布束が半オリキャラみたいな状態になってしまったので苦手な人はブラウザバックだ
設定がガバガバですけど広い目で見てください(懇願
それでも楽しんでいただけたのなら幸いです
ではどうぞ
妙な研究に呼び出された、とその時の布束砥信は思った
かつて
その研究員は口々に〝赤い戦士〟への恨み言を言っていた
その噂は、何度か布束も耳にはしていた
ただ実際に目撃などはしていないし、見たとしてもそれはネットで流れてきた動画でだけだ
だからこの時はまさか、自分がその赤い戦士と交流を持つだなんて思ってもみなかった
赤い戦士に何度も煮え湯を飲まされたその研究員は研究に研究を重ね続け、あるひとつの細胞を作り上げる
はっきり言ってそれは、扱いを間違えればまず間違いなく都市一つでバイオハザードが起きかねない代物だ
それが―――〝アマゾン細胞〟
その細胞に適合すれば正しく人間を超えた力を得ることが出来ると、その研究員は語る
そう―――〝適合すれば〟人間を超えられるのだろう
だが適合出来なればただ人間を喰らうだけの理性のない化物となる、諸刃の細胞
それらの実験のことを布束が知ったのは、件の赤の戦士に襲撃される数日前だ
そして同時に、布束はもう一つの出会いを果たす
それが現在は
それを人間と言っていいのかはわからないが、少なくとも布束は人間と変わらないと、接していく内にそう思っていった
自分にそう言った相手などいないし、彼と接している内に癒しみたいな何かを感じたことを、布束は覚えている
そして、数日後のことだ
例の赤い戦士がこの研究所を襲撃してくる
事前にアマゾン細胞のことなどは知っていたのか、その日の赤い戦士はデータなどが残っている可能性を無くすために何らかのデバイスを用いており、完全にデータを削除した上で、パソコンなどを破壊して回っていた
研究員側も今までの実験で生まれたアマゾンの化物をけしかけたが、いずれもみんな排除されている
最初こそ一瞬戸惑いはしたが、覚悟を決めた赤い戦士は躊躇うことなくアマゾンの化物を倒していった
特にこの研究に何の思い入れもなかった布束は悠を匿うべく、彼のいる部屋に隠れていた
だが赤い戦士は普通にこの部屋にも入ってきた
入ってきた時はこの部屋の異常に一瞬彼も驚いていた様子だったのを覚えている
「…そいつはなんだ」
赤い戦士が聞いてきた
「…彼も、被害者みたいなものよ」
「被害者? …そいつも実験体か?」
「似たようなものよ。話せば長くなるわ」
砥信の言葉に耳を傾けていると、赤の戦士が耳を傾けていると、不意にドアが開け放たれた
中に入ってきたのは初老の研究員だ
手には何やらケースを持っており、何やら息を切らしている
「…貴様ら…こんな所にいやがったのか…!」
「そいつはこっちのセリフだオッサン。…オレにやられるの何度目だよ」
「やかましぃ! ―――その因縁も、ここまでだぁぁぁ!」
そう言って初老の研究員は躊躇うことなく、手に持っていたケースを開け放ち、そこから一本の注射器を自分に突き刺した
中に入っている液体が、研究員の中に入っていく
「―――お前、まさか!?」
中に入っていたものなど、想像に容易い
「う、ぐぅおぁぁぁぁぁ!?」
叫びながら、近くに置いたケースを蹴っ飛ばした
ガラガラと地面を滑ってケースが向かった先は砥信の足元である
何気なく砥信がそのケースの中身を見ると、そこには案の定な中身だ
「…アマゾン細胞…!」
研究員の目が赤く光り、顔に血管が浮き出てくる
そしてそのまま雄叫びをあげながらその身をトラのような化物へと変化させた
「―――Sit どうやら適合出来なかったみたいね。自分で作ったのに、無様だわ」
「言ってる場合じゃないぜ。お前さんは隠れてろ、俺がケリをつける…って、おい?」
赤の戦士が拳を構えると同時、砥信の隣に居た青年が彼の隣に立っていた
鋭い眼光は真っ直ぐにトラアマゾンを睨みつける
「―――砥信は、ぼくが―――守るッ!―――うぅぅぉぁぁぁぁぁああぁつ!!」
叫びと同時、莫大なエネルギーが青年から放出され、そのエネルギーが収まり、体から蒸気となって天井へと消えていく
エネルギーの放出が収まった時、彼が居た場所には一人の仮面ライダー〝の〟、ようなものが現れる
ベースカラーは緑で、口の部分は獣のように空いており、今にも飛びかからない勢いだ
「…アンタ、知ってたのか、このライダー」
「No …私も知らなかったわ、彼に変身する力があるなんて…」
