生命戦維が宇宙へ行きたいなんて思っていると誰が決めた?! 作:柿Pカレー
朝になって、マコちゃんと流子ちゃんが登校してきたので、「隣に引っ越しますよ」という挨拶をしようと校門に行くと、何故かテニス部と流子ちゃんが睨み合ってました。
・・・本当にどうしてこう次から次へと騒動事に持っていくかな。
「おはよー流子ちゃん~え?なんで?なんでテニス部部長と流子ちゃんが睨み合ってるの?!」
「こいつは昨日マコが人質になってたってのに部活出ずにサボったって言いがかり付けてきてんだ」
「勝手に人質になる方が悪い」
おろしたてらしい極制服を着てラケットを構えているテニス部部長さん。そのラケットめっちゃ怖いです。トゲトゲしてますよ。
「えーっと、ごめんね。その案許可出したの僕だったりして・・・」
「てめぇのせいか!タツ」
「ごめんて、まさか人質が僕だけじゃないなんて思わなくて、函館さんもごめんね?昨日は生徒会会計の補佐してたって書類後で回すからさ、今回は勘弁して、ね?」
そう言って函館さんを見ると、僕の事は聞いていたらしく納得した表情で理解を示してくれた。
「生徒会の補佐ですか。それならば仕方ありませんね。確かに身の程知らずな転校生に鉄槌を下すという重要な任務の駒になっていたのですから・・・まあ、ふがいない袋田のせいで失敗してしまいましたが」
「何言ってるんだ。アタシのK.O.勝ちだっただろうが」
「そちらこそ何を言っているんだ。ルールも何もない単なる暴力だったではないか」
「まあ、その通りだね」
「タツ。お前はどっちの味方だ!!」
「流子ちゃんの味方をしてあげたいけど、今回はちょっと無理かな?袋田さんは自分が人質をとってたのと、流子ちゃんが女の子で素人ということで、武器の使用とか諸々を言わなかったけど、あれはどう見ても流子ちゃんの反則負けだよ」
「っく」
僕がそう言うと「ぐぬぬぬ」という表情で黙り込む流子ちゃん。一応反則気味だったことの自覚があって何よりだ。・・・袋田のグローブが反則でないか否かは置いておいて。
そんな流子ちゃんに函館さんは凶悪な笑顔で言った。
「悔しかったら、私とテニスで勝負してみるか?」
「おう、行くぞ鮮血」
「服に話しかけて・・・馬鹿なのか?」
「あれ?あれれ?」
「ラケットを取れ転校生」
「おうって、おい、鮮血。おいってば」
「私のサーブを受けてみろ」
ドゴォォォン
ラケットを受け取ったものの神衣一体できない状態では函館さんのサーブに反応することすらできずに吹っ飛ばされていく流子ちゃん。あの方角ならうまく川に落ちて軽傷で済みそうだ。・・・相変わらず強運に恵まれている。羨ましいかぎりだね。
「なんだラブゲームか、つまらん」
興ざめしたという顔の函館さんにちょっと忠告めいたことを言っておくとしよう。今までの流子ちゃんから言って負けたままで終わるわけがない。きっと再戦を申し込んでくる。おろしたての極制服で、まだ全然着こなしていない状態では勝負にはならないからね。
「函館さん?北海道がんばってね?」
「?」
「きっと、帰ってきたら、流子ちゃんが奇襲に行くから、それまでしっかりその極制服、着こなしてきてね?じゃないと袋田みたいになっちゃうよ」
「おもしろい。返り討ちにしてやりましょう」
心底楽しそうに笑う函館さんの後ろ姿を眺めながら、意外に流子ちゃんと同族なのかも?という思いがよぎった。・・・まあいいか、せいぜい頑張って着こなしてこないと勝負にもならないよ?
「タツ、人がいる時は俺の事、無視してくれていいわ。あれは痛い。めっちゃ痛い。何してるかわかってる俺が見ても痛い」
人がシリアスしてるのに・・・しかも、何回痛いって言えば気が済むのか、コイツは。そう思ったけど、校門前でたくさん人がいたので突っ込むのを我慢した。