生命戦維が宇宙へ行きたいなんて思っていると誰が決めた?!   作:柿Pカレー

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第4話

「で?あれは一体何なのよ?知らないとは言わせないわよ」

 

 

生徒会室で四天王に囲まれて、厳しい顔で見下ろされながら尋問を受けている布柄断。

 

しかし、その表情はのほほんとして全く危機感はない。

 

皐月と同じように揃に入れてもらった紅茶を「おいし~」と言いながら飲んでいる。

 

そんなタツにイライラを募らせる蟇郡苛。

 

逆に冷静さを取り戻し不敵な笑みを浮かべて、対抗するように紅茶を飲み始める乃音。

 

自分のアクセス権限の壁をブチ破るが如く情報収集を始める犬牟田。

 

 

「そんなにイライラするなよ苛」

 

と、うまいこと言った!とドヤ顔する猿投山。

 

 

「またそうやって、みんながあえて言わないことを・・・これだから北関東のアホ猿は・・・ペッ」

 

 

 

カタンッ

 

皐月が飲み終わったカップをソーサーに音をたてて置いた。

 

場の空気が緩んだ絶妙なタイミングで、いつもは決して立てない音をあえて立てて注目を集めた皐月。

 

 

「それで?私に報告があるのではないか?」

 

 

冗談や誤魔化しは許さないという視線にヘラリと笑って見せてタツは答える。

 

 

「あれは神衣。皐月お姉ちゃんも知ってるでしょ?生命戦維100%の極制服」

 

 

聞かなくてもわかってるくせに~と笑いながら報告するタツに驚きの声を上げる四天王達。

 

 

「生命戦維100%だと?」

 

「そんなことが可能なのか?」

 

「なんであの子がそんなものを?」

 

「あれが神衣の力か」

 

 

「ほう、纏一身の発明はあのハサミだけではなかったのだな」

 

 

驚きの声を上げる皆にアレ?言ってなかったけ?と首をかしげるタツ。

 

しかし、神衣であるならあの強さも納得できるという皆の雰囲気に不満げに顔を顰める。

 

 

「まあそうなんだけど、現状アレを神衣と言っていいのかどうなのか・・・」

 

「それはどういう意味だ?」

 

「正直、全く着れていないんだよね。融合率10%ってところかな」

 

「では、アイツはその10%の力で袋田を倒したというのか」

 

 

倒したっていうのかな?むしろ神衣の頑丈さの前に自滅したって感じだよね~と呟いてから、珍しく真顔になって語る。

 

 

「あの神衣は纏一身博士が流子ちゃんの為に作った、いわゆるオーダーメイド、つまり専用極制服。だから取り合えず着れてるんだけど、神衣って程の力は出してないね・・・ああ、でもあの恥ずかしそうな顔はよかったな~」

 

 

本当に珍しいタツのシリアスパートかと思ったが、最後の一言で台無しである。

 

 

 

「そういえば、テニス部の交流試合なんだけど」

 

これが言いたくて生徒会室に来たんだった。思い出してよかった。とタツはのんびり紅茶のおかわりをもらいながら呟く。

 

「1週間後に北海道へ出発する予定だが、なにか?」

 

「明後日に変更しておいて」

 

「それはどうしてだ?」

 

「本能字学園が遠征してくる前に決起集会を開くらしいんだ。丁度いいから全員集まったところを一気に叩こうよ」

 

一対多の不利な状況で勝った方が制圧!って感じがするでしょう?

 

そう不敵に笑うタツに皐月は立ち上がりカツンとヒールを鳴らし、バックに光を背負い宣言する。

 

 

「いいだろう。出発は明後日。・・・これからテニス部主将と面会の予定がある。私が直接伝えよう」

 

 

去っていく皐月を敬礼で見送ると、タツも「さーて仕事ー。紅茶ごちそう様ー」と部屋を後にする。

 

 

 

残った部屋で犬牟田がパソコンに向かい合い、必死にタツの情報を確認する。

 

「情報部が掴んでいない情報をどうやって集めたんだ・・・」

 

「ガセってことはないのか?」

 

「いや、言われてみると確かに北海道の主戦力達が千歳に集結している」

 

「千歳・・・北海道にチャーター機が着陸予定の土地だな」

 

「しかし、ここまで巧妙に隠された情報をどうやって・・・」

 

 

「昔から、情報を探すのが上手いのよあの子。そうやって危険から身を守ってきたんでしょうね」

 

他の四天王達がタツの事を色々言っているのを横目に見ながら、昔のタツを思い出していた。

 

他の婚約者候補から執拗に狙われていたにも拘らず、あのヘラリとした笑顔で躱していた。しかし、ある日から大怪我を負ったと、自分の前から姿を消した。

 

消息が不明になったわけではく、なりふり構わず、周りの被害も考えない暗殺が多くなったため、一時的に身を隠しているという話だった。

 

年に何度かあるパーティでちらっと顔を見る程度で、プライベートで顔を見たのは本当に久しぶりだった。

 

そんな彼が今、何をしようとしているのか。

 

 

「まあ、皐月ちゃんの迷惑にならなきゃ、それでいいんだけど」

 

 

どうせ、考えてもわからないのだからと、乃音は考えるのをやめた。

 

あの泣き虫が自分達を裏切ることはないのだから。

 

 

 

 

 

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