「―――なんでもいい、とにかくこれで戦力は整った…!」
部屋に入って攻撃するべく腕を振りかぶり爪を構えるトラアマゾン
同様にこちらに向かってくる目の前の敵に対して、赤の戦士と緑のライダーの反撃が始まった
◇◇◇
止めは呆気ないものだった
赤い戦士と緑の彼のラッシュにより、怯んだところに赤い戦士が巴投げで床に叩きつけ、悶えている間に緑の戦士が頭を踏み潰してフィニッシュ
その最期には、思わず視線を逸らしてしまう
「―――ウァァァァァッ! …はぁ…はぁ…!」
そのまま緑の戦士は雄叫びを上げつつ、息を切らしながらその変身を解く
いや、それは解く、というよりは解けた、という方がいいだろうが
青年はどっかりと腰を下ろして座りながら肩で息をする
砥信が彼に問いかける
「…どうしたの?」
「…疲れた、あとお腹も減った…」
以外に可愛い理由だった
「…とりあえず、これでここの研究所はおしまいか。…オッサンは警備員に突き出したかったけど、仕方ないか」
赤い戦士はかつて初老の研究員だったものに軽く黙祷した後に、砥信の方へと視線を向ける
「…アンタはどうすんだ、これから」
「どうするもなにも。彼を連れてここを出るわ。貴方も言った通り、ここでの研究も終いよ」
「! 一緒に行ってもいいの?」
「Yeah ここに置き去りっていうのも、かわいそうだもの」
そう言って砥信は青年の頭を撫でる
見た目は全くそうは見えないが、なんだか彼と彼女を見ていると親子のように見えてくる
赤い戦士は視線を二人に向けたまま、その変身を解き、言葉をかける
「―――そういえば、名前言ってなかったな。…鏡祢アラタだ。よろしく」
「…意外ね。名乗ってくれるなんて。―――布束砥信。こちらこそ、よろしく」
気怠そうな様子を隠すこともなく、布束は彼に挨拶する
「そんで、そこの…名前なんて言うの? その人」
「彼は…―――悠。名前は悠、よ」
砥信はその場で即興で彼の名を考え、そのまま与える
当時は咄嗟だったが、今となっては結構気に入っている
「悠、ね。…彼の変身、見てる感じ燃費が悪そうだ。…それを上手い具合に制御できそうなベルトを作れる人を知ってる。…良かったら訪ねてくれ」
そう言って彼は折りたたんだ紙を砥信に手渡し、そのまま今いる部屋を後にする
砥信は胸ポケットにもらった紙を仕舞いながら、悠と名付けた青年の手を引いて、同じように部屋を出て、研究所を後にした
そして数日後―――彼女はレベル6シフトの研究へ、彼女は呼ばれることとなる
◇
時間は進み、一行がセブンスミストへの買い物に付き合ったあの日
電話で呼ばれたアラタはメールで彼女が今いる場所を教えてもらい、そのまま彼女らの建物へと足を運んだ
ノックをして向こうからの反応を待つ
少しして「開いてるわ」と返事が返ってきた
それを確認するとアラタは扉を開けて室内へと入っていった
入口から進むともうそこは研究スペースみたいで、中は割と整えられていていくつかのパソコンとコンビニのコールスローの空袋やカップ麺の空き容器などがゴミ箱に捨てられている
そして奥の部屋は就寝スペースのようで簡易ベッドが二つあり、片方には悠が眠っていた
「…ん?」
不意に机にある見たことがないドライバーを発見する
目のようながあり、両サイドにあるグリップが特徴的なパーツだ
そしてその近くにもう一個、鳥のくちばしをもしたような…バングル、なのだろうか
「それは、貴方が紹介してくれた人が作ってくれたものよ」
「あぁ、沢白博士が。…あれ、じゃあこのちっこいのは」
「そっちは、そのドライバーの余ったパーツで気まぐれで博士が作ったものよ。なんでかくれたから、ありがたく頂いたの」
「…意味なくないか? グリップのドライバーは今眠ってる彼が使うとして、このちっこいのは―――」
「Me …使うのは、私よ」
アラタの言葉を遮って布束が口を挟む
そして徐に懐から取り出したのは―――一本の注射器
「…お前! それ!?」
「Yes。あの時のものよ。こっちに転がってきたとき、くすねておいたの」
「使うのは私って…もしかしてお前、それ自分に打つ気なのか!?」
布束は答えない
同時に、その沈黙が答えとなる
アラタは彼女に歩み寄り、両方の二の腕を掴んだ
「分かってんのか、お前が何をしようとしているのか!」
「exactly …理解しているわ」
「じゃあどうして!?」
「自衛のためよ。…いつでも貴方や悠がいるとは限らない…だから、私も戦えるようにならなきゃいけないと思ったから」
