就活中なのに夜更かししてこんなもんをチマチマ少しづつ書き連ねてました。
ゼロスタンスの型を取り、目の前に対峙するアマテラスと向き合う。オリジナル種では無数の瞳が光っていた顔のところには、紅く染まった女神像が不気味に鎮座し、俺達を睨むように見ている。
「っ!」
先に動いたのはアマテラスだった。巨大な触手をこちらに向かって伸ばす。質量スピード共に殺人的な威力を持つ攻撃。だがまだ小手調べと言った所か、気を張り詰めて動きに注視していれば、装甲を展開せずともステップだけで回避出来る程度の動きだ。
アマテラスによる戦闘開始の合図と共に、俺の一歩後ろで控えていたリンドウ達も行動を開始する。リンドウは前衛として触手に切りかからんと立ち向かい、ミストは後方より狙撃弾を用いて牽制と攻撃を兼ねた射撃を行う。俺もリンドウの補佐に回るべく、敵に向かって突進しながら一気に捕食をする。
「食らったらぁっ!!」
プレデターフォームを解除すると同時に体に湧き出すパワーを感じる。が、バースト状態になった瞬間にバックステップで後ろに下がる。前衛として斬りかかっていたリンドウも、危険を察知して後ろに下がった直後、俺達の立っていた場所を敵の足が踏みつけていた。
気を取り直して、再度アプローチを掛ける。あまり懐に入りすぎない位置をキープしつつ、オリジナル種の弱点である触手に斬撃を加える。
触手への攻撃の合間に捕食をする。バースト状態を維持する為のエネルギーを補充すると共に、アマテラスの力の一部であるアラガミバレットも獲得する。
「ミスト!渡すぞ!」
「はいっ!」
敵から少し間合いを取ってから、神機を変形させて獲得したバレットをミストに受け渡す。旧式遠距離型はこうしなければバースト状態になれないため、より的確なサポートがしやすいように補助を入れてやらなければならない。
「リンドウ!」
「おう!頼む!」
同じようにリンドウにもバレットを手渡す。旧式近距離型は、捕食は出来ても獲得したバレットを他者に受け渡せない。全部で3段階ある身体能力のリミット解除機能たるバースト状態は、ただ捕食するだけでは第一段階までしかリミットを解放出来ないのだ。複数発のバレットを受けとることによって、受け渡されたバレットが融合、濃縮されると同時にリミッターも第二段階、第三段階という形で解除されていく。
どちらか片方の武器だけではこの補助は出来ない。食らって溜め込んだ物を吐き出せる、その機構を持つ新型だからこそ成せる、味方への素晴らしいサポートの仕方なのだ。
「っ!リンドウさん!付近に小型のアラガミが接近してくるのが見えました!」
「おぉっとぉ?ここに来てお出ましかっ!一丁狩ってくっかぁ!」
「了解です!師匠っ、少し離れます!」
「二人とも、雑魚の露払いはよろしく頼む!」
「「了解!!」」
リンドウとミストが、一時的に戦線を離れようと行動を開始する。それを許さんと、敵が攻撃を放とうと構えるが、相棒のスナイパー型の銃身から狙撃弾を何発か頭の女神像に放って妨害する。すると、今まで触手に攻撃していた時と比べて明らかにオーバーな仰け反りを見せる。これはもしかしてと思い、敵から絶えず放たれる攻撃をステップやローリングでかわしながら、頭部の女神像に向けての銃撃を当ててみる。
するとやはり大きく仰け反り、あからさまに狼狽したような動きを見せる。どうやらオリジナルと違って、狙うべきは触手よりも女神像らしい。
「弱点みーっけ、てか?」
アマテラスの弱点を見つけた所で攻勢を強めようとするが、射撃用のオラクルはもう残り少なくなっている。何発か撃っただけでもあっという間に弾が減ってしまう。高威力高貫通力を誇るだけに、どうしても克服しきれない欠点だ。
バースト状態もそろそろ効果が失われるといった所。近接形態に切り換え、それなりに手応えを感じる触手への攻撃を再開する。弾の補給をしながら斬りつけていく。
「だらぁっっ!!」
ズシャ!ズシャ!と、気持ちの良い音が切る度に聞こえる。だが、やはり女神像ほどダメージが蓄積する訳ではないらしい。攻撃が通っていないという訳ではないが、イマイチ決定打に欠けるといったところか。
