数日後、Sクラス教室……
「……ねえ、雄二」
「……何だ、明久」
とある観察処分者とその悪友は、教室内の光景を見て、自分達の考えの浅はかさを呪っていた。
「「なんで誰もいないんだぁ――――!!」」
清涼祭の出し物の準備をしていたはずのFクラス生徒46人のうち、45人がいないのだ。まさにすっからかん。
「皆さん、メイドさんを見て飛んでっちゃったんです……」
「あのバカども……Sクラスの連中になんて言われるか……」
唯一残っていた瑞希が雄二に説明すると、雄二は頭を抱えて嘆く。瑞希が転校してしまえば、打倒Aクラスの夢も完全に潰えるため、仕方なく(ここ重要)Sクラスと一時的に(ここも重要)手を組むことにしたのだ。
が、そのFクラスの大多数の生徒は準備投げ出してSクラスの専属メイドにくっついてったらしい。
「おい、明久に坂本、大声出してどうしたんだよ……って誰もいねえ!?」
「……坂本君、ちょっと」
「さすがにもう庇ってあげられないよ……」
必要な食材やらなんやらの買い出しに行っていた竜、優希、穂乃香が帰ってきた。が、当然もぬけの殻の教室を見て呆れたり突っ込んだり三者三様のリアクション。
「……? おい、姫路。ムッツリーニはどうしたんだ?」
「土屋君なら、大きなカメラを持って皆さんの先頭を走って行きましたけど……」
『『『………』』』
Fクラスの信用、奈落の底に落ちる。
「ふぅ、やっと戻ってこれたぞ……あ奴らは……」
「どうしたのよ木下、そんな顔して……ああ、納得ね」
さらに秀吉と美波がやってくる。が、どちらも(
ちなみに彼女達は(ワシは男じゃ!by比較的バカな方の木下)内装の装飾品やらテーブル(高級品)やら椅子(高級品)やらティーセット(高級品)の申請に行っていた。Sクラスの生徒でなくても、代表の署名と学生証を提示すれば申請できるのだ。ちなみにSクラスは申請すれば大抵の物は用意してもらえる。恐るべしSクラス。
「なんとかして奴らの気を清涼祭に向けれんじゃろうか……」
「そうだな……。お、いい案があったぞ」
雄二は何か思いついたようで、悪い顔をすると、明久達は雄二から少しずつ離れていく。
「姫路さん、何でFクラスの人、止めなかったのよ」
「止めたんですけど、皆さん聞いてくれないんです……」
「だから、もっと強気で行くのよ。正しいのはこっちなんだから、何も怖がることなんてないのよ」
はじっこの方では優希による姫路瑞希育成計画が開始され、
「なあ、穂乃香。俺、坂本のこと見直したよ」
「竜さん?」
「アイツ、よくこんなクラスでBクラスに勝てたよな……」
「あ、あはは……」
別のはじっこの方では竜と穂乃香が雄二の統率力にびっくり。
「ねえ、島田さん」
「なに、吉井」
「僕、結構ダメだと思うんだ、これ」
「奇遇ね、ウチもそう思ってるわ」
すっからかんの教室と悪い笑顔を浮かべている雄二を見て、明久と美波は案外希望がなかったりするのではないかと不安になる。