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上手く表現して書けているのか不安ですが、原作突入です。
2020/10/29 誤字報告より誤字を修正しました。報告ありがとうございます。
「IS世界廃滅のためにも、人心を得るためにも! ここは一つ音楽活動をかましたい今日この頃です!」
「……今回は『ミレニアムの』軍服じゃなくて『NEVER』のコスか」
夢で久しぶりに少佐に会った。何故かサングラスを掛け、オレンジと黒のカラーリングの半袖パーカーを着てフードを被っている。
「いいぞー! シュレディンガー、いいぞー! どう見ても金髪の若い松岡充さんだ! 想像してたよりもずっと松岡充さんだ!」
「なんでパーカーにサングラスしてるんですか? なんかスッゲェ嫌です」
「えぇええ、何でー? 何でー?」
「全然似合ってないです」
「おいおい、シュレディンガー。おめーが『仮面ライダーゴースト』を見ること無く死んだのを哀れんだ少佐殿の心が分からねーのか、おめー?」
これまた何故かサングラスを掛け、黄色と銀色のカラーリングの半袖パーカーを着ているドクが説明してくれたが、アレが仮面ライダー? 何処からどう見てもただのラッパーにしか見えない。
「ちなみにキャッチコピーは『ヒーローは、一度死んで蘇る』だそうだ」
設定を聞く限り、『仮面ライダー555』の乾巧みたいな感じだろうか。ちゅーか、どうやってそんな事を知ったんだろう。
「ところで、シュレディンガー。君が例のカラオケ大会で録音してダビングした保存用、観賞用、携帯用のメモリ三本の内、どれでもいいから私に一本くれ。中々に豪華な声が揃っていたからな」
確かに、田村ゆかりボイスに、日笠陽子ボイスに、斉藤千和ボイス。恐ろしく豪華なカラオケ大会だった。しかし、どれでもって言うけど、ポケットには携帯用のメモリしか入ってない。
「携帯用ですが、ハイ。もしかして、この為だけに呼んだのですか?」
「うむ。いや、もう一つ重要な事を知らせる為だ。以前、君に話していたゆかなボイスの少女についてだ。名前はセシリア・オルコット。イギリスの代表候補生の一人で、今年IS学園に入学する事になっている」
ああ、割りと早く特定できたとかなんとか言っていたアレか。すっかり忘れていた。
「思い出したようだね。では、我々『ミレニアム』が割りと早く特定できた理由はなんだと思う?」
「? 将来有望なIS操縦者だったからじゃないんですか?」
「違う。サポート要員のアンクを造ったのは5年前。彼女がISに関わる様になったのは、3年前に両親が列車の事故で死亡してからだ。正解は、オルコット家は『ミレニアム』を支援していたからだ」
つまり、スポンサーの家族だったから早く特定できたわけか。
「確かオルコット家ってイギリスの名家ですよね? リスクを考えればとても『ミレニアム』に支援するなんて、やりそうにないと思いますが」
「そうだな。まともな考えならそんな事はしない。しかし、世界には色々な金持ちがいる。例えば一部の人間は、『どうしても脱税しなければいけない事情』があって、自分達の隠し金を税務署に見つからずになんとか出来ないものかと常に考えている。所謂『アンダー・マネー』と言うやつだ。そうした連中なら我々へ支援してくれる。支援の対価として使えそうな情報を提供し、彼等はそれを会社の経営に反映させる」
「結果、隠し金はきれいなカネとなって戻ってくる……」
「もっとも、セシリア・オルコットはそんな事は知らないだろう。君が彼女に何かする必要も義務も義理も無い。君の好きにするといい」
好きにするといいとか言っているが、そんな情報を教えておいて何も無い訳がないだろう。
「それにしても、随分と楽しく仲良くやってるじゃないか」
「ええ、まあボチボチ」
「そこでだ、いよいよ君に私の帝王学の真髄『複数とよろしくやる方法』を伝授して――」
少佐がニタァ……と笑った瞬間、パーンと銃声が鳴って少佐が倒れた。少佐の後ろで茶色の長袖パーカーを着て、ウェスタンハットを被ったリップバーンがマスケット銃を構えていた。
「『百発! 百中! ズキューン! バキューン!』ですわ♪」
ウィンクしたリップバーンを最後に夢から醒めた。
●●●
今日はIS学園の入学式。
表向き『NEVER』は、篠ノ之束博士をテロリスト集団の『亡国機業』から守った組織で、篠ノ之束博士が現在所属している組織となっている。まあ、嘘は言っていない。
そして俺達の立場は学生であるが、シュラウドが送り込んできた刺客、若しくはガイアメモリやコアメダルを用いたISが暴走した場合に鎮圧するための手段と言う側面がある為、そうした非常時に自由に動ける権利を持っている。学生兼警備員と言ったところか。
