最近はシンフォギアばっかり書いてたので出来は怪しいです
だけどネロ祭でボックスガチャが来たのでちょっとこっちも走らないといけないので更新速度は更に遅れるかもですよ
ちなみに原典だと「あたし、みんなのこと見えてるから」ですが出来上がるとそのシーンなくなったので変えてます
だけど大体は一緒ですよ
「お前ならどうするんだ。目の前にそんなんが出てきたら」
「私? んー…」
思い出されるあの日の会話
テーブルに座りながら不意に投げかけられたあの言葉
アラタからの問いかけに美琴はうーんと首をかしげながら
「やっぱり薄気味悪いから、消えてくれー、なんて、思っちゃうかな」
◇◇◇
消えてくれ、なんて思っていたのに
それがこんなにも早く訪れるなんて思ってもみなかった
それも、こんな―――非道いやり方で―――!
そこからはほとんど衝動的だった
なんとしても―――目の前のあの男をブチのめすッ!!
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
◇
同タイミング
空中でエイのような化物と戦っているバースは苦戦していた
自在に飛び回るエイの動きは読めないし、自分は空中戦になど慣れていない
一応地上では美琴が戦ってはいるが、彼女を気にする余裕もない
一体どうすれば―――と考えていた時だ
<スイングベント>
不意にそんな電子音声が耳に聞こえてきた
直後、自分の足に絡みつくナニカ
そこから勢いよく下に引っ張られ、地面に叩きつけられた
受身も取れず、落下の衝撃をそのままにバースは息を吐いた
「…困るなぁ。部外者がこんなところに」
「メンドくせぇことしやがって」
「けど今日は退屈しないで済みそうジャーン?」
体勢を整える自分の前に現れるのは三人の人影
中央にいるのは紫色の蛇のようなライダー
左にいるのはサイのような銀色のライダー
右にいるのはエイ、だろうか、それのような赤っぽいライダーがいる
「―――アンタたちは…!」
「名乗る必要はないな。お前はここに来たことを後悔することになる」
「せいぜい無駄に足掻いてみせてよ。…あ、浅倉は下がっててよ。一方通行の方見てて。こんな奴オレと手塚で十分だから」
「―――そうかよ。ほんじゃあ任せたぜ」
左右の二人がそう言うと気怠そうにしながら真ん中の蛇のライダーが歩きさっていく
―――舐められてる…!
そう感じると同時、バースは拳を握り締める
「―――っざけやがって…! 私を舐めるなっ!!」
仮面の下で歯を食いしばって、バースは目の前のライダーたちに向かって走り出した
対する二人のライダーは、特に構える様子もなく、悠然とつっ立ったままだった
◇◇◇
持てうる限りの磁力をフルに活用し、この場にある砂鉄を動かし、刃とする
もはやそれは刃ではなく、一つの竜巻のようなものとなっている
しかし目の前のあの男はそれを見て、興味深そうに笑みを浮かべ
「おォー…すげェすげェ、何だそりゃァ? 新技かァ?」
そのままその竜巻をぶつけるようにその男に向かって叩きつける
常人なら間違いなく死ぬであろうその一撃
彼女は始めて、〝誰かを殺す為〟に生まれて初めて自分の力を行使した
無我夢中で、もう
だが、美琴の目に映ったのは信じられない光景だ
〝あの刃の竜巻の中〟で、平然と立っている
「ほォ…磁力で砂鉄を操ってンのか。面白ェな」
瞬間、砂鉄の竜巻が、文字通り吹っ飛んだ
そこにはもう先ほどまで操っていた砂鉄が舞っており、その中心にはあの男が悠然とポケットに手を突っ込んだまだ
「ま、種が分かっちまえばどうってこたねェな」
そんなハズがない
あれを食らって無事どころか、傷一つ負ってないなんて…!
美琴は思考を巡らせながら―――〝見つけてしまった〟
それは、〝だれかの足〟だった
根元から引きちぎられており、夥しい血液が周囲に散乱している
誰かのなんて、考える間でもなかった
自分でもよくわからない感情が美琴の中で渦巻いている
彼女は己を抱きながら、本能のままに絶叫した
「―――あぁァァァァァァっ!!」
放電
バヂバヂと彼女から放たれる雷はレールを伝い、それを地面から引き剥がしていく
ベリベリとまるで蜜柑の皮みたい引っペがされたレールを操り、それをあの男に向かって次々と放っていった
「―――このパワー…お前」
呟きながら、その男は確かに笑った
そして男の身体に叩きつけられるはずだったレールは―――こちらに向かって〝跳ね返ってくる〟
「!?」
すかさずその場を移動し、つい先ほど自分が居た場所をレールが通り過ぎていく
その光景を見ながら、美琴は信じられないといった表情で男を見るばかりだ
何なんだ目の前の男は
アラタの友人みたいに手をかざして能力を無効にしているわけでもないのに…!
