ギンガ・THE・Live!   作:水卵

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第1話 夢を追う者
第一章:記憶喪失の少年


 [0]

 

 ──俺は一体何者なんだろう? 

 どこで生まれ、どこで育ったのか。

 今の俺にはわからない。

 周りは俺を温かく迎えてくれるけれど、時折見せる悲しげな表情がとてもつらかった。みんなは俺を知っているのに、俺はみんなを知らない。

 俺はみんなの笑顔が大好きだ。笑っていると、幸せな気持ちになる。うれしくなる。

 だから俺は──絶対に記憶を取り戻そうと決めたんだ。

 

 

 ☆★☆★☆★

 

 

 赤い夕陽が照らす、辺り一面森の世界。中央にそびえ立つ巨大な遺跡のような建造物以外に、目立った建造物はない。人の気配も動物の気配も、生物の気配がまったくない静寂の世界。

 それはまるで、一つの文明が滅んだ跡地のような世界だった。

 しかし……、

 

 

 ドン!! と静寂を引き裂く破壊音が響いた。

 

 

 ──影だ。二つの影が静寂の世界で衝突していた。

 片方は白い靄が集結した影。

 もう片方は光が集結した影。

 両者は共に人型の形をしており、衝突するその様はまるで人間同士が戦っているかのように見える。

 いや、『ように』ではなく、実際に二つの影は戦っているのだ。お互いに目の前の相手を倒すために。

 邪魔なのだ。

 互いに互いが。

 影の衝突は続く。どちらかが力尽き、朽ち果てるまでこの衝突は終わらないだろう。三度(みたび)ぶつかる拳、交差する蹴り、そのすべてが相手を倒すために振るわれる。

 両者の衝突は、次第に終わりが見え始める。

 明らかに『光の影』の方が有利に戦いを進めていた。『靄の影』が放つ蹴りや拳が次第に『光の影』を捉えられなくなって行き、反対に『光の影』が放つ拳や蹴りが、『靄の影』を捉えて行く。

『光の影』の蹴りが『靄の影』の腹部に食い込んだ。くの字に曲がる『靄の影』。後ろへと吹き飛んだ『靄の影』は土煙を上げながら地面を転がる。

 大きなダメージとなったのか、すぐには立ち上がれない。

 ──『光の影』が仕掛けた。

 クロスした腕を頭部へと持って行き、光が収縮し始める。その光は間違いなくこの戦いに終止符を打つ光だ。

『靄の影』は回避行動に出ようとするが、それより先に紫色の光が放たれた。光は『靄の影』を飲み込んで行き、跡形もなく消し飛ばした。

 

 

 戦場だった世界は、再び静寂の世界となる。

 一人、その静寂の世界に佇む『光の影』。

 そして影は──、

 

 

 

 

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 ☆★☆★☆★

 

 

 四月。

 それは春の代表ともいえる暦であり、同時に新たな『スタート』を知らせる月でもある。

 新生活、新学期、新しい学校、新しいクラス、新しい職場。『新しい』というものすべてがやってくる、まさに『新しい』尽くしの月だ。きっと見るものすべてが新鮮に映るだろう。

 同時に、胸の中に広がる『期待』と『不安』。

 これから始まる『新しい』にドキドキワクワクの『期待』を膨らませる者もいれば、ガクガクブルブルと『不安』に押しつぶされそうになる者もいるだろう。

 そしてこの少年──一条(いちじょう)リヒトも、そんな『新しい』に『期待』と『不安』に胸を躍らせていた。

 明るい茶色に染めた外はねの髪、左耳にはピアス、腕には数珠と時計、右中指にはリング。ダメージジーンズに黒系Tシャツ、その上からは灰色のパーカーを着た一見チャラそうなイメージを抱かせる少年は、お気に入りのヘッドフォンで音楽を聞きながら約八か月ぶりに訪れる『音ノ木町(おとのきちょう)』を歩いていた。

 お気に入りのヘッドフォンから流れてくるアップテンポな曲につられて体がリズムを刻み始める中、ふと目の前に降ってきた桜の花びらを掴む。

 

「……よし」

 

 フッ、と手のひらに乗る桜の花びらを吹き飛ばすと、青い空を見上げ笑う。

 そして少年は目的地に向け、足を進めるのだった。

 

 

 

 

 [1]

 

 

 しばらく歩き続けて、ようやくリヒトの目的地が見えてきた。

『神田明神』。そこがリヒトの目的地だ。

 その手前にある長い階段を駆け上がると目的地がある。しかしこの階段は、見方を変えればとても長い坂になっている。普通のなだらかな坂であればよかったものの、階段となっているため、登るのには一苦労しそうな坂だった。

 絶対足腰に来そうだなー、とリヒトは思いながら屈伸運動をして階段を上がる準備を整える。

 ──試しに走ってみるか? 