「?!」
と、突然後ろから何かが飛来する気配を感じ、すかさず横方向へ回避する。飛んできたものはそのまま俺の目の前にいるアマテラスへと当たったようだが、弾らしき物は見当たらない。つまり、目で視認できる類いの攻撃ではない。となると...。
「やーっぱり、テメエか」
チラリと瞬間的に飛来物の発射元に目を見やると、恐らくはリンドウにメッタ斬りにされた事で体のそこらじゅうに付いた傷が目を引く、傷付いたザイゴートであった。普通の個体は結合崩壊なんてせずにぶっ倒れて霧散しちまうのだが、コイツは至るところに青い筋が見てとれる。まるで結合崩壊した中型アラガミのような出で立ちだ。アラガミの結合崩壊を起こさない小型の種類は、実は幾ら斬ってもダメージが表に出ることはない。見えない内に蓄積されて、というか、斬った所にまた別のオラクルが結合しようと集まってくるため、表面的には瞬間的に傷は出来ても直ぐに癒える様に見える。だが、喰い裂かれたオラクルは確実に数を減らし、細胞の数が一定数を下回ることによって結合崩壊が起こるという仕組みだが、小型のアラガミにとってのその一定数というのはすなわち、自身の生命維持の限界ラインを意味する。故にザイゴートを始めとした小型アラガミは、オラクル同士の細胞結合を維持できない数まで細胞が喰われた途端に霧散して死ぬ。
このザイゴートはそうした意味で"異質"だった。
本来なら決して表れることの無い傷跡が、ありありと自らの体に刻みつけられているのだから。直ちに修復される筈の傷が残ったままで、これだけの傷を受けてもまだフヨフヨと浮いておられるばかりか援護射撃までする。今までに無い貴重なケースとして鹵獲する事が一番だろうが...。
「間が悪いんだよったく。お前をチマチマ取っ捕まえてる暇はねえんでな、サッサと片を付けさせてもらう」
兎にも角にも早く片付けないと、放ったらかしにしているアマテラスから追撃される。脅威度はアマテラスの方が高いが、戦闘中に後ろから狙われ続けるんじゃ危なくて仕方が無い。敵と一対一で向き合わなきゃ直ぐに死ねてしまう極限の戦場、少しでも自分に有利な条件を作らなければならなかった。
一気に片を付ける気でザイゴートに突っ込む。地面を思いっきり蹴りつけ、高速のステップをしながら本来の仕方とは逆さ向きに袈裟切りをする。それなりに力の込めた、しかも長年に渡って使われ、強化され続けた俺の神機の喰い裂きに耐えられずザイゴートは悲鳴をあげて怯む。手負いの相手だが油断はしない。逆さ袈裟切りの勢いで空中に飛び上がったまま捕食形態の顎を展開し、ザイゴートの卵みたいな体を丸々飲み込んで捕らえる。ドス黒い顎の中でザイゴートが必死に逃れようと暴れるがもう遅い。顎がブシュッと何かを牙でブチ抜いた瞬間、ザイゴートの動きが止まる。そのまま少しだけカミカミした後、体だけ吐き出してコアを取得する。
捕食の全行程が終わる、わざわざ待っててくれていたアマテラスに再度向き合う。
「お待たせして悪いなぁお嬢様。いや、女神様って言った方がいいか?」
返事は『ヴォォォォォォッッッッッ!!!!』という凄まじい咆哮だった。叫びだけで空気が一瞬でヤツに呑まれるかのごとく迫力。心なしか、ど
「てめぇは俺の事を生意気な奴だと思ってんだろうが、その台詞はそっくりそのままお前に返すってな。化け物の分際で、人間サマを見くびってんじゃねえぞ?」
弾が充分に溜まったのを確認して、神機を再び銃形態に変形して構える。この状態では神機の装甲を展開できない。こやつの一撃一撃が、食らえば即ミンチ確定のクラッシャー級破壊力があるため、確実に回避が行える状況を常に作りながら戦っていく必要がある。
バシュンっ!
先ずは一発目を先ほど判明した弱点の女神像に当てる。あんな図体の頭にくっ付いた女神像、弾速の遅いバレットなら身をよじって避けられるだろうが、スナイパー型はそうはいかない。高い消費量のオラクルに見合った分の威力とスピードがある。二発目を撃つ。またも先と同じように大きなリアクションをするアマテラス。そんなにオーバーなリアクションを取れば、そこが弱点だっていうのバレバレだぜ?
