またR-15や残酷な描写の要素もありません。
おかしい。
さっきから、何度心の中で繰り返しただろう。
木曜日の朝8時近くだというのに周りに人の気配は無い。
………目の前に少女が立っているだけ。
しかし、その少女もとても異質な格好をしている。なんだろう……ワンピース…に近いのだろうか。赤と白で作られた服、そして大きなリボンを付けている。
対してこちらは……激痛に、道端で転がり呻いている。呻いている、と言ってる割には精神は安定しているんだけども。
そのためか、目の前に立つ少女……とても綺麗なこの少女に見惚れてしまっている。
少女が口を開けた。
「身体は凄く痛いのかも知れないけど、心はとても、とてもクリアでしょう?」
あぁ、その通り。
「大丈夫、その身体の痛みはすぐに無くなる」
少女の言う通り、だんだんと痛みが引いていた。
「その代わり、心に、痛みが走るかも知れない……」
身体の痛みが無くなった、その途端に頭に突然【記憶】が流れ込んできた。
「う……ぅあ……」
まず現れたのは、目の前の少女と金髪の少女。
次に現れたのは、お面から生まれた無表情な少女。
その次に現れたのは、不思議な形の羽根とコウモリの羽根をそれぞれ生やした2人の少女。
さらにその次に現れたのは、赤と緑の紐で繋がれた瞳を持つ2人の少女。
「ぅ……わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
その、7人の、少女達を……誰1人………!!
「そう……だ…守れ…なかったんだ……」
少女が悲しそうに言った。
「そんな事、無い。きっと、みんな、あなたのおかげで、救われてた……私もね」
そう、なのか、な……
「ごめんね」
少女の身体がだんだんと淡くなってきている事に気づいた。
「あなたのことだから、また守れなかった、って悲しくなるかも知れないと思ったけど……」
まさか………まさかまさかまさか…!!
「あなたが…必要…なの……」
やっと動き始めた身体を前に進める。
「こん、な……再開、で……」
急げ…急がなきゃ……
「また…あなたを悲しませる……かも知れない、のに……」
少女の身体に手が触れる。
「ごめん…ね……」
とてつもなく冷たい。
「謝らないで……」
少女が倒れるところを、無理をして何とか受け止めた。
「えへへ……最期に……抱きしめられちゃった……」
最期だなんて、言わないで……
「『記憶』は『もう1人の私』に受け継がれる……だから」
頼むから……
「彼女と……幻想郷を、あの世界を……」
もう、喋らないで……!
思い出した治癒魔術を必死になって少女にかける。
「守って……」
しかし、少女の身体は更に冷たく、薄くなっていく。
「そして……」
もう、いいから……お願いだから………!!!
「しあ……わせ…に……なって…ね……お兄ちゃん……」
生きて……
「霊夢……」
完全に透き通り、触ることさえ出来なくなった少女に、兄からの最後の言葉は届かなかった。
処女作&初めての投稿です、テスト投稿も兼ねてます。
お読みいただけましたか………ありがたい限りです。
これからちょくちょく続きを投稿しようと思うので出来れば今後も読んでいって欲しいなぁ、なんて………
このお話を読んでくれただけでとてもありがたいのですけどね。
お読みくださり、ありがとうございました。
2016/06/12:細かいところの修正をしました。