そんなこんなでアラタと当麻、インデックスにアリサはとあるレストランへと足を運んだ
レストラン〝AGITO〟
アラタもよく美琴たちと来る場所だ
テーブル席に座るとバイトしている天道ひよりがこちらに気づいてメニューを取りにこちらに歩いてくる
「いらっしゃい。今日はいつもの女の子たちじゃないんだ」
「開口一番誤解を招く言い方やめてくれる? あの子たち仕事仲間だって知ってんだろお前」
「少なくともボクには女の子侍らせてるようにしか見えないな? それで、注文は―――」
「はいっ! これとこれとこれとこれを持ってきてほしいんだよ!」
席についたインデックスがメニューを持って食べたいものを指さしていく
油断していたひよりは改めてそれらをメモに取り足早に裏へと引っ込んでいった
ちょっとかわいそうな気もしたがお仕事なので何も言わないことにする
そしてインデックスの前にずらりと並ぶ数々の料理
それらを見てインデックスは目を輝かせてフォークやナイフを器用に使いこなしステーキやハンバーグを喰らい美味しそうに舌鼓を打っていく
初めて見るアリサは彼女の大食いを目の当たりにして言葉を失い、見慣れている当麻とアラタは苦笑いをする
とりあえずこっちも適当に何かを頼み、それらを食べながらアリサと言葉を交わしていく
「え? オーディションってあのエンデュミオンに関係したものなのか?」
当麻の言葉に、「そうなんだ」と言いながらフォークに巻いたパスタを口に入れて咀嚼していく
「キャンペーンのイメージソングに、私の歌が選ばれたの」
「イメージソングかぁ…すごいな、やっぱり宇宙で歌うのか?」
「それはまだわかんないけど…オープニングセレモニーがあるみたいだから、まずはそっちかな」
アラタの言葉にフォークにパスタを絡めながらアリサが答える
ちなみにそんな日常会話の中でもインデックスの注文は苛烈さを増していき、どんどん料理が運ばれては空の食器が持ってかれる
「…やれやれ。ヘルプを頼まれた時は何事かと思ったが。あの子が来ていたのか」
エプロンを着ながらテーブルの様子を覗きに来た天道総司は軽く息を吐きながらそんなことを呟いた
その隣でこの店の店長である立神翔一が苦笑いをしながら
「いやー急に呼んでごめんね、天道くん。どんどん注文増してくもんだから、人手が足りなくなってさ…」
「ボクも話だけは聞いてたんだけどね。…あんなに食べるとは思わなかった」
翔一の隣で壁にもたれかかって一息ついてるひよりがそう呟いた
インデックスの食欲を知っている天道はあまり驚きはなかったが、初めて目にする翔一とひよりは流石に面食らっていた
テーブルの方で当麻が伝票を握り締めて「もう勘弁してください!!」と叫ぶのが聞こえてきた
もう色々ゼロだったのだろう
◇
すっかり食べ尽くしてお腹が膨れたインデックスは自分のお腹を軽く撫でながらご満悦のご様子
対する上条当麻はアラタも多少払ってくれたとはいえ、財布のほとんどを持ってかれてしまい、すっかり元気が失せ机に涙目で突っ伏していた
合掌
「アリサの思いが神様に届いたんだね」
少し前にサービスで提供されたアイスティーで一息つきながらインデックスがアリサに向けてそう言った
「うん。…私ね、運がいいんだ」
少し気になる言い方をした彼女の言葉に、当麻は少し身を起こし、アラタも彼女の言葉に耳を傾けた
「今度の話もね、本当に運がいいって―――」
「おばあちゃんが言っていた」
不意にアリサの言葉を遮って店の奥の方から小さいチョコパイを乗せたお皿をおぼんに乗せた天道が歩いてきていた
彼はテーブルの上にことりと一皿ずつ彼らの目の前にそれを置いていきながら、徐に天を指差し
「実力で掴んだ成功は、運ではない。紛れもない、自分の力だ、…てな」
「…天道、俺たち頼んでないぜ?」
「俺のサービスだ。遠慮なく喰え」
「ほんとに! さっすがそうじなんだよ!」
天道に粋な計らいで目を輝かせるインデックス
あれだけ食べておいてまだ食えるのか、と思われるかもしれないが、いつも通りなので問題はないのである
せっかくサービスでくれたのだからありがたく貰うとしよう
「でも、天道の言う通りだぜ、アリサ」
さらに置かれたチョコパイを一口かじった当麻が不意にアリサに向かって声を上げる
そんな当麻の言葉に意味が分からず、アリサは疑問符を浮かべて当麻を見た
