DXオーズドライバーSDX   作:トライアルドーパント

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前話で原作一巻相当の時間は終了です。

しかし、原作第二巻。つまり、シャルロットとラウラが登場するまで少しクッションを挟みます。

時間は掛かると思いますが、最後まで書いていくつもりです。

ダメージ回復には時間が掛かりますが……。

それでは皆さん、よき週末を……。


第23話 Round ZERO~BLADE BRAVE

無限に続くと思えるほどに、どこまでも広く青い空の下、同じ様に見渡す限りに広がる青い海の上に、私は立っていた。

 

どこかで見た事があるような、そんな二つの青色に満たされた世界の空が、突然の爆炎によって赤く染まる。視界を埋め尽くさんばかりに広がる赤い炎と黒い煙の中から、無数のミサイルと航空機、そして監視衛星の残骸がバラバラと海に落ちていく。

その後も継続して爆発と爆炎が巻き起こる空をよく見ると、炎の中に剣を振るう人影らしきものが見える。その人型は向かってくるミサイルや戦闘機を全て斬り裂くと、何時の間にか海に浮かんでいた多数の空母や巡洋艦をも両断し、海もまた炎と煙で赤黒く染まった。

 

全てが炎と煙で彩られた世界の中、空中に佇む一人の戦士。

 

誰だ? アレは誰だ?

 

……ああ、そうだ。アレは私だ。

 

あの日の夜。私達は両親に捨てられた。絶対的な味方である筈の存在に、私は手酷く裏切られた。その事実に心の奥底から絶望し、人間と言うモノに失望した。

それでも尚、私は二人の子供として過ごした暖かな記憶を、捨てる事も忘れる事も出来なかった。「自分の家族は一夏だけだ」と嘯きながら、心の奥底では自分を捨てた父と母を求めていた。しかし、一夏を不安にさせない為に、私はそんな思いをずっと隠すことにした。

 

この世界では絶望の淵に立たされた多くの人間は助けや慈悲を請う。しかし、そんな人間にこの世界は優しくしたりしない。そんな陳情するだけの人間を、誰かが助けたり救ったりする訳が無い。

 

戦え。本当に救われたいのなら戦え。戦いとは祈りそのものだ。あきれ返るほど祈り、あきれ返るほど戦え。裂けて砕けて割れて散る、祈りと祈りと祈りの果てに。惨めな私の元に、哀れな私の元に、天来の福音は必ず訪れる。

 

そして10年前のあの日。当時14歳の私と束は、世界を変える為に動いた。

 

それは日本が確実に壊滅するだろう未曾有の危機。その危機から日本を救ったとなれば、その人物は間違いなく救国の英雄だ。

 

それなのに私は『白騎士事件』の際に、正体を明かす事をしなかった。

 

それは『白騎士事件』が束と私が起こしたマッチポンプだと、世間に露見する可能性を恐れたからだ。私達の正体が救国の英雄等ではなく、国を危険に晒したテロリストなのだと世間に知られれば、きっと両親は二度と自分の前には現れない。

 

だからこそ『白騎士』はフルフェイスの全身装甲のISで、誰が操縦者なのかよく分からないようにした。『白騎士事件』の後に『白騎士』のISコアを初期化し、『白騎士事件』に関するデータを、真実と共に完全に闇に葬った……筈だった。

 

ISは『白騎士事件』の後に世界各国に広く知れ渡り、現行兵器を軽く凌駕するISを軍事に利用する事を考えた各国は、躍起になってISを取り入れようとした。当初の目的である宇宙開発からは大きくかけ離れていたが、とにかく私達は「ISが認められる」と言う結果が、どうしても早く欲しかった。

 

両親のいない私は高校に進学なんて出来ない。だが、中卒では働ける所はたかが知れている。

 

しかしISが認められれば、必然的にIS操縦者を育成する為の教育機関が、ISの開発国である日本に生まれる筈だと、束は確信していた。

 

そして束の言う通り、日本にIS学園が設立されたお蔭で、私は束と一緒に進学する事が出来た。それにISにおいて優秀な成績を出した事で、特待生として学費が免除される事も大きかった。

 

多くの国々の科学者が、夢物語の産物だと断言したISを必死に手探りで理解し、迷走しながらその使い方を模索していく中、束に協力した為に正解を知っていた私は、ISの能力を全て知り尽くした上で鍛える事が出来た。私が『世界最強の女【ブリュンヒルデ】』の称号を手にしたのは、束の言う通り不思議でも何でもない。当然の結実だと言えよう。

 

そして、第一回モンド・グロッソで総合優勝を果たした私に送られたのは、大勢のファンの拍手と喝采、尊敬と畏怖と羨望の眼差し、誰も手にした事の無い栄光と高み。それは今までの私の人生において、決して訪れる事の無かった輝きだった。

 

祈りを剣に込め、数多の敵を斬り裂き、斬り伏せ、斬り倒してきた私の元に、間も無く『楽園【エルサレム】』は降りてくる。私の元に、あの二人は帰ってくる!