 ふと、そんなことを思った。

 絶対に疲れそうな坂──否、階段を前にして、リヒトのチャレンジ精神がくすぐられる。

 長い階段を走って登るのは絶対に疲れるし、絶対に苦しい。

 しかし、リヒトのチャレンジ精神が『挑め』と言っている。

 挑戦的な笑みを浮かべると、リヒトはポケットに手を入れ音楽プレイヤーを操作すると、今の一番のお気に入り曲である『ススメ→トゥモロウ』を設定。再生ボタンを押すのと同時に駆け出す。

 最初は勢いもあってか順調だったが、ものの数秒で自分が行ったことに対して後悔が生まれた。

 コレ意外としんどい!! 

 ──最近運動サボってたのが裏目に出たな、これ。

 などと『とある理由』があるにしろ、運動をサボっていたことを後悔しながらもリヒトは階段を登り切った。

 

「だはっー!」

 

 息を大きく吐き、酸素を求めて深呼吸を繰り返す。

 ──ああ、いい運動になった、などと思っていると、

 

 

「驚いたなぁ、あの子たち以外にここを走る人初めて見たよ」

 

 

 一人の少女に声をかけられた。

 声がした方を見てみると、背中まである長い髪を一つにまとめ、竹箒を持った巫女服姿の少女が立っていた。少女はニッコリと、リヒトに微笑みながら「こんにちは」と言ってくる。突然知らない人から声をかけられ、戸惑いつつ「どうも」と軽く首を動かしながら言うリヒト。

 

「キミが、一条リヒトくんやね?」

 

 突然名前を言い当てられ、リヒトは困惑した。

 

「そうだけど、君は?」

 

「ウチは東條(とうじょう)(のぞみ)。君と同い年の高校三年生。ここでは巫女さんのお手伝いさんをしていて、今はそのアルバイト中。一応、奉次郎(ほうじろう)さんからキミのことを任されてるんよ」

 

「じいちゃんから?」

 

『奉次郎』と少女は言った。それは紛れもなくリヒトの母方の祖父である(さかき)奉次郎(ほうじろう)のことだ。

 母親から聞いた話では、奉次郎はここ神田明神にて少々特殊な立ち位置にいるらしい。そのため、リヒトがここに来たとき、迎えが自分ではなく代わりの人がいるかもしれないと言っていた。

 そのことを思い出したリヒトは少女の方を見る。

 

「ってことは、君が代わりの人?」

 

「そっ。ちょっと遅れるらしくてな。その間、キミのお話し相手になってくれと頼まれたんや」

 

 初対面の人になんてことを頼んでいるんだ、と思いつつ、しかしここで何か時間を潰せるものもなく、仕方ないと言った感じでリヒトは言った。

 

「そっか。なら、少しこの神社を案内してくれよ、巫女さん」

 

「了解。それと、『巫女さん』じゃなくて『希』って呼んでくれてもかまへんよ? ウチはりっくんって呼ぶから」

 

「あははは、考えとく」

 

 そう言ってリヒトは肩にかけていたボストンバッグを担ぎなおすと、境内へと向かって歩き出す。

 

「にしても、あまり人がいないんだな」

 

「時間も時間だしね。休みの日とかなら人がいるもんやで」

 

「そうなのか?」

 

 希と会話をしながらリヒトがまず最初に目指したのは賽銭箱のある場所だ。神社に来たからにはお参りをするのが妥当だろう。

 一応祖父が神社で働くものであるため、二拝二拍手一拝でお参りをするリヒト。

 

「…………」

 

「どないしたん?」

 

 お参りをし終わったというのに、沈黙したままでその場を動かないリヒトを不思議に思ったのか、希が声をかける。

 

「いや、意外と体は覚えてるんだなって」

 

「?」

 

 リヒトの言った言葉の意味が分からず首を傾げる希。その仕草が妙に可愛く見えたリヒトは、ぷっと噴き出すと「なんでもない」と言って次の場所を目指す。

 次にリヒトが訪れたのはおみくじ売り場。

 

「さて、いい結果が出るといいな」

 

 そう言って手渡されたおみくじを受け取るリヒト。どんな結果が出るのか楽しみであるリヒトはワクワクした気持ちで紙をめくっていく。

 一七〇センチ近い身長の同い年──リヒトも希も共に誕生日を迎えていないので共に十七歳である──の少年が、きらきらとした瞳でおみくじをめくる姿は、希の目には微笑ましく映っていた。

 紙を開き、そこに書かれている結果を見たリヒトの顔は「うーん」とどこか納得のいかない表情だった。

 

「?」

 

 芳しくない結果だったらしく、結果が気になった希はリヒトが持つ紙を横から覗き見ると『吉』と書かれていた。

 

