Seven Fantasia 異聞東方戦記   作:丁・丁

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※この小説は二次創作やクロスが多分に含まれています。それらが苦手な方やそれぞれの作品のイメージを大事にしたい方にはあまりお勧め出来ません。

・♯.5『博麗の巫女 1 /楽園の管理者』その1からの続きです。先にそちらを読むことをお勧めします。


♯.5 『博麗の巫女1/楽園の管理者』 その2

「なんだありゃ?」

 

 博麗神社に到着した一行の目の前には奇妙な黒装束の集団がいた。彼らは境内の所々に分散しており雑談する者や座っている者、さらには横になって寝ている者もいる。カミナはそれを見て不思議そうにつぶやいた。

 

「なんか面白い格好の連中だな」

 

 カミナの様子を見てトニーは言った。

 

「HAHAHA、知らないのか?NINJAといって日本文化の神秘だ」

 

「……トニー、どこで聞いたのその話」

 

 怪訝な顔のにとりを見てトニーは、はてと首を傾げた。

 

「何か私は間違った事を言ったかな」

 

 そんなやり取りをしていると、チルノが集団の中心にいる黄色い物体に駆け寄っていった。その声からは好奇心が感じられる。

 

「あんた達何者なのさ」

 

 問いかけられた物体はニヤリと笑い、背後の忍者達数名と横並びに大袈裟なポーズを取った。

 

「そこのリトルフェアリ~、いい質問をありがとう。我々は正義と愛がモットーの忍者戦団ゴリラボンバーズ!!ちなみに俺は司令官兼隊長のゴリラレッドだ」

 

「おおー!すげー!!」

 

 目を輝かせるチルノを見て忍者の少女が慌てて間に割って入った。

 

「駄目でしょ音速丸。こんな小さい子にそんな嘘をいったら信じちゃうじゃない」

 

「チッ」

 

 それを聞いて妖精は残念そうな顔をした。

 

「ちがうの?」

 

 すると少女はしゃがみ、チルノを覗き込むように見て語りかけた。

 

「ごめんなさいね。私達は忍者の見習いなの。ちなみに私は忍、あなたは?」

 

「あたいはチルノだよ。ちなみに氷の妖精」

 

 そんなやり取りを見ていたカミナ達に二人の巫女が近づいてきた。

 

「…今日は少ないのね」

 

 一昨日と同じように紅白の巫女はだるそうな表情だ。

 

「まあな。でも魔理沙は後から来るって言ってたぜ」

 

 大妖精は湖の近くの館に用事があり、香霖は店の修理に専念したいということで今日は同行していない。

 

「早苗さん。お話しは終わったんですか…どうしたんです、早苗さん?」

 

 霊夢の後ろにいる早苗に声をかけた忍は早苗の様子がおかしいことに気がついた。彼女はうつむき黙っている。そしてしばらくすると意を決したように忍者達一行を見て大きな声で叫んだ。

 

「みなさん申し訳ありません!ここに来たら帰れると言いましたが、今は無理だそうで…その…ええと…ごめんなさい!私皆さんに嘘を言ってしまいました……」

 

 頭を深々と下げる青と白の巫女の声は震えていた。それは結果的に騙すつもりはなくとも、そうなってしまった故に感じる罪悪感からくるものだろう。

 早苗は思っていた『何を言われてもしょうがない』と。

 

「おう、早苗ちゃん。いいから顔を上げてくれ。別に俺たちは気にしちゃいねえぜ、なあ皆の衆!」

 

 しばらくの沈黙を破ったのは音速丸だった。そしてそれに続くようにサスケや忍者達も早苗に声をかける。

 

「その通りです。まあ異世界に来てる時点でそういうのは想定済みでしたし、ある意味ウェルカムですよ展開的に」

 

「こっちは美少女多いしね」

「気分的にはRPGの勇者!」

「神様とか妖怪とか見れるし」

 

 そして忍は早苗の手を握り笑顔で言う。

 

「大丈夫ですよ。誰も早苗さんが悪いなんて思ってませんから」

 

 早苗は胸の痛みが消えていくのを感じ、いつの間にか泣いていた。忍は慌てて周囲を見回し、周りの忍者達はオロオロしている。早苗は涙を手で拭い微笑んだ。

 