 

――それで?――

 

――それで結局、お前は父と母に再会できたかのか?――

 

――お前の望んだ『楽園【エルサレム】』は、お前の元に降りてきたのか?――

 

――答えろ『白騎士』。答えてみせろ『世界最強の女【ブリュンヒルデ】』。――

 

ISによって新世界が到来して以降、世界はより大きな驚異と脅威に満ち、より大きな闘争と鉄火で溢れている。今も世界の片隅で、ISによる戦争が、殺戮が、侵略が、悲劇が当たり前の様に起こっている。

大国はそうでもないが、ISが登場してからの10年で世界の人口は減り続け、幾つもの地名が消えている。いや、正確には地名が消えたのではない。人と街が消えたのだ。

 

――何でそうなったと思う?――

 

――お前の為だ。お前の信じるものの為だ。お前の求めるモノの為だ。お前の楽園の為だ。お前の祈りの為だ。――

 

私は権力をよく知らなかった。私は戦争をよく知らなかった。私は政治をよく知らなかった。私は欲望をよく知らなかった。私は世界をよく知らなかった。

 

3年前のあの日、私は『世界最強の女【ブリュンヒルデ】』の称号を持つが故に、私は家族を害する事になったのだと思った。

 

手に入れた栄光も、轟かせた名声も、無敵も、不敗も、誰もが認める最強も、その全てが自分を苛む罪へと成り下がった。

 

10年前のあの日、私が『白騎士』でいる事にいられなかった様に、私は遂に『世界最強【ブリュンヒルデ】』である事にも耐えられなくなった。

 

結局、私が最初から欲しかったモノは手に入らなかった。私の祈りは届かなかった。

 

「度し難い。全く持って度し難いな。『白騎士』」

 

「!?」

 

「やあ、はじめまして『お嬢さん【フロイライン】』。ようやく直に御目見得出来て嬉しいね」

 

初めからそこに居たのか。それとも出現したのか。私の後ろに、にたにたとうすら笑っている様な嫌な目と、頬の肉皮を僅かに歪ませ上げる嫌な笑い方をした、一人の男が立っていた。その姿は報告会の時の、シュレディンガーの服装と酷似している。

 

「せっかくのショウなんだ。どうせなら綺麗なご婦人と最高の席で観なければ」

 

「ショウ……だと?」

 

「ああ、ショウタイムだ。楽しみ給えよ、君」

 

男が指を鳴らすと、男の背後から爆発と爆炎が巻き起こった。先程と同じ様な光景が広がるが、先程と異なり海へ落ちていくのがミサイルや戦闘機の残骸ではない。破壊されたISの残骸だ。それも100や200ではきかないほどの大量のISが、天空から海上へと落下していく。

 

「これは『有り得たかも知れない可能性』の一つだ。現在ではない何時か、現実では無い何処かのお話だ」

 

無数のISを破壊して生まれる炎の中から、時折光る三つのリングと、空間の断裂が確認出来る。それによってこの光景を造りだしているのは、間違いなく『オーズ』だと、シュレディンガーなのだと理解した。

 

「全ての始まりにして祖たる者。『白騎士』がこの世界から無くなってしまうのだから」

 

「……な……に?」

 

男の言葉を肯定するかの様に、『オーズ』は『白騎士』と空中で対峙していた。

 

「全てのISは破壊した……残っているのは『白騎士』、お前一人だ!」

 

「………」

 

「……出来れば俺は戦いたくなかった!」

 

「戦う事でしか……俺とお前は分かり合えない!」

 

戦闘の回避は不可能。そんな思いを『白騎士』が私の声で言葉にした瞬間、『白騎士』の全身が青い炎に包まれ、シルエットが大きく変わっていく。『白騎士』の背面のウィング・スラスターが大型化し、左腕に大型の手甲らしき武器が出現。更に青い炎の意匠が両腕に刻まれている。

 

私の知らない『白騎士』の姿がそこにあった。

 

「戦え……」

 

「!! ぐうっ!!」

 

『白騎士』が大型ブレードを右手に召喚し、切っ先を『オーズ』に向けたその時、『オーズ』の体を紫色の電流が流れ、緑色の複眼が紫色に染まった直後、ドライバーの赤・黄・緑のメダルが全て紫色に変化した。そして手を触れていないのにスキャナーがひとりでに動き出し、ドライバーのコアメダルをスキャンする。

 

『プテラ! トリケラ! ティラノ! プットッティラーノ・ザウルース!』

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!」

 

全身を紫色に輝かせながら凄まじい冷気を発し、一瞬だけ紫色のエネルギーで出来た大きな翼と尻尾を展開して、恐竜の様な咆哮をあげる『オーズ』。

頭から背中に掛けて翼竜を思わせる紫色の翼を広げ、重厚感と堅牢な印象を持たせる紫の装甲を纏い、その下のスーツは黒から白銀に変化し、背中に二対のドリルを思わせるパッケージを装着している。

 

これもまた、私の知らない『オーズ』の姿だった。

 

「同類……そして、敵ッ!!」

 

「フゥッ!」

 

先手を取ったのは『白騎士』。左手から荷電粒子砲を放つ『白騎士』に対し、『オーズ』は背中のドリル状の武器を射出し、前方に向けてY字状に展開させるとそこからバリアシールドが発生。『白騎士』の荷電粒子砲から身を守った。

 

