VOCALOID×包丁さんのうわさ ~路頭の花と歌姫達~   作:kasyopa

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『またせたな』by蛇 ※誰も待ってない

今回は包丁さんしか出てきません。包丁さんの世界でのお話です。
というか、今週から包丁さんのジェットストリームアタックになります。

そして、オリジナル包丁さんの『鈴蘭』視点となります。
忘れた方は活動報告の設定資料にもう一度目を通していただけると、
より楽しめるのではないかなと。

あ、後今回はある意味『変態回』となります。(特に後半)
女性の方はUターンされた方が……

※追記 原作の大幅コピーとして扱われる場合、大幅な変更が伴われます。
    そこの所、ご理解ご協力をお願いいたします。


第21話 包丁さんの受難

Outside

 

 

所変わり、ここは包丁さん達の世界。

今は夏奈子の影響で杏・笹・葵・牡丹・椿の5人の包丁さんが欠けた状態である。

今は皆からもっとも信頼を受けている桔梗が仮のリーダーとして存在し、そのフォローとして甘藻がサポートに回っていた。

 

少しばかり静かになったこの世界で、残された包丁さん達は今日を生きる。

 

 

 

「ふわぁ……」

 

黒の少女が、あくびを漏らす。彼女の朝は遅い。

彼女の名前は鈴蘭。特殊な包丁が媒体となった包丁さんだ。

なので他の包丁さんとはまた違った能力を持っている。

元から左手に握っていた包丁を確かに握りしめ、彼女は母屋に向かう。

 

太陽がもうすぐ真上を向こうとしているからか、温められた地面からの放射熱の影響か、暑い。

どうという事ではないのだが、黒い服を着ているからかその影響で余計に日光から受ける熱を吸収してしまう。

そんなことを鈴蘭は考えながらも、母屋に近づいてきた時不思議な音を聞いた。

 

「うー!」

「あ、瓶子! やったな!」

 

バシャバシャと、水が跳ねる音と、楽しげに聞こえる二人の声。

確かに母屋には井戸があり、水の音がするのは何らおかしくはない。

でも何故川で釣りをしているわけでもないのに、何故こんな音が聞こえるのか。

そして、楽しげに聞こえてくるこの声はおそらく瓶子と千鳥の物だろう。

楽しげな様子に惹かれた彼女は、裏庭の方から入ってみる。

元から、鈴蘭の家は母屋から見れば裏にあるから、そちらの方が早く母屋に入ることが出来るのだが。

 

「あ」

 

途端、全身に冷たい物がかかる。

 

「少し火照った体を冷やすにはいいのですが……あまり良いことではありませんね」

「すずー!」

 

バシャ!

 

「………」

 

二度目。一度目はおそらく千鳥による物だろう。今度は瓶子だ。

鈴蘭が二人の方を見ると、二人も二人で全身が濡れている。

その手には柄杓と桶があった。

 

多分、打ち水から水の掛け合いっこでも派生していたのだろう。

千鳥のは完全に事故だが、瓶子は意図的だ。それでも彼女は怒らない。

そもそも瓶子を解っているからだ。

千鳥に水をかけられたのを見て、掛け合いっこの参加者が増えたと思い込んでしまったのだろう。瓶子とは、そういう者だ。

しかも鈴蘭は瓶子からかなり好かれているらしく、それが思い込みに拍車をかけたのだろう。

短い時間で鈴蘭はそう憶測する。

 

「ごめんよ、大丈夫かい?」

 

心配して千鳥が駆け寄ってくる。

 

「大丈夫ですよ。あまり気にもしてませんから」

「んー…もうちょっとさ、鈴蘭もパーっとしない? そんなんじゃ面白くないよ」

「どうでしょうかね。でもこの私が最近は普通になってきましたし。あまり活発なのもどうかと思ってこういった『形』をとってるわけですし」

「本人が言うならある程度仕方ないけどさ、あたしからすればもっと楽に居られるあんたもあると思うんだけどね」

 

鈴蘭は包丁の形を変えられる異例の包丁さん。その形によって性格も大きく変化するのだ。

それも、媒体となった包丁の影響だが。

 

今は小型の出刃包丁の形をとっている。

普段はパン切り包丁なのだがあののこぎりのような刃は、鈴蘭の肉体に影響を及ぼす。

なので、自宅から母屋に移動する時は特に理由がない場合この形をとっている。

彼女が先ほど言ったように、千鳥や甘藻、杏や笹といった明るく活発な包丁さん達より、桔梗や竜胆、稲や月桃のように落ち着いた者の方が、自分らしいと思っているのだ。

 