「俺としては、大吉とか大凶とか、話のネタになる結果が良かったんだけどなー」

 

「こらこら、そんなこと言っとったら神様に失礼やで」

 

「それもそうだな」

 

 リヒトは改めておみくじの結果を見ながら言う。特に可もなく不可もなく、程よい結果が各項目に書かれている中、ある一文を見たリヒトの顔が怪訝になった。

 そこにはこう書かれていた。

 

 

 ──―災いの影が、汝を苦しめよう。

 

 

「…………」

 

「??? どないしたん? なんかよくない結果でも書かれてた?」

 

「……いや、特に気にすることじゃないだろ」

 

 素っ気なく言うと、おみくじを畳み移動を始めるリヒト。明らかに雰囲気の変わったリヒトに疑問を感じた希だったが、追及することはなくリヒトの後を追った。

 

「そういえば、どうしてりっくんはこの時期にここに来たん?」

 

 しばらく境内を回り、奉次郎が来るまでやることもなくなってしまった様子のリヒトに、希は今まで気になっていたことを聞いた。

 現在は四月上旬。本来であれば希と同い年であるリヒトは高校に通っているはずだ。新生活にまだドタバタしている時期になぜリヒトはこの町を訪れているのか? 

 まさか、退学でもしたのだろうか? と一瞬考えてみたが、奉次郎の話を聞いた限りでは──休憩中などに奉次郎がたまに持ち掛ける話の中に『リヒト』という名前がよく出てくるので──目の前の少年は普通に高校に通っており、約半年前にはアメリカにダンス留学したとのこと。そして年初めにはこちらに帰ってきて、今年で高校三年生となったと聞いている。それならば、間違いなく今頃は高校に通っているはずなのだが……。

 希に問われたリヒトは「んー」を首を傾げながら、

 

「何かに、呼ばれた……気がしたんだよな」

 

 と少し歯切れ悪く言った。

 

「呼ばれた?」

 

 リヒトは一つ頷いて、

 

「うまく説明できないんだけど、なんか最近見るようになった夢があってさ。光と靄の影? かな。とにかく、その二つの影が戦っている夢を見るようになってさ。そしたらその光が俺を呼んでいる気がするんだ。いや、呼んでいるっていうか、うーん、共鳴? なんか俺の体の中からその光と呼び合うモノがあるというか……、あー! なんかうまく説明できねぇ!」

 

 上手く説明できないことがもどかしく、後頭部をかくリヒト。

 しかしこれは仕方のないこと。本当にリヒトもよくわからないのだ。

 最近──正確に言うならば三月当たり──見るようになった夢というのも、実際のところ夢と表現していいのかリヒトにはわからなかった。妙にリアル感のある夢であり、自分が()()()()()()()()()様な感覚がするのだ。

 内容はいつも同じ。あたり一面森の世界を舞台に、衝突する二つの影の激闘を何度も見る。最初はただの夢かと思っていたが、繰り返し見るにつれてだんだんと違和感を感じるようになっていった。

 極めつけは『光の影』に触れた時だろう。

 正確に言うのであれば影が発する光に飲み込まれたと言った方が正しいが、ともかくその時にリヒトは自分の中の何かと光が共鳴するのを感じたのだ。

 そして聞こえてきたのだ、自分を呼ぶ大勢の人々の声と、自分の中の何かが強い反応を起こすのを。

 そして──、九人の人影がリヒトの前に手をかざし──―。

 

「とりあえず! 俺はその夢の中で呼ばれた気がしてこの町に来た。ちょうど学校も休学扱いだったし、いい機会だなって思って。ってか、聞いてる?」

 

 後半はほぼやけくそ気味に説明するリヒトだったが、聞いている希の様子の変化に気がつき声をかける。希は顎に手を当て何かを考えているらしく、ブツブツと小さく声を漏らしている。しかし、声が小さすぎてリヒトには何を言っているのかよく聞こえず、もう一度声をかけようとしたところで希が顔を上げた。

 

「もしかして……キミが」

 

 そう言った時の雰囲気は、さきほどまで似非関西弁を使っていた飄々とした雰囲気ではなかった。おそらく、今の雰囲気が彼女の素のだろと思いながら、リヒトは希が発した言葉に返すように戸惑いながら、

 

「俺……が?」

 

 と、言った。

 しかし、希は何も返さない。ただリヒトの瞳を見つめてくるのみ。女の子に見つめられるというシチュエーションに慣れていないリヒトは、そっと視線を逸らす。

 それ故気付かなかった。

 そっと希はリヒトに近づくと、自分の右手をリヒトの胸に当てる。

 

「──!?」

 

 希の突然の行動に軽くパニックになるリヒト。

 

「あ、あの、東條さん……?」

 

「…………」

 