「ふぇ?」
「さっき天道が言ってただろ? お前が選ばれたのは、紛れもない実力なんだ。誇ってもいいと思うぜ?」
「そうそう。それを運っていう言葉だけで片付けるのはもったいないよ」
「…二人とも」
きっとここまで来るのに、ずっと努力をしてきたはずだ
ようやくそれが実って、彼女の夢がかないそうだというのに、それを運と決めつけるのはあまりにも酷である
「ねぇ、ひと段落したから…聞いちゃうけど、貴女、ARISA、さんだよね?」
「え? う、うんっ」
不意にショートカットの女の子のバイト―――ひよりがアリサに向かっておずおずといった様子で聞いてきた
彼女は持っているシルバートレイを抱きしめつつ、そこからひょっこりと顔を出しつつ
「その、ボクアナタのファンなんだ。ARISAが歌う歌に、ボクはいつも勇気を貰ってるから…」
口元を隠しながらのぞかせる彼女の瞳が可愛らしい
「あ、そういえばボク名前言ってなかったね…その、ボクはひよりって言うんだ。天道ひより。…その、よ、よろしく」
「―――、うん、よろしくね、ひよりちゃんっ」
そう言って彼女の手を少し強引に握って握手を交わすアリサ
突然の行動にひよりは少し驚きながらも、その握手を受け入れて僅かに笑みを浮かべた
「…なんだひよりぃ、顔が赤いぞ?」
そんな光景をニヤニヤと笑いながら見つめる視線が一つ
アラタはチョコパイをかじりながら面白そうに笑みを浮かべながらひよりを見ていた
そのことに気が付いたひよりはアラタの方へ振り向きつつ
「う、うっさい馬鹿アラタ!」
反射的に手に持っていたシルバートレイをぶん投げてしまった
平らな面がアラタの顔面にぶち当たり彼が悲痛なうめき声を上げた
横じゃないだけマシだろう
「ふんだ」
言いながら彼女は着替えるべくいったん裏に引っ込んでいった
だがアラタと話していた僅かな時間、少し嬉しそうに微笑んでいた事実は、ひよりしか知らない
◇◇◇
陽が落ちて、夕焼け空となっている学園都市
その学園都市のどこかにある、建物の屋上にて
そこには三人の女の子がいた
否、女の子と表現するには格好があまりにも変だ
彼女たちの格好はまるで絵本にでも出てきそうな魔女と呼べる格好をしている
事情を何も知らない人が彼女たちを見れば、ただのコスプレとしか思えないだろう
そんな彼女たちの目の前には、宙に浮いている一つのディスプレイのようなものがある
そのディスプレイには映像が映し出されていた
映像には、AGITO店内で談笑しているアリサの顔が映し出されている
映像に映っている彼女は、インデックスたちと共にひよりと天道が着替え終わるのを待ちながら、その後で遊びに行こうとしていた
三人の魔女は、じっとその映像を眺めていた
暗い闇の中で、彼女たちの髪が風に揺れている―――
◇◇◇
遊び歩いていたらすっかり陽も暮れて夜になってしまっていた
街灯もぽつぽつと点灯し始めて、夜の暗闇を彩っていく
「こんなに楽しかったのなんて初めて! …本当にありがとう、みんな」
そう本心からの感謝をアリサは呟き、隣にいるインデックスとひよりに笑顔を受けた
彼女の笑顔に二人も笑顔で返すと、ごとん、と何かを置く音が聞こえた
それはアリサの機材を持っていた当麻がその荷物を置いた音だ
彼の傍らには念のためとしてアラタと天道が付き添っていた
せっかくだから男子連中でじゃんけんで負けた人が持ってこうぜ、みたいな話になりなぜか当麻が連敗した
不幸炸裂である
ゆえに、アラタと天道はあまりに疲れていない
「お、俺も
「…当麻くん」
彼の名前を呟くアリサの頬は、朱色に染まっていた
その光景を見てひとり、アラタはハッとする
そしてアラタの内心に同調したであろう天道もアラタの方へ歩み寄り
「…相変わらず、フラグを立てるのは早いな」
「天道も思ったか。…全くだよ、流石我が友人」
小さい声でそんなことを天道と言い合うアラタ
「明日や未来に向かって頑張ってる姿を見ると、元気や勇気を貰えるんだよ!」
「うん。…ボクには、その勇気が少し羨ましいかな」
インデックスの言葉に頷きながらひよりはちらりとアラタの方へと視線を移した
当の本人は天道と話しているために、ひよりの視線に気が付くことはなかった
その事実にひよりは周囲に悟られないように小さい声で「…ばか」と呟く