更識が言うには、ここ一ヶ月間は世界各国も国際IS委員会も俺のアラを探す為に色々と調べていたらしいのだが、俺がテロに加担していた事実は見つからない。テストパイロットであり、実験台であり、情報提供者である俺は、『ミレニアム』では箱入り状態だったから仕方がない。
散々苦労して得られた情報は、「少佐や幹部と一緒にコミケに参加していた」「少佐や幹部と一緒にアソビットシティーをブリッツクリークしていた」「少佐や幹部と一緒に秋葉原のメイド喫茶を巡礼していた」と、テロとは全く関係ないものばかり。もっと言えば、少佐達も対ISを掲げているテロリスト集団のトップと幹部とは思えないものばかり。
結局、俺に関しての調査は「『ミレニアム』の実験体が、襲撃された際に逃げ延びた」で収まったそうだ。ある意味、うちはシンみたいな気がする。
地味に問題となったのは組分け。当初は1組に集中させるつもりだったが、マドカとクロエは既に専用ISを持っており、これにイギリス代表候補生のセシリア・オルコット。一週間後には織斑一夏に『白式』が渡される事が決定している。入学段階で既に専用機持ちが一つのクラス4人も集中していては流石に不公平だ。
箒は剣道の腕は全国大会で優勝する程であるが、専用機がまだ無い事から誰かと一緒に居た方が懸命だ。クロエも普段は目を閉じている関係もあって、誰か一人ついた方が良いと判断。クロエの戦闘能力が低いわけではないが、専用IS『黒鍵』は戦闘よりも戦闘補助の方が向いている。
最終的に、俺と箒が一組。マドカとクロエが三組に決まった。二組は一組との合同実習がある関係から除外。四組には日本の代表候補生がおり、この子も専用機持ちだからとの事。最大の理由はその日本の代表候補生が更識の妹だからだろうケド。
しかし、これはこれで不安だ。今まで自分以外は敵と認識して生きてきた節さえあるマドカと、まともに会話した人間は俺達と出会うまで束だけと言うクロエ。果たして大丈夫なのだろうか。
とりあえず、自己紹介の時は自分の好きな物、嫌いな物、将来の夢なんかを言えばいいとアドバイスしておいた。
『奴らを心配しても仕方無い。むしろ、自分の心配をしたらどうだ?』
そうだな。俺は本来ISを動かせる人間が入学する学校で、「ISが動かせないのに入学している人間」だ。もっとも、この世界のライダーシステムはISの技術を元に造ったものだから、次世代型か発展型、もしくは新世代型とでも言えばいいらしい。実際にアンクはISコアによく似た反応はする。
『そうじゃない。あのネコ女の試合だ』
ああ、公式戦の事ね。昨日になって、漸く公式戦で課せられるルールが決まった。
使用するコアメダルは一試合につき9枚。ガイアメモリは6本。パッケージは2種類。セルメダルに関しては試合中に精製した物は問題ないが、事前に持ち込んで使う事ができる枚数は10枚までと、色々な制限がついた。
しかも、これらを試合前に申請しておく必要があり、違反した場合は反則負け。補給するエネルギー量も相手と同じ量に調整されるとの事。予想通りの大幅なスペックダウンだが、生きるか死ぬかの実戦では無い公式の試合なので、コレくらいのハンデが丁度いいと思う。
『準備は漸く整った。早速、今日の放課後から始めるぞ』
それは今から二週間ほど前の事。アンクの方から俺に提案されたことだ。
「正直な話、せめて一つはコンボが出来るコアメダルが欲しい。拮抗した状況や劣勢を打破できる切り札。それがこれから先必要になる」
確かに。『オーズ』はオールラウンダーであり、大体の敵には対応できる。逆に言えば器用貧乏で、切り札と言えるような突出したものが無い。
「IS大戦で『銀の福音』を相手にした時、お前はどう思った」
「……『タジャドル』ならもっと楽に勝てた」
「『ラトラーター』のライオディアスでも有効だったろう。上手く誘導すれば『サゴーゾ』で機動力を奪う事も不可能じゃない。いずれにせよ、何かしらの『単一仕様能力』を持つコンボの力は絶大だ」
あの時は物量による力押しで勝てた。だが、パンツァーユニットの超高火力装備は周りに何も無い砂漠地帯でもなければ、被害は甚大なものになる。
これから相対する事になるだろうシュラウドの刺客もそうだが、アリーシャ・ジョゼスターフ等のまだ見ぬISの実力者達。いずれ現れるだろうセカンドシフト機の事も考えると、やはりコンボの力はあった方が良い。
「それで、コアメダルの状態から出来そうなコンボは?」
「出来そうなのは『ガタキリバ』と『ラトラーター』の二つだ。それでも、他と比べて出来そうってだけだがな。問題は対戦相手だ。並みの相手じゃまるで役に立たん」
「ふっふっふ~~。それなら束さんにお任せあれ!」