 リヒトは希の名を呼ぶも、希は瞳を閉じたままリヒトの胸に手を当てたままで答えない。それが余計にリヒトの脳内にパニックを起こし、やがて羞恥から顔を赤くし始める。さっさとその場から身を引くなりなんなりして希の手から逃れることはできたのだが、彼女から漂う雰囲気がそれをさせなかった。

 やがて彼女はポツリと、

 

「そっか、きみがそうなんだ……」

 

 そう呟いた。

 

「?」

 

 リヒトは希の言ったことの意味が分からず首を傾げる。

 しかし、希は自分の中で何かが解決したようで、リヒトの胸から手を放すと先ほど初めて会ったときと同じ雰囲気に戻った。

 

「うんうん、何でもない。それより学校が『休学中』ってどういうことなん?」 

 

 先ほどのことはなかったことになったのか、改めて話題を振ってくる希。リヒトも話題が話題なために、先ほどまで舞い上がっていた心が一気に落ち着き冷静になった。

 そして口を開こうとしたとき、ガサリ、と人がこちらに近づいてくる音がした。音がした方を向けば、白髪の男性が高校生くらいの女子三人を連れてこちらに来る姿があった。

 

「お、来たみたいやな」

 

 その人物たちを知っている希は、リヒトが待っている人物──白髪の男性──奉次郎がいることをリヒトに知らせようと振り向いたところで、リヒトの様子の変化に気がついた。

 

「…………」

 

 リヒトの表情がわずかに緊張していた。同時にその瞳は寂しそうにしており、嬉しそうという感情は見当たらなかった。

 親族に会うというのに、どうしてそんな表情になるのか疑問に思う希だったが、リヒトの方が先に口を開き答えを示した。

 

「俺さ、自分がどこで生まれたのかも、どういう人間なのかも、どういう人生を送っていたのか、()()()()()()()()()()()()。つまり──」

 

 そして彼は、少し儚げに笑って、

 

 

 

「──記憶喪失なんだよ」

 

 

 ☆★☆★☆★

 

 

 ──時は少し遡る。

 一条リヒトが神田明神を訪れる前の時間。

 そこには三人の少女の姿があった。

 肩口までの長さの髪をサイドテイルにした少女高坂(こうさか)穂乃果(ほのか)、黒く美しい髪がまさに大和撫子という言葉を連想させる少女園田(そのだ)海未(うみ)、長い髪を穂乃果同様サイドテイルにし、特徴的な癖の付いた髪の(みなみ)ことり。三人ともこの音ノ木町で生まれ育った少女たちだ。

 そして同時に幼馴染でもある三人は、服装を運動のできるものに変え、階段ダッシュを行なっていた。

 理由はもちろん、彼女たちが最近始めたことが関係している。

 

 

『スクールアイドル』。

 今の若者を中心に絶大に人気なコンテンツの名称である。

 

 

 その概要は、いわゆる芸能プロダクションを介さず一般の高校生が自発的に集まり結成された、ご当地アイドルの様なものである。部活動の様なもの、といった方がわかりやすいかもしれない。元々はアイドルに興味のある学生たちの集まりであり、今のように歌って踊ることはしなかったと言われているが、いつごろからか歌って踊るようになっていた。

 そして現在、その人気は凄まじいものとなっており、今では数多くのスクールアイドルが存在し、自作の曲を専用の動画サイトに投稿するほどである。さらに言えば、スクールアイドル専用の雑誌までもが創刊されており、数多くの有名なスクールアイドルの特集が組まれている。

 どうしてこれほどまでに人気が出たのか。

 それは間違いなく『A-RISE』というスクールアイドルの存在が大きいだろう。

 東京のUTX学園に所属するスクールアイドル『A-RISE』。UTX学園は元々芸能プロダクションと厚いパイプがあり、それを生かして作られた『芸能科』という学科がある。そこがセミプロデュースしたスクールアイドル。それが『A-RISE』である。セミプロデュースされたこともあって歌もダンスもそのレベルは一般の高校におけるスクールアイドルとは一線を越えており、その実力が評価され『スクールアイドル』全般の推進に繋がった。

 今では数多く存在するスクールアイドルのトップに君臨しており、彼女たちに憧れUTX学園に進学、または同じスクールアイドルを始めたという学生は多い。

 そして彼女たちもまた、『A-RISE』との出会いがきっかけでスクールアイドルを始めたのである。

 

「穂乃果! ことり! 少しペースが落ちてますよ!」

 

 二人の前を走る海未が遅れている二人に声を飛ばす。

 海未は弓道部に所属していることに加え、実家が日舞の家元であるため普段から武道で鍛えている。そのためか二人に比べて息の乱れが少なく、依然ペースを保ったまま二人の先を走っていた。

 穂乃果とことりは運動部に所属しておらず、普段の生活においても学校の体育以外運動を滅多にしないために平均的な体力しかなく、すでに息が絶え絶えだった。海未とは一往復差がついておりこのままいけば二往復差になりそうだった。