「こりゃあ、インデックスさんも頑張らないといけないな」
「むむ。それは失礼なんだよ! っていうか、私は既にシスターっていう立派な職業についているんだよ!」
そんな二人の言葉を皮切りに、インデックスと当麻のいつもの言い合いが始まった
最早これは様式美のようなものになっているのでひよりもアラタも天道も笑ってそれを流している
アリサもまた笑顔を浮かべながらそれを少し眺めたあと、徐に空を見上げた
そしてすくっと立ち上がるとらら、と言葉を紡いで、歌を歌い始めた
否、歌う、というよりはそれは奏でている、表現した方がいいかもしれない
あるいはまだ、製作途中なのか、単純に今思い浮かんだ曲調を奏でているのかもしれない
「…綺麗な旋律、だね」
「あぁ…」
無意識にひよりもアラタの隣に歩いてきて、そんな言葉を呟くと、アラタもそれに頷く
さっきまで言い合っていた当麻とインデックスも言い合いをやめてアリサの歌に聞き入っていた
アリサは歌を奏でながら、ゆっくりと歩き始める
他の四人も彼女の声を聞きながら後ろをついていく
ちなみに荷物は今度は男子全員で分配したので全員が一個ずつ持っている感じである
やがてたどり着いたのは中央にある水が溜まっている大き目な広場へとたどり着いた
彼女はやがてひとしきり歌い終えると、くるりと振り向いて
「これね、今作ってる歌なんだ。本当に今日はありがとう。…デビューライブには絶対に招待するからね」
言ってアリサは笑顔になる
それに応えるように一行も笑顔を浮かべて
「ああ。楽しみにしてるぜ、なぁ? インデックス」
「うん! ぜったい聞きに行くんだよっ!」
「音楽というのも、案外悪くはないかもしれないな」
「これからもファンの一人として応援してるよ。頑張ってアリサ」
「…さて、時間も遅いし、今日はもうお開きか?」
一通りの言葉を述べて、アラタが携帯の画面を確認して時間を確認する
すっかり遅くなってしまった、これが常盤台だったら門限ぶっちぎっているためエライことになるだろうが、そんな名門校に通ってる奴はこの場にはいない
男子連中が持っている機材をアリサに手渡して、途中まで送っていこう―――その矢先
変化が起きる
広場の中央―――水が貼られている貯水池の真ん中が渦を巻き、そこから一人の魔女が浮き上がってくる
ほうきを構え、金髪の魔女―――メアリエ・スピアヘッドは魔術を行使する
「ウンディーネ―――。逆月の象徴により―――万物から抽出されしものよ…!」
言葉と同時、足元の水が渦がさらに激しさを増していき、やがてそれは一本の龍のようなものを作り上げる
それに一番最初に気が付いたのは、そういうものに敏感なインデックスだった
「―――!」
そのインデックスの様子、そして周囲に異常に気が付いた当麻、天道、アラタ、アリサ、ひよりも状況の異常さに目を向けた
目の前に竜巻のように渦巻く水―――その水がうねりと共にこちらに襲い掛かる
すかさず当麻はアリサを、アラタはひよりを庇い、天道はインデックスの隣へと移動する
「当麻、こいつは―――」
「間違いねぇ、魔術師だ…!」
「お前の近くにいると、退屈しないな…!」
「気を付けて! 水のエレメントを使役する術式だよ!」
インデックスの言葉に三人は警戒を強くする
そんな中目の前の水の龍は形を整え、こちらを喰らわんとタイミングを伺っているように見える
「インデックス! お前はひよりとアリサを連れて隠れてろ!」
当麻の声に頷くと、インデックスはアリサとひよりと一緒にこの場を下がる
アラタと天道は当麻の隣に立つとまず天道は天へと手を翳す
それをきっかけにして、天道の手元に赤いカブトムシのようなものが飛来し、それをキャッチすると腰に巻いてあるベルトへとそのままセットしゼクターホーンを反対側に倒す
「変身」
<HENSHIN>
マスクドフォームの過程をすっ飛ばし、ヒヒイロカネの鎧を纏った仮面ライダー、カブトへと天道は姿を変える
最後の顎のローテールを起点にカブトホーンが定位置に収まり青い複眼が発光する
<CHANGE BEETLE>
同様にその横で、アラタも腰に手を翳す
すると彼の腰にアークルと呼ばれるベルトが現れ、右手を左斜めへと伸ばし、左手をアークル右側上部へ添えて、ゆっくりと開くような動作をしつつ彼も叫んだ
「変身…!」
そして右手を左手の所へ持っていき、両腕を開いて仁王立ちする