ただ、それを見ると暗く見えてしまう千鳥からすれば、もっと自分のように活発な少女の方が鈴蘭らしいのではないか、と思っている。

無論、それは千鳥だけがそう思っているわけではないのだが。

 

「クシュン!」

 

体が火照っていたとはいえ、水をかけられれば体温は下がる。

いままで騒いでいた二人が大人しくなったのと、くしゃみに違和感を覚えたのか、奥から母屋の桔梗が出てくる。

 

「鈴蘭さん、いらしてたんですね。ってどうしたんですかそんなにずぶ濡れで……」

「あ、桔梗実は……」

 

千鳥が一部始終を話すと納得したように桔梗は縦に首を振った。

 

「鈴蘭さんは体を冷やすといけませんから、お風呂に行って来て下さい。服は乾かしておきますから」

「へーが乾かす!」

「では服は瓶子さんにお願いして。千鳥、貴女には少し話があります」

「あ、あたしはちょっとこの後狩りに……」

「狩りならついこの間皆さんと行きましたよ? それに貯えも十分ですから、必要はありません。今回は不可抗力という事で軽くですから、そんなに怯えなくても大丈夫ですよ」

「な、なんだぁ……」

 

洗濯好きな瓶子は自ら名乗りを上げる。流石に無理やり脱がそうとはしなかったが、鈴蘭の方をじっと見ていた。

変わらない笑顔で割と残酷なことをいう桔梗であったが、そこまで怒っている様子はないことを理解した千鳥は胸を撫で下ろす。

そして鈴蘭は言われたように風呂場に向かい、瓶子が後からついてきた。

 

 

********

 

 

風呂場の脱衣所の籠には既に誰かの着物が入っており、風呂場からも水音がする。

おそらく誰かが入っているのだろう。

しかし鈴蘭は基本的にそういうことは気にしないタチなので、着物をよく見ることもなく脱いだ服を瓶子に渡し、風呂場に入る。

瓶子は受け取ると嬉しそうに洗濯道具を持って裏庭へと走っていた。

 

「お、鈴蘭ちゃんじゃないか。こんな時間に珍しい」

 

先客は稲だった。

もう彼女は体を洗い終えたのか、湯船に浸かっていた。

 

「いえ、打ち水に巻き込まれてしまって、服が濡れてしまいましたから」

「なるほど。私は普通に入ってるだけさ。この時期は暑くなってきたからね」

「なるほど、それで」

 

不思議と稲は鈴蘭が入ってきて嬉しい様子。

何か考え事をしていたわけでもなく、ただ単に温まっていた彼女にとって、自分の仲の良い者が入ってきてくれたことが嬉しいのだろう。

 

「足の方は大丈夫みたいだね」

「あ……」

 

ここではっとした。

まだ自分の包丁が出刃包丁だったと。

母屋に来てから少し特殊なことがあったからか、それを戻すのを忘れていた。

 

「すみません少し待っていてください」

「そうしてまた自分を傷つけるのかい?」

「……あんまり、昔のことは思い出させないでくださいませんか?」

「そのまま自分を殻の中に押し込んで。またあれだったら相談に乗るけど」

「その時はお願いします」

 

鈴蘭は生前、荒れていた頃に巫女である稲から簡単なカウンセリングを受けていた。

それは稲の好意なのだが。

故に稲は本来の鈴蘭を知っている唯一の包丁さんなのだ。ただし、稲が他の者に鈴蘭について話していなければ、だが。

 

「で、どうするんだい?」

「このままで構いません。どのみち、私は稲さんには勝つことは不可能ですからね」

 

「例え野蛮で血に飢えた私になろうとも」

「鈴蘭ちゃん、そういう事は嘘でも言うもんじゃない」

 

桶を持って体を洗う鈴蘭に、稲が少し怒った口調でそんなことを口にした。

 

「言霊というのを覚えてるかい?」

「確か、言葉に魂が宿るってお話ですね。詳しいところまではその時の私では聞く耳も持たなかったですが」

「それか。それならまた説明しようか」

 

稲は言霊について説明し始めた。

言葉には魂が宿る。それが発言したことを本当にしてしまうという話だ。

厳密には違うのだが、稲は解りやすい様に噛み砕いた上にある程度省略して伝えた。

 

「なるほど。それなら……」

「口にするならいいことを口にするってこと。それがコツさ」

 

それなら、意識してみようかと鈴蘭が思ったところで。

稲の視線が鈴蘭のある一部分に向けられていることに気付いた。

 

