ゲート チート自衛官 彼の地にて理不尽に戦えり 作:メガネ二曹
メガネです。
遅れてすみませんでした。
暁が到着してから2日後。
午前8時30分。
「隊長。点呼完了。集合完了しました。」
「ん、ああ、ありがとうおやっさん。」
桑原陸曹長の報告を受けて、伊丹は軽く敬礼をする。
「んじゃ、いこうか!」
伊丹に続き、列を組み、第三偵察隊のメンバーは武器庫に入る。
小銃と拳銃、銃剣を取りだし、マガジン(弾倉)を受け取り、
勝本や古田は、追加でパンツァーファウスト(対戦車弾)とミニミ軽機関銃を取りだして、
列を作って武器庫から出る。
舎前で小銃の消炎制退器を閉め直し、
部品の脱落防止の為に黒いビニールテープを要所に巻き付ける。
最後に銃床にビニールテープを八の字型に巻き付ける。
そして地面に座り、配布された弾をマガジンに詰めていく。
一人が持つマガジンは基本6本。
一本につき20発入るので、合計120発も入れる。
小銃のマガジンに7.62mm弾を入れ終わると、9mm拳銃に弾を込める。
古田陸士長はミニミの箱弾倉に、金属製ベルトリンクで繋がれた
5.56mm弾を、丁寧に詰めていく。
「終わったかー」
伊丹の緊張感の欠片も無い声が響くと、偵察隊メンバーは立ち上がり、
銃剣、9mm拳銃をレッグホルスターに入れ、小銃を持つ。
「乗車ー!」
桑原陸曹長のかけ声で、暁、倉田、伊丹、黒川が高機動車へ乗り込む。
倉田がキーをひねり、エンジンがかかる。
「よーし、乗ったか?」
伊丹が後ろの73式トラックと軽装甲機動車(ライトアーマー)の方を見ると、
73式トラックの窓から、富田がokサインを出す。
ライトアーマーは、上部ハッチから笹川が12.7mm重機関銃の軽い点検をしていた。
それが終わったのを見計らい、伊丹は無線機のマイクのプレストークスイッチを押して、
「前へ!」
と声をかける。
倉田がアクセルを少し踏み、高機動車が動き出す。
その後ろに、73式トラック、ライトアーマーが続く。
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「ねえ伊丹隊長、」
「なんだ暁、」
アルヌスを出て10分。穏やかな自然を横切る高機動車の中で、暁が呟いた。
「隊長、俺ら今日何処でなにするんすか?」
「ああ、少し奥まで行くつもりだよ。」
「奥?」
「ああ、お前知らないんだっけ。俺ら、お前が来るまでに、この辺りの村や集落には行ったんだけど、それ以上行ってないんだ。だから、今回はその一つ奥の集落に行ってみようと思ってるよ。」
「了解です。」
―――――――――――――――――――――
伊丹率いる三偵は、コダ村、という村に着く。
「ちょっと待ってろ。」
伊丹はそう言うと、年配の男性の所へ行って、
「えっと···さ、サヴァール、ハル、ウグルー?」(こんにちは。ご機嫌いかが?)
と話かけ、男性と話始めた。
「何て言ってるんです?」
「出発前に赤本を渡しただろ。気になるなら自分で調べてみろ。」
暁は桑原陸曹長に言われ、赤い表紙の本を取りだし、ページを捲り、会話を聞いて翻訳を試みる。
が、勿論ゆっくりとは言え、会話を聞きながらページを捲り、単語を一つずつ探すと言うのは時間がかかり、無理があった。
無理を悟った暁は、そっと本を閉じ、村の外の高機動車の座席に放り投げ、車内で待機することにした。
しばらくすると、無線機から伊丹の声が聞こえたので、プレストークスイッチを押して応答する。
『あ、暁か?』
「はい。どうしたんすか?」
『出発するって運転手組に言っといて。もうすぐ戻る。』
「了解了解。」
『んじゃ。』ザッ
「暁さん、行くって?」
「あ、聞いてたの?」
倉田はキーをひねり、エンジンをかける。
その間、暁は、他の車両に無線で連絡して、座席に座り、鉄帽を取った。
「そういや次どこいくんでしょーね?」
倉田が運転席から話かけてくる。
「うーん、まあ近くの行って無い集落辺りじゃない?出発前に言ってたし。」
「今度は普通の人以外がいるといいなー」
倉田がぼやいた。
「倉田って人外が好きなのか?」
「そうっすね···特にけもみみ娘とかですかね!!」
倉田は若干興奮気味に言った。
「あれ、暁さんはそう言う好みってあります?」
「え、俺ー?それ俺に聞いちゃうの?」
「興味ないんすか~?せっかくの異世界ですよ―?夢は持たないと!」
「まあそりゃあな?」
暁は苦笑して言う。
「もうあっちで見たしな···妖怪だけど····」
「ん?何か言いました?」
「なーんでもねーよ」バシッ
暁はそういって、軽く倉田の鉄帽を叩く。
「なんだよ~好み位良いじゃないですか~」
「俺にオタク趣味はねーよ」
なんていう話をしていたら、伊丹達が到着したので、
出発することにした。
――――――――――――――――――――――
「は~、良い景色だねえ」
「このくらい、北海道にだってありますよ。もっとこう、妖精とか飛んでるのを想像してたんすけどねぇ」
「まあそんなに甘くはねえだろ。倉田、ここだけの話、次の集落、人じゃない種族が居る可能性大だ!」
「マジっすか!?やったぁ~!」
運転中でなければガッツポーズしそうな勢いだ。
「おっ、倉田、その小川を渡ったら左に行ってくれ。」
「了解です。」
「暁、他の車両にも一応言っといてくれ。」
「了解。」
桑原曹長に言われ、無線で他の車両に左折することを伝える。
「おっ、あの森だな?」
目的地と思われる森が見え、伊丹は助手席で双眼鏡を覗きこむ。
「隊長、意見具申します。森の前で夜営しましょう。」
「そうだね。暁、悪いけど連絡しといてくれる?」
「はいはい。」
そして森を目指してゆっくりと、オリーブドラブ色に塗装された三両の車両が
走っていった。しかし、森から煙が立っていたことに、まだ誰も気づかなかった。
ふう。
難しいですね。
次回は遅れないよう頑張ります。