それを確認した『白騎士』は、『オーズ』の張ったバリアシールドごと『オーズ』を斬り裂こうと、急接近して大型ブレードを振り下ろす。しかし、それは『オーズ』に読まれており、『オーズ』はバリアシールドを解除し、前に出ながら『白騎士』の右手首を掴むことで攻撃を受け止め、一瞬だけ動きの止まった『白騎士』を殴りつける。

 

強力なパンチを受けて体制を崩した『白騎士』に向けて、『オーズ』は再びドリル状の武器をY字状に展開する。そこから生み出されるのはバリアシールドではなく、極太の荷電粒子砲だ。

さっきのお返しとばかりに放たれた、『オーズ』の荷電粒子砲は、『白騎士』の左腕に新たに搭載された手甲が変形し、そこから生まれたバリアシールドによって掻き消された。

 

「なるほど、『零落白夜の盾』か。光学兵器には絶大な防御力を発揮する装備だな。他にも何か有りそうだが、まあ予想の範囲内だ」

 

男が『白騎士』の新しい能力について考察する中、お互いにエネルギー兵器を用いた遠距離攻撃では決定打にならないと判断したのか、『白騎士』と『オーズ』は高速の格闘戦を展開し始めた。

 

『白騎士』は大型ブレードと、手刀状にしたクローから発生する『零落白夜』の二刀流。或いは「零落白夜」のエネルギークローを用いるなど、状況に応じて左手の装備を臨機応変に変化させて攻撃している。

 

『オーズ』は高速回転する上に遠隔操作できる二本のドリル状のパッケージに、新たに左手から召喚した紫色の刃を持つ大型アックスを使って攻撃。その大型アックスを見た瞬間、何故か知らないが私の背中にゾクリと悪寒が走った。アレがとてつもなく危険なモノだと、本能が教えているようだった。

 

空中で何度も大型クローと大型アックスが激しくぶつかり合い、大型ブレードと高速回転するクローが激突し火花を散らす。時折、牽制目的の荷電粒子砲やレーザーが放たれるが、全てかわすか、防がれている。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

青白いエネルギーがチャージされた大型ブレードと、紫色のエネルギーがチャージされた大型アックスの鍔迫り合いが起こり、お互いの必殺の刃が触れている部分から、激しい閃光が発生する。

そんな拮抗状態を崩したのは『白騎士』。大型化したウィング・スラスターを最大限に稼動させ、その推進力を上乗せした力で大型ブレードを振り切り、『オーズ』は弾き飛ばされて海に叩き込まれた。

海から巨大な水柱が上がるが、『オーズ』が沈んだ海は瞬く間に凍り出し、水柱は氷柱に、海原は氷の大地に変化した。

 

「ぬうぅ……」

 

『ZONE・MAXIMUM-DRIVE!』

 

海中の『オーズ』を炙り出すつもりか、海に向かって荷電粒子砲を放とうと左手を向けた『白騎士』の後方に、突然右手にスキャナーを持った『オーズ』が出現した。

 

『スキャニング・チャージ!』

 

「フゥアッ!!」

 

「!! ぐぅうッ!!」

 

まんまと『白騎士』の背後を取った『オーズ』は、ドライバーに装填されたコアメダルをスキャンして必殺技を発動する。

すると『オーズ』の両肩にある恐竜の角を模した部分が槍の様に鋭く伸びて、『白騎士』の両肩を突き刺した。伸びた角は『白騎士』の両肩を貫通し、角の先端付近に白い牙の様な形をした返しが生えた。あれでは簡単に外す事は出来ない。

 

「ウブゥァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」

 

「ぬっ! ぐぁああああ……ぐぎっ……があ……ぁ……」

 

なんとか角を外そうともがく『白騎士』に紫の翼から強烈な冷気を浴びせ、『白騎士』を凍結させて動きを封じると、『オーズ』は凍りついた『白騎士』を上空に放り投げ、刺していた角を引き抜いた。

 

『FANG・MAXIMUM-DRIVE!』

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

 

「……ぁ……がああああッッ!!」

 

紫の波動を纏った『オーズ』の右足の踵から白いブレードが出現。紫色の恐竜の頭蓋骨の様な形をしたエネルギーと共に、落下してくる『白騎士』に向けて回旋蹴りが繰り出される。

 

しかし『オーズ』の必殺技が当たる直前で『白騎士』は凍結状態から脱し、左手から『零落白夜の盾』を発生させて防御体制を取った……が、先程の荷電粒子砲を防いだ『零落白夜の盾』は、Fの軌跡を描く紫色の三連撃によって容易く斬り裂かれ、回旋蹴りは大型クローを粉砕して左腕をへし折り、二基の大型ウィング・スラスターも破壊した。

 

これにより『白騎士』は機動力と防御手段を失ったが、それでも『オーズ』の攻撃は終わらず、『オーズ』の腰から生えているスカート状の部分が合体・変化した尻尾を『白騎士』へ容赦なく叩きつけ、『白騎士』は氷の大地と化した海へ落下した。

 

「!? な、何だ!? 何が起こった!? 何をしたんだ!?」

 

「何が起こった? 『お嬢さん【フロイライン】』。美しい『お嬢さん【フロイライン】』。それは愚問と言うものだ」

 