最強コンボの名を冠する昆虫系のガタキリバコンボと、灼熱コンボの名を冠する猫系のラトラーターコンボ。どちらも強力なコンボだが、経験値を稼ぐ為にはそれなりの相手が必要だ。俺は織斑先生に頼もうかと思ったのだが、束が会話に入ってきた
「思ったんだけど、ゴッくんは優しいから本気になった事は有っても、全力を出したことって無いんじゃない? だから、全力を出せる相手を用意して戦えば、比較的短時間で成長するんじゃないかって思うの」
確かに。ISの絶対防御は絶対安全と言うわけではない。そして、万が一とは何時か必ず起きる事態だ。どこかで手加減していた感じはある。
「全力を出せる相手って誰だ? 織斑先生か?」
「今の内に言える事は、戦う相手はちーちゃんじゃないってことだね。まあ、楽しみに待っててよ。きっとゴッくんも満足すると思うから」
そう言って束は何かを造っている。そして、昨日になって準備が完了したらしい。楽しみだが一体何を造ったのやら。
そんな事を考えて時間を潰していたら、山田先生が教室に入ってきた。手を小さく上げると笑って返してくれた。良い人だ。
各人で自己紹介を促され、出席番号順にクラスメイトが自己紹介していく。そして、織斑一夏の番が来た。
「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします。…………以上です!」
正直『ねえ、結局分かったのって名前だけじゃない?』って感じの自己紹介だ。カカシ先生よりもヒドい気がする。そんな織斑一夏は、後ろから接近してきた織斑先生に出席簿でシバかれていた。
その後、織斑先生が自己紹介したが、クラスメイトの反応が凄い。ブリュンヒルデなのだから当然か。人を束ねるのに必要なものはカリスマ。そして、この世界でカリスマを得る方法は極めて簡単だ。ひたすらに、誰よりも強くなれば良い。
ただ、どう考えても怪しい発言も多い。まるで邪教の教祖に憧れる信者の様な奴もいるんだが。
「で? 挨拶も満足に出来んのか、お前は。シュレディンガー、見本を見せてやれ」
俺が自己紹介のトリか。人間関係は最初が肝心だ。どんな自己紹介がいいだろうか。何か良いのは無いだろうか。
『諸君。私はコミケが好きだ』
それはこの話の大部分を演説で消費します。
『ここは「ISに命運を握られた哀れな箱庭の住民達を解放する」とかどうだ?』
そんな事言ったら俺はテロリスト街道まっしぐらです。
『………』
なんか喋って下さい。
駄目だ。隠し砦の三悪人ではアテにならない。アンク、何か無いか。
『舐められるのだけは不味い。最初からかましていけ。例えば――』
よし、分かった。俺のキャラに合ってない気がするが、この際それで行こう。
「俺の名前はゴクロー・シュレディンガー! 目標はこの学園の全員と友達になる事だ!」
アンクのアドバイスは、青春フルスロットルで友達命な、今では消臭剤のCMで仮面ライダー龍玄とタイマンを張っている男。『仮面ライダーフォーゼ』こと、如月弦太朗が転校した際の口上を借りる事。当然、胸を二回叩いてからの指差し確認のポーズもビシッと決める。IS学園は優れた能力を持った人材の宝庫。今後を考えると交友関係は広い方が良いと、アンクが考えた結果である。
「年は今年で20歳! 将来の夢はズバリ、宇宙開発だ! 一年間よろしく!」
これは嘘ではない。何時か必ず、束と一緒に『ラビットハッチ』と『M-BUS』を造ると決めている。既にタチバナさんの鉄仮面とツナギも用意している。決して、「私は我が身を守る為だったらなんだってする!」と豪語する、天秤野朗の橘さんではない。
「キャーーーーー!」
「年上のお兄さんキターーー!」
「何かすっごい名前だけど、イケメンなのね! 嫌いじゃないわ!」
不安だったが本家『フォーゼ』よりも元気な返事が返ってきた。怪しい台詞が聞こえたが気にしない。そして、俺の自己紹介が終わったと同時に、SHR終了のチャイムが鳴った。
一時間目の授業が終わり休み時間になったので、三組のクロエとマドカの様子を見に行く。箒は「一夏と少し話してくる」と言って、織斑一夏の所に行った。
三組に着くとマドカとクロエが一緒に居たが、周りの女子は話しかけようとするが二の足を踏んでいる感じがする。何があった。
「マドカ様、兄様が来ました」
「む、ゴクローか」
「二人ともどうだった? 自己紹介は上手くできたか?」
「うむ。私なりに上手くできたと思う」
「私も上手くできました」
それにしてはこの雰囲気は何かおかしい気がする。
それもその筈。この二人は前の時間の自己紹介でこう話した。
『織斑マドカ。嫌いなものはたくさんあるが、好きなものはあまりない。それから夢なんて言葉で終わらす気は無いが……野望はある!