ギリっと歯を食いしばっていると、目の前の男が口を開いた
「―――ははっ! そっかそっかァ! ちょっと予定が違うから何かと思ったがァ…オマエ、〝オリジナル〟だな?」
そう言って目の前の獰猛な瞳が美琴を貫いた
◇◇◇
少し時間は戻って
<ドリルアーム>
メダルをドライバーに入れ右手にドリルアームを装着し、バースはエイのライダーとサイのライダーへと飛びかかる
地面を蹴り、まずはサイのライダーへとドリルアームを突き出した
サイのライダーはひらりと身を躱し、ガラ空きとなった背中にケンカキックを叩き込む
「うぐっ!」
そのまま前のめりに倒れそうになったところで、ヒュン、とバースの左手に何かが巻き付いた
それは自分を地面に叩き落とした、エイのライダーが持っているムチのようなもの
「―――はぁ!」
巻きつかれた状態で、エイのライダーは思い切り引っ張り、バースの体を中空へも持ち上げる
バースは大きく弧を描きながらそのまま空中を飛び、重力に引っ張られドスンと地面に叩きつけれた
受身も取ろうとしたが、タイミングを合わせて左手に巻き付いたムチが体制を崩し、受身を取ることができなかったのだ
「怒りで我を忘れようとしてる奴ほど、思考がわかりやすい。ここで帰っておけ、オマエは俺たちには勝てないよ」
「そーそー。大人しく帰れば、俺たちもここらでやめとくからさー」
エイとサイが呆れるような声色でバースに向かって口を開く
ふざけるな、と思った
自分の友達が戦っているのに、自分だけ逃げ帰るなんて出来るものか
声には出さず、ゆっくりとバースは立ち上がった
仮面の中の眼光は、変わらずに二人のライダーを睨む
「―――馬鹿な奴だね。じゃあ…もう容赦しないよ、―――手塚」
「みたいだな。…半殺しは覚悟してもらおう」
そう言ってサイのライダーはベルトから一枚のカードを取り出した
サイのようなモンスターの絵が書かれているカードを、サイのライダーは左肩にあるバイザーへと投げ入れた
<アドベント>
その電子音声と一緒に、どこからか先ほどのカードに描かれていたモンスターが召喚される
サイのライダーは召喚されたモンスターの頭あたりを撫でながらバースへと向き直る
「…嘘、でしょ…」
モンスターを呼び出すだなんて聞いたことがない
そして単純な戦力差でも圧倒的にこっちが不利だ
だけど、それでも―――逃げることはできない…!
「さぁ、ここからは一方的な蹂躙が始まるぞ」
「ボッコボコにしてやるよ―――行くぞ、メタルゲラス!」
サイのライダーの言葉に呼応するかのように、メタルゲラスと呼ばれたモンスターが叫びを上げた
◇◇◇
そして場面は戻る
ニヤリと凶悪な笑みを浮かべた目の前の男に美琴の背筋が凍る
冷や汗が額を伝う
固まっている美琴を無視し、目の前の男はゆっくり歩み寄ってくる
「うじゃうじゃいるクローンの連中はオリジナルの代わり…ってェ事は、オマエを殺ればこのクソかったりィ〝作業〟も、グッと短縮できンだろ? ―――いい加減飽きてきてンだ…頼むぜ? オリジナルゥ…」
ギリ、と美琴は歯を噛んだ
作業…?
クローンといえど、殺すことを作業だと言うこの男には…ッ
負けたくない…!
「…あァン?」
美琴はポケットからメダルを取り出し、構える
そしていつでも自分の全力最大でたたき込める超電磁砲の準備をしつつ、美琴は問いかけた
「…なんで、こんな
「…ンだァ? いきなり」
「答えて!! それほどの力がありながら! こんなイカれた計画に加担する理由は何!? 無理矢理やらされてるわけでもなく、あの子に恨みでもあったっていうの!?」
美琴の叫びが場に響く
それに対して目の前の男はニィ、と笑みを浮かべ
「―――理由、ねェ…。そりゃあよゥ―――絶対的な力を得る為だ」
「…絶対的、な、力?」
「
そんな―――そんなことの為に…!
美琴は歯を食いしばる
怒りが身体を駆け巡る
「そんなもののためにっ―――あの子を殺したのかァぁぁぁぁっ!!」
絶叫と共に彼女の右手からコインが放たれる
音速の三倍でコインを撃ち出す、美琴の最大の必殺技
射程は五十メートルほどだが、今いる距離はそこまで離れてはおらず、直撃すればまず大怪我では済まない距離
これで終わると、御坂美琴は思っていた
だが
あの男に当たったと認識した時には、自分の横に突き刺さっていたレールが熱で溶けていた
〝反射〟されたのだ
(…う、そ…?)
