「二人とも、反省してる!?」
「「反省してます……」」
明久に正義の鉄槌(と言う名の私的なお仕置き)をした二人を叱る穂乃香。この状況を見れば、本当に瑞希と美波が明久を好きなのか疑問に思えてくるのだが。
「葉月ちゃんも、変なこと言っちゃだめだからね?」
「でも、お姉ちゃんがいつも見てるドラマではこういうのがいっぱい出てくるです」
遠くで穂乃香の背後に阿修羅が浮かんだ。
明久と雄二は美波の断末魔はもうスルーして、仕事に一区切りつけてきた秀吉と話し始める。朝の段階ではあれだけたくさんの人が入っていたのに、今は数える程度しかいないからだ。
「秀吉、何かあった?」
「うむ、10時を過ぎたころから急に客の入りが悪くなったのじゃ。あの3年生の二人組以外にはおかしな連中も来ておらんのじゃが」
「どこかで妨害工作が行われてるのかもな。でなきゃこの客の減り方はおかしい」
この手のことに関しては比較的頭の回る3人組が話していると、竜、優希、静真のSクラスメンバーも寄ってくる。
つまりは、彼らの様な優秀な人間がいなくとも店が回転するほどに客入りが少ないのだ。
「なあ、坂本、その話本当か?」
「ああ。おそらく、さっきの二人組だろう」
「……ねえ、坂本君があのハゲを殴り飛ばしたからじゃないの?」
「私もそう思うのですが」
冷静な二人が指摘するが、雄二は聞こえないふり。というか、聞いてない。
「そういえば、葉月、ここに来る途中で『Sクラスの出し物は接客の仕方が乱暴』って噂を聞いたです」
「それ本当?」
「はいですっ」
それが本当だとしたら、ほぼ間違いなくあの二人組である。雄二がハゲを殴り飛ばした後は、その場にいたすべての客の代金を半額にするという手法で派手に暴れた埋め合わせをしてある。決して『乱暴な接客』ではないだろう。
むしろ、美味しい料理が普段の半額で食べれたと言って、多くの客が満足して出て言ったくらいだ。
「やっぱり、〆る必要があるな、アイツら」
「やるのか坂本?次は俺も手伝うぜ」
暴力担当の二人が意気込んで言う。竜にいたってはシャドーボクシングなんて初めている始末である。危なっかしいったらありゃしない。
「そうと決まりゃあ行くぜ坂本!」
「まあ待て。ちびっこ、どのあたりだったか分かるか?」
「えっと、確か綺麗なお姉さんがいっぱいいるお店だったです」
聞こえた瞬間、雄二と竜が消え去っていた。
「……あれ?雄二と竜は?」
「あのバカどもなら葉月ちゃんが言い終わった直後に出てったわよ」
「まあまあ、優希さん。彼らも思春期の男の子ですから」
宥める静真だが、優希はぷりぷりしながら(比喩表現であり、決して彼女の胸がぷりぷりしているとかそんなやましいことはうわ何をするやめくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」)そっぽを向く。
そこへ、Fクラスの清涼剤×2を叱ってきた穂乃香が二人を連れて戻ってくる。
「明久君は飛んでかなかったんだね」
「うん、だってさ………」
「?」
明久が視線を穂乃香の後ろに向ける。その先にいるのは美波のはずなのだが、
「島田さんが目で『行ったらコロス』って言ってるから」
「……みーなーみーちゃーん?」
「………はっ!?ちょ、ちょっと待ってほのk」
美波の本日3度目の断末魔が、Sクラスの校舎に響いた。