「クラスの学力は召喚大会で誤魔化すとして、じゃあ①と③はどうするんだ?」
「設備は清涼祭の売り上げで上のランクの物を購入すると言っていましたが」
竜の質問に静真が答える。
設備そのものは実は試召戦争以外でもこういった場面でランクアップを狙えるのだが、案外それに気がつくものは――――というより、ほぼ全員が自分のクラスの設備が自身の学力相応の物だと思っているので――――案外少ないのだ。
「けど、机や椅子を替えたくらいじゃあの埃まみれの教室はどうにもならないわよね?正直、身体の弱い人はすぐに体調を崩しそうだし」
「坂本君によれば、教室の衛生環境は学園の方針以前に生徒の体調にかかわるものだから、直訴すれば改善してもらえると」
「……坂本君、学園長相手に脅迫とかしなきゃいいんだけどな」
静真は雄二が言っていた台詞をそのまま伝えるが、雄二の性格を考えた穂乃香が言う、ババ……もと、学園長とぶつかればまともなことにはならないだろう。
「確かに、雄二の性格なら学園長に色んな事言いそうだよ……」
「……明久も苦労してんな………」
明久は雄二の性格のせいでガックリとうなだれ、竜が明久の肩を叩いて同情する。
いつの時代でも、どの世界でも、明久は苦労することが多いらしい。
「せめて、島田さんとか姫路さんとかが坂本君のストッパーに……はならないわね……」
「優希ちゃん、それって結構酷いよね?」
優希はFクラスの数少ない潤い成分が暴走代表のストッパーにならないかと考えるが、即座に否定する。そんな優希に苦笑いする穂乃香だが、美波や瑞希の性格……というか、行動パターンを考えると、あまり期待はできないのが現実である。
というか、仮にストッパーになったとして、今度は雄二の命がAクラスの代表に狙われることになるだろう。
「で、結局俺達はどうすればいいんだ?」
「坂本君がどういう方法で学園長を丸めこめるのかは分かりませんが、おそらく何かの交換条件があるはずです。それを達成するのをサポートすべきかと」
「今『丸めこめる』って言ったわよね?」
ここでも学園長を教育者と認めないSクラス代表しずまくん登場。明久以外の3人は静真の対学園長スキルの高さはよく理解しており、『むしろ坂本よりコイツの方が適任だろ』とさえ思ってしまうほどだった。ちなみに事情をよく知らない明久は首をかしげている。