ゴッドイーター ベテラン新型さん   作:chaosraven

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お待たせいたしました最新話でございます。
今回は某ジOリの映画に出てくるシーンを一部丸パクリした様子が出てきます。
そのシーンに合わせて挿絵も描いてみたのですが、当方はプロの絵師さんではないため
絵心があまりなく、その結果映画のワンシーンをトレースからの少年をレインさんに
差し替えるというなんとも言えない手法を使ってなんとか絵にしてみました。

これって製作者さんとかに怒られないですか...ね?


act:05 極東のトランペット吹きと新入り一号の最終試験 ★

朝、日が昇る頃の時間。アラガミが文明を破壊し、地球上の食物連鎖のもとに成り立っていた自然のバランス崩壊に止めを差し、季節なんて概念が消えてしまったこの世界。それでも地球は回り続けてる。だから昼が来れば夜も来る。

 

俺は極東支部に来てからは、特務明けの時を除いて必ず毎朝の日の出には支部の屋上へ登る。当時突然の異動で周りの殆どの隊員とコミュニケーションが図れなかった俺は、子供の頃からずっと続けていたトランペットを持って屋上に登り、日が昇るのと同時に昔日本で公開されたアニメ映画の曲の「ハトと少年」を外部居住区の住民の目覚まし代わりに吹いていた。

 

地球の自転があり、以前は冬と呼ばれていた時期は日の出が遅くなるせいで冬だけは毎朝6時丁度に吹いているが、それ以外の季節の頃は日の出に合わせて吹く。

 

実はアラガミが出る以前は、世界中で取り沙汰されるくらいのトランペットの腕を持ってたんだ。自分で言うのもなんだがな?このまま成長すれば、世界を代表するトランペット奏者になるんじゃないかとか、天才トランペット少年とか。それも今は過去の話で、トランペットなんてアラガミに対して何の役にも立たない金属の塊になっちまったが、それでも心のどこかで音楽を辞めたくないって気持ちもあって、それが結果として神機使いになって暫く経った現在までトランペットを持ってる理由だったりする。

 

外部居住区の住民にとってはいい目覚ましになっているようで、時々外部居住区へと出向く度にトランペットの音色についてあれこれと言われたりもする。特にアラガミが出る以前音楽をやっていた人だと、その日の音色でそのときの俺の感情も分かってしまうようで、負の感情が音色に出てた時は心配されたりもする。

 

 

「さて、今日も良い天気になるといいな...」

 

マウスピースを口に当てブーっと音を何度か出す。その間楽器を抱き抱える様に持ちながら暖める。人間の体が周りの温度が下がれば下がるだけ筋肉の動きが鈍くなるのと同じように、トランペットを始めとする金管楽器も、フルートを始めとする木管楽器も、本体の温度が低い状態だと良い音は出せない。人がストレッチをして体を暖めるのと同じく、楽器も暖めてやらなきゃダメなんだ。自分の息を管に通して暖めるなんてのは厳禁。周りから徐々に暖めるのが大切なのさ。

 

自分の口もトランペット演奏にならしたところで、マウスピースを楽器に嵌めて音出しをする。もちろんだが楽器はちゃんと暖まってる。

 

どーれみふぁそらしどー

どーしらそふぁみれどー

 

何回か複数の音域に分けて音出しをして、今日のトランペットの音色も問題ないことを確認。楽器を真っ直ぐに構えて、外部居住区に向けてメロディーを吹く。

 

 

【挿絵表示】

 

 

映画で流れたフレーズの通りに吹き終わると、マウスピースを取り管に溜まった自分の唾を抜く。楽器の手入れをしてからケースに戻すと同時に、後ろから拍手をされる。振り向くとそこには明治期の和と洋が混ざったような服を着た狐目の博士ことペイラー・榊が立っていた。

 

 

「いやいや、何度聴いてもレイン君の奏でるトランペットの音色は美しいと感じるよ。こんな世の中になっていなければ、君は今頃素晴らしい音楽家になっていただろうに..」

「お褒めに預り光栄です、榊博士。確かにそんな事を考えた事もありますが..でも今俺たちが生きているのはこの世界で、現実です。アラガミと戦うことが役目の神機使いとしては間違ってるのかもしれないけれど、それでも俺は止めたくないから吹き続けてるんです。この音色を維持できているのは、こうやって毎日吹き続けてもそれを受け入れてくれる人がいるからです」

「そうか...君はアラガミが発生する前から、子供ながらにとても素晴らしい演奏をしていた。音楽家になる、その夢を叶える事が出来なくとも、君は音楽を通して我々に確かに何かを与えてくれる。君の演奏を聴いているといつもそう思うんだ」

「...」

 