あの『白騎士』の『零落白夜の盾』は、エネルギー攻撃を完全に無効化する筈だ。それなのに『オーズ』のエネルギーを纏った攻撃は無効化されず、逆に『零落白夜の盾』を破壊した。

 

その理由を後ろの男が、心から嬉しそうな顔で解説し始めた。

 

「『オーズ』は必殺技を発動する為に『紫のメダル』をスキャンした。それは『紫のメダル』が持つ力を解放した事を意味する。

彼が使っている『紫のメダル』は、“既に絶滅した生物”や“人間が想像した幻想生物”と言った、“現世には存在しない生物”の力を秘めたコアメダルだ。その源泉となるのは“無の欲望”であり、それが司る力は“全てを無に帰す力”だ。

そこでだ。『零落白夜』と『零落白夜の盾』。仮にこの二つをぶつけたのなら、一体どちらが勝つと思う?」

 

それはつまり、お互いにエネルギーを無効化する装備をぶつけ合うと言う事。同質のエネルギー同士をぶつけたとなれば、勝敗を決すのは……

 

「答えは簡単だ。質が同じなら出力の大きい方が勝つ。つまりはそう言う事だ。単純に『紫のメダル』の持つ“全てを無に帰す力”が、『零落白夜』の“エネルギーを無に帰す力”よりも強い。ただそれだけだ」

 

『白騎士』が落下した衝撃で氷に大きな亀裂が入り、『白騎士』の落下地点を中心にして、氷の大地が無数の流氷が浮ぶ海へと変化していく。その中でも特に大きな流氷へ『白騎士』は移動していた。へし折られた左腕は、生体再生機能によって既に治りつつある。

 

そして翼と盾を失った『白騎士』の前に、『オーズ』がゆっくりと降り立った。

 

「ぐぅぅう……はぁあああああああああああああああああああああああっっ!!」

 

両の手で大型ブレードをしっかりと握ると、刀身にエネルギーがチャージされていく。『白騎士』は渾身の力を込めた『零落白夜』の発動体制に入り、『白騎士』の体を青い電流が走っている。

 

「フゥゥゥ……」

 

『ゴックン! ゴックン! ゴックン! ゴックン!』

 

『TRIGGER・MAXIMUM-DRIVE!』

 

大型アックスの恐竜の頭部を模した部分を何度も動かし、紫色の刀身からセルメダルを大型アックスに食べさせるように何度も装填すると、大型アックスを両手持ちの銃の様な形状に変形させる。そして左腰のマキシマムスロットをタップし、『オーズ』は両手で銃を構える射撃体勢を取った。

更に二つのドリル状の武器がY字の形に展開されるのだが、チャージされているエネルギーは荷電粒子砲のそれでは無い。手にしている銃と同様の紫色の波動だ。

 

不味い! アレは不味い!

 

『プットッティラ~ノ・ヒッサ~ツ!』

 

「止めろ! 止めろ、シュレディンガー!!」

 

「無駄だ。もう全てが遅い」

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」

 

「……フンッッ!!」

 

『白騎士』の『零落白夜』を纏った大型ブレードは、『オーズ』の紫色の破壊光線をしっかりと受け止めた。そのまま破壊光線を斬り裂き、本体の『オーズ』を仕留めるつもりなのだろう。

 

しかし、その目論見は僅か数秒で大型ブレードと共に無残に砕かれ、『白騎士』に紫色の破壊光線が直撃する。

 

「勝った♪」

 

紫色のエネルギーの奔流に『白騎士』は飲み込まれ、『白騎士』はそこから脱出する事も出来ず、そのまま爆発した。そして爆発した『白騎士』の中から出てきたのは……。

 

「!? 一夏!?」

 

「これだ。これが見たかった。ああ、すごくいい……」

 

何故だ!? 『白騎士』の声は私の声だった筈なのに!!

 

爆発によって吹き飛ばされた一夏は、流氷の浮かぶ海へと落下していった。小さな水柱が上がるが、海に浮んでいるのは氷ばかりで、海に落ちた一夏は一向に浮かんでこない。

 

何故だ……何故こうなったんだ……。

 

「何故だ……何故止めなかった! シュレディンガーッッ!!」

 

「言っただろう『お嬢さん【フロイライン】』。もう何もかもが遅いのだ」

 

『オーズ』に対して激昂する私を見て、男は心の底から愉快だと言わんばかりに笑い、こんな事になった理由を嬉々として語りだした。

 

「あの『紫のメダル』は対『白騎士』を想定して造られ、他のメダルとの互換性を無くする事で、経験値を稼ぐ事無く最初から『コンボ』を、ISで言う所の『単一仕様能力』の使用を可能にし、アンクとは全く違う“自律意志を持つコアメダル”として、『白騎士』の力に共鳴するように造ってある。

そして『紫のメダル』が秘める“無の欲望”は、使い手の“心の隙間”に入り込んで自我を奪い、敵味方関係無く目前の相手を破壊しようとする、謂わば“マイナスの暴走”を引き起こすのだ。そこにはもう彼の意思は存在しない」

 