ある女を正々堂々と打倒して、ある男を虫けらの様に捻り潰す事だ』
『クロエ・クロニクルです。好きな事は兄様と一緒にお料理やお掃除する事です。嫌いな事は人を見た目で判断することです。将来の夢は……秘密です。
目が不自由なものですから、皆さんにご迷惑をお掛けすると思いますが、今年一年よろしくお願いします』
織斑千冬に似ているマドカと、お人形さんの様な見た目のクロエ。この特徴的な二人に話し掛けようとしている者もいるのだが、マドカが無意識に醸し出す刃物の様な雰囲気に当てられて話しかけられずにいた。
「まあ、上手く出来たなら良かった」
「なんだ? 心配してたのか?」
「少しな。お昼は一緒に食べよう」
「はい、ご一緒します。兄様」
「ふん、最初からそのつもりだ」
「ちゃんと迎えに来るからな」
二人の頭を軽く、くしゃくしゃ撫でてから一組に戻る。二人揃って「む~~」と唸っていた。可愛い。三組を出る時にふと振り返ると、マドカとクロエに何人か話しかけていたのが見えた。
一組に戻って二時間目の授業となったが、山田先生の授業は中々分かりやすい。
しかし、織斑一夏は必読の参考書を電話帳と間違えて捨てたらしい。馬鹿な奴だ。電話帳は新しいのと古いのを業者が交換しに来る。電話帳は捨てる物じゃない、リサイクルするものだ。
『……いや、そっちじゃないだろ』
冗談だって冗談。しかし、『必読』って書かれていた物を捨てたって分かっているのに、何で再発行してもらわなかったんだろうな。地獄を楽しむ趣味でもあるんだろうか。
『只の馬鹿だ。馬鹿な一夏。略して馬夏とかどうだ?』
誰が上手い事を言えと。織斑一夏は再び織斑先生にシバかれている。一週間で覚えるのは無理と言っているが、自業自得だ。
「……貴様は『自分は望んでここにいる訳では無い』と思っているようだが、人は時と場合によって自分の望む望まざるに関わらず、他人の勝手な欲望に巻き込まれる事がある。
それを運命だと受け入れつつも、希望を捨てずに諦める事を諦めた人間だけが、自分の運命を変える権利人に成り得る」
織斑先生は俺や箒を見てからそう言った。織斑先生の言葉に織斑一夏はやる気を出したようだ。織斑先生が言葉に込めた思いをちゃんと理解しているといいのだが。
二時間目が終了し、再び休み時間になった。今度は試しに、噂のゆかなボイスに接触するか……と考えていたら、織斑一夏がやってきた。
「えっと、ゴクロー・シュレディンガーだっけか?」
「ああ、俺の事はゴクローでも、シュレディンガーでもどっちでもいい」
「それじゃ、ゴクローで。俺の事も一夏でいい」
握手を求めてきたので、試しに握手と共に互いの拳を数回打ち合わせる、如月弦太朗の『友情のシルシ』を交わしてみる。
「お? なんだ今の?」
「ある男に倣った『友情のシルシ』だ」
「へぇ。そんなのがあるのか」
「ちょっと、よろしくて?」
「へ?」
「む……」
一夏が『友情のシルシ』に感動していたら、セシリア・オルコットが向こうからやってきた。うむ、自己紹介でも思ったが、確かにゆかなボイスだ。
「まぁ? 何ですの、そのお返事。私に話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」
「悪いな、俺、君が誰だが知らないし」
ファーストコンタクトは、思ったよりも此方に対して高圧的だった。その後、オルコットは一夏の言動に振り回され、ずっと一夏に集中している所為で、俺は蚊帳の外の状態だ。一夏は無意識なのだろうが、やけに相手の逆鱗に触れる発言が多い。『代表候補生』と言う言葉さえも知らないとは驚きだ。
『駄目だコイツ、早く何とかしないと……』
それにしても、これがセシリア・オルコットか。典型的な女尊男卑社会の高飛車お嬢様って感じだが、代表候補生になったのだから実力もそれ相応にあるだろうし、努力もしてきた筈だ。これは相手に舐められない為のポーズかも知れない。
そんな考察をしていたら授業開始のチャイムが鳴った。オルコットは捨て台詞を吐いて自分の席に戻って行った。
三時間目は織斑先生の授業だが、その前に一つ決める事があるようで。
「授業を始める前に、再来週に行なわれるクラス代表戦に出場する代表者を決めねばならん。クラス代表とはクラス対抗戦や生徒会の会議や委員会への出席……まあクラス長の事だ。ちなみに一度決まると一年間変更されん」
要するに委員長か。ここは『魔法先生ネギま!』の雪広あやかっぽい、オルコットが適任だろうか。代表候補生だから実力も充分の筈だ。
「自薦他薦は問わないぞ。但し、シュレディンガーは除外だ」
「織斑先生、それはどう言う意味ですか?」
「シュレディンガーは非公式だが、ドイツとアメリカの代表操縦者に勝っている。正直、この学園の生徒でシュレディンガーを相手にまともに戦えるのは、生徒会長でありロシアの代表操縦者でもある更識位だろう。お前ら一年生では相手にならん」
つまり、『強過ぎて勝負にならない』。それもあの織斑千冬のお墨付きと言う事で、クラス中の人間の視線が俺に集中する。一夏は目を見開いてコッチを見ている。オルコットは信じられないものを見るような目で見ている。箒は何故か誇らしげに周りを見ている。
「それじゃ、織斑君を推薦します!」
「私も織斑君がいいと思います!」