目を閉じ、榊博士の言葉を考える。音楽、アラガミが出る前は数多の音楽家が世に名曲と呼ばれる音楽を遺していったものだ。しかしアラガミがあらゆる物を喰らい文明が崩壊して以降は、音楽というものの存在自体が薄れてしまっているのは否めない。当たり前だ、何故ならオラクル以外の何もかもを受け付けないアラガミから、逃げて生き延びるのに必死なのだから。ゆったりと音楽を聴いている余裕はどこにも無い。

 

だが、音楽というのは現象的にはただの空気の震えでしかないが、確かに人に対して訴えるものがあったり心を震わせる事が出来る力がある。俺はそれを自分の人生を通して何度も実感しているし、アラガミが生まれる何年も前から生きている榊博士ももちろんそれは知っているだろう。

 

音楽、確かに人に何かを与える力を持つもの。

 

俺はもしかしたら、音楽がこの世界で存在を薄れさせていることに無意識に危機感を抱いていたのかもしれない。

 

 

「何にせよ、外部居住区の人たちは君の演奏を聴いて目覚める事に変わりはない。これからも毎朝『ハトと少年』のフレーズを鳴り響かせられる様に、生き残り続けて欲しいね」

「もちろん、天寿を全うする以外で死ぬ気はありませんよ。神機を手放すのは引退する時と決めてますので」

「ふむ、それは結構。ではまた会おう。若き音楽家よ」

 

榊博士はそう言うと羽織った上衣を風にはためかせながら屋上を後にする。博士を見送りながら、眼下に広がる外部居住区の光景を見下ろす。

 

10万人単位の”神機使いになれる素質を持つ”一般人とその親族が各々で家を建て暮らす居住区。このエリアは、アラガミが出る前のいわゆるスラム街に似たような光景だ。フェンリルの職員が時たま巡回を行っていることもあって、スラム街ほど治安は悪くはないが、支部のプラントで生成される物資のリソースはどうしても内部居住区やエイジス島への分配が優先されるために、外部居住区の家一軒一軒を改修することは出来ていない。衛生環境も決して良くはなく、住民はフェンリルに対して時々デモを行うこともある。

 

「音楽は確かな力がある。でも、それを受け入れることが出来る者もいれば出来ない者もいる、それもまた事実...か」

 

昔に比べれば大分減ったが、今でもトランペットを毎朝吹いている俺に対して外部居住区の者が暴言を浴びせかけることがある。こんな一日を生き延びるので精一杯なご時世で、音楽なんてものにうつつを抜かしてられるほど神機使いは裕福な人間なんだなと。ひどい時は物をぶん投げられたり、殺すつもりで突っ込んでくる人もいる。

 

 

「映画の音楽を一曲吹いただけでここまでバッシングされなきゃならんとは、まったく世知辛い世の中になっちまったもんだ」

 

 

トランペットをケースにしまい、さきほど榊博士が帰った道を通り極東支部の屋上を後にする。

 

「若き音楽家...そうなれたら俺の人生はどれだけ充実していたんだろうな?」

 

どれだけ問い詰めても決して答えの出ない問いを自分に掛ける。

 

 

 

------

 

 

 

「あ、リンドウさん!こんちはっす」

「おーう新入り。どうした?」

 

リンドウがエントランスに来ると、一足早く来ていたコウタが挨拶をした。今日はコウタの実戦前最終訓練の日。教官はリンドウが務めることになっている。

 

「あの、今日はよろしくお願いします!」

「おう。あんま気負い過ぎると上手くいかねえからな。適度にリラックスしながらやろうや。な?」

「はい!」

 

ヒバリに訓練の手続きをしてからコウタとともにエレベーターに乗り込み、訓練場のあるフロアーを行き先に指定する。扉が閉まり、ガクンと移動を始めたエレベーターの中でふとコウタがこんなことを聞いてきた。

 

 

「そういえば、リンドウさんは日の出の時間に外部居住区で響くラッパって知ってます?」

「ん?ああ。あの『ぱ、ぱーんぱんぱーんぱーんぱんぱーんぱんぱーーん』ってフレーズの?」

「はい!俺、あの曲大好きで!神機使いの人が吹いてるのは分かるんですけど、

 誰が吹いてるのかってのも神機使いになった今なら分かるかなって」

 

そうかと答えてリンドウは考える。リンドウはあの映画の曲、確か『ハトと少年』とかいう名前だったと思うあの曲をほとんどの毎朝誰が吹いているのかを知っている。特に本人から口止めをされているわけではないが、でもせっかくコウタがずっと探してきた謎の一つであるということだ。自分で見つけるほうが良いだろう。

 

「んまあそれは自分で見つけりゃ良いんじゃないか?」

「あ、リンドウさん。その顔は誰が吹いてるのか知ってますね?

