根本&小山の代表カップル(一説によると、女装の件で別れたというタレこみがある)を撃破した我らが主人公、吉井明久と、ヒロイン、霞穂乃香。
まあ別に明久にそこまで主人公補正が働いてるわけでも何か名言言わせたわけでもないんだけど、そこはできるだけスルーで。
そしてSクラスとFクラスの合同の出し物としてSクラスで行われている中華喫茶『好吃』の入口でそれは発見された。
「おっきいお兄さん、ありがとうです」
「いや、気にするな、ちびっこ」
「ちびっこじゃないです。葉月ですっ」
「ははは、そうか、悪かったな」
ツインテールの小学生くらいの少女と、悪鬼羅刹の異名を持つ坂本雄二がほのぼの日常会話を繰り広げていたのだ。
それを目撃した明久と穂乃香の開口一番の台詞は図らずも同じ物となった。
「「ロ〇〇ンだ……!!」」
「おいコラそれ臥せ字の意味ねえだろ」
しっかりとゴリラもとい悪鬼羅刹に聞こえていたりする。
まったく、このゴリラは何を言ってるんだ。某コンビニエンスストアのロー〇ンかもしれないだろ。
「ごめん、ロリコン。僕の知り合いに雄二のロリコンはいないんだ」
「オイコラ明久、『雄二』と『ロリコン』を入れ替えることには大きな差はないようで実はとんでもないことだからな」
「坂本君、自首すれば少しは罪も軽くなるよ……?」
「だから何で俺がそう言うことに……オイコラ霞、お前はなんで明久の後ろに隠れてる?」
「だって私も年の割に小柄だし」
「免罪だっつってんだろ!?」
と、この小説ではかなり珍しいハイスピード漫才を繰り広げたところで話題を元に戻す。メタ発言?作者の特権です、はい。
「いいか、よく聞いとけ。俺はこのちびっこが『バカなお兄ちゃんを知りませんか?』って聞いてきたからバカが沢山いるここに連れてきたわけで」「バカなお兄ちゃん!」そういうわけだロリコン・オブ・明久」
「ちょっと、それだと僕がロリコンみたいじゃないか!?」
「違うのか?そうか、ショタコンだったな、お前は」
「辞めて!これ以上僕に不名誉なあだ名を増やさないで!」
再び展開されるハイスピード漫才。というか、これが本来のバカテスのあるべき姿なのである。
「ちょっと、坂本君。明久君をロリコン呼ばわりするのは許さないよ?」
「お前さっきは俺のことロリコン呼ばわりしてたよな!?」
「だって坂本君のこと別に好きでも何でもないし」
「………さいですか」
何気に毒を吐く穂乃香、再び。ちょくちょく毒を吐く穂乃香って、明久がMに目覚めないか不安である。
「バカなお兄ちゃん、葉月のこと、覚えてますか?」
「え?うーんと……」
「明久君、あのぬいぐるみの子じゃない?」
「?………ああ、あの時の子か!って、なんで穂乃香が知ってるの?」
穂乃香に言われて思い出した明久だが、当然そこに疑問を感じる。
ちなみにぬいぐるみ云々のくだりは第11問を参照。
「そっか、明久君、ここの制服着てたもんね」
「はいです。葉月、バカなお兄ちゃんにすっごく助けてもらったですっ」
ほのぼのとした会話をしながらSクラス教室の中へと入る。ここまでは多少の問答はあったものの、平和なものだったのだが、明久をすいている3人の女性(うち一人は無意識)がこの空間を一瞬で地獄絵図に変えんと動き出す。
「葉月、バカなお兄ちゃんに初めてを奪われちゃったです♪」
「瑞希!」
「美波ちゃん!」
「「やるわよ!!」」
「ごぶるぇっ!?」
「明久君!?」
葉月が口にした直後、穂乃香が反応する時間も与えずFクラスの清涼剤コンビが明久に正義の鉄槌(と言う名のお仕置き)を下す。
「美波ちゃんも瑞希ちゃんも、何してるの!?」
「待って穂乃香。これは私的なお仕置きじゃないの。性犯罪に手を染めた犯罪者を裁いてるのよ」
「そうです。善良な一般市民として、当然の行為です」
明らかに公私混同である。
「あ、お姉ちゃん」
「葉月……?そう、吉井、アンタ、警察に突き出すわ」
「ええ!?何で!?むしろ傷害罪で美波が警察に出頭するべきだとうぼあああああ!?」
皇帝さんのような断末魔を上げてくたばる明久。やっぱり美波が最強で最凶。
「お姉ちゃん、葉月、バカなお兄ちゃんにファーストキスしちゃったです♪」
さあ皆も考えよう。葉月ちゃん式恋の方程式を。
初めて=ファーストキス
奪われた=自分からした
どこが初めて奪われてんねん。
「………みーなーみーちゃーん?」
「………ごめんなさい」
今度の断末魔は女子生徒の物だった……らしい。