その説明を聞いた途端、背中に嫌な汗が流れた。それにどこか良く似たモノを、私は良く知っている。そして最近になって知らされている。

 

「さて、ここで質問するぞ『お嬢さん【フロイライン】』。そんな様々な特殊性を持つ『紫のメダル』は、一体何を参考にして造られたのだと思う? どうして『オーズ』の黒いスーツが白銀色になっているのだと思う?」

 

その二つの質問で私は理解してしまった。確信を得てしまった。

 

あの『紫のメダル』は『白式』となる前の『白騎士』のISコアを、ひいては『白式』に眠る『白騎士の意思』を参考にして造られたのだと。

 

「そんな……それじゃあ……」

 

「そして今や『紫のメダル』は、使い手であるシュレディンガー自身さえも“無に帰した”。彼はもはや何処にも居ない。今やシュレディンガーは、ただの戦闘本能のかたまりだ」

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!」

 

『白騎士』との戦いに勝利した『オーズ』が咆哮を上げ、発生した衝撃波で周囲の流氷は砕け、細かくなって空気中に舞い散った氷の結晶が、一瞬で世界を白一色に染めた。

 

 

 

「…………夢?」

 

目を醒ますと何時もの寮長室のベッドの中だった。目覚まし時計を見ると、午前2時46分を指し示している。

……嫌な夢を見たものだ。喉は渇いているし、全身が汗でびっしょりだ。ベッドから起きて冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、そのまま一気に胃袋へと流し込む。冷たい水が体の中を通る感触が、幾分か気分を落ち着かせた。

 

「……ふぅ」

 

改めて先程見た夢について考える。ただの夢だと言えばそれまでだが、本当にアレは只の夢なのかと、どうしても考えずにはいられない。

 

あの姿こそが、『ミレニアム』が求めた対IS最終兵器としての、言うなれば本来の『オーズ』の姿なのではないだろうか……と。

 

全てのISを打ち倒し、新世界に君臨する唯一人の王。

 

IS神話を終わらせる破壊神にして、新たな神話を紡ぎ出す創造主。

 

「新世界の到来……か」

 

束が開発したISは本来、弱き者に力を与え、地を這う者に翼を与える事を目的としたものだった。それは間違った事では無いと今でも思う。間違いなく、束は虐げられるだけの弱者を救おうとしていたのだと思う。だからこそ、私もISの開発に協力した。

 

しかし、開発されたISは女性にしか使えないものであり、そこから更にISの適正と言うものが存在し、女性でもふるいに掛けられる。

 

そして「最強の兵器は女にしか使えない」と言う事実は、それまで弱いはずだった人間を、本来なら弱いはずの人間を、強い人間に変える事になった。強い人間となった女達は、「強者である自分達に、特別な権利が与えられるのは当然だ」と考え、今の女尊男卑の社会と世界が形成された。

 

私達は弱者を救ったのではなく、強者を過ちに導いただけだったのではないだろうか?

 

シュレディンガーは、仮に『白騎士事件』が起こらなくても、科学技術の発展に伴う科学に対する理解の水準が上がれば、ISはいずれ世界中の科学者に認識されるようになり、ISを軍事に利用しようと考える者が必ず現れたに違いないと、遅かれ早かれ世界は女尊男卑の社会になっていただろうと言った。

私達が起こした『白騎士事件』は数えるべき罪だが、その後の10年に渡る世界の変化は、決して私達二人の罪では無いのだとも。

 

しかし、私にはとてもそうだとは思えないのだ。

 

「……いや、今はアイツ等がこれから起こす事の方に気をつけないとな」

 

ドイツ国内某所にある秘密研究所。そこでは今でも『VTシステム』を筆頭とした条約違反兵器の研究・開発が行なわれているらしい。

日本とドイツの時間差は7時間で、日本の方が7時間進んでいる。これはサマータイムによるもので、冬になると日本の方が8時間進む事になる。日本時間にして6時59分、ドイツ時間にして23時59分に、この施設を徹底的に破壊する作戦が、シュレディンガーと束によって決行されるのだ。

 

「やり過ぎない様にしなくてはな……」

 

そして私は思い知る。

 

この世界はとても残酷で、理由の無い悪意で満ちている事を。

 

 

○○○

 

 

「ふむ。この程度が限界か……」

 

「よろしかったのですか、少佐殿。貴重な情報をみすみす……」

 

「構わんさ。むしろまだ足りない。だがもう少し。そして、もう間も無くだ」

 

「左様で」

 

「………」

 

時と言う枷から開放された世界でドクと大尉を傍らに、相も変わらずシュレディンガーを見続け、高みの見物を続けている。

死んでからも自分は自分でいられる。それはシュレディンガーが証明してくれた真実の一つだ。

 

「それにしても、せっかくのイエスタデイメモリがあんな事になろうとは……」

 

「そうだな。しかし彼は『エターナル』をレッドフレアのままの状態で、エクストリームに至らせた恐るべき男だ。改変されたメモリを本来の形に戻す位、今の彼なら出来ても何ら不思議ではないよ」

 

数あるガイアメモリの中でも、「テラー」、「ライアー」、「ナイトメア」、「イエスタデイ」、「ユートピア」と言った精神に影響を与えるタイプのメモリは、その能力をISの絶対防御で防ぐ事が出来ないと言う特徴がある。