三発目を当てると同時に、ヤツが大きな悲鳴のような叫びを上げる。次の瞬間、ヤツは俺の方に向かって体ごと倒れこんできた。
「うぉっ!?」
そのまま体で押しつぶすつもりでいたのか、奴の体がのし掛かるリーチからステップで退避する。ペシャンコにされる所だったと思わず息を吐くが、その直後側方に向けてとっさに受け身を取る。倒れこむと同時に俺の位置からは死角になっていた奴の体の直上から、奴が生み出した光り輝く巨大な球がまっすぐ俺の方へと迫ってきたからだ。それなりのデカさと質量が込もったエネルギー弾を貰えば、恐らく確実に即死するだけの威力を持ってるだろう事は容易に想像がつく。装甲でガードをするのも大事だが、即死級のダメージを受け止められる自信は正直言って無い。確実に躱せるのなら出来る限り躱した方が体力の消耗を抑えられるメリットもある。
「ちっ...おおっと!?」
仕留められなかった事にまた一つ堪忍袋を弾けさせたのか、追撃のエネルギー弾を再び放ってくる。今度は数が多く、受け身だけでは攻撃をやり過ごしきれない。止むを得ず神機を変形しながら装甲を展開して衝撃に備えるが、着弾と同時にエネルギー弾が周囲に膨大なパワーを撒き散らす。
「なんつぅ質量だよチクショウ...。こんなモン直に食らったらとんでもねえぞ...!」
一発一発が着弾してエネルギーを撒き散らす。その度に装甲を支える腕に強烈な力が加わる。数発もらっただけでも腕がしびれる程に強力な攻撃である事を実感し、このまま長期戦に持ち込まれれば益々自身が不利になる事を悟る。
アマテラスの攻撃が止む。装甲を通常形態へ戻して遠距離型に神機を再度変形する。だが、ヤツからの攻撃はまたもひっきりなしに行われ始める。二度目の攻撃よりかは球の数は少ないが、それでも先ほど防御した感覚から食らえば命は無い。もう目の前まで球が迫っている状況で再び神機を変形して防御する余裕などあるはずもなく、受け身やローリングを繰り返してなんとかヤツからの攻撃を躱していく。全神経をヤツとヤツが放った攻撃に集中させて。リンドウとミストが捌いているであろう周りの雑魚などに気をやる余裕はありはしない。本気で取り掛からなければ本当に死ぬ。だから目の前の
「別名”
初期の第一世代遠距離スナイパー型の生き残りは伊達じゃない。こちとら動き回ってグラグラ揺れる銃身からも正確に目標の一点を撃ち抜ける技術を持ってんだ。いつどこで生まれたのかは知らねえが、少なくとも10年も生きてねえこのデカブツに負けてやるつもりはない。銃口がヤツの女神像に向くように動きを計算しながら受け身を取りつつ、銃口が目標へ向いた >>> 『撃てるチャンス』が来た瞬間にトリガーを引いて狙撃弾をぶっ放す。経験と練習を何千も何万も積めや出来るだろうが、少なくとも後輩に簡単に真似できるような技じゃない射撃法。もちろんマニュアルに載るわけもない状況次第では危険極まりない撃ち方だが、ことやれる事が限られた時の悪あがきには案外使える役立つ攻撃の仕方だ。アマテラスからすれば、少しづつ着実に追いつめていると思っていた人間がただ攻撃を避けてるように見えている筈なのに、その追いつめている筈の人間から何故か攻撃を食らっているのだからさぞや怒り狂うだろう。
「ヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
さっきのとは比較にならない程の凄まじい咆哮を上げたアマテラス。いよいよ全ての堪忍袋がブチ切れたようで、本気で俺を惨殺してやるくらいに怒り狂ってるようだ。だが、怒り狂っているという事は其れだけ頭の理性を感情が振り切ってるという事。さっきの様に頭を使った戦い方をされると厄介きわまりないが、これで馬鹿正直に突っ込んできてくれれば対処も楽になる。俺にとっても戦いやすい。あとは、攻撃を避けるタイミングさえ間違えなければ、ミンチになる事はないはずだ。
