「問おう、貴様がこの俺のマスターか?」
褐色の肌、金色の髪にアメジストの様な瞳の半裸の男が鶴野に問うた。
「………ああ」
「………ほう?貴様がか?」
男は周りを見渡し、雁夜を見つけるとこう言い放った。
「………おい、そこの奴…席を外せ」
「えっ!ああ、うん…はい!わかりました!」
雁夜は男に返事を返して、その場から去って行った、男は獣の様な目を鶴野に向けた。
「自己紹介が遅れたな、俺の名はナブー・クドゥリ・ウツル二世………ネブカドネザル二世と言った方が良いか?」
「………俺の名は間桐鶴野だ」
ネブカドネザルは鶴野の全体を見て、笑った。
「確かに貴様は俺のマスターだ」
「………クラスはランサーか?」
鶴野の問いにネブカドネザルは柔和な笑みを浮かべて頷いた、その笑みは暖かく、慈愛に溢れ旧約聖書では狂狼と称された者の笑みとは感じれなかった。
「然り、ランサーと言えども剣も出来るし弓も出来る、が最も今回はランサーとしての参加する…しかし、武器はこれだけだ」
ネブカドネザルは腰のベルトに付けられた一振りの剣を手にした
「槍は宝具の関係上、本気を出した時にしか使えん、すまぬがマスター、槍については触れるな」
「わかった……1つ質問良いか?」
上から目線だが嫌と感じないその言葉に鶴野は頷き、彼に1つ重大な事を聞く事にした。
「聖杯に願う事は何だ?」
「そんなものは無い!」
ネブカドネザルは鶴野の質問をシャットアウトする勢いで言い放った、言い放った時の顔は慈愛に満ちた顔ではない怒りの権化と言っても過言ではない形相だったが、数秒経つとまた柔らかな笑みを浮かべて鶴野にこう言った。
「すまん、少し我を失っていた………貴様は何かあるのか?」
「俺の願いは…聖杯の破壊だ」
ーーードンッ!
「ッ!」
「フフフ、聖杯の破壊?面白い事を言うな………何でも叶える願望機である聖杯を破壊する!?面白い!面白いぞ!ビャクヤ、貴様をマスターとしてではなく!友として認めよう!友の願いを手伝いをするのも良いだろう!フハハハハハハ!」
ネブカドネザルは狂喜し、身体から迸る紫と金のオーラを抑える事が出来ずにいた、彼は目の前の男をマスターではなく、友として認めた挙句に聖杯の破壊と言う、彼の願いを叶えるべく手伝いをするというのだ。
「取り敢えず、よろしく頼むぞネブカドネザル」
「こちらこそよろしく頼むぞ!ビャクヤよ!」
こうして、ランサー陣営は結成された。
彼等は今から、様々なサーヴァントやマスターに出逢う事となる
ー世界平和を望む魔術師殺しと運命を変えようとする騎士王ー
ー根源への到達を目論む貴族と人類最古の英雄王ー
ー時計台の魔術師と吸血鬼に堕ちた護国の王ー
ー快楽殺人鬼と聖女を奪われた悲しき聖職者ー
ー何かを探し求める神父と国を護る為に戦った暗殺王ー
ー馬鹿にした者達を見返す為に戦争に挑んだ若人と広大な土地を支配した征服王ー
第四次聖杯戦争が始まろうとしていた。