早速、一夏が推薦されたが、本当に良いのか? 授業中に織斑先生が言っていたが、一般的にISは兵器として扱われる強大な力だ。マニュアルさえ禄に読んでいないド素人が簡単に使いこなせる代物じゃない。「適当に触ってりゃ使い方が分かる」なんて言ってまとも戦える人間など、どこぞのおでんが大好きな戦う医者くらいだ。火野映司とアンクをヤミーごと攻撃していたけど。
一夏は抗議するが、推薦された以上拒否権はないらしい。しかし、なんで誰もオルコットを推薦しないんだ。他に誰も推薦しないし、俺がオルコットを推薦するかと挙手したのと同時に、本人が名乗りを上げた。
「待って下さい! 納得いきませんわ!」
そんなオルコットの口から出てくるのは侮辱と暴言の数々。しかも段々ヒートアップして、内容も過激になってきた。コレだけの事を言うあたり、オルコットはISに命を賭けているのだろう。『意地の一つも張れない繁栄などお断り』と言う誇り高い英国人。ジョンブルと言う奴だ。
『いや、アレはそんなモンじゃないと思うが……』
そんなオルコットの暴言に、売り言葉に買い言葉で一夏が食って掛かり、クラス長を決める為に、一夏とオルコットの試合が決定した。
しかし、一夏はまるで実力差が分かっておらず、『自分がどれ位のハンデをつければ良いか』等とほざいている。
正直、クラスメイトの言う事ももっともだと思う。ただ、男と女が戦争したらどうなるかは分からないとだけ言っておく。
これで終わったと思ったが、それだけでは終わらなかった。
「ついでですわ。貴方にも決闘を申し込みます!」
俺に指差し確認のポーズを取るオルコット。ジョジョ第8部の主人公みたいに『オレェ?』って感じで自分に指を差す。
「貴方がアメリカとドイツの代表操縦者に勝ったなど、とても信じられませんわ! そもそも非公式な試合の戦績などアテになりません! どうせ卑怯な手を使ったに決まって――」
「訂正しろッ!」
箒が机を両手で叩きながら立ち上がって抗議した。箒の両目には明確な敵意が宿っている。
『卑怯な手? はっ! 卑怯なほど強いの間違いだろう?』
それはちょっと言われてみたい。
「な、なんですの、貴方には関係ない――」
「訂正しろッ! ゴクローが卑怯者だと言った事を訂正しろッ!」
机を叩いて立ち上がった箒の目から、絶対に一歩も引かないと言う意思が感じられる。箒は俺の名誉のために怒ってくれているのだ。……アレ? でもなんで一夏の時は怒らなかったんだ?
「そうだね。もう一度言ってくれるかな。誰が卑怯者だって?」
そんな事を考えていた刹那。聞いた事が無い位に冷たい田村ゆかりボイスが教室に響く。『NEVER』の拠点にいる筈の束が、何時の間にかオルコットの後ろに立っていた。
「た、束さん?」
「束? し、篠ノ之束博士ですか!?」
「そうだよ、天才で日本人の束さんだよ。はろー」
一夏の発言にオルコットが反応し、束は簡単な自己紹介をするが、目が一切笑っていない。
「ご、ご高名はかねがね承っておりますっ。わ、私、イギリス代表候補生の――」
「これだから凡人は嫌いなんだよ。簡単にコロコロコロコロ態度を変えてさ。結局、自分が得する事しか考えてないんだ。私もちーちゃんやいっくんと同じ、文化的に後進的な極東の島国出身の猿なのにさ」
「うっ!?」
「そのISのコアって、イギリスじゃなくて私が造ったんだよね。ソレのお蔭で色々と助かってる癖に、よくそんな戯言が言えるね? 束さん、恩を仇で返された気分なんだけど?」
「え、あの……」
「そう言えば、この国で暮らすのが耐え難い苦痛だって言ってたね。それなら、ソレ壊しちゃおう。そうすればイギリスに帰れるよ。わーい、嬉しいね~」
束がゆっくりと、オルコットの待機状態のISに手を掛けようとしている。恐らく『からくりサーカス』のフェイスレスの様に分解する気だ。
「待て、それを破壊するのは不味い」
「? 何でゴッくん? 前に言ったよね? この世で最も大切な事が『信頼』なら、この世で最も忌むべき事は『侮辱』だって。この金髪はゴッくんに対するちーちゃんの信頼を侮辱したんだよ?」
目に涙を浮かべて金縛り状態のオルコットと、目に光が無く制裁を下そうとキレている束。イカン。束をなんとか止めなければ。
「確かに、この世で最も大切な事が信頼なら、この世で最も忌むべき事は侮辱だ。特に信頼に対する侮辱は、その人物の名誉を傷つけるだけでなく、人生や生活を抜き差しならない状況に追い込んでしまう」
「だったら……」
「だが、それはオルコットも同じだ。自分が営々と築いてきた信頼に対して侮辱されたと思っている。え~っと、相川さん?」
「え!? 私!?」
相川さんは、俺が顔と名前を覚えていると思っていなかったらしく、驚いている。済まん、出席番号が一番だったから君を選んだんだ。君にとってキラーパスもいい所だろうが、協力してくれ。
「ちょっと君がオルコットの立場を想像して欲しい。3年前から今日まで、必死で血の滲む様な努力して、自分の技術と才能を丹念に磨いてきた。その結果、自分の実力を国から認められて代表候補生となり、専用機を渡されるまでになった。
当然国から期待されて、遠い異国の地にあるこのIS学園に送り出された。良い成績を出して、国の期待に応えようと意気込んでここに来た。
そこにイレギュラーがいた。そのイレギュラーはISの事なんて全然分からない、『代表候補生』と言う言葉さえ知らない、ISをまともに操縦した事も無いド素人だった。そんな人間が、これまで必死に頑張ってきた自分よりも、このクラスでISを使って戦う代表として選ばれる……さて、どう思う?」
