「「「「
4人が同時に叫び、それぞれの召喚獣が姿を現す。
明久の姿をデフォルメした改造ガクランに木刀というチンピラ装備の明久の召喚獣。
穂乃香の姿をデフォルメしたFF13のライト〇ングのような服装、さらに槍を持った穂乃香の召喚獣。
相手の二人組の召喚獣は、西洋甲冑とロングソード、着物と扇子という装備。
…………着物と扇子?
「……僕、自分の召喚獣の装備より酷い人初めて見た」
「明久君、そう言うことは言っちゃだめだよ」
何気に毒を吐く明久と穂乃香。
確かに一見すれば、武器どころか殺傷力の有無すら怪しい装備である。
「………観察処分者のクセにバカにしてくれるじゃない。ちょっと今のは頭来たわね」
「ゆ、由美?」
明久の台詞を(不運なことにはっきりと)聞いた女子生徒の身体から黒い何かがにじみ出る。どうやら本人も気にしていたことのようで、明らかに怒らせてしまっている。
「アンタ大和撫子バカにしてると痛い目見るわよォォォォォォォ!!」
「うわぁ!?なんか覚醒してる!?」
由美と呼ばれた少女は黒いオーラをベ〇ータもびっくりの金色のオーラに変えると、召喚獣に突撃の指示を出す。
☆日本史勝負☆
Sクラス 吉井明久 154点
霞穂乃香 554点
VS
Aクラス 柏木由美 284点
岡崎愛美 321点
さすがにAクラスだけあって、学年でもトップクラスの点数だ。ちなみに覚醒している由美よりも呆れている愛美の方が点数が高いのはご愛敬。
「大和撫子なめんなゴラァァァ!!」
「うわ、ちょ、待って」
着物というかなり動きづらそうな装備とは裏腹に、その高得点故の高速攻撃を繰り出してくる由美。だが、点数差2倍とは言え、観察処分者として培った明久の操作技術は由美のそれを遥か後方に置き去りにしておき、攻撃が届くことはない。
「……あのバカ、Aクラスのメンツ丸つぶれよ」
「苦労してるね……」
「そうね、由美の尻拭いはいっつもアタシなのよ。まったく、フォローする方のことも考えろって言ってやらなきゃね!」
「……!?」
言い終わると同時に、今度は愛美が穂乃香に切りかかる。ロングソードと言っても、その長さは両手剣などという甘いものではなく、召喚獣を人間の体の大きさに換算すれば軽く4メートルはあるであろう細身の超長剣である。
「………ッ!!」
穂乃香の武器も、槍という特性上、比較的リーチが長い部類に入る。それでも愛美のロングソードの
2/3程度の長さしかないため、穂乃香は相手の間合いに中々入り込めずに防戦一方の状況になる。
逆に、扇子と木刀では扇子をブーメランのように使いでもしない限り、リーチでは明久に部がある。おまけに次元の違う操作技術が加算されて、点数差2倍などではハンディキャップにすらならなくなっている。
点数の低い明久よりも、点数の高い穂乃香が苦戦しているという不思議な状況がフィールド内に形成されつつある。
「く……!ちょこまかと、メタル〇ライムみたいな奴ね……!」
「そこまで弱くないよ!?」
「うっさいわね!一閃突きしてやるからさっさと死になさい!!」
有り余る大和撫子パワーが閉じた状態の扇子による一閃を繰り出してくる。当然そんな射程範囲の狭い攻撃で明久に当たるわけがない。
明久に有効なのは、今の一閃の様な一撃必殺のピンポイントアタックではなく、穂乃香の『
☆日本史勝負☆
Sクラス 吉井明久 147点
霞穂乃香 482点
VS
Aクラス 柏木由美 223点
岡崎愛美 320点
明久の攻撃力が想定以上に低いため、由美には大したダメージは入っていない。逆に穂乃香と愛美では、防戦一方になっている穂乃香の方が消耗が激しい。
「穂乃香……!」
「ダイジョブだよ!……決めるから!」
「余所見たァ随分余裕だなァ!!」
「由美、キャラ変わってるわよ。アンタは第1位でもアルビノでもロリコンでもないでしょーが」
由美の口調が某とあるの一方さんのようになるが、愛美が冷静に一瞬でツッコんでバトルリスタート。
ツッコミの間にも穂乃香から集中をそらさない愛美は、まだ点数で有利な穂乃香に強大な一撃を与えようと、多少のリスクを覚悟で穂乃香の間合いに踏み込む。
穂乃香の間合いは同時に愛美の間合いでもあるため、愛美の攻撃は穂乃香に取ってピンチであると同時にチャンスでもある。
「喰らいなさい!んでもってアタシの勝ちってことにさせてもらうわ!
「……そうやって痺れを切らして突撃してきてくれないかなーって思ってたんだ」
一瞬、穂乃香と愛美の世界が凍る。『桜舞う槍の舞い(ランスオブダンス)』が発動し、穂乃香無双が始まる。
連続で斬り付ける穂乃香の召喚獣に、愛美は為す術もなくただボロボロになっていく己の分身を見ることしかできない。
そして、最後の一撃が放たれ、
Aクラス 岡崎愛美 DEAD
愛美の召喚獣は地に沈んでしまう。
「………むごいわね、ちょっと酷過ぎるわよ」
「そ、そんなこと言われても」
頭に手を抑えて嘆く愛美。その理由は自分達とは少し離れたところで明久と由美の戦闘の決着にあり、
「ふぅ……なんとか勝てたぁ……」
「きゅ~ん……」
「勝者、吉井霞ペア」
フィードバックがないはずの由美が何故かくたばっている姿を見て、首をかしげる3人を無視して高橋先生の感情のこもっていない声が勝者を告げる。