今年の清涼祭の目玉イベント『召喚大会』
自由参加の生徒達がトーナメント方式で召喚バトルのタッグマッチを行い、優勝したら賞品あるからせいぜいガンバレやクソジャリどもっていう企画である。
その本当の目的は世界的に注目を集めている文月学園の学園祭に来た来賓のお偉い方に、試験召喚システムのなんたるかを教え、あわよくばスポンサーになって貰おうぐへへという清々しいくらいの下心に満ち溢れた企画なのである。
「……あのー、穂乃香さん?何でこんなことになってるのかな?」
「だって、優希ちゃんが、優勝したら、ペアチケットって……」
そして召喚大会会場に立つ二人の男女。
片方は観察処分者、吉井明久。もう片方は霞穂乃香。
二人のクラスメイトである坂上竜と小井草優希の謀略(おせっかいとも言う)によって、何故か召喚大会に出ることになっていたのである。
この召喚大会では、優勝者にはもうすぐオープンする如月グランドパークのプレオープンチケットが渡される。
なんか如月グループの力で結婚まで持ってってくれるとかよく分かんない噂が広がってい入るが、穂乃香は明久とデートに行ける(おまけに財布に打撃なしとくる)ものだから手に入ったらいいなとか思ってたのだが、内気な穂乃香に堂々と召喚大会で優勝するなんてまず不可能。
そこで竜と優希の目がなんか悪者っぽく―――具体的には美少女の服を脱がそうとする美少女のように―――光ったのだ。
「もう……優希ちゃんたら……」
「あはは……でも、穂乃香がいればいいところまでいけると思うんだ。僕も頑張るからさ」
「……うん、せっかく出たんだし、やれるところまでやってみたいもん!」
ぐっ、と握りこぶしを穂乃香が作る。そんな穂乃香を見て明久も気合を入れる。学力的には明久はお荷物以外の何物でもないが、それでもやれるだけのことはやるつもりだ。
フィールドを挟んだ向こう側にはAクラス所属の名もなきモブの女の子二人がいる。対戦相手は彼女達ということだ。
「仲が良くて羨ましいわね。けど、」
「ここで消えてもらうわよ!」
敵キャラオーラが全開になる二人。
監督の高橋先生が試合開始の合図を告げる。
「教科は日本史です。―――――――始め!」
「「「「
明久穂乃香ペアの、長い召喚大会の火蓋が切って落とされた―――――!