「えっと……。うん、なんか、凄く嫌だ。今まで頑張ってきた事、全部否定されたみたいで」
こうして説明すると、他にもそう思い至ったらしく、済まなさそうな顔をしているクラスメイトがチラホラ見える。
「人はただ生きているだけで、自分でも気がつかない内に誰かを傷つけている。だからこそ争いは無くならないし、憎しみも生まれる」
「………」
「俺が卑怯者だと侮辱されて怒ってくれた事は嬉しい。それでも、報復する事は止めて欲しい」
「…………ねぇ」
「ッッ!!」
「ちゃんと謝ったら許してあげる。でも、次は無いからね」
束はオルコットにそう告げると、スタスタと教室から去っていった。妥当な落とし所だろう。束が来て臨戦態勢だった織斑先生が驚いているが。
「も、申し訳、ありませんでした。い、イギリス代表候補生として、軽率な、あるまじき発言を、ど、どうか、許して下さい」
オルコットが俺に頭を下げて謝っているが、申し訳無いと言うより恐怖から謝っている感じ。怒らせた相手が相手だから、仕方無いと言えば仕方ない。少し元気付けておくか。
「気にするな。それよりも、オルコットは本当にクラス長になりたいのか?」
「え?」
「正直に言って欲しい。お前はこのクラスの代表に本当になりたいのか?」
「な、なりたいですわ。でも……」
「お前が本当にクラス長なりたいのなら、俺はお前を応援する。さっきのアレで、俺はお前がこのクラスで一番代表をやりたい人間なんだって思った。こーゆーのは、やる気のある奴がやるのが一番だ」
「……なんで、なんでそんな事を」
「ほら、自己紹介の時に言っただろう。『俺はこの学園の全員と友達になる』って。だから、俺はお前とも友達になるって事だ。友達が困ってたら助けるのは普通だ」
「!!」
「ほら、これで仲直りだ」
「は、はい」
お互いに右手を差し出して握手してから、一夏にやった時より優しく「友情のシルシ」をオルコットと交わした。やり方が分からなかった様で、オルコットは為すがままだが。
「えっと、日本の皆様にも、大変失礼いたしました。先程の私の暴言を、どうか許してもらえないでしょうか?」
「いいよ。気にしないで。私もオルコットさんの気持ち分かるから」
「うん。なんだかゴメンね、セシリア」
オルコットは自発的に頭を深々と下げてクラスメイトに謝った。偉い。オルコットを許した他の皆も偉い。
「ふむ。一悶着あったが、次にクラス代表補佐。つまり副委員長を決めようと思う。此方も自薦他薦を問わないし、シュレディンガーも対象に入るぞ」
織斑先生の言葉に、クラス中の人間の視線が再び俺に集中している。目は口ほどに物を言うと言うがこれは……。
「確認するまでも無いな。シュレディンガーをクラス代表補佐にする。クラス長はシュレディンガーと更識の試合の後の模擬戦で決定する。これに異論のある者は?」
異論は無かった。俺はクラス代表補佐に無投票当選した。
昼休み。本日のお昼は持参した弁当。クロエと一緒に朝早く起きて作ったものだ。弁当片手に、三組のマドカとクロエを箒と共に迎えに行ったが、箒は明らかに憤っていた。
「箒、何にそんな怒ってるんだ?」
「……一夏があまりにもアレなのでな」
「ああ、噂で聞いた。なんでもイギリスの代表候補生とISでやりあうそうだな。身の程知らずもいい所だな」
「与えられる専用機が『白式』ですから、或いは……」
「いや! アレは絶対に負ける! むしろ負けて当然だ!」
一夏が勝てる可能性をクロエが提示したが、箒が全力で否定する。
「『必読』と書かれた参考書を捨てたのに気付いているのに、再発行を求めなかったのだぞ! 一ヶ月かそこらで全てなんとかなるとは思えんが、今の一夏からは努力しようと言う姿勢が全く見られん! その上、一週間程度の授業と訓練で、ISの操縦がなんとかなると、それで代表候補生に勝てると思ってるぞアレは! 挙句の果てに自分がハンデだと!? 舐めているにも程がある!! 力を得るのと、力を使いこなすのは全然違う!!」
「落ち着け。お前の好きな相手じゃなかったのか?」
「な、なにを根拠にそんな事を!」
「私達に人質にされた時だ。あの時、お前は猿轡をされながらも蚊の鳴く様な声で――」
「うわぁああああああああああっっ!! あ、あれは、あれだ! あれなんだ!」
マドカが箒をからかって遊んでいるが止めてくれ。余計に酷くなりそうだ。
「まあ、表情を見る限り、確かに『なんとかなるだろう』って感じはしたな」
「織斑先生がISに関わらせないようにしていたと聞いていますが、それでもちょっと信じられませんね」
それに関しては織斑先生本人に聞きたい所だが、話してくれるだろうか。
「……まるで成長していない。あんな感情任せのやり方では禍根が残るではないか。どうしてあんな事をするのだ……」
「ふん。織斑一夏はこうした問題を今まで腕っ節で解決していたのだろう? それなら、今までと同じ方法で問題を解決するに決まっている」
箒は感情任せに力を振るう事の恐ろしさを、他ならぬ箒自身が嫌と言うほど知っている。それだけに売り言葉に買い言葉で、その場の感情任せで一夏がオルコットとの戦いを受けた事が理解できない。
「兄様はどう思いましたか?」
