間桐家の長男は転生者   作:坂東武者

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第十三話 騎士王&狂狼VS元帥 後半

 

「おおっ!聖処女よ!」

キャスターはセイバーを見ると、腕を消し飛ばされた事すら忘れて、セイバーに対して声を上げる。

「ふむ…セイバーよ、ラブコールを受けているぞ?受け取らんで良いのか?」

「受け取らなくて良い……しかし、此奴らは厄介だ」

ランサーの茶々を受け流し、セイバーは周りを見ながら自身の得物を握る。

 

ーーシュル、シュルルルルーー

 

海魔達は蠢めく、標的は二人の英雄、海魔達は主の命令を待っていた。

 

「ふふっ!ジャンヌも来た事…さあ始めましょう!ジャンヌ!」

 

キャスターは手に握る魔道書に力を込める、魔道書は一人でパラパラとページが捲れ始める。

 

「オルレアンの宴より、輝かしい!貴女の復活祭を!」

「来るぞ、セイバー!」

 

海魔達は主の命令に従い動き始める、数十体が触手を伸ばして二人を蹂躙する為、飛びかかるが

 

「ふんっ!」

「ハァ!」

 

忘れてはならない、二人の英雄は騎士の中でも名高い騎士王と旧約聖書では原始の狂狼と言われた魔王がいるのだ。有象無象の海魔如き、雑魚でしか無いのだ。

 

「ええい!匹夫め!邪魔をするなぁ!」

 

キャスターはランサーに数十体の海魔を押し付ける、しかしランサーは

 

「ええい、気が触れていると厄介なのは何時の時代も同じか!」

 

曲剣で斬り刻んで行く、海魔達はバラバラにされ地面の染みとなって生を終わらせていった。

 

「おのれ!オノレオノレオノレ!」

 

しかし、キャスターは魔道書を使い有象無象の海魔達を召喚する、その時セイバーとランサーは同時に動いた。

 

「セイバー!離れろ!」

 

ランサーの声と共に空から光の柱が海魔達に降り注ぐ、海魔達は音を立てる事無く、消し飛ばされていった。

 

「また邪魔をするかぁ!匹夫めェェェェエ!」

 

キャスターの意識はランサーの方へ向いた、その瞬間

 

「誰かの事を忘れてはいないか?」

 

セイバーが急接近し、キャスターに剣を振るった。

 

「ッ!」

 

キャスターは咄嗟に手にある物を盾にしてしまった、それは本

 

ーーシュウゥゥ…ーー

 

その本はキャスターの宝具螺湮城教本(プレラティーズ・スペルブック)がセイバーの剣に斬られた、キャスターの魔術師としての武器はこの宝具、この動力炉に等しい魔導書は斬られた傷を治す為、自己修復を始めるが

 

ーーブン!ザク!

 

突如、飛来した曲剣により更に引き裂かれた、その剣の持ち主は

 

「成る程、自己修復機能付きの魔導書とは……中々の代物か…」

 

その事を知っていた様に剣を投げ、魔導書の機能を着々と低下させていた。

 

「何故!この魔導書には自己修復の機能が……まさか……」

 

曲剣を地面に投げ本を強く握り締める、キャスターは悟ってしまったのだ、この魔導書が力を失い始めた事に気づいてしまった。

 

「匹夫めがァァァァ!」

 

キャスターはその場で吠えた、しかし

 

「やれ、セイバー」

「わかっている!」

 

キャスターの首を狩ろうとセイバーの剣が近づくが

 

ーーブンッーー

 

キャスターの姿が消えた、ランサーとセイバーの二人は直ぐに何をしたか理解した。

 

「令呪……使って撤退か」

「………」

 

ランサーの言葉にセイバーは剣を降ろしながら黙り込んだ、その表情には仕留めきれなかった悔しさを滲ませていた。

 

「セイバー、そう渋い顔をするな」

「奴を……仕留められなかった」

「なんだ、そんな事か」

「そんな事とは何でそんな事が言えるのですか!」

 

セイバーは仕留めきれなかった、逃がしてしまったという怒りからランサーに怒鳴ってしまった、しかしランサーはこう言い放った。

 

「若い芽は摘まれていない、先ずは子を救えた事を喜ぶべきではないか?」

 

ランサーの言葉にセイバーは辺りを見渡す、そこには子供の死体は一つも無くあるのは消えていく海魔の残骸とキャスターの魔術の影響か無表情に近い顔をしているが傷一つもない子供達だけだった。

 

「見ろセイバー、これがお前が守った子供達だ」

「………」

 

セイバーの脳裏にかつての戦場で犠牲となった子供達チラついた、かつての過ちを起こさずに済んだ、セイバーは少し息を吐いた。

それは安堵の息だった。

 

ーーー

 

その頃、鶴野は

 

「言峰綺礼……」

「間桐、間桐鶴野!」

 

セイバー陣営に所属する魂の器アイリスフィール・フォン・アインツベルンを拉致中に聖堂教会元代行者 言峰綺礼に遭遇した。

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