ヤツが咆哮を上げている間に、俺はこっそりと銃身に装填しているバレットを6つある装填口から『1つだけ』入れ替える。本来は旧式遠距離型が減ったオラクルの弾の補充をするために使う物のため、新型である俺は使う機会はないはずの物だが、このバレットに組まれている物は市販されている物とは『モノ』が違う。
リッカをはじめとする技術班のメンツに協力を仰ぎ製作した、俺と技術班特製のスナイパー専用超強力バレット。名付けて『クラスタースナイプ』と言う。高速で撃ち出した物理弾(これはレーザー及び狙撃弾のバレットではない)が目標に着弾した瞬間、コアの統制による強力なオラクル結合体に向かって数百発の高威力の狙撃弾が散弾の様にビュンビュン飛んでいくという超強力な自家製作バレットだ。これを実現するために専用の制御チップと専用の回路ユニットが必要になったせいで何十万も資金を吹っ飛ばす事になったものの、そのかわり威力としては非常に凶悪と言っていいほどの破壊力がある。小型のアラガミであるなら群れていれば群れるだけ数十体もの目標を一瞬にして沈められるし、大型のアラガミもオラクルがより他の部位より強力な結合をしている箇所、すなわち結合崩壊が起こる部位に対して集中的にホーミングして数十発の狙撃弾が着弾することになるため大ダメージを与えられるわけだ。
弱点というか欠点は、クラスター爆弾のごとく弾がばら撒かれるのは完全に俺の制御下から離れた後であるため、目標のすぐ近くに神機使いがいると神機のコアを敵アラガミとバレットが誤認してホーミングするという点(つまり凄まじい数の弾が味方に襲いかかる。状況次第ではギャグのようなシーンも作れるだろうが)と、オラクル消費量がバカみたいに高いこと。そのため、試作型である俺の神機にのみ搭載され、現行の新型量産型には搭載されていない『バレットキャプチャリング』とよばれる機能を使ってこの問題をカバーしている。これは簡単に言えば、一つだけ装填された『発射するバレット』以外の全てのバレットからもオラクルを消費するかわりに、本来ならば射撃不可能の超高燃費バレットの使用を可能にする機能。
ブラスト型に備わったオラクルリザーブ機能と似たようなもので、あちらは徐々に回収できたオラクルを『銃本体に内蔵された』空のタンクに補充したオラクルを貯めるもの。こちらはもともと満タンになっている『バレット』から一気にオラクルを取り込んで撃ち出すという違いがある。ちなみに、キャプチャリング機能でオラクルを取り込まれた後の空バレットは一度メンテナンスに出して修理しないと使えない、戦場ではリサイクルの効かない品だったりする。それだけ無理やりオラクルを吸い出し、空になったバレットに対し相当な負荷を掛ける機能でもあるため、事実上一度『クラスター』を撃てば敵がダウンしてバレットを使用可能なものに交換する時間が稼げない限り、遠距離型での射撃はほぼ不可能になる。バレットを一度に6発全てを交換するには慣れていても時間が掛かる。ある種、諸刃の剣とも言えるかもしれない。
「だけんど、やってみる価値はあるよなぁ?」
神機を近接形態に変形し、奴へ切り掛かるべく構えを取る。アマテラスは体を支える触手をうまく一本腕のように纏めて俺に振り下ろす。先ほどのように手数で押し切る方法とは違うため、一度回避してしまえば僅かな隙を突くことができる。受け身で躱した後、奴の触手に数回袈裟懸けに斬りつける。少しだけのダメージしか与えられずに元ある位置へ触手は戻ってしまうがそれでいい。今は先ほど消費したオラクルを貯める段階なのだから。先とは違って、斬りつけることそのもののダメージ率は重要ではないのだ。
「悪い!ちっとだけ手間取った!加勢するぜ!」
「こっちにもいるんです...よ!」
さきほど露払いのために一時戦線離脱したリンドウたちも再び助太刀に加わる。これを見てさらにブチ切れたのか、大きく体を震わせながら俺を轢き殺そうと体当たりしてくるアマテラス。しかしこちらは経験積んだベテランの神機使い、単調な攻撃に殺られるほど腐っちゃいない!