「良く言えば熱血。悪く言えば短気。悪い人間では無いが、無意識に人の逆鱗に触れる所がある」
「私の時も最初はそうだった。そう言えば、一夏は何かと『守る』事に拘っていた気がするな」
「……誰かに自分の持っている力を振るう事で『自分が何かを、誰かを守っている』と言う実感が得られる。だから、そうした方法を取りたがるんじゃないか?」
「!!」
「「なるほど」」
この中で最も一夏と付き合いのある箒は、「許せない奴はぶん殴る」と言う一点を、一夏が決して曲げなかった事は知っている。当時は、いじめられていた自分の為に怒ってくれた事に嬉しさを覚えたが、そんな事は考えもしなかった。
確かに当時の一夏の行動に、当時の箒は救われた。しかし、その手の問題が収まったかと言えば、全く収まっていなかった。そして、一夏はしばらくの間穏便な方法で、その都度自分の力を振るっていた。
「力を振るう理由は正義だ。だが、正義は正しいからこそ思考を停止させる力がある事を理解している人間は少ない。子供なら尚更だろう」
「それはフォローのつもりか? 子供のままで成長していないと言っているようなものだぞ」
「……そんな事は、守るとは言わない。傷つく痛みは誰だって同じなんだ。だからこそ、力で排除するのではなく、お互いを理解しようとする努力が必要なんじゃないか?」
そんな事を言う箒を見て、ここ一ヶ月の教育で大きく成長したとしみじみ思う。
「それに比べて……」
「ん? どうした?」
「いや、お前は案外、生徒よりも教師になった方が良かったんじゃないか?」
「そうか?」
「それだと一緒にお昼が食べられません」
「……分からない所があると言って、弁当持参で職員室に居座るのはどうだ? そして姉さんの目の前で弁当を食べるんだ。きっと楽しいぞ。すっごく」
マドカがどこか少佐を髣髴とさせる邪悪な笑みを浮かべている。しかし、俺が教師ねぇ……。上手くやっていけるとは思えないけど。
一方その頃。弁当片手に職員室にやってきた束が、ハイテンションで千冬に迫っていた。
「ねぇねぇ! 見て見てちーちゃん! ゴッくんとくーちゃんが束さんにお弁当作ってくれたの! 美味しそうなおかずでしょ~?」
「……ああ、そうだな」
「それでね! ご飯のところは……じゃじゃ~~ん! 海苔で作った『仮面ライダーエターナルRX』なんだよ! 凄いでしょ! 食べるのもったいないよね~~!」
「……そうだな」
ごはんの白色と海苔の黒色で、切り絵の様に『仮面ライダーエターナルRX』を見事に表現している。作者はゴクローである。
「これ、シュレディンガー君とクロニクルさんが作ったんですか? 良いな~」
「そう! 束さんの為に朝早くから作ってくれたの!」
「………」
束は自慢したくて仕方が無いのか、見に来た山田先生にも弁当を自慢している。千冬は購買から買った自分の弁当を見て、静かな苛立ちと僅かな嫉妬を覚えた。キャラ弁をこれでもかと自慢する束は心底鬱陶しかった。
「あ! もしかして欲しいの? それじゃ、おかず交換しようよ。卵焼き以外ならいいよ」
「……それなら肉団子を貰おうか、コッチはから揚げだ」
「わ、私もいいですか?」
「いいよ~。一つだけだからね~」
嬉々としておかずを交換する束。しかし、弁当のおかずを交換するなど初めてなのではなかろうか? 千冬は自分と束の学生時代を思い出しながら、早速交換した肉団子を頬張った。
●●●
いよいよ待ちに待った放課後だ。『NEVER』の拠点から、各自荷物を持って宛がわれた寮の部屋に行くことになる。部屋割りは俺とクロエ、箒とマドカが相部屋となっているが、正直ただ寝泊りするだけの部屋になる気がしないでもない。束は『NEVER』の拠点で寝泊りすると言っているが、もしかしたら抜け出してくるかも知れない。
荷物は少なく直ぐに運び終わったので、早速対更識戦に向けて用意されたトレーニングを開始する。
『それにしても、気になるな』
「何が?」
『あの金髪ロールだ。アイツはお前がアメリカとドイツの代表操縦者に勝ったと聞いたとき、「信じられない」とか「どうせ卑怯な手を」とか言ってたよな?』
「ああ。まあ、あのリアクションが普通なんじゃないか?」
『いや。IS大戦以降、各国の代表操縦者と代表候補生は「オーズ」の戦闘データを渡されている。攻めてきた場合の対策としてな。だが、金髪ロールは代表候補生なのに、その事をまるで知らない様な感じだった』
確かに、織斑先生が話した時のリアクションもそんな感じだった。
『もしかしたら、あの女。誰からもソレを知らされずに此処に来たのかもな』
「何のために?」
『……さあな。それよりもコッチに集中しろ』
「それじゃゴッくん。ここで変身して、『ゾーン』の力でこのラボに行って。そこの実験場に用意してあるから」
「分かった。アンク、とりあえず『タトバ』!」
『駄目だ。使うメダルは昆虫系と猫系だけだ。コレでいけ』
「分かった……変身!」
『ライオン! トラ! バッタ!』
アンクの指示でラトラバに変身し、ゾーンメモリのマキシマムドライブを発動させるべく、メモリスロットにゾーンを装填する。
ガイアメモリには相性が良過ぎることで過剰にメモリの力を引き出してしまう『過剰適合者』と呼ばれる人間が居る。俺は二本のメモリでそれが起こっている。一つは『ダミー』、もう一つは『ゾーン』だ。クローン体でシュレディンガーだからだろうか?