「……稲さん?」

「あぁいや、何でもないよ」

 

そう言いつつも、稲の視線は鈴蘭の一部分……胸に向けられている。

 

「何でもない訳ないじゃないですか。何か思うことがあるなら口に出して言ってみてください」

「……なら言ってもいいのかい?」

「私の話を聞いていただいた、昔の仲じゃありませんか」

 

この発言により鈴蘭が後悔するまで後5秒。

 

「なんでそんなにも鈴蘭ちゃんは胸が大きいんだ! 私達となんら……いや、もっと食には困ってたはずだろう?!」

「……へ?」

 

あまりにも突然でわけのわからないような稲の発言に、流石の冷静な彼女も驚き素っ頓狂な声が出る。

 

「年も私の方が年上で、背も体もあまり変わらないが私達の方が大きい。でも何故それなのに、私達を簡単に超えるほどあるんだって聞いてるんだ!」

「あの、そんな事を急に言われても私には……」

「私達と同世代ぐらいででスタイルのいいのは百合ちゃんぐらい……でもそれに比べてもまだ3歳も幼いというのに……」

「………」

 

至って冷静で、つい今まで言霊について喋っていた本人がこんなにも変われるものだろうか。

しかも、胸の大小の問題で。

 

「もしかして好きな人が居てもう既に揉まれ「それは流石にありません」…ではなんだ。天性的なものというのか?」

「かもしれませんね。あまり私はこの話題は皆さんとしたくありません。過去に【この件でひどいこと】もありましたし」

 

【この件でひどいこと】。

それはある時、といっても夏奈子が包丁さんについて知る前の出来事だが。

桔梗が現世に呼ばれた時、外からの土産としてその時代の雑誌を持って帰ってきたことがあって。

その雑誌に胸を大きくさせる方法が載っていたらしく、皆がバストアップ体操というものを実践しているところを偶然、散歩中の鈴蘭と瓶子が通り過ぎたのだった。

 

以下、回想。

 

 

Side 鈴蘭

 

 

皆が胸の方に手をやって、マッサージしているように見える。

まるでそれが寄せているようで、私からするとあまりその奇妙な行動は理解しがたい物であった。

それでも、皆が朗らかな顔をしているのと、自分が皆と違うのが相乗して、時分でもやってみようかと思ったところで。

 

「うー?」

 

隣にいた瓶子が何をやっているのかわからずに、態々しゃがんでまでして私の顔を覗き込んでくる。

私と瓶子ではかなり身長差があるからだ。

そのせいかどうか知らないけれど、膝で挟まれた胸が余計に大きく見えて、やはり色っぽく見える。

 

「皆さんが何をやっているのかは解りませんが、とりあえず真似てみるのもいいかもしれませんね」

「おー! へーもやるー!」

 

瓶子は順応が早く、さっそく胸のマッサージ? を始めてしまう。

やはり裏がなく、ただ単に素直な彼女を羨ましく思いながらも、私も胸に手を当て。

 

「何で瓶子と鈴蘭がいるんだよ」

 

甘藻さんに言われてしまった。

私達がこの場にいることはあまりおかしいことではない。ただ単に散歩から帰ってきただけに過ぎないのだ。

その発言で皆の視線がこちらに集中する。

 

「あの、私達はお邪魔でしたでしょうか……?」

「あーうー?」

「あ、いえ、そんなことはないね?」

「鈴蘭ちゃんはさておき、瓶子ちゃんはきっとみんなで何かしてるのが楽しそうと思ってきたんだよ」

「あー、うん!」

「あ、そういえば確か瓶子さんと鈴蘭ちゃんは散歩に行ってたんだよね」

 

牡丹さん、稲さん、芒さんが答えてくれる。

そもそも、何をやっているのか解らない私からすれば参加する権利が有る無しが解らない上に、そんな物が存在するかも解らないので、甘藻さんの言っていることの意味が解らない。

でも、牡丹さんの発言からすればそういったものはなさそうなので、少しばかり胸を撫で下ろす。

といっても、自分の手は未だに胸の上にあるのだが。

 

 

////////////////////////////

 

 

なんでもこれはバストアップ、すなわち胸を大きくするためのマッサージらしく。

暫く続けていたのだが私は椿と稲さんの視線が痛かったので、途中でその輪から抜けることにして。

無論その間は暇だったので、丁度そこにあった現世の雑誌を読んでいた。

 

「なるほど、一番効果的なのが好意を持った男性による、胸部の按摩(あんま)ですか」

 