 それでも、穂乃果は走り続ける。そこには彼女の並みならぬ想いが関係していた。

 なぜなら、彼女が『スクールアイドルを始めよう』と言い出したのだから。言い出しっぺとして、こんなところでギブアップするわけにはいかないのだ。

 そもそも彼女たちがスクールアイドルを始めた理由は、彼女たちが通う学校の『廃校』を阻止するためである。

 彼女たちの通う高校、それは音ノ木町でも古くからの伝統を引き継ぐ女子高として有名な『音ノ木坂学院』である。古くから存在する校風を大切にしているのだが、それ故かここ最近は『古臭い』などと言われることが多く、入学希望者が減少していった。加えてUTX学園の存在がより一層音ノ木坂学院に影響を与えていた。

 そして今年入学した一年生は一クラスしか存在せず、『廃校』の色が濃くなってしまったのだ──ちなみに、二年生は二クラス、三年生は三クラスである──。

 穂乃果たちは『スクールアイドル』で音ノ木坂学院の、母校の廃校を阻止しようと考えた。もちろん、雑誌に載っているスクールアイドルの様な結果を出せれば、廃校を阻止できるかもしれない。しかし、それがどれほど辛く、大変な道のりなのか、どんなに難しいことなのか、それは言うまでもなく誰でもわかることだ。

 雑誌で取り上げられているスクールアイドルは、プロの様な並大抵ならぬ努力のたまものとして結果を残している。その為に費やした時間は、いったいどれほどか……。

 それに比べて、穂乃果達はまだ()()()()()()()()()()()()()()()。一応、今度の新入生歓迎会後にファーストライブをやる予定ではいるが、それがスタート地点なのかは怪しいところである。

 しかし、彼女達は成功させなければいけない。廃校を阻止するために。

 穂乃果の心には、以前ある少年から送られた言葉が今もなお残っている、

 

 

『なにかを成し遂げたいなら、絶対に怯むな! 「失敗」が怖くて下を向いていたら、「希望」も「成功」も何もつかめない! そういうのは、常に上を向いているヤツの元にやってくるんだ。だから穂乃果、何かを掴みたい、何かを成し遂げたいなら上を見ろ! 手を伸ばせ! 勇気を出して一歩踏み出した奴の元にこそ、神様は微笑むんだぜ!』

 

 

 その少年の言葉があるからこそ、穂乃果は決して下を向かない。失敗を恐れない。掴みたいモノがあるからこそ、穂乃果は今もなお上を向いて走り続けるのだ。

『廃校阻止』をつかみ取るために。

 

「ああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 声を上げラストスパートをかける穂乃果。突然声を上げたことに海未とことりは驚くが、すぐに笑みを浮かべると二人も声を上げてラストスパートをかけた。

 

 

 ☆★☆★☆★

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

 走り終えた穂乃果は、その体にのしかかる疲労から四つ這いになり、酸素を求めて激しい呼吸を繰り返す。

 ──これなら、日ごろからもっと運動しとくんだった。

 と思う穂乃果。まさに後悔先に立たずと言ったものだ。海未同様日ごろからそれなりに運動をしておけば、少しはましになっていたはずなのに。

 穂乃果の横ではことりが膝に手を当て、激しい呼吸を繰り返していた。

 

「こら二人とも、すぐに止まってはいけません。ゆっくり歩きながら呼吸を整えてください」

 

 学校行事なのでマラソンをやったことのある人ならわかるかもしれないが、長距離を走った後急に立ち止まるのは良いことではない。急に立ち止まってしまうと、走っている最中に上がった心拍数が急に落ち、心臓に負担がかかるのだ。これは筋肉にも同様のことが言われ、ケガや故障の原因となってしまう。その為、海未の言った通りランニングの後はすぐには止まらず歩くことが大切なのである。

 海未に言われ、穂乃果とことりはゆっくりと歩き始める。それからアキレス腱を伸ばしたりなどで足の筋肉をほぐし始める。激しく乱れていた呼吸もストレッチをやっているうちにだんだんと落ち着いて行った。

 

「それでは、次に行きましょうか」

 

「がんばっとるの」

 

 海未が次のメニューに行こうと言ったところで、白髪の老人が海未たちに声をかける。

 

「奉次郎さん」

 

 海未が現れた人物の名を呼ぶ。

 海未に呼ばれた老人はニッコリと笑いながら手を上げる。この人物こそが後にここを訪れる一条リヒトの母方の祖父である(さかき)奉次郎(ほうじろう)である。御年(おんとし)六八歳を迎えるのだが、若い頃からジムなどで鍛え上げた体が未だに面影を残しており、狩衣の上からでも体格の良さが見える。今でも、一週間に二度はジムに通うなど『老い』防止に努めているらしい──それでも、やはり年には勝てないらしくここ最近は衰えを感じているらしい──。