思考が追いつかない
何が起こったのか理解できない
「人聞きの悪いこと言うなよォ。…アイツらボタン一つでいつでも作れるコピー品だぜ? …あン? なんだよ固まって」
相手の言葉が入ってこない
汗が頬を伝い、地面へと溢れる
「…あー、そっかァ。今のがオマエの〝トッテオキ〟って奴だったンだなァ。悪い悪いリアクション出来なくてよォ。何しろ同じ
どうすればいいんだろう
超電磁砲が効かないのでは、もう自分に太刀打ち出来る術は…
「おーいおい、そこのお嬢さーん」
不意に横合いから声が掛けられた
目の前の男は「あ?」と短い声をあげながら視線をそちらに移し、美琴もゆっくりとそちらへ視線を向けて―――目を見開く
「か、神那賀…さん…」
変わり果てた彼女の姿がそこにあった
向こうからやってくるサイみたいなライダーとエイのようなライダーだ
そしてサイのライダーは神那賀の首根っこを掴み、ゴミを引きずるように運んでいる
「ゴミ掃除いっちょあーがりっと」
そしてそのままポイっとまるで草むらにガムでも吐き捨てるかのような気軽さで、掴んでいた神那賀を放り捨てた
どしゃり、と彼女は美琴の近くに落ち、血まみれの顔が美琴の視界に入ってくる
息はしているようで、死んでいないことだけが救い…ではあるが…
身体中は傷だらけで、顔もボロボロ、綺麗な笑顔を作っていたあの面影すら霞んでしまうほどに、ボロボロだった
そんな美琴の胸中を知ってか知らずか、合流した三人は話し始める
「ンだ、二人だけか?」
「いいや、一応浅倉が向かってたと思うけど…あれ、来てない?」
「影も形も見えてねェなァ…ンだよ、これからメインディッシュだったェのによォ…」
「メインディッシュ? …おい、アイツはお前の相手のクローンのオリジナルじゃないのか?」
「だからメインディッシュなンだよォ。…せェぜェ楽しませろよ―――」
「待て、一方通行」
会話を断ち切る、一人の声
その場にいるみんなの視線は声の方へと向き直る
そこで、美琴はまた驚くことになる
「その戦闘は計画外だから、誤差が生じる可能性があるってよ。…なぁ」
そう言って紫色のライダーは自分の隣にいるミサカの〝一体〟へと視線を向ける
そのミサカの後ろ―――そこには、何十体のミサカがいるのだ
数えるのすら億劫になるほどの、自分と同じカオをした人間が
「色々この子らに言われてて来るのが遅くなった。…まぁ要はあれだ、そこのオリジナル殺ると面倒なことになるから、殺んなってことだ」
「―――ちぇ、ンなこったろうと思ったよ…。ちょっとからかっただけだっつゥの」
「となると、エキシビジョンはこれでおしまい? なんだツマンネ、無様に超電磁砲が殺られるとこ見たかったなー」
「無駄口は叩くな。―――どのみち、障害にはならんだろうよ」
「それもそっかー。…あ、そうだ、帰ったらさ、スマブラしようぜスマブラ!」
彼らはこんな非日常の場所にいながら、そんな日常の会話を繰り広げている
「―――そういえば、自己紹介がまだだったなァ。まぁ名前自体は出ちまったけどよォ」
目の前の男がこちらに向かって歩いてくる
そうだ…一方通行という名前…聞いたことがある
あらゆるベクトルを反射する―――学園都市の、第一位
「改めましてェ、一方通行だ。―――よろしくなァ?」
短く耳元で囁くと、変身を解いた三人と共にどこかへと去っていった
美琴はそこで力なく、膝をつくだけだ
膝をつきながらゆっくりと倒れている神那賀の所へとにじり寄り、彼女をゆっくりと抱き寄せる
彼女の身体を抱きながら、美琴は慟哭する
今この状況でも、証拠の隠蔽をしている目の前のミサカたちに
「―――なんでよ」
小さい美琴の言葉に、一体のミサカが反応する
美琴は続ける
「生きてるんでしょ!? アナタたちにも! 命があるんでしょう!? なのに―――! なのにッ!!」
「―――ミサカは、単価十八万円の模造品です。作られた身体に、作られた心。スイッチ一つで出来る、実験動物ですから」
ミサカの言葉は、どこまでも無感情だった
「それでは。お姉さま」
そうミサカは返答して、戦いの傷跡を全て隠蔽してその場から去っていく
美琴は気を失っている神那賀を抱きながら、その場に座っていることしか出来なかった
少し項垂れていると、こちらに向かって歩いてくる足音が聞こえてくる
ゆっくりとそちらの方へと振り向くと、白衣を着込んだ女性がこちらに向かって歩いてきていた
彼女は腰にAボタンとBボタンが付けられてる自分の知識の中の限りでは見たことがないベルトを巻きつけている