「皆さん…ありがとうございます」

 

 霊夢は早苗が落ち着いたのを見てからその場にいる全員に言った。

 

「…じゃあとりあえず社の中で話をしましょうか。現状確認のね」

 

 カミナ達と忍者学園一行は社に入った。

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「…というわけだ。まあ、なんとか敵は倒したが色々と謎が多い。さっきも言ったがドローンは私が知り限りすべて自爆している。それにハマーの会社に残っているのは部品のみだった」

 

「じゃあ俺たちを攻撃したやつもそれなのかもしれねえな。あいつらも機械の化け物だったし」

 

 最初に忍達が状況を説明し、次にカミナが先日の武勇伝を語り、最後にトニーが香霖堂襲撃について詳細を話した。しかしそれぞれの経緯を聞いた彼らはそれぞれの話に違和感と疑問を感じていた。

 

「ところで質問いいでしょうか?さっきからパワードスーツとか獣人とか聞きなれない単語があるんですが、あなた達は何者なんです?」

 

 サスケに問われて二人は当然のように答えた。

 

「グレン団リーダ!カミナだ!!」

 

「スターク・インダストリーズ社長、トニースターク…というより、アイアンマンと言ったほうが早いかな。ニュースでよく出てるんだが」

 

「グレン団にスターク・インダストリーズ……聞いたことがないですね。誰か知ってますか?」

 

 だが忍の声に答える忍者はいない。それを見てリーダーと社長は何ともいえない表情をしている。

 

「サスケ、よく分からんがここは俺もトップとして名乗りを上げたほうがいいだろうか?」

 

「そうですね。なんか両方とも立場がありそうな雰囲気を醸し出ていますし、我々の代表としてびしっと決めてください」

 

「そこの二人!よ~く聞きやがれ!俺が、俺こそが忍者学園頭領音速ま…」

 

「はいはい、懇談会の途中で悪いんだけどまどろっこしいからあたしが説明するわ」

 

 タイミングの悪さに頭領は絶叫した。

 

「ぶるあああああああ!!」

 

 それを無視して博麗の巫女は続ける。

 

「結論だけいうとあんた達はそれぞれ別の世界から来てるわけよ。だからお互いの知ってる〝世界〟の情報が違うのは当然」

 

『――――!!!』

 

 告げられた言葉にその場にいた大半が驚きの声を上げたが、トニーは冷静に疑問を口にした。

 

「では何故私は君や彼らと同じ言葉で会話ができるんだ。ここにいる我々が別の世界から来ているなら言語は通じないと思うのだが」

 

 問われた霊夢は即座に返した。

 

「それは大結界のおかげね。問題なく喋れてるでしょ?」

 

「確かにな。だがどういう理屈だ」

 

 説明を頼むという視線を向けられた霊夢は面倒くさそうに答える。

 

「そういわれてもあたしが結界作ったわけじゃないしね。まあ途中で先代の誰かが付け加えた便利機能かもね」

 

「そもそも大結界って何なのでしょうか」

 

 早苗はいつも疑問に思っていたことを聞いた。それは幻想郷に二神と共に来たときからずっと考えていた謎だった。

 

「簡単にいうならこの世界の管理プログラムってところかしら。まあ最初は現実世界と幻想郷を分けるために作られたただの結界だったようだけどね。それを先代達やあんたらを呼んだスキマ妖怪がいじり回して今の形に落ち着いたらしいわよ」

 

「『かもね』とか『らしい』って、あんたが管理してるじゃないのか。大ちゃんが言ってたぜ『博麗の巫女は結界の守護者』とかなんとかって」

 

「そうなんだけど、それは大結界の〝中〟限定なのよね。だから正確には〝守護者〟というより〝代理人〟ってほうが合ってるわ。本来の巫女の役割は結界が何かしらの原因で機能しなくなった場合の予備みたいなものだし…というか面倒くさいから結界については八雲紫にでも聞いてちょうだい。あの妖怪はこの世界の始まりからずっと関ってるらしいから」

 

 もう質問するなと言わんばかりに巫女は不機嫌な表情をしている。

 

「しかし俺達は何のために幻想郷に呼ばれたんだ。力が必要ってのが共通してることみてえだが」

 

「ふむ。肝心の人物がいない以上どうしようもないな」

 