 

「どうじゃ、間に合いそうか?」

 

「間に合わせて見せます」

 

 奉次郎の問いに力強く答える海未。

 奉次郎は海未たちがスクールアイドルを始めたことを知っており、その成功を祈って練習場所を提供している。さらに言うならば、普段から鍛えている身である奉次郎は穂乃果たちに体のケア方法などを教えている。

 海未の力強い返答を聞いた奉次郎はホッホッホと笑いながら、

 

「お主のそういったところ宇海(うかい)とそっくりじゃの」

 

「お父様にですか?」

 

「うむ、『練習』や『鍛錬』といったものに、アヤツは手を抜かん主義だったからの。今のお主とそっくりじゃよ。お主ら二人も、海未ちゃんを見習って常日頃から運動しとけばよかったものを」 

 

 奉次郎の指摘に、穂乃果とことりは顔を合わせて苦い顔をする。

 

「さ、二セット目入りますよ」

 

「ええ~!? ちょっと休憩しようよ~。海未ちゃんの鬼!」

 

「何とでも言いなさい、ライブまで時間がないんですよ。それまでに一曲踊れる体力をつけなければいけないんですから」

 

 練習の再開を指示する海未に「ぶーぶー」と抗議する穂乃果。ことりは「まあまあ」と穂乃果をなだめる。

 

「すまんが、少し待っとくれ」

 

 だが、突然奉次郎に声を掛けられ「ん?」と振り返る三人。奉次郎はやや真剣な表情をしながら三人に言う。

 

「実は今日、リヒトがこっちに来るんじゃが」

 

「え!? りーくんこっち来るの!?」

 

『リヒト』という名前に一番早く反応を示したのは穂乃果だった。先ほどまでの疲れはどこへ行ったのか、まるで待ち人が来た犬のようにはしゃぐ穂乃果。

 それは無理もないことだ。彼女にとって『一条リヒト』とはまさに『憧れの存在』。今の様な猪突猛進で破天荒な性格となったのも、『一条リヒト』が関係している。彼失くして今の穂乃果は存在しない、それほどまでに穂乃果という少女にとって『一条リヒト』とは大きな存在だった。

 

「やったね、海未ちゃん、ことりちゃん! これでりーくんにダンス教えてもらえるよ!」

 

「そうだね、穂乃果ちゃん」

 

「確かアメリカに留学してたんだよね? お土産とかないのかな~?」

 

 待ちきれないといった様子で喜ぶ穂乃果。リヒトと会うのは約八ヶ月ぶり。最後に会ったのは去年の夏休み、しかもその時はアメリカへのダンス留学を決めていたのでこちらにいたのはほんの三日程度。本来ならすでに年初めには帰ってきており、今年もこちらに顔を出している予定なのだが、今年はまだ一度も音ノ木町(こっち)に来ていない。間違いなく実家の静岡にいるはずなのだが、何度連絡をしてもリヒトは応答してくれなかった。リヒトの母親である一条美鈴も、なぜかリヒトに変わってほしいと言うと『ごめんなさいね』と言うだけだった。

 なぜリヒトは電話に出てくれないのか? なぜこちらに来なかったのか、聞きたいことがたくさんある。

 しかし、やはり一番の理由は久しぶりにリヒトのダンスを見たいのだ。幼い頃から人を魅了することが好きだった彼の特技。将来はプロのダンサーになるとまで公言し、己の力を高めるためにアメリカ留学までした。それにより数段磨き抜かれた彼のダンスは、穂乃果たちが以前見たもの以上のものになっているだろう。見ているだけでこちらも体を動かしたくなるようなダンス、それがどういった形に進化しているのか、楽しみで仕方がない。

 同時に、あわよくば自分たちのダンスコーチになってほしいと穂乃果は思っていた。リヒトならばきっと自分たちに最高のダンスを教えてくれる、そう穂乃果は確信していた。

 ことりも久しぶりにリヒトの会えるのがうれしいのか、穂乃果と共に喜んでいる。

 だが、海未だけが「待ってください」と盛り上がる二人に言う。

 

「おかしくありませんか? リヒトさんがこちらに来るのは夏休みなどの長期休みの時だけです。今は四月ですよ? リヒトさんにも学校があるはずです。それに、私にはなんだかリヒトさんがこちらを避けているように感じて、来るとは信じられないのですが……」

 

 確かに海未の言う通り、『一条リヒト』は穂乃果たちの一つ年上。四月から高校三年生でありこの時期ならば高校生活を送っているはずだ。そのため、今までもこちらに来るのは夏休みや春休みといった長期休みだけであり、この時期に来るなどありえないことだった。

