。」
沈痛な面持ちは互いの心を代弁するようであり、通夜のような空気が体を満たした。
「……そんなに、隔絶しなければ成らないほど、アラタは酷いのでしょうか。」
「少なくとも、忍者として働くには不可能でしょう。アラタ君は日常、どうすごされているのですか?アカデミーでは毎日3回は嘔吐していますが」
「至って普通です。のんびりとしていて、ごはんも良く食べて元気にお友達の話しをしてくれる子です。」
嘘を言っているようには見えない。寧ろどうだこんなに元気なんだぞと棘でイルカを刺し殺さんばかりの勢いで本心を語っていた。
…………といった事を俺は2階の自室で聞いていた。
耳をそばだてなくても聞こえてしまうこの俺の身体能力。勿論聴力も最強である。今の俺の心を誰が判ってくれるというのか。
まるで 予 想 外 DESU!!!!
なんで俺の事辞めさせようとしてるの?俺凄い意欲的だったよね?ハッまさかこれか!?強すぎる俺が忍びになろうとしていて危険視されているのか!!?
と、今までの俺だったら気付いていただろうが、生憎今の俺は悲壮感でマイナス思考ぶっちぎっている。
マジか俺のゲロがそんなに現状を最悪にしていたのか……。どうしよう。
どうしようという重いだけが空回り、何も名案が浮かばない。体は最強でも頭は最強じゃないんだってばよぉ……。シカマルの頭脳が今ほど欲しいと思ったことは無い。
俺の頭にあるのは「暗部昇格してエリートコース一直線だと思ってたらまさかの忍者落第宣言で落ちこぼれコース真っ逆様」というどうしようもない事実のみ。
一体どうしたらいいというのか。検討もつかない。
とにかくヤバいという事だけが事実として存在した。
気付けば俺は部屋の扉の前にいた。
「……まだ話は終わっていない。アラタ、部屋に戻りなさい。」
「父さん……母さん……俺忍者になれないの?」
扉の中でカタッと音がする。
カチャリと母さんが扉を開けてくれた。
「聞こえていたのか。」
「うん……。」
「アラタ……。」
母さんがぎゅうと抱きしめてくれる。柔らかいおっ○いが素晴らしい角度で当たるが流石に気にしていられなかった。
「母さん……。俺これから吐かないように頑張るし、勉強も今までより努力する。そしたら、俺、みんなみたいに忍者になるから。頑張るからさ、」
辞めろなんて言わないでよ。
ふいに涙が零れた。だって俺がこの世界に来て、やろうと願った事は忍者になる事なのだ。
色んなキャラクター達が様々な想いで戦い続ける忍者なのだ。俺も成りたかったのだ。その為に何年も生きたのだ。
俺の中に忍者以外の選択肢は無かった。
「イルカ先生、考える時間をください。私達はアラタと一緒に考えて答えを出します。」
「…………分かりました。職員一同、待っております。これ、アラタ君の成績表と、授業参観のお知らせです。是非ご参考までに。」
「……はい。ネンリン。」
「イルカ先生、今日はありがとう御座いました。」
その後成績表を見て無言の圧力があったのは言うまでもないか?
イルカ先生じゃない誰ですかこれ……。
もうこれイルカ先生× オリキャラ○ にした方がいいかもしれない。
泣いた。全私が能力の無さに泣いた。
さてこれからどうしよう。暗部入りが遠いぜ……。
因みにネンリンさんは中忍でお父さんが上忍設定です。