捕食形態の顎を女神像の真上あたりにまで伸ばし、奴が突っ込んでくるのを真正面からすれ違う形で伸びきった神機の顎を元に戻す。忍者がかぎ爪のついた縄を高所の屋根にくっ付けて、自動で縄を巻き取りながらスムーズに引っ張られていくようなイメージだ。元に戻ろうと縮む神機の顎の動きに従って、俺は奴の向いている方向と正反対の場所に飛んで行く。体当たりを上手く躱すと同時に縮みきった顎で一噛み食らわせて捕食する。自分の体がバースト状態になるのを感じるとともに、大量のオラクルが残り少なかったタンクへと充填されていく。
神機に付けられた残弾数を示す簡易液晶が、『クラスター』以外の全てのバレットにオラクルがフル充填されたことを示した。
「リンドウは下がってミストのサポートっ、ミストは攻撃が分散するように援護射撃!奴に今から『クラスター』を一発食らわせる。バレットによる集中攻撃が終了次第、一気に奴に仕掛けて終わらせる!リンドウは斬りかかる用意も整えとけ!」
「おうよ!」
「了解です!」
神機を銃形態に変形し、狙撃の体制に入る。言い忘れていたがこの『クラスター』というバレット、他のバレットからオラクルを取り込むという性質上発射までのチャージに3秒掛かる。たった3秒、されど3秒。その3秒の間にどれだけ自体が動くのか、この戦場ではコンマ何秒で物事が動く世界だ。油断せずに奴に照準を付け続けなきゃならない。狙うはもちろん、女神像へ。
『3second』
”Oracle Charge 5%”
「こっちにも敵は居ますからね!目を向けなさい!」
「レディーに触手で相手しようとは失礼な奴だな!」
ミストは適度な間隔で射撃し、リンドウはミストに襲いかかる触手から彼女を守っている。
『2second』
”Oracle Charge 39%”
リンドウたちはなんとか自分たちに奴の注意が向くように攻撃を仕掛ける。
『1second』
”Oracle Charge 72%”
刹那、アマテラスがこちらを向き、触手をもの凄いスピードで伸ばしてきた!
『0second』
”Oracle Charge 100%”
目の前には俺の体を串刺しにしようと迫ってくる触手。俺はとっさに真横へ受け身を取りながら、銃口を奴の女神像から外さぬままトリガーを引いた!!
「「「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」」」
リンドウとミストと声をそろえて叫ぶ。『クラスター』の起点となる初弾が奴の女神像にぶち当たった瞬間、一気に数百発のオラクル弾が一斉に女神像から解き放たれたかと思うと、再びホーミングされて女神像へと向かって堕ちてゆく。まるで流星群のように細く輝き、しかし一つ一つがアラガミにとっては殺人的な威力を持つレーザーの雨がアマテラスの女神像へと降り注ぐ。その激痛に耐えられないのか、断末魔のような叫びを上げると自身の直前へと倒れ伏す。
「今だ!リンドウ!」
「おう!」
リンドウと共に飛び上がり、倒れ伏すアマテラスの女神像へと神機の剣を突き立てる。リンドウはちゃっかりチェーンソウをぶん回してダメージを更に増やす。俺は神機を女神像にぶっ刺したまま捕食形態にして、そのままアマテラスのコアを女神像ごとガブりと喰らってやる。しばらく女神像は最後の悪あがきのように顎の中でか弱く抵抗をしたようだが、やがて抵抗が収まると共に神機の顎が格納されて元の近接形態へと戻る。神機のコアが埋まっている所には光り輝く別のコアが一つ。
「...レアもんだな。フゥ、なんとか任務完了ってわけか」
「おう、お疲れさん。今日もよく働いたもんだ。あんな危なくハラハラしたシーン見せられたおかげでビールが恋しいぜ」
「...私はリンドウさんのせいで今労働時間外にも関わらず仕事をしているんですけど」
「・・・・・・・・・スマン」
「後でミストの”
「それは本気で勘弁願いたい!!」
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『任務中、機密無線用の通信機を積んでいたオフロードが目標の攻撃によって破壊されたため連絡は取れませんでしたが、つい先ほど目標の討伐及びコアの回収が完了いたしました』
「ご苦労だった。さて、早く帰投してゆっくり休んでくれと言いたい所だが、防衛班による敵の大群との防衛戦の状況が正直芳しくない。リンドウ君とレイン君は申し訳ないが、このままポイントAに向かい、防衛班の面々と合流して戦闘に当たって欲しい。ミスト君には帰投を許可しよう。本来はなかった緊急の依頼にもよく的確に対応してくれた。この件の報酬は別に上乗せさせてもらおう」
『ミストにはそのように伝えます。それで、現状はどういった戦況で?』