ぎぃん、と暗かったアークルの霊石―――アマダムが赤く輝き彼の身体がクウガへと変質し、変身を完了させる
それに呼応するかのように、水の龍が落ち着いたかと思うとそこから金髪の女の子が現れる
魔女みたい格好で、少々際どい格好をしている
神裂といい魔術師はなんか格好に意味合いでも持たせているのか
そして目の前の金髪の魔女だけではない、確認できる気配だけでおおよそ後二人…合計三人だ
当麻の右手があるといえども、あまり無茶はさせられない
「行くぞ天道」
「わかっている」
「当麻も無理すんなよ」
「あぁ!」
クウガが呟くと同時、カブトはクナイガンをクナイモードにし、共に駆け出し、二人を追うように当麻も走り出す
「マリーベート! 足止めしてっ!」
目の前の金髪の魔女―――メアリエは周囲の水を用いて、こちらに水の槍を放ってくる
かかってくるいくつかの水の槍をクナイガンで叩き落とし、クウガの拳で破壊し、当麻の右手で打ち消しながら接近を試みるが、不意にくんと、足が動かなくなる感覚が襲う
「―――土!?」
当麻が叫ぶ
よく見ると自分たちの足元に土が絡みついて動きを奪っているのだ
「ジェーン!」
土を操る女魔術師―――マリーベートが風を操る女魔術師―――ジェーンの名前を呼ぶ
ジェーンが一度扇子を仰ぐと、強い突風が吹き荒れ、先ほどいくつか回避したはずの槍がこっちに向かって戻ってくる
「くそっ!」
当麻がまず自分の足元に絡みついている土を殴りつけてその魔術を無効化すると、それに連鎖してクウガとカブトの足元の土も消し飛び、術者のところまで繋がっていたその土が、マリーベートを吹き飛ばす
しかし水の槍はそうは言っていられない、クウガとカブトは当麻を庇うように前に出ると
「超変身!」
「プットオン」
<Put ON>
カブトはマスクドの鎧を身に纏い、クウガは紫色の姿となることでその槍の凌いでいく
それを見たメアリエは再度箒を突き付け、魔術を行使しようとするが…不意にバランスを崩したように水の中に落ちてしまった
「!
ジェーンがインデックスの方へと視界を見ながらそう叫ぶ
〝ノタリコン*1〟という暗号を用いて術式を操る敵の頭に割り込みを掛け、
暴走や発動のキャンセルなどの誤作動を起こさせるという魔力を必要としない魔術だ
無効化にかけては当麻とインデックスの右に並ぶものはいないだろう
再度身構えたクウガとカブトマスクドフォーム、そして当麻は残る一人をとっちめるべく走り出そうとした、その時
通せんぼするように、紅い炎が吹き荒れた
<タカ!><トラ!><チーター!>
そしてそんなテンション高い声が聞こえてきたと思った瞬間、カブトマスクドとクウガに向かって何者かが攻撃を仕掛け二人の体制を崩していく
攻撃していった人影は、その炎を操っているであろう人物の所へと移動する
その人物を、当麻とアラタはよく知っている
ステイル・マグヌス…
だが横にいる仮面ライダーについては何も知り得ない…いや、かつて敵対していたころに、ステイルが用いていたあの人形とかかわりがあるのだろうか
ステイルは抱えているマリーベートとメアリエに視線を移す
「…なぜ勝手に動いた。僕か斎堵を待てと言ったはずだ」
「し、師匠…」
どうやらあの三人の女魔術師はステイルの身内のようだ
だったら話は早い、なんでこんなことをしてきたのか問いただせば答えて…くれるだろうか
だが聞かない以外に道はない
三人はステイルから少し距離を取りつつも、互いの声が聞こえるだろう位置に行くと
「おいステイル! こいつは一体どういうことだ!」
「事と次第じゃあ、流石に許さねぇぞ!」
当麻とクウガの声がステイルの耳に届く
ステイルは女魔術師たちから手を離すと、目をつむったまま動かない
そして隣の仮面ライダーも徐に一枚ベルトからメダルを抜くと一枚、新しいメダルをベルトにセットした
それをベルトのスキャナーのようなものでスキャンをし―――それを合図にするかのように、ステイルが叫ぶ
「Fortis931*2!!」
<タカ!><トラ!><バッタ!> <タトバ! タトバ タ・ト・バ!>
黄色かった下半身が緑色に変わり、ステイルの周囲に炎が吹き荒れる
「本気か!」
クウガとカブトもステイルに対し身構えようとしたが、バッタのごとき跳躍力で一気に三色の仮面ライダー…オーズが腕の爪を展開し襲い掛かる