 でも分かりました!俺、自分で答えにたどり着いてみせます!」

「おう。それじゃあっと」

 

再びエレベーターがガクンと揺れ停止する。目的の階に到達したようだ。

 

二人はそれぞれの神機を取り出すためターミナルに腕輪を差し込み、コンソールを操作する。保管用のドッグから出てきたパッケージングされた己の神機を取り出し、訓練場へと向かう。今回訓練が行われるのは第3訓練場で、そこにはもうツバキが管制室で待機しているはずだ。自分たちが時間に遅刻するということは絶対ないが、あまり待たされるのは好きではない彼女を定刻5分前まで待たせるよりはさっさと訓練を始めちゃったほうが良い。別に訓練の予定が早まることで支障が出る事案も特には聞いていないので問題はないだろう。

 

「んじゃあ訓練場に入るぞ。最初におさらいしとくが、順調に進めば今回がお前の実戦前最後の訓練になる。お前さんの場合は遠距離型に必要な知識がしっかり入っているかどうかと、近接攻撃型との連携がしっかり取れるかどうかを実際にペアで戦って確認する。その性質上今回出てくるのは中型アラガミと言われる、お前が今まで戦ってきたちっちゃいやつよりもひと回りデカさもタフさも上のダミーになる」

「えっ...?」

 

リンドウの言葉に不安そうな表情になるコウタ。そんな顔を見て、普段とは少しだけ違う頼れる男の表情を浮かべながらコウタの緊張をほぐすべく言葉を重ねる。

 

「なぁに、大丈夫さ。お前が今まで訓練で学んできたことを全て活かせれば決して倒せない相手じゃない。それに、俺がいるんだ。頼れるパートナーがいるんだから、お前はお前の役割を見失わずに戦えば良いさ」

「は、はい!!」

「うし、行くぞ新入り」

 

神機を構えると同時に、訓練場への扉が開く。リンドウとコウタが入り、扉が閉まるとツバキの声が響く。

 

『二人とも、準備は良いか?』

「ばっちしです。雨宮大尉」

「お願いします!」

『そうか...では』

 

中央の地点にどす黒い霧のようなものが群がり、突如琥珀色の光を放ちながら形を作る。やがて光が収まると、そこには猿のような姿をしたアラガミがいた。

 

『今回の訓練は、目の前にいるコンゴウを倒すことだ。始めろ』

 

開始の合図と共にコンゴウが大きな雄叫びをあげる。即座にリンドウたちは戦闘態勢になり、それぞれのフォーメーションを組む。直後背中にあるパイプのような器官から空気の塊をコウタめがけて発射してくる。

 

ローリングで回避したコウタは銃口をコンゴウに向けながらステップをして敵との距離を取る。遠距離型は基本的には、近接型のバックアップと周囲の状況を見渡しつつその場に応じて的確な行動を取れる距離を維持しながら敵と交戦する。この場合は、前衛であるリンドウをサポートできる位置をキープしながら、自身も攻撃を回避しやすい位置を常時維持していくことが大切となるのだ。

 

「まずは敵の動きを観察しないとな...」

 

前で相対しているリンドウとコンゴウの動きに着目する。目の前で剣を振るうリンドウに一発当てようと横殴りのパンチを振るうコンゴウだが、その動きを予期していたリンドウは危なげなくバックステップをとって避ける。

 

「新入り!こいつはパワーはでかいが一回一回の攻撃の隙が大きい!よーく観察して、敵が隙を見せたときに合わせて援護を頼む!」

「はい!」

 

リンドウから受けたアドバイスをもとに改めて観察を続ける。確かに動きをよく見てみると、攻撃の予備動作が大ぶりでその分隙が生じやすいようだ。リンドウが攻撃を盾で防いだところで何発かオラクル弾を撃ち込む。

 

「そうだ新入り!その調子で続けてくぞぉ!!」

「は、はい!!」

 

再び斬りかかるリンドウ、それを太い腕で受け止めるコンゴウ。チェーンソウを模した刀身の神機は腕の奥深くまで食い込む。コンゴウの肉に深く食い込んだ神機を引き抜こうとするが、思う以上に神機が食い込んでいたようで抜き出せずにいる。

 

その間に空いたもう片方の腕がリンドウへの攻撃態勢に入るのを見て、牽制も含めてコンゴウの顔に何発も撃ち込んでやる。意識が完全にリンドウの方へと向いていたようで、意識に入れていなかったコウタからの攻撃に面食らったコンゴウは思わずのけぞる。その隙にリンドウはチェーンソウを回転させ、なんと神機の食い込んだ腕を丸ごとそのまま切り落としてしまう。

