ファミリーゲーム 作:遊佐坂
黒崎彼方は学校の帰り道、真言とその友達二人、計四人で帰路に着いていた
「真言ー、なんかごきげんだねー」
と友人その1 温水由寿が真言に尋ねた
すると真言は上機嫌に
「えへへー、今日は楽しみにしてたゲームの発売日なの!」
とピースをしながら嬉しそうに話す
「期末前でもゲームとは余裕だねー」と由寿が言うと
「真言、中間良かったもんねー」と友人その2 三石窓香が続ける
が真言は完全に失念していたように
「え?」
驚愕していた真言に三人は
「「「おい!?」」」
としか言えなかった
(忘れてたのか、真言)
てっきり勉強したうえでの余裕と思っていた彼方は
(こいつは真面目なんだか、不真面目なんだか)
と溜め息をはいた
「こ、今週頭からやり直したいー」
頭を抱え現実逃避する真言に友人二人は他人事のように適当な事を言っている
「じゃあ温水は勉強してんのか?」
と彼方が尋ねると、由寿はビシッと固まった
「やってないんだな」
と笑う彼方に由寿はキッと睨むと
「じゃあ黒崎はどうなのさー!!」
と彼方を指差し吠える、その由寿の肩をぽんっと叩き窓香は由寿を諭した
「黒崎くんの成績学年トップクラスだよ?」
現実を叩きつけられ項垂れる由寿に彼方は笑いを必死で噛み殺していた
「うがー!余裕ぶっちゃってぇー!」
その態度に由寿は怒り飛びかかる
そうしてじゃれあう内に友人二人と道が別れる
「寄り道すんなよー真言ー、あと黒崎は覚えてろー!」
「じゃあねー真言、黒崎くん」
と二人は帰っていく
彼方と真言は二人に手を振り見送る
そして帰ろうと振り向くと真言が膨れていた
「むぅー」
「ん?どうした?」
彼方が聞くが真言は答えない、そして急に歩きだしたと思うと家とは違う方向に向かっていた
「お、おい、真言、お前まさか!」
真言の足はいつも二人が行く小さなゲームショップ (ゲーム倶楽部)に向かっていた
(ふんっいいもん!彼方くんなんか知らない!)
真言は自分を相手にせず由寿とじゃれる彼方を見ていたら、何故かムカムカしてむくれていた
「おい!待て真言」
と肩を掴み止める彼方
「あー、その、なんだ、一緒に勉強してやっから、その大丈夫だからな?」
彼方は真言の頭を撫でながらそう言った
「うん!ごめんね?彼方くん」
と上目遣いで謝る真言に彼方は照れながら真言の頭をなで続けていると
「まこ姉ー、彼方兄ぃー」
と真言の妹、葵が走ってきた
「あれ?なにやってんの?二人とも」
葵はきょとんとしながら二人に尋ねる
「え!な、なんでもないよ!あおちゃん」
と誤魔化す真言、彼方は後頭部を掻きながら葵の手にある袋に目をつけた
「あぁ、あおも買ったのかそのゲーム」
「うん!これ買うためにお年玉とっといたんだー」
と無邪気に笑う葵に真言の心が動く
「じゃあ先に帰ってやってるねー」
走っていく葵を見送り
「買ってもいいけど、徹ゲーはすんなよ、勉強教えるったって、そこまではカバーできん」
彼方に心を見透かされた真言はビクッと身体を震わせた
「あ、あは、ははは」
乾いた笑いを浮かべる真言に彼方は少し笑いながら
「じゃあ暗くならねぇ内に買いにいくぞ」
彼方もゲーム倶楽部に向かう
「うんっ!」
彼方に笑顔で着いてくる真言
無事ゲームを購入して帰って行くのだった
「ただいまー」
真言が家に帰るとゆきえが
テスト勉強について聞いてくる
「うん、今から彼方くんに勉強教えて貰うの」
と言う真言にゆきえは、
「彼方くん家に行くの?だったら夕飯うちで食べようって言っておいて」
わかったーと返し着替えに部屋に戻る真言
「まこ姉おかえりー」
葵はゲームをしながら真言に話しかけた
「お正月から待ってた甲斐がおもしろいのー」
とにこやかに言う葵
「お姉ちゃん ちょっと彼方くんのところに行ってくるね」
真言の言葉に葵は不思議そうに
「なんかあったの?」
「ううん、お姉ちゃんテストが近いから勉強を教わりに行ってくるだけ」
「わかったー、いってらっしゃい」
彼方と真言は二人で勉強しながら、雑談していた
「お母さんのやってるMMOで中学生の子が人生投げたっていってたって」
「……温水じゃねえだろうなそいつ、あいつも確かMMOやってたろ?」
「あはは、流石にそれは無いんじゃないかな?」
「……っと、もうこんな時間か今日はこんなもんだな」
「…うん、あ!そうだお母さんが夕飯一緒にどう?って」
「あー、じゃあ悪いけどそうさせて貰うかな」
勉強道具を片付け二人一緒に家を出る
「お邪魔しまーす」
「どうぞどうぞ!」
と遊佐家に招待された彼方が真言に促され、リビングに向かう
そこには仕事から帰って来た大学教授の征爾がいた
「あ、おじさん、お邪魔します」
彼方は頭を下げると征爾はにこやかに迎えてくれた
「あぁ、いらっしゃい、この間はお弁当を有難う、美味しかったよ」
「いえ、俺もこうやって、夕飯ご馳走になってますから」
といったやり取りをしているうちに葵とゆきえが揃ったので、彼方は遊佐家で夕飯を一緒に食べた
彼方はご馳走になったお礼にと洗い物を済ませて家に帰る
遊佐一家はリビングで彼方の淹れていったお茶を飲みながら談笑していた
「相変わらずいい子ねー彼方くんは」
「あぁ、そうだね、彼方くんにはいつも世話になってるよ」
彼方が話題に昇る
「さっき真姉、彼方兄に頭撫でられてたよね?」
「あら何々?何があったの?」
葵の言葉にゆきえが食いついた
「あ、あおちゃん、な、何でもないよ!」
真言は真っ赤になって誤魔化そうとする
「真言、あんた彼方くんみたいな有料物件中々いないわよ?幼馴染みで仲もいいんだから、さっさとくっついちゃないなさいよ」
「お、お母さん!私と彼方くんはそんなんじゃ!」
ますます赤みがます真言を面白がるゆきえを征爾が止める
「彼方くんはいい子だけど、まだ真言達は中学一年生何だ、好きだ何だって言うのはそう焦って答えを出さなくていいんだよ」
征爾は真言に言い聞かせるように語るがゆきえは
「当時中学生の生徒と結婚した人の言葉とは思えないわね」
征爾の言葉を全て台無しにしたのだった
ナチュラルに外道の称号に偽りはなかった