かなり遠まわしな言葉を使った理由は言わずもがな、他の今やっているであろう皆に解りづらくするため。

こんな言葉を覚えたのも、この場にはいないこの雑誌を齎した、桔梗さんの影響なのだが。

 

そして、皆もマッサージをやめて雑誌の元に集まり、別の方法に移ろうとしていていた。

私は読むことをやめ、必要としている皆に渡す。

そして一つ得られた結論。

 

「とりあえず揉めってことなんですね。なるほどなるほど! 確かに殿方に揉まれて一番効果を発揮すると言えど、揉むだけで効果はあるみたいですからねぇ」

 

芒さんの声でどの項を読んでいるのかを教えてくれた。

他人同士で、異性でなくとも良いから、揉みあえといことだ。

そのようなことで胸が大きくなるのだろうか。そもそも私達は成長しないし、例えそれで大きくなったとしても、死亡して復活すればまたその努力も無に帰す。

そんなことを言っていても、藁をもすがる思いでやっているのであればその者を否定することはしない。

 

「私たちの間で揉めってか?」

「結論からするにそうですね」

 

甘藻さんが口にする。それで皆は戸惑うように顔を合わせたりしていた。

……ただ純真無垢な一人を除いて。

 

「うー!」

「え」

 

そう、瓶子だ。彼女以外いないのだけれど。

そもそも、今まで遊びと勘違いしてやっているのだから、このこと自体にもそう思って取り掛かるわけで。

となると、彼女は全力で。

 

「へーももむー!」

「きゃ…ぁああああああああ!!」

 

最初に悲鳴を上げたのは椿。

彼女は前からも相当胸の事を気にしていた。

それで増えるのなら万々歳なのかもしれないが、あくまでそう思えるのも自分が被害に遭っていないからだろう。

 

「ちょっ……やめ……やめなさい瓶子!!」

 

顔を本当の椿の花の如く真っ赤に染め上げ、瓶子を引き剥がそうとするも、体格の差か力の差か、それとも敏感な部分を集中的に押さえられているからか。

上手く引き剥がすことが出来ず、かつそれをしり目に胸を揉む瓶子。

 

「はは! いいじゃん椿、胸大きくしたかったんだろ?」

 

甘藻さんがその様子を見て大笑いするが、私にはあまりにもその発言と行動が地雷にしか思えなかった。

そもそもこういった悩みは他者にいかに気づかれず、それに羞恥も伴う物であれば尚更。

それを見世物にされお笑い草にされれば、何かが起こるという事を空気で感じた。

この場合、この表現は本当に正しかったと後から思う。何せ、二重の意味でもそうだったのだから。

 

「く……こうなりゃ死なば諸共よ! 皆被害にあえばいいー!!」

 

「届け奇跡の力よ! 今回ばかりは邪道でも邪悪でもかまわない! あいつらの胸をはじけさせろ!」

 

生前。神子として有名だった彼女は、包丁さんとしての力以外にも、能力がある。

そもそもそんなものはある意味誰にでもあるわけではない。

それは、奇跡を起こすというものだ。大きな奇跡は私は見たことがないが、小さな奇跡は見たことがある。

そして……その発言が本当に起こるのは、事実。

 

「……?」

 

でも、何故か起きなかった。

どうしてだろう。

 

「あれ?! どうして!?」

 

当の奇跡を行使した本人すら驚いているという事は、不発というわけではなさそうだ。

では、どうして……。

 

プチンッ。

 

「え」

 

そんな音を立てて私の来ていた服、しかも胸の部分が激しくはだけた。

ボタンで留めてあるから、着物のようなはだけ方はしないのだが、それでもはだける物ははだけるわけで。

 

「!」

 

となれば無理やり服を戻して胸元を隠すのが先決。

……その判断が遅れて皆にまじまじと見られてしまったが。

正直、泣きたい、です。

 

「でもどうしてティアの服だけ?」

「あ、そうか」

 

百合さんの問いに稲さんが思い出したように声を出した。

 

「鈴蘭ちゃんの能力だよ。皆が鈴蘭ちゃんの近くにいたから、私達に幸福として胸がはだけなかったんだ」

「なるほど! 今回もまた鈴蘭ちゃんの能力に助けられた、という事ですね!」

「でも椿ねぇの能力を破るなんて……すごい、です」

 

皆が賞賛の声をくれるけれど、私には関係ない。

せめて、現状をどうにかしないと。

 

「なら、その幸福を何故私に向けなかったあああああああああああ!!!!」

 

それに、そこで激怒してこちらに襲い掛かってきている椿もどうにかしなければ。

 