その攻撃を回避しつつ、カブトマスクドとクウガはそれぞれ身構えた
「実力を見せてもらうぜ。クウガ殿!」
「こなくそっ!」
オーズは腕の爪でクウガの拳とカブトのクナイガンを器用にいなしながら小さい隙を見つけては二人のライダーに攻撃を仕掛けていく
オマケに今のクウガとカブトはマスクドフォームと紫色のタイタンでもあるので、どうにもスピードが著しく追い付けていない
クウガとカブトは後ろへと転がって体制を整えながら
「天道、姿を戻すぞ! ―――超変身!」
「わかった。―――キャストオフ!」
<CAST OFF><CHANGE BEETLE>
マスクドフォームの鎧がはじけ飛び、ライダーフォームへとまた姿を変えて、クウガも色を再度赤へと戻して、目の前のオーズに向けて立ち向かっていく
そんな光景を少し離れたところで、インデックスたちが見守っていた
インデックスは目を逸らすことなくその戦いを見つめており、その隣のひよりは不安そうに彼らの戦いを見守っていた
それはアリサも同じだった
キュイン、と当麻の幻想殺しがステイルの炎を打ち消す
それでもまた新たな炎を生み出しながら、ステイルは弟子であろう三人の魔女に向けて言葉を発した
「何を呆けている、確保しろっ!」
その言葉を聞いて、メアリエ、マリーベート、ジェーンの三人が立ち上がり、動きだす
三色ライダーと戦っていたカブトとクウガは相手の蹴りや爪を防御しつつも、アリサへと視線を向けて
「やばい、やっぱ狙いはアリサか!」
「向かいたいところではあるが…!」
だがそんな隙を目の前のオーズは見逃すはずもないだろう
後ろを見せてしまえば、それで終いだ
「アリサぁ! ―――!」
ごぉ! と当麻の近くにあった柱へとステイルの炎が燃え移る
柱はメキメキと音を立てて、今にも崩れ落ちようと姿形を変形させていく
「君の右手じゃあ、質量までは消せないだろう」
ステイルの言葉に、上条当麻は歯を食いしばる
そう、上条当麻の幻想殺しには致命的な弱点がある
彼の幻想殺しには、あくまでも〝異能〟の力しか防げないのだ
たとえ相手の炎自体を防ぐことができても、その炎で倒れてきた瓦礫や木などは防げない
今にも消えようとしている彼の姿を、鳴護アリサは確かに視界に捉えた
捉えてしまった
いやだ、そんなのいやだ…!
あの人には…死んでなんかほしくないっ!!
「やめてぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
刹那、鳴護アリサは叫んでいた
そしてそれと同時に、ステイルが生み出していたはずの炎が消え去り、当麻を押しつぶすはずだった柱が二本に割れて、当麻を避けるように地面に突き刺さった
何が起こった?
それはこの場にいる皆が思ったことだ
そんな光景を見ていたステイルは憎々し気に舌を打った―――
◇◇◇
「保護対象確認。…いつでも行けます、名護さん」
「構わない。以降、私は君に従おう」
シャットアウラの言葉にそう言葉を返しながら名護と彼女はイクサベルトを巻き付ける
そして同時にナックルを手のひらで叩きつける
<レ・ディ・イ>
「…変身」「―――変身!」
<フィ・スト・オン>
二人のベルトから音声が鳴り、残像が二人に重なると、その場には白い仮面ライダーと黒い仮面ライダーが爆現する
十字のフェイスがオープンし、この場に仮面ライダーイクサが二人、現れた
「マリア、貴女はどうか」
「問題なし、感度良好ですわ」
水色の複眼を発行させ、G4システムを纏った彼女がそう短く答える
「…貴方は? ブラック・リューランド」
「こっちもいつでも行けますよ…ってなわけで」
言いながらブラックと呼ばれた彼は時計のカバーのようなものを軽く動かし、ライダーの顔に合わせると、スイッチを押す
<―――ザモナス>
それを腰に巻いてあるベルトの右側に付けて、気だるそうに上のロック解除ボタンを押しながら、呟いた
「変身」
<ライダータイム! ―――仮面ライダー ザモナス!>
ゴウッ! と炎のようなものが巻き起こったと思うと、彼の体を赤と青の鎧が包んでいく
金色のような、それでいてライダーとも見える複眼が発光し、妙な輝きが、ステイルたちを捉えていた
「狩り、開始。…なんてね」
―――ゆっくりと、歯車は回っていく