「…念のため持ってきてたけど、遅かったか…」
「…誰?」
「神那賀くんの知り合い。…しっかし、派手にやり合ったねぇ…」
美琴に抱かれている神那賀を抱き抱えるとふぅ、と息を吐きながら踵を返して歩いていく
彼女はそのまま首だけを僅かに美琴に移し
「君も今日は戻った方がいい。〝色々〟あって疲れただろう?」
「―――そうね。そうするわ…」
短く返事して美琴は立ち上がる
そのままフラフラした足取りで去っていく彼女を白衣の女性は見守りながら
「…さて、これは面倒なことになりそうだ…」
そう一人呟いた
◇◇◇
夜、一人作業をしているアラタの元に一本の携帯が鳴った
携帯を取って画面を見てみると黒子の名前があった
通話ボタンを押して携帯を耳に当てる
「もしもし? なんだ黒子こんな時間に」
<お兄さま…こんな夜分にすみません。いえ、その…変なことをお聞きしますけど…そちらにお姉さまが行っていませんか?>
「美琴が? いや、来てないけど」
というかこんな時間に来たら色々まずいのではなかろうか
「てか、戻ってないのか? そっちに」
<えぇ…先ほど佐天さんのところに連絡したのですけど、そっちにも行っていなくて…もしかしたらお兄さまのところに行ってないかなー、なんて…>
「…まぁさっきも言ったが、家には来てないな…っつか、こんな時間まで帰ってないのか…初春のところは?」
<その初春から連絡が―――あ、いいや、やっぱりなんでもないですの。お兄さまのところでもないとなると…」
いくらなんでもおかしすぎる
何があったのだろうか
変に詮索する気はないが、同居人に心配かけるのはいけないだろう
「―――まぁいいや。黒子、お前も美琴を待ちすぎて夜更かしすんなよ」
<は、はい。お兄さまも夜分に申し訳ありませんでした>
短く会話を区切るとアラタは通話ボタンを押して通話を切る
チラリと窓から覗く月を見やる
静かに輝く月の光は、自分の部屋に入り込んでおり、電気を消せばいい感じに明るくなってくれるだろう
「…あぁもう」
最初は電気を消して、月の光でも見ながら寝ようと思っていたが、美琴が気になりいてもたっても居られなくなったアラタは上に制服を羽織り、寮の自分の部屋から飛び出した
◇◇◇
で、彼女を見つけた時はもう朝になってしまっていた
徹夜経験は一応あるとは言え、流石に少し身体に答える
彼女はベンチに座っており、その近くには見覚えのある人影もいる
アラタは近くにビートチェイサーを留め、そちらの方へと歩み寄った
「―――砥信?」
「…あら、アラタじゃない。goodmorning」
「…アラタと知り合いなの?」
呟く美琴は憔悴した様子が明らかに見て取れる
アラタは改めて美琴に視線を向けると弱った彼女に対して驚いた
彼は美琴に駆け寄って、目線を合わすように座り込んいる美琴に合わせるように身を屈めた
「…美琴、何があった?」
「―――ううん。大丈夫よアラタ」
「彼女、結構ひどい感じだから、良かったら送って上げて」
「え? あ、あぁ、そうするつもりだったけど…」
「―――それを聞いて安心だわ。それじゃあ、私は戻るわね」
短く砥信は会話を切り上げて早々にこの場を去っていく
去っていく背中に、アラタは一つ問いかけた
「あ、そうだ。どうだ、調子」
「―――no problem。大丈夫よ。ご心配ありがとう」
僅かに顔をこちらに向けながら、彼女は小さく笑んで答えてみせる
そのあとでもう一度視線を自分の前に向けて歩いて行った
「…美琴、立てるか?」
「…うん。…その、ごめんね、アラタ。わざわざ、こんな所まで」
「気にすんな。ま、俺も人のこと言えないからね。ほら、早く乗りな、送ってやるよ」
アラタに促され、美琴はゆっくりとした足取りながらもバイクの後ろに乗って、渡されたヘルメットを被る
そしてエンジンを駆けてるアラタの背中に、しがみつく
(…冷たい)
結構長い間探してくれていたのだろう、彼の身体はもう冷え切っていた
それでも―――彼は探すのをやめなかった
感謝と同時、申し訳ない気持ちで心がいっぱいになる
―――だけど、あの計画のことを打ち明けることはできない
(―――だけど)
やがてビートチェイサーは発進し、道路を走っていく
道中、彼の背中の感触を自分に刻むように彼の身体により強くしがみつく
(今だけは…貴方の背中に甘えさせて…)
行動を起こすのは明日
自分で蒔いた火種は―――自分の手でケリをつける…!