「………」

 

とりあえず、考えるのをやめて椿をどうにかしよう。

今の包丁では勝ち目もない。

なら作ればいい。私の包丁さんとしての能力で。

 

金属音が鳴り響く。

私の前には大きな大剣のような包丁が地面に突き刺さり、壁の如くそびえる。

そして、それは紛れもなく私の包丁だ。

立ち上がり、柄を持ち引き抜く。

普通の包丁とは比にならないほどの重量感が私の腕にかかる。

それを片手で扱う。

 

「刃の大きさ、最高。刃の形、反り型。刃の状態、良好。用途、大型魚類、哺乳類の切断。値段、高級品」

 

これから構成される私は……

 

「というわけで、向かってくるならば手加減不用ですわね。さぁそちらもかかってきなさいな。私が叩き潰してあげますわ!!」

「ちょ、それ包丁じゃな……い」

「過去でのある国では大型の哺乳類を、そう、鯨を捕え食していたのですわ。そして、そのためにこういった包丁が作られたことも確かにあるということ」

 

「というわけであまり他の方々にも迷惑はかけられませんわ! いくら私の他者に被害を与えない能力があると言えど、一瞬で決めさせていただきましょうかねぇ!」

「あ、これは完全に鈴蘭も暴走してる」

「うわぁ、私の包丁より大きいなぁあれ」

「私ほど……いや、あれほど太くはないな」

 

周りにいる包丁さんが何か言ってる気がするけど、私には関係のないこと。

早く決着をつけて戻してもらいましょうかね!

 

自分の発言で先ほど切りつけていた椿に逆に切りかかる。

彼女ほどなら動いてかわすと思ったのだが、動かない。

それに違和感の一つも覚えず私はその刃を振り下ろした。

 

 

・・・・・……………―――――

 

 

結果は私の勝利で終わった。流石に椿が包丁を咄嗟に守りに使ったというのに、それをバターの様に切り裂き肉体も真っ二つにしてしまったのだが。

それからというものの、私は今まで通りの包丁の形に戻して落ち着いたところを瓶子に胸を激しく揉まれ、肉体的に疲労した状態で桔梗さんの説教を受けるというわけのわからない拷問を受け。

椿が6歳も下の私に暫く怯えたりとある意味散々だったのだ。

 

ということで、私からすれば大変な羞恥を全員にさらし、肉体と精神を多大に浪費してしまった事件であったため、最も忘れたい出来事である。

あれから原因となる胸の話題やそういった話題が載った雑誌は全く読まなくなった。

 

「あぁ、あれは散々だったね」

 

稲さんが遠い目をしながら私に哀れみの視線を送った。

 

「でもさ」

「?」

「こうやってお風呂場で裸の付き合いしてるのに、なんで外だと恥ずかしいんだろうね」

「それを経験していない稲さんがいいますか……」

 

もう、どうにでもなればいいかな……




追記。今日日曜日じゃなかったあああああああああ!!!!!

意外! それは7500文字!! 意味が解らないよ……
息抜きのつもりが思いっきり脱線して山陰線走ってるつもりが山陽線走ってるクラス。
今回の話は胸の話題が恐ろしいほど出てきました。理由は稲さんですはい。
なんで『たおき』キャラの中で胸を気にするキャラランキング3位に入ってるんですかー!
ちなみに1位は甘藻、2位は椿でございます。え? 包丁さんしかいない? そりゃそうでしょ……他のキャラ気にしてる奴少ないし……

そして回想シーンは、公式で公開されている小説、『ばすとこんぷれっくす』より鈴蘭を追加して執筆しております。
文字数が多い理由はこれですね。次回は、たぶんまともな包丁さんのお話。
そしてキャラ説明参りましょうか!

~原作キャラクター簡易説明~

今回はメインで出てきた、瓶子と千鳥です。
ちょっと自分の見解も入れてるので、厳密には違う場合があります。今までも。

名:千鳥
説明:こちらも甘藻や杏の様に元気派で活発なお方。年中組。
   野菜よりもお肉派。生前は山賊だったらしく、活発なのもうなづける。
   頑なに肉派なので、野菜派の勢力とぶつかることも多々あるらしい。

名:瓶子
説明:包丁さんの中で現時点唯一の異端児。最年長で18歳。
   言葉もうまくしゃべられない上に、自己表現も思うようにできない子。
   ただ、非常に活発で無邪気ないい子。そして胸がでかい。大きいじゃない、でかい。
独自設定:鈴蘭にとても懐いている。理由は彼女しか知らないのかもしれない。
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