 

ISの絶対防御を容易く通過し、本体に直接影響を与える。

 

それは即ち「相手の強さに関係なく、相手を問答無用で戦闘不能に追い込む事が出来る」と言う事。つまり精神系ガイアメモリの能力は、対IS戦において「ある意味で無敵」と言っていい能力と言える。

 

相手がISを使っていても生身の状態と何ら変わらない。そんな恐るべきメモリを『ミレニアム』のメンバーで試し、再起不能にする訳にはいかない。その為、精神系ガイアメモリの能力を検証する際には、再起不能にしても問題ない実験台を用意する必要があった。それもシュレディンガーが罪悪感を抱かない様に、これ以上ない程の凶悪な犯罪者をわざわざ揃えた。

 

しかし、それでも彼は当初渋っていた。そんな彼にイエスタデイメモリの能力を検証する際、シュラウドと私で彼を説得したものだ。『北風と太陽』の物語さながらに。

 

『何を躊躇する事があるの? 相手はそれこそ人間のクズ。救い様も救い甲斐も無い極悪人よ。容赦する必要など無いわ』

 

『………』

 

『シュレディンガー、逆に考えるんだ。この実験によって彼等は自分の犯した罪を自覚し、人の痛みを気遣う事が出来るかも知れない。この実験がきっかけで、彼等が改心するかも知れない。

救い様の無い犯罪者である彼等が改心すれば、彼等の被害者や被害者の家族も幾許か救われるかも知れない。君はその手助けをするんだ』

 

実際にやる事は変わらないのだが、私がこう言うと彼は実験に協力してくれた。勿論、失敗した時のアフターケアも欠かさなかった。

 

しかし……だ。

 

幾らメモリの能力開発を独自に行なったと言っても、彼一人でその全てが出来るわけではない。メモリのメンテナンスや調整には、どうしても我々の手を借りなければならない。我々が彼のメモリに手を加えるチャンスは幾らでもあった訳だ。

 

ISの専用機とは読んで字の如く“操縦者の専用の機体”であり、唯一無二のものだ。中世は騎士甲冑時代の英雄の如く、ISは現代の軍事において“個の力”としての意味を持つ様になり、専用機の持つ一線を画する強さが求められる様になった。

 

しかし、本来戦争とは団体戦だ。戦争とは基本的に団体の戦闘力が高い方が勝つ。そして、専用機とは“唯一無二である”と同時に“代えが利かない”と言う事でもある。今の世界における国家間の戦争では、専用機持ちが戦闘不能になった瞬間、その国家の団体としての戦闘力は大幅に落ちる。

 

実戦において、相手の強さに関係無く戦闘不能に出来る力があるイエスタデイメモリの能力開発において、「抜け道が用意されている所為で、実戦では危なくて使えない」などと言う致命的な弱点を、対ISを掲げる私達がそのまま放置するワケが無い。

 

そこで我々は彼がイエスタデイメモリに記憶された、彼の言う抜け道を破壊してからイエスタデイメモリを渡し、その能力を実験で使わせた。

 

つまりあのイエスタデイメモリは、元々「相手の精神を無限ループする時間の中に、永久無限に閉じ込める」と言う、とても実戦的な能力のガイアメモリであり、実験台になった犯罪者が全員目覚めなかったのは、「無限ループからの脱出方法が存在していなかった」からに他ならない。

シュレディンガーは失敗したと思っていたが、我々にとっては大成功と言える結果だった。もしかしたら改心した犯罪者も何人かいたのかも知れないが、彼等が目覚める事は二度と無いだろう。

 

「『エターナル』のマキシマムを受け付けず、倒してもブレイクする事の出来ないガイアメモリを、シュラウドが使う事は簡単に予想できた。

そして、ブレイクする事の出来ないガイアメモリの魔力に魅入られた相手に、シュレディンガーがイエスタデイの能力を使って救おうとする事も予想できた」

 

「そして“自分が救いたいと思った相手を、自らの手で再起不能にしてしまった”と言う絶望を与える事で、『紫のコアメダル』の力をより強く引き出す為の源泉とする作戦でしたな……」

 

「しかし、やはり彼は普通では無かったな。オータム戦やマドカ戦でもそうだったが、過去に使用した事も成功した試しも無く、懸念材料や不安要素があるにも関らず、彼は『エターナル』や『イエスタデイ』のマキシマムの使用に踏み切った。

恐らくエクストリームに至った事で、それぞれのメモリに起こった変化を直感的に、或いは無意識の内に感じ取っている。いや、彼自身がメモリを自分の望む能力へと変化させていると言った方が良いのかな?」

 

まあ、物事にはハレもケもある。それに戦争と言うモノは、“想定外の事が必ず起こる”モノだ。

 

「……一つ聞きたいのですが、シュレディンガーを『オーズ』に選んだのは、暴走のリスク以外にも、やはりそうした彼の素質の様なモノも考慮しておられたのですか?」

 

「いや? ほら、アイツって、見てて面白いだろ?」

 

「……まあ、確かに色々と興味深く、面白い素体ではありましたが」

 

「そうだろう。彼は見た目よりもずっと面白い男なのだよ」

 