「幸い神機使いたち自身に大した怪我は無いようだが、いかんせん敵の数が多すぎて処理の手が追いついていないそうだ。仲間を強力なバースト状態へ移行させたり、自分自身で弾の補給が効かないため、現状非効率な戦闘となって苦戦しているものと思われる。新型でかつ経験豊富な君が出向くだけでも、おそらく若い彼らの士気に与える影響は非常に大きなものだと思う。本気の命のやり取りをした直後で申し訳ないが、なるべく早く休息を切り上げ、彼らの救援に向かって欲しい。その分の働きに見合う対応を必ず行うことを約束する。防衛班の面々をここで失うわけにもいかない。すまないがよろしく頼むよ」
『...了解。できる限り早く現場に急行します』
ブツっという音と共に、レイン君とやり取りをしていた通信が途絶える。彼がミスト君とリンドウ君と合流した直後にオフロードについていた通信機の反応が途絶えた時は焦ったが、考えてみれば彼が不意打ちで倒れるような不覚を起こすことはないだろうと思い、念のために彼らの腕輪のビーコンを追跡してみれば案の定生き残っていた。
「しかし、彼にも少々負担を掛け過ぎてしまっているのは紛れもない事実だ。だがだからといって、彼以外にこれほどの難度の任務を任せられる神機使いは極東にはいない。リンドウ君だけのソロミッションではおそらく、レイン君のこなしているだけの特務はこなしきれないだろう」
我が極東支部が誇る最強の神機使い、アークレイン・レグナゲート。ゴッドイーター最初期に編成された当時の新型、現在の第一世代型適合者の生き残りにして、世界初の第二世代型神機の適合者。非常に適合が難しい新型への適合権を掴んだ運はもちろん、彼自身の神機使いとしての能力の高さも誰もが目を置くほどのものだ。その功績から周りから”
しかし、伝説に祭り上げるほどの功績を挙げていても彼は『神』ではない。その使いである『天使』でもない。ただの人間なのだ。昨日アマテラスの討伐を依頼した際のあの表情、彼は”生まれが生まれなだけ”に、実は腹芸は嫌いなだけで淡々とこなせる人間だ。だからこそあの時見せた非常に嫌そうな表情、あれはそもそも隠そうとしていなかったから見れたものであり、言外に私に対しオーバーワークであるという警告を伝えるものだったのだろう。彼は表情に出してはマズイ時にはきっちりポーカーフェイスを保てる。普段は内の想いを隠し通すのにその時だけ敢えてそれを見せる、つまりはそういうことであるとしか思えない。
「”初めから新型”の彼女を始め、期待の新人達や他の神機使いの早急な育成と生じる問題点への対策が必要だな...。このままでは本当にレイン君という強力なカードを失うことに繋がりかねない」
私は席を立つと、少しの休息のために支部長室を後にする。とりあえずは、カフェで一杯コーヒーを飲んでから考えることにしよう。私だって人間だ。
相変わらずアッサリしすぎている戦闘描写。
もっと身のある内容のバトルを描きたい所ですが、イメージに表現力が追いついていないです(涙)。
さていきなり登場したオリジナルバレットですが、当たり前ですがあれはゲームでは再現不能です笑。大前提として、複数のモジュールが交差すると消滅するというバレットの特性があるのですが、この『クラスター』はリッカ達技術班が徹夜を何日も繰り返してやっとの事で生み出した専用の制御パーツを用い、見事に交差消滅する超ギリギリの際どい所で数百発ものレーザー弾を一つも消さずに全弾当てきる事を実現したバレットとなります。ちなみに本来ならばモジュールは8つまでしか作れないのですが、『クラスター』のバレットはそもそもそのモジュール設置限界をなくすため、『一般構造組成の神機と互換性を持たせつつ』『設計をゼロから見直して』『根本から作りを変えてしまおう』という狂気じみた展開によって生まれた凶悪バレットです。なので接続されているモジュールは合計すると600弱のレーザー弾モジュールが連なっているため、メンテナンスをする方も改良を加える方も扱いが非常に面倒臭い!という意外な欠陥がこんなところにあったり...w
それと、バトル開始早々離脱していたミストとリンドウですが、彼らも彼らで相当な数の雑魚アラガミと必死に戦っておりました。ここまで書くと、文章量がどエラい長さになるので端折りましたが(書けないのも大きな要因)。
さて、次話に投稿する予定の設定集ではミストの挿絵をご紹介したいと思います。あ、設定集はネタバレを防ぐためある一定の話が進むたびにその都度お話の間に挟む形で書いていきますのでご了承ください。
それと、著者が就活中のためなかなか厳しい状況に陥っているのですが、なんとか頑張って仕事見つけたいと思っております。余裕ができ次第こちらも更新しますので、数少ないながらもお気に入り登録してくださっている方々、どうか暖かく見守っていただけたらと思います。
追伸、当話本編の最後に出てきた『私』が誰なのか、書かなくてもみなさん分かりますよね?