 

「リンドウさん!?」

「今の射撃もベストタイミングだったぞコウタ。それよか、もう少しでこいつもぶっ殺せる。最後まで気を抜かずに片付けるぞ!」

「はいっ!」

 

腕が切り落とされた所からはボタボタと血が流れている。確かにこの状態じゃアラガミでも長くは保たないかもしれない。だが、レインとの訓練の度に最後まで気を抜くなと言われ続けてきたコウタは、弱った状態のアラガミを見ても気を緩めることなく神機を構える。

 

「食らえ!」

 

コンゴウの傷へ照準を向けて引き金を引く。痛みにあえぐ叫びを訓練場へ響き渡らせると、頭に血が上ったのかか、今まで相手取っていたリンドウではなくコウタに敵意をむき出しにする。

 

「! あっぶねっ!」

 

瞬間予備動作もなくいきなりこちらにゴロゴロと回転してくるコンゴウ。済んでの所で前転をして受け身を取り、なんとか攻撃をかわす。こんなもの食らえばベテランでもタダじゃ済まない一撃である。

 

コンゴウの動きを見ながらコウタは即座に立ち上がり射撃フォームを作る。だが撃たせはしないとコンゴウは大きく前へ繰り出しながら殴りかかる。

 

「くっ...」

 

こちらもバックステップで回避に成功したが、これでは遠距離型の戦闘能力を完全に出せない所までコンゴウに近づかれてしまった。再度殴り掛ってくるコンゴウを即座に避けながら、なんとか距離を取ろうとするが、相手の方が体格が大きくなかなか距離を引き離せない。

 

懐近くに入り込まれてはいないがこのままでは防戦一方だが...

 

「リンドウさん!これってどうすれば!」

「そうだ。俺とお前はペアだからな!相方がヤバイときは助けないと...な!!」

 

リンドウがコンゴウに斬りかかり牽制をする。その隙にコウタは急いで敵との距離を確保し、照準を再度向け直す。

 

「いっけえぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

リンドウの突然の乱入によりのけぞったコンゴウに、止めと言わんばかりにオラクル弾をひたすら撃ち込む。やがてグオォォォォという断末魔の叫びをあげると同時にコンゴウが地に倒れ伏す。

 

「やった...のか?」

 

コウタの問いに対して、リンドウは自身の神機を捕食形態にしてダミーコンゴウのコアを捕食し取り出す。その様子を見て、コウタはホッと胸をなでおろす。しかしそれも一瞬、すぐに神機を構えなおしいつでも撃てるように待機する。

 

 

「ごくろうさん、コウタ。最後まで気を抜かずにいたのはレインの教育の賜物かね?まあなんにせよ、実際の現場で戦ってる人間としては十分だと思うぞ。雨宮大尉はこの訓練をご覧になってどう思われました?」

『ふむ、あげればまだまだ甘い所もあるが...実戦には出しても問題ないだろう。よくやったな、コウタ。試験は合格だ』

「あ、ありがとうございます!!」

 

リンドウと、管制室で見守っていたツバキにそれぞれお辞儀をして感謝を伝えるコウタ。

 

「うむ、きちんと感謝を言えるやつは得をするぞ。これをもって今日の訓練は終わりだ。おつかれさん」

『ゆっくり休め、明日の任務に支障をきたさないようにな』

「はい!お疲れさまでした!」

 

コウタは再度礼をして、先に訓練場を退出する。

 

 

「早いとこ背中を預けられるようになってくれれば良いんだがなぁ...」

『そのためにサポートをするのがお前や私の役割だろう?リンドウ』

「あー、おっしゃる通りでございます。雨宮大尉」

 

後頭部をポリポリと掻きながら続いて訓練場をあとにするリンドウ。

 

(どうか生き残り続けてくれよ?新入り1号くん)

 

 

そんなことを考えながら、神機保管庫へと向かうのであった。




戦闘描写が難しいという言葉、
他のこうした二次創作のなかでもGEのようにアクションの多いジャンルでは
特によく聞くメッセージですよね。
私もこの作品書くたびにそう思います。
頭の中でアクションは浮かんでいてもいざそれを文に起こすとなると
あら不思議、頭の中でキャラクターやアラガミの動きばかりがどんどん勝手に先行して
文字に起こすのがあっという間に追いつかなくなるんですね。
その結果何が何だかワケがわからなくなるし、せっかく思いついたアクションも
記憶しきれずに忘れてしまって永遠の闇に葬られるわ...

しかしこのお話は神機使いのオンオフ両方の物語を描く内容ですので
戦闘描写は決して避けて通ることはできないのです。
しかしそれにしても、自分が書くとなぜこんなにも淡白なバトルになるのだろう..w
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