前世におけるシュレディンガーは、織斑一夏や篠ノ之箒の様に『身内に偉大な功績を成し遂げた存在がいた』訳でも、『身内に莫大な利益を生み出す存在がいた』訳でも無い。篠ノ之束や織斑千冬の様に『特別な才能があった』訳でも無い。

 

前世における彼は所謂モブであり、「普通の人間」だった。

 

それがたまたま我々のこしらえた罠に引っかかり、愛する家族も、心を通わせた友人も、平穏無事な日常も、それまで当たり前にあった全てを失って、彼の人生は台無しになった。赤の他人の血肉から造った複製品の肉体を与えられ、生きている事が叛であり、存在する事が乱である、テロリストの実験物と成り果てた。

 

もはや表側にも裏側にも、逃げる場所も隠れる場所も無い。そんな世界で彼は何を考え、何を選択した?

 

あれでもシュレディンガーは頭が回る。我々は只のテロリストではない。「異世界への介入」と言う奇跡の様な科学を成し、「異世界の魂を呼び込む」と言う科学の様な奇跡を成した我々なら、何が出来ても不思議ではない。

それこそ自殺した所で、再び呼び戻される可能性も考えた筈だ。そうなれば、多くを奪われた自分に唯一つ残されたモノを。つまりは「自分の意志」さえも奪われる事は明白。それを彼は恐れた。

その上あのお人好しの事だ。仮にそれで自分が我々から逃げる事が出来たとしても、自分以外の誰かが、自分と同じ様に呼び出される可能性も考えていたに違いない。

 

しかし、だからこそ「我々に協力すれば、元の世界に帰れるかも知れない」とも考えた筈だ。実際に彼が我々に協力した理由の大手はそれだ。

 

遺してしまった異世界の家族に、ただ一目でも会いたい。

 

仮に会ったとしても彼だとは気付かないし、何の救いにもならないだろうが、死者としてそれは当然の感情なのだろう。

皮肉な事に、シュレディンガーのその思いを知ったが為に、シュラウドは「きっとライトも自分に会いたいと思っている筈」と言う、自分の願望を確信へと変えてしまった訳だが。

 

兎に角、彼の協力により我々の研究は大きく飛躍した。例え適合率が低くとも、やはり理解レベルの高い人間と、そうでない人間では引き出せる能力の差は歴然。彼の持つ独自の発想も手伝い、彼は期待以上の成果を出してくれた。

 

「さて、それではいよいよお楽しみの、そして本命のショウの始まりだな」

 

「ええ。これできっと確かめられる事でしょう。対ISを掲げるテロ組織に身を置きながらも、頑なに不殺を貫いてきた彼は。殺す事以外では救えない人間を。出会っていれば兄妹と呼んだ存在の成れの果てを。戦列を組んで前進するアンデッドを。殺すのか、殺さないのか、それとも殺されるのか」

 

ああ、何とも心が躍るな……。

 

 

●●●

 

 

準備が完了するまで大分時間が掛かったが、いよいよ束との約束を果たす時が来た。

 

『ちゃ~~んとゴッくんの注文通りに造ったんだからね? だから束さんのお願いもちゃ~~んと叶えてよ?』

 

「分かってる。そっちもちゃんと仕事してくれよ?」

 

『心配ご無用! それ位なら束さんには朝飯前なのだよ~♪』

 

「いや、今日はもう食っただろ」

 

世界各地に点在する束のアジト。その中でもドイツに近い場所に建設したアジトに居る俺の目の前には、赤を基調としたプロペラ機一機と、黒を基調としたプロペラ機二機が鎮座している。これから赤を基調としたプロペラ機に乗り込み、『VTシステム』の研究・開発を行なう秘密の研究所へ殴りこみを掛けるのだ。

 

『ETERNAL!』

 

「変身!」

 

『ETERNAL!』

 

俺はロストドライバーとエターナルメモリを使い、『エターナルRX』に変身する。しかし『エターナルRX』で殴りこみを掛ける訳ではない。ここから更に一手間を加えるのだ。

 

『ZONE・MAXIMUM-DRIVE!』

 

右腰のマキシマムスロットに装填されたゾーンメモリのマキシマムを発動し、「サイクロン」、「メタル」、「ヒート」、「ルナ」、「スカル」、「ジーン」、「ジョーカー」、「エクストリーム」の8本のメモリを空中に召喚する。

 

『CYCLONE・METAL・HEAT・LUNA・SKULL・GENE・JOKER・XTREME・MAXIMUM-DRIVE!』

 

「そしてもう一発!」

 

『DUMMY・MAXIMUM-DRIVE!』

 

胸のコンバットベルトの左右にメモリが4本ずつ装填され、8本同時にメモリのマキシマムが発動。その直後に右腰のマキシマムスロットからゾーンメモリを取り出してダミーメモリを装填し、マキシマムを発動させる。

 

「変んんっ身っ!!」

 

緑色の光が全身を包み込み、腰の『ロストドライバー』は『タイフーン』に、白を基調としたボディアーマーは褐色のプロテクターに、ペンギンをモチーフにした「∞」を模った黄色い複眼のマスクは『ライダーマン』を思わせる赤い複眼のバッタをモチーフにしたマスクへと変化する。