「…だからって、なんでこんな細胞を…」
こちらを見据える彼女の目は変わらずではあるが、その奥の瞳には強い決意が見て取れる
もうこれはこっちが何言ったって無駄だろう
アラタは諦めて要件を改めて問うた
「―――なんで俺をここに」
「simple …失敗したら、アナタに介錯を頼みたいから」
「―――んなこったろうと思ったよ! ったく!」
想像できなかったわけではない
―――なんだって自分の周りの女子はこうもやり方が強引なんだ
「…本音を言うと、断りたい。だけど、やってやる」
「殺人を恐れているなら大丈夫よ。失敗したら私はただの肉を喰らう化物…遠慮する必要はないわ」
「そういうことじゃあないんだけどな。…まぁ、いいか」
そう言って、布束砥信は己にくすねてきたアマゾン細胞を打ち込み、身体の変化に耐えるように身をかき抱いた
この実験はかなりの長丁場となり、終わったのが翌日の夕方前後、という有様だった
成功したか否かは―――いずれわかることだろう
◇◇◇
神那賀雫の意識は覚醒する
一番最初に視界に入ってきたのは見知った天井―――沢白凛音の研究室だ
ガバッと起き上がり、ズキリ、と身体がいたんだ
自分の身体を見てみるとあちこちに包帯が巻かれており、同時に思い出す
―――そうだ、私、負けたんだ…
御坂美琴の力にもなれず、呆気なく負けてしまったんだ
ぐっと拳を握りながら神那賀は歯を食いしばる
悔しさに打ちひしがれていると隣の部屋の扉が開き、そこから沢白凛音が姿を現した
「お、意識戻ったみたいだね。良かった」
「…沢白さんが、ここに運んでくれたんですか?」
「あぁ。怪我はどうだい? 一応
「問題はありません。…まだちょっと痛みますけど、それだけです」
そう言って調子を確かめるように神那賀は拳を握ったり開いたりする
…どうすれば、あの連中に勝てるだろうか
自分が怪我をしたことを、きっと御坂は後悔してしまっているだろう
彼女は優しいし、面倒見があるがゆえに…孤独を少し抱えてしまっている
その孤独を埋めているのが、鏡祢アラタという存在だ
彼女の立場や立ち位置などに拘らず、まっすぐ向き合っている彼女の戦友
―――だが、その戦友も、レベル6シフトの計画については何も知らない
恐らく美琴本人も、彼はおろか、友人の白井黒子にも言うつもりはないのだろう
「とりあえずその怪我があるうちは動かない方が良さそうだ。…けど、納得してないって顔だね?」
「当たり前です。やられた借りは返さないと…」
「言うと思った。…神那賀くん、実はバースには、もう一個隠された機能があるんだ」
不意に沢白がそんなことを呟いた
神那賀は彼女の方へと顔を向ける
沢白凛音は彼女の視線を受けて、言葉を続けた
「バースとして使っているウェポン…ドリルアームやクレーンアームその他諸々…それらのバースCLAWsは、全身に装着することが可能なんだ。…まぁ負担が大きいから、今までは必要以上にCLAWsを装着しないようリミッター掛けてたんだけど…」
「そ、そうなの!? っていうか全身につけるって発想なんか思いつかないわよ!?」
使うにしても二種類までだった
「―――だけど、それを使えば…」
「間違いなく君の力にはなるだろうね。…だけど、君への負荷が掛かりすぎる。正直私としては推奨したくはないんだけどネ」
そう言って沢白は苦い顔をする
対する神那賀はベッドから体を下ろし、改めて真っ直ぐに沢白を見据えて
「…上等よ。強くなりたいとは前から思ってたし、楽して強くなれるだなんて思ってない。―――だから、お願い」
「―――わかった。けど今はとりあえず怪我を治すことに専念すること。ドライバーはこっちで調整しておくから、今はお休み」
そう言ってポン、と彼女は肩を叩いてこの部屋を後にしようと扉のノブに手をかけた
神那賀は彼女の背中に向かって軽くお辞儀をしたあとで、その背に向かって言葉を発した
「ありがとうございます、沢白博士」
「…そういうお礼は大丈夫だよ。私は好きで君に協力してるだけだから」
そう短く返事して開いた扉を閉めて向こうの部屋へと移動していった
神那賀はズキリと痛む体をもう一度横たわらせ、自身の回復に集中する
そして彼女は己の右手を徐に見やった
傷だらけの手のひらを握り締め、彼女は静かに決意する
「―――私は―――もう負けない…!」
〝アマゾン細胞〟
原典だとこんなんじゃないので要注意
気になった貴方は仮面ライダーアマゾンズをチェックだ