「……ねえ、穂乃香。この召喚大会、本当に進行がスムーズだね」
「偶然だね、明久君。私も全くおんなじこと思ってた」
常村&夏川の3年コンビ(以下常夏コンビ)との一悶着からおよそ30分後、何故かまた召喚大会に呼び出された明久と穂乃香。
召喚大会運営委員会の仕事がお早いようで喜ばしい限りですな、まったく。
「……どうして、こんなに忙しいんだろ」
「しょうがないよ。学園長はスポンサー確保のためにクラスの出し物よりも召喚大会の方を優先したいんだよ」
まだ見ぬ対戦相手を待つ間、明久と穂乃香が駄弁る。
文月学園は安い学費の分をスポンサーからの資金で補っている。そのスポンサーを手放さないためにも、学園側は試験召喚システムの研究および開発が確実に成果を出しているというところを見せつけたいのだ。
「ていうか、何か対戦相手来ないね……」
「そうだね……あ、来たみたいだよ」
言った直後、どうやら2回戦の対戦相手が現れた。
現れたのだが……
「吉井!?」
「根本君!?」
「明久君、知り合い?」
「何よ恭二、あんな観察処分者に大声出して」
明久と相手のキノコ頭の男子生徒――――Bクラス代表の根本恭二が同時に相手の名前を叫ぶ。
が、穂乃香も根本と一緒に現れた女子生徒――――小山友香も二人の因果関係をよく知らないために首をかしげている。
「こ、こっちに来るんじゃない、根本君!僕にはそういう趣味はないんだ!」
「お前まだ勘違いしてんのか!?あれは坂本がやらせたことだろう!!」
「そ、そんな!雄二とそう言う関係だったの!?」
「違うっつってんだろこのバカ!!」
明久と根本が言いあっている間、やっぱり理解できない穂乃香と小山は「何言ってんのコイツら?」「さあ?」と言いあっている。
「ほ、穂乃香、さっさと終わらせよう。変態につける薬はないんだ!」
「え?へ、変態?あの人、変態なの?」
「友香、さっさと終わらせるぞ。バカにつける薬はないんだ!」
「何焦ってるのよ。相手は観察処分者よ。実質2対1じゃない」
「「つーか、何だとこの野郎!?」」
「「………」」
Bクラス代表と特例措置でSクラスの観察処分者。
コイツらどっちも同じレベルの阿呆か……と穂乃香と友香が頭を抱える。
「あの、さっさと始めてくれませんか?」
「「あ、はい、すいません……って合わせんなこの野郎!!」」
「あんたらねぇ!!」
ついに比較的沸点の低い友香がキレる。このままじゃ色々まずいのでとりあえず試合開始。
「「「「
☆英語勝負☆
Sクラス 吉井明久 112点
霞穂乃香 553点
VS
Bクラス 根本恭二 199点
Cクラス 小山友香 166点
………なんか絶望的になってくるくらいの点数差である。
「点数高くねえか!?」
「まあ、頑張ったしね」
軽く返す明久だが、そうそう理解できないのが人間である。
敵の二人には、動揺が隠せない。
「どーん!!」
「あぶるし!?」
まずは穂乃香が根本を『
Bクラス 根本恭二 DEAD
まずは根本が戦死。
「く……、何よ、観察処分者のくせに生意気よ!!」
「そんなこと言われてもなぁ……」
一方の明久VS友香だが、点数差こそあれど、その操作技術には雲泥の差があり、友香の攻撃はすべていなされている。
もともとヒステリックになりやすい友香は自分の思うように戦いが進まないことにさらに苛立とを募らせるが、
「召喚獣バトルって、冷静さを欠いて勝てるようなものじゃないんだよね」
「あっ!?」
それが却って仇となり、友香の召喚獣の首を明久の木刀が貫く。
Cクラス 小山友香 DEAD
「勝者、吉井霞ペア」
高橋先生の冷めた声が響く。
熱くなって飛びかかってきた割にあっけなく倒れてしまった二人を見た明久と穂乃香は、とりあえず時間がないので撤収することに。
「……そういえば、どうしてあの人って変態なの?」
「ああ、前に女装してAクラスに宣戦布告したから」
「………それ絶対坂本君がらみだ」
ズバリ的中な穂乃香の考え、同時に、雄二がくしゃみをする。