 そして、リヒトがこちらを避けているように感じるのもまた確かだった。正確にはそう感じるだけで確信をもって避けているとは言えないが、リヒトがこちらと連絡を取ろうとしないことでそう強く感じてしまう。

 海未の言葉に盛り上がっていた二人は黙ってしまう。

 しかし奉次郎は、

 

「いや、リヒトは来る。今日この後にな」

 

「本当に来るんですか?」

 

 未だ信じられないといった様子の海未が奉次郎に聞く。

 

「うむ。それにリヒトはお主らを避けてなどいない。確かにそう取られてしまうのは仕方ないが、それにはちゃんとした理由がある。そのことで話があるんじゃ。少し長くなるかもしれんから家に案内するぞ。付いて来てくれ」

 

 そう言って奉次郎は住まいのある方角へと歩き出す。練習時間が無くなるのは痛いが、奉次郎の背が「ついてこい」と語っている。穂乃果たちは首を傾げつつも奉次郎の後を追った。

 

 

 ☆★☆★☆★

 

 

 榊奉次郎の住む家は、神田明神からそう遠くにあるわけではない。むしろ隣にあるくらいの距離だ。ゆえに歩いて数分で着くため、移動に時間はかからない。それなのに奉次郎はわざわざ穂乃果たちを自宅へと招いた。あのままあそこで待っていた方が、リヒトと会うのは楽なのでは? とも思ったのだが、奉次郎は『大事な話だからついてきなさい』と言うだけだった。

 和風感あふれる木造建築の榊家。その居間へと案内された三人は差し出された緑茶を一口含む。穂乃果とことりは感嘆の声を上げていた。

 

「あ~、おいしいぃ~」

 

「穂乃果、顔がだらしないですよ」

 

「だって~、奉次郎さんの淹れるお茶おいし~んだも~ん」

 

 奉次郎の淹れるお茶を絶賛する穂乃果。もちろんそれは海未自身も感じており、一口含めば自然と顔がほころぶのだ。

 奉次郎はそれを満足げに見つつ、本題を話すべく姿勢を正す。

 そして自分もお茶で口を潤してから話し始める。

 

「さて、本題なんじゃが」

 

 奉次郎の雰囲気が変わったのを察したのだろ、三人も姿勢を正す。

 

「リヒトが今日帰ってくるのは本当じゃ、昨日連絡があった」

 

 本当に帰ってくるんだ、と穂乃果がつぶやく。

 

「そこで確認したいんじゃが、お主らはリヒトのことをどう思ってるんじゃ?」

 

 奉次郎の問いに、一瞬固まる穂乃果たち。質問の内容に驚いたのか、質問に含まれている意味に対して驚いたのか、奉次郎は後者の意味で捉え言葉を続ける。

 

「そのまんまの意味じゃ。お主らはリヒトとの付き合いも長いじゃろうから『嫌い』はないともうが、『嫌い』なら『嫌い』で構わん。友達として『好き』、異性として『好き』、『信頼のある相手』、『尊敬する人』などでもいい、お主らがリヒトのことをどう思っておるのか、正直に答えてほしいんじゃ」

 

 真剣な声音で聞いてくる奉次郎。その瞳はまっすぐに三人を見つめており、その瞳からは強いプレッシャーを感じる。その気に押され、穂乃果たちも真剣に考える。

 最初に口を開いたのは海未だった。

 

「私は『目標の人』だと思っています」

 

 奉次郎は海未を見る。

 海未は奉次郎の瞳を見ながら続ける。

 

「普段は飄々としていて、お調子者で、新しいものにすぐ影響されて、穂乃果と一緒になって周りを振り回して、子供っぽくて、私たちより一つ上の年齢だというのにとてもバカで」

 

「海未ちゃん、それほとんど悪口だよ……」

 

「あははは、海未ちゃんらしいね」

 

 とても褒めているとは言えないその内容を聞き、苦笑いをすることりとツッコミを入れる穂乃果。一応目の前にいる人物の孫だというのに、遠慮なくリヒトに対する評価を口にする海未。

 たしかに、過去を振り返ってみれば海未は穂乃果とリヒトによく振り回されていたことを思い出すことり。そもそも昔はかなりの恥ずかしがり屋だった海未が(今でも十分恥ずかしがり屋なのだが)、初めてまともに接した異性が『一条リヒト』という人間なのだ。当時のリヒトはまさに海未が言った通り、飄々としたお調子者で年上なのに子供っぽい人物なのだからこういった評価をされてもおかしくない。

 しかし海未は「ですが」と言い、

 

「不思議と、彼と一緒にいると楽しいんです」

 

 そう言う海未の表情は笑顔で、懐かしむように微笑みながら話す。

 

