現在高校1年の如月丈が、中学2年のときに書いたものです
怖くないけれど怖い話、、、不思議な話を書いてみたくて書いたものです

初投稿させてもらいます!高校生ということであまり更新はできませんが温かく見守ってくださると嬉しいです^^

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「兄」

「ただいまー」 私は新しく買ったサンダルをそろえて家へ入る。

「おかえり、ハル」 あ、お兄ちゃんだ。淡いピンクのシャツに7分丈のジーンズで、私を笑顔で迎えてくれた。お兄ちゃんは昔からセンスが良くて女の子にも人気がある。でも、私は女の子なのにオシャレじゃない。それに、お兄ちゃんは容姿も良くてスポーツだってできる。私の方が頭はいいけど。でもそんなお兄ちゃんが私はずっと羨ましかったし、大好きだった。

「お前、デートだったのか?」 

おかえりのつぎはそれか。まったくもう。

「うるさいなぁ。別に関係ないでしょ。」本当に勘が鋭くってドキッとしてしまう。

「いや、『デートでしたぁー』って顔に書いてる。 誰?どんな人?なぁ、教えろよ」

お兄ちゃんが私の頬をつねる。私は痛いよ、と言った。

今日のことはあんまり話したくなかったので、私はなにげに話をそらすことにした。

「あ、そうだ。お腹空いたからさ、なんか作ってよ。」 多分これでお兄ちゃんはこの話題を忘れてしまうだろう。

「じゃあ、ハルの好きなものをリクエストして。」

「そうだなぁ・・・スパゲティがいい。」

「久しぶりに会ったのにスパゲティかよ。もうちょっと凝ったものとかないの?」

「ない。お兄ちゃんのスパゲティがいいの。」

「そっか。 じゃあお前も手伝えよ。」

* * * *

「鍋、どこにあんの?」

「そこの戸棚の・・・奥かな?」

「・・・あった。汚れてる。もしかして料理してないんじゃないの?」

一人暮らしなんだからしょうがないでしょーと私は小さくつぶやいた。

結局私はなにも手伝わずに料理をするお兄ちゃんの華奢な姿をずっと見ていた。長くゴツゴツしている手、二重の目、お兄ちゃんはあの時と全然変わっていなかった。そう、あの時と。

* * * *

「ハル、できたよ」

お兄ちゃんは私が座っているテーブルにスパゲティを運んできた。

「ありがとう。」

なんか照れるなぁ、と言いながらお兄ちゃんは私と向かい合わせに座った。

「いただきます」 私達は声をそろえて言った。

「おいしい!」 本当においしかった。懐かしかった。ずっと食べたかった味だ。どうやって作るのかは知らない。彼氏に作りたいと思っていろいろ試してみたことがあるけれど、この味はお兄ちゃんしか作れない。

「あ、そうだ。忘れてたよ。さっきの話、彼氏って誰だよ。」

げ、まだ覚えていたのか。無視し続けた私を見てお兄ちゃんはあきらめたみたいだ。

沈黙が続く。空はもう真っ暗で、窓を開けている部屋には秋の涼しい風が吹いている。

 

不意に私は食べるのをやめてお兄ちゃんの手を握った。温かい。ちゃんと、温かい。

「おい、ハル、大丈夫?どうして急に手なんか・・・」

だって・・・と言いかけて涙が突然どっとでてきた。お兄ちゃんが私を呼ぶ声がだんだんと遠くなっていく。

 

だって・・・ だって、お兄ちゃんは2年前に交通事故で死んじゃったじゃん。

それじゃあ、それじゃあ、今私の目の前で座っているのは一体誰なの?  〈終わり〉

 

 


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