そのお蔭で通常の『ゾーン』ならば限定空間でしか発動できない瞬間移動が、座標を把握できれば何処にでもいける仕様になっている。流石に精神世界は行った事が無いが。
「行ってきま~す」
「いってらっしゃ~い♪」
『ZONE・MAXIMUM-DRIVE!』
瞬く間に一瞬で目的地に到着。なんとなくだが、『仮面ライダー555』のアークオルフェノク戦を彷彿とさせる場所だ。
『着いたね? それじゃあ、早速始めるね。ゴッくんの相手は、束さん特性のとっておきだよ!』
「具体的にはどんな奴?」
『具体的には、未だに各国が開発段階で実用化に至っていない無人機ISと、「KENGOメモリ」の中にデータが残されていたライダーマシンとのハイブリット。その名も――』
『POWER DIZER!』
素晴らしい重低音のスピーカーから束が作ったモノを知り、鋼で出来た3メートル級巨人が目の前に降って来た。ただ、機体のカラーリングが黒と赤で凄く禍々しい。もっと言えば形も攻撃的だ。
『運動性能を強化した上に、高出力の荷電粒子砲を装備! いや~私が造ろうと思った無人機ISよりもずっ~~と強くなったよ! ゴッくん。アンくん。束さんを褒めて褒めて~~!』
「……大した奴だ。やはり天才か」
『少しは役に立つな。ウサギ女』
『えへへ~~、褒めてくれた~~』
如月弦太朗が一人でもコズミックステイツに至る為に、タチバナさんが課した命懸けの特訓よりも過酷なトレーニングが始まろうとしていた。
キャラクタァ~紹介&解説
セシリア・オルコット
メズールと同じゆかなボイスを持ち、意地の一つも張れない繁栄などお断りと言う、誇り高きジョンブルと言う名のチョロイン。原作三巻で束にボロクソに貶される運命が、596の介入によりちょっと早めに起こった。
他の作品と同じような展開は嫌なので、何か無いかと考えたらこんな感じになった。考えてみたら何も知らないド素人の方が、必死に頑張って結果を出した自分よりも代表に相応しいみたいな感じになったら、そりゃあキレるんじゃないかしら。
篠ノ之束
マンネリな展開が嫌な作者が、セシリアのクラス代表の下りで、まさかのご本人登場と言う展開は中々あるまいと考えて出した。未だにキレると何をしでかすか分からないが、「憎しみの連鎖」に関しては思うところがある。596の言う事はある程度聞く。596が海苔の切り絵に思ったよりも梃子摺り、時間が無かった事でキャラ弁は束だけだったりする。
篠ノ之箒
596の一ヵ月に及ぶ教育により、『力に溺れて自分や周りを見失う』、『一夏の傍にいられるアドバンテージとして専用機を求める』、『束から専用機を貰って、それがどういう事かまるで分かってない』等と言った、原作の箒の思考回路は何処かに行った。
原作で一夏が極東の猿呼ばわりされても怒らなかった理由は、一夏のあまりの不甲斐無さ故では無いかと思う。強く優しい事もそうだが、弛まぬ努力で自分を鍛え続ける人間が好みっぽい気がする。
織斑一夏
小学生の箒時も「ぶん殴る」。小学生の鈴の時も「ぶん殴る」。VTラウラ戦でも「ぶん殴る」。その「ぶん殴る」思考回路の根源は、そーゆー事なのではなかろうかと作者は思う。しかし、中学時代に起こっただろう誘拐事件以降も、全く体を鍛えなかった理由は何なのだろうか。
パワーダイザー
我等の大惨事……もとい、大文字先輩が操縦する『フォーゼ』のサポートドロイド。この世界では、IS技術とミレニアムの科学力が融合したハイブリットマシンと化している。さそりなのだ先生を圧倒する格闘能力は更に強化され、高出力の荷電粒子砲が実装された。ダイザーモードでも、タワーモードのミサイルが撃てるように改造されている。原作一巻で一夏と鈴が戦った無人機よりも強い。
Z ゾーンメモリ
地帯の記憶を持つガイアメモリ。一定空間内を自由に瞬間移動が出来るメモリ。井坂先生曰く、単体の戦闘力はそれほどでもないが、他のメモリと併用すればほぼ無敵な能力を持った幻のメモリ。
596との適合率が異常に高い過剰適合のメモリで、座標が把握できればマキシマムで何処にでも瞬間移動できる。何時か『何処にでもいて、何処にもいない状態』になるかも知れないと596は戦々恐々。
オルコット家
この世界では『ミレニアム』が介入して、原作よりもか~な~り~リッチ。『アンダー・マネー』の解説は『変人偏屈列伝』より引用。原作のオルコット家は、あくまでセシリアの視点なので、実際にはどんな感じだったのか?