「『人の笑顔が好き』、リヒトさんはいつもそういって私たちを楽しませてくれました。手品やドッキリ、それに何度私たちが驚かされ、楽しんだことか。先ほど『バカ』と言いましたが、リヒトさんの『バカ』は良くも悪くも一直線でとても素直。そうですね、こういうのを世間では『愛すべきバカ』というんですね」

 

 どこまで行っても、海未の中でリヒトが『バカ』であることは変わらないらしい。

 

「昔の私はあまりしゃべるのが得意ではありませんでした。ですから周り子たちに私の意見を言えず、流されてしまうことが多かったんです。ですが、リヒトさんは例え周りと意見が違っても、自分の意見をはっきりと言っていました。そこが当時の私にはとても羨ましかったんです。リヒトさんは『夢』を語るときも、恥ずかしがらずに堂々と話していました。その姿を見て、私は彼のように自分に嘘はつかず、思い切って行動してみようと思ったんです。ですから、私にとって『一条リヒト』という人物は『目標の人』です」

 

 海未の話を聞き、「そうか」とつぶやく奉次郎。

 視線を穂乃果とことりに向け「二人は?」と聞く。

 

「私は『感謝している人』、かな」

 

 そう言ったのはことりだった。

 

「りひとさんには何度も助けてもらって、いつも『ありがとう』って言ってるけど、やっぱり感謝しきれないんです。小さい頃の私は、左膝が弱くて走ったり、うまく歩けなくて外に出るのが嫌でした。でもリヒトさんはそんなことりをおんぶして走って、風を切って走る爽快さ、『外の世界』に広がる光景、手術を受ける『勇気』をくれました。手術の後もリヒトさんがいてくれたから、穂乃果ちゃんと海未ちゃんが私に『勇気』をくれたんだと思います。私も、一歩を踏み出せたんだと思います。だから、ことりにとって『一条リヒト』さんは『感謝している人』です」

 

 奉次郎はことりの話を聞き、先ほどと同様「そうか」とつぶやく。海未ほど長く語られはしなかったが、ことりの口から語られたリヒトへの思いはとても強く伝わってきた。奉次郎が、左膝が弱い時のことりを知っているのも大きな要因だろう。

 

「穂乃果は……」

 

 そして、最後に語るのはおそらくこの中で一番にリヒトへの思いが強い、高坂穂乃果だった。

 

「『憧れの人』です」

 

 その言葉に、自然と笑みを浮かべる奉次郎。

 

「私、高坂穂乃果にとって『一条リヒト』さんは『憧れの人』です。いつも真っ直ぐ前を向いていて、失敗を恐れていなくて、りーくんの周りにはいつも笑顔がありました。小さい頃の私は、今以上におっちょこちょいで周りに迷惑をかけることが多くて、少し後ろ向きになることが多かったんです。でも、ある日りーくんに言われたんです」

 

 

『失敗なんか恐れてて前に進めるかよ。ンなもん気にしないでがむしゃらに突き進めばいいんだよ。俺たちまだ子供だぜ? 気楽にいこうぜ』

 

 

 その何とも当時のリヒトらしい言葉に全員が笑う。

 

「その言葉を聞いて、私も失敗とか考えずにがむしゃらに突き進もうと思ったんです。今回のスクールアイドルも、りーくんの姿に影響されたということもあります。りーくんのダンスみたいな『人を魅了』できるほどの力はまだ私たちにはありません。でも、絶対に音ノ木坂学院を廃校にさせたくないんです。私たちの力で『音ノ木坂学院の魅力』を多くの人に知ってもらいたいんです。りーくんのように、たくさんの人を『魅了』できるようになりたいんです。だから私にとってりーくんは『憧れの人』。私に『失敗を恐れず前に進む勇気』をくれた人です」

 

 力強く、そして強い意思のこもったリヒトに対する穂乃果の思い。

 三人のリヒトに対する思いを聞いた奉次郎は瞳を閉じ、頷く。

 

「そうか、お主らにとって『リヒト』はとても強い思いのある人間なんじゃな。……じゃが」

 

 そして、閉じていた瞳を開け、奉次郎は言う。

 

 

「もしリヒトが、お主らのことをすべて忘れているとしたら、どうするのじゃ?」

 

 

 奉次郎の放った言葉に、三人の少女の表情が固まった。次に浮かんでくるのは疑問の表情。

 

「リヒトさんが、……忘れている?」

 

 かろうじて声を発したのは海未だった。

 奉次郎は頷き、

 

「そうじゃ。リヒトは忘れている、()()()()じゃな。よく言う『記憶喪失』というやつじゃ。リヒトには去年の十二月に目覚める以前の記憶が無い、お主らと遊んだ記憶も、ワシと遊んだ記憶も、すべて失ってしまっているんじゃ」

 

 奉次郎の言葉の意味を理解するのに、三人少女たちは少し時間がかかった。

 




第二章もリメイクしましたのご一緒にどうぞ!

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