 あの胡散臭い妖怪がすべての答えの鍵を握っていた。

 

「ところであんたら、気分転換にちょっと運動しない。外にお客さんが来てるみたいなのよね」

 

 お客という単語に反応したのはカミナと忍だ。

 

「へっ、やっぱりか。どうもさっきから妙な気配がすると思ってたんだよな」

 

「私もです」

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――

 

同時刻:博麗神社周辺

 

「何なんだこれ」

 

 神社に向かっていた魔理沙は上空で文字通りの壁に阻まれていた。それは神社の周囲を覆うように張り巡らされた見えない何かだった。

 

「どうなってるんだ」

 

 試しに物理的破壊力のある魔法をいくつか当ててみたが効果はなく、実戦用マスタースパークの使用も考えたが場所が場所なので今回は撃つのを止めた。そしてどうしたものかとしばらく箒の上で考えていると、下から自分を呼ぶ声がした。

 

「お~い魔理沙!」

 

 見れば萃香が手を振っている。その後ろには死神と見慣れない白いスーツの男が立っており、その背後には黒装束の人影も見えた。

 

「三人寄れば文殊の知恵っていうしな」

 

 魔法使いは降下し鬼達と合流した。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――

 

「なんだよ、ずいぶん多いじゃねえか。やりがいがありそうだな!」

 

 外に出た彼らが見たのは機械の軍団だった。それらはドローンとカミナ達を襲った鉄の兵士達の混成部隊のようで、神社を囲むように展開している。

 

「確かにそのようだ。せめて飛べれば状況はよかったんだがMk-Ⅴじゃ無理だしな」

 

 トニーは空中に浮かぶドローンを眺めながら足元にメタリックレッドのスーツケースを置いた。その横では忍と早苗がそれぞれの得物を構えている。

 

「刀と手裏剣は効果があるんでしょうか?一応爆薬も少量は持っているのですが…」

 

「微妙ですね。とりあえず私は空中の敵を風でなんとかしてみます」

 

 そしてチルノは妙に張り切り、霊夢はリュックサックから武装を取り出しているにとりと軽い調子で会話していた。

 

「今度こそ雪像にしてやるぞ!」

 

「ちゃっちゃと処分してくれるかしら。あのガラクタ目障りなのよね」

 

「いやーそんなお手軽には無理だよ。あいつら鉄だし銃とか装備してるし」

 

 そんな彼らとは対象的に音速丸とサスケは冷や汗をかき動揺している。残りの忍者達も同じ具合だ。

 

「なんか皆さん普通に戦闘態勢とってますけど…我々どう見てもピンチですよね」

 

「き、気のせいだバカ野朗!俺が本気になりゃ、あんなロボット三等兵モドキは三分以内にスクラップ&スクラップ三太夫だ!……多分」

 

「クナイもマキビシも忘れてきちゃったよ」

「てか実戦とか聞いてない」

「生身でニンジャウォーリアーズはちょっと辛くね?」

「むしろ一般兵士で無双シリーズって感じだろう」

 

 空気は刻々と重くなっていくが目の前の敵に動きはない。

 

「こいつらなんで仕掛けてこないんだ?」

 

 機械の兵士達はどういうわけか動かない。ただ何かを待つように仁王立ちしていた。

 そしてその瞬間は唐突に訪れる。

 

『みんなで歓迎してくれるなんて嬉しいな~。まあ、探偵さんが来てないのは残念だけど』

 

 突然光と共に声が響き彼らの前方に対極図のような魔方陣が出現した。そして魔方陣の円の中からゆっくりと人影が現れる。それは赤と黒の派手なゴスロリ風の服装をした少女だった。少女の額には大きな×印の傷がある。

 

「誰よ、あんた。いきなり出てきてあいさつも無いわけ?」

 

 霊夢は敵意を隠さず少女を睨むが、赤と黒で着飾られた彼女は気にする様子もなく言った。

 

「ああごめんなさい。自己紹介してなかったわね。私は博麗の巫女、あなたみたいな不良品やそこにいる異物みたいな連中を処分するために来たの。今まで本当に退屈だったのよ~…そうわけで幻想郷のために消えて♪」

 

 彼女は心からの笑みを浮かべ彼らを見た。

 

 




 二回目です。
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