「それではこれより、『姫路瑞希転校阻止作戦作戦会議』を始める」
「何やってんのよ」
教壇に上がり、大型ディスプレイに自分のノートパソコンから文字を表示させる竜と、ツッコむ優希。若干テンションがFクラスに近づいているのだが、そこは華麗にスルー。
「あのさ、竜、もうちょっと真面目にやろうよ」
「なんだよ明久まで。ちょっとくらい――――――」
「Fクラスみたいだよ」
「さあ真面目にやろう。静真、頼むぜ」
あくまで自分はFクラスと同レベルではないと言い張るかのように180°態度が豹変する竜。まあそれで話し合いがスムーズに進むのなら問題はない。
「分かりました。では、まず今明確になっている問題を上げるところから始めましょうか」
静真が竜のノーパソを借りてディスプレイに文字が表示される。アイデア自体は悪いものではないので借用。
「問題点って言っても、何があるか分からないけど」
「一応、坂本君に聞いておきました。大きく分けると3つだそうです」
静真がパソコンに文字を打ち込み、それがディプレイに表示される。
3行に分けられているそれらは、
①茣蓙とみかん箱という劣悪な設備
②学力向上を望めないクラスメイト
③最悪な衛生環境
「この三つですね」
「①と③は同じじゃないの?」
穂乃香が質問する。確かに一見すると同じようにも見えるが、
「①はあくまで設備、つまり、試召戦争によって変化したものです。もともと座布団とちゃぶ台という酷いものだったようですけど。ですが、③は教室の劣化状態、分かりやすく言えば、カビやキノコが生えているというようなところですね」
「Fクラスってそんなだったんだ……」
自分の特別待遇に少し喜んでしまう明久。設備に差があるのは知っていたが、まさかしょっぱなからそこまで酷いとは思っていなかったのである。
「②はどうするのかしら?Fクラスの生徒全員を一気にDクラスやCクラスのレベルまで上げるなんて無理でしょう?」
「そこは坂本君も考えているようです。召喚大会に出て、上位に残れば、Fクラスが学力最底辺ではないと証明できるそうです」
静真の説明を聞いても、「姫路抜きじゃ一回戦勝つのも厳しいだろ」と静真以外の4人が同時に思ってしまうあたり、やはりFクラスはどこまで行ってもFクラスなのだ。