 

緑色の光が収まった時、白いボディに赤い炎のラインが特徴的な『エターナルRX』は、褐色の狂気を纏った最強のショッカーライダーへと姿を変えた。

 

即ち『仮面ライダー4号』である。

 

ぶっちゃけて言うと、ダミーメモリ一本のマキシマムで他のライダーへの変身は出来るのだが、今回は頭の中のイメージを固定したり、自力を底上げしたりする目的で、他のメモリも使用した。

 

『でもゴッくん。本当にそれで行くの?』

 

「ああ、室内戦ならコッチの方がやりやすい。それにコレが何故か一番しっくり来る」

 

試しに『仮面ライダー1号』に変身したら、何故か『仮面ライダーSPIRITS』に登場する、左腕が金ぴかZXアームの『大首領JUDOバージョン』になったし。

理由が「偽者だから」とするならば、黄色いスカーフの『ショッカーライダー』になってもおかしくないと思うのだが何故だろう?

 

「さあ……地獄を楽しみな」

 

中の人が監督に「そのまんま過ぎる」と言われて却下された台詞を呟き、俺は束特性の『スカイサイクロン』へと乗り込んだ。

 




きょうの妖怪大辞典

マック(ス)大隊長
 ジャンクフードが大好きな狂った戦争の亡霊。ゴクニャンに数々の妖怪メダルとアンベェを与えた張本人。見た目はオタク。中身もオタク。心の中には不思議なオタク。
 その正体は、偏愛と斬り捨ての格差が非常に激しく、「使える奴なら例え敵軍に居ても贔屓にし、使えない奴ならどんな履歴があっても単純作業の様に切り捨てる」と言う最悪のオタク。ヒラコー曰く、「敵も味方も駒か名前の付いたユニットくらいにしか考えてない」らしい。
 『ウィザード』の白い契約モンスターの笛木の様な感じを想定していたのだが、表紙裏のコミカルな面ばかり書いていた所為か、展開が『DEATH NOTE』のリュークみたいになった気がしないでもない。

妖怪コア砕き
 別名:白騎士絶対殺すマン。もしくは、プトティラコンボ。ネットムービーで伊達さんが『エヴァ○ゲリオン』呼ばわりしていた、ラスボスっぽい見た目の氷属性と無属性を持つ恐竜系コンボ。
 対『白騎士』を想定し、ラトラーターと同様に「敵と同系統の能力の上位互換を使って、敵を真正面から撃破する」をコンセプトにして造られたが、原作『オーズ』と同様に厄介で危険な要素が含まれている。S.I.Cのプトティラは「負ける気がしない」と言うより、「勝てる気しない」と言った方がいい感じがする。
 今回、第一期平成ライダーの劇場版を意識し、TV版の最強フォームを先行登場させてみた。話の元ネタとしては『MISSING ACE』のオンドゥル王子とムッコロ。しかし、ムッコロの台詞が「分かり合えない」ではなく、「語り合えない」に聞こえたのは作者だけだろうか?



キャラクター紹介&解説

冬メロン
 この作品における、原作第二巻相当の時間軸のキーパーソン。ラウラやシャルロットに加わる形で活躍させる予定。彼女の見た夢は少佐が言うように、あくまで可能性のお話……って言うか、対『白騎士』戦の没案。ある意味で始まりの女であり、ある意味では……。
 元ネタは『ディケイド』の夏みかん。この作品も夏では終わらないような気がする。予定では夏で完結させるつもりだったのに……。

紫のメダル
 プテラ・トリケラ・ティラノの3枚からなる恐竜系コアメダル。作中で語られた様に、『暮桜』のISコアと通信して『零落白夜』を開発していた『白騎士』のISコアと、内部に眠る『白騎士の意思』を参考にして造られている。
 『白騎士』との戦闘に突入すれば「自立意志」という名の暴走スイッチにより、オンドゥル王子のキングフォームに共鳴してジョーカーの本性を抑えきれないムッコロの様に、『妖怪コア砕き』へと強制変身させる。前触れとして複眼がパープルアイになるが、コブラヘッドでは区別が付かない。
 6つのコンボを使える様になれば解禁される仕様なのは、制御して使う為には「コンボが使用可能になるまで成長した、他系統の18枚のコアメダルの力」が必要だから。『紫のメダル』がドライバーに登録してから外す事が出来なかったのは、『白騎士』が出現した時にドライバーに搭載されていないと困るため。
 つまり、「最初からコンボとして使えるメダルだが、暴走のリスクから『白騎士』が覚醒しない限りは絶対に使えない様にして、仮に使えても普段は制御が出来る様にしてあるが、『白騎士』が現れたなら暴走して最後は自滅してでも絶対に倒してもらう」と言う事。もちろん5963はこの事を知らない。

F ファングメモリ
 牙の記憶を持つガイアメモリ。T2メモリ仕様ではあるが、メモリのカラーリングはT1と同じく薄い青紫色。例によって「メダルとメモリの色が同じなら相性が良いのではないか?」と言う、作者の独自考察を適用。その結果、『W』の暴走フォーム×『オーズ』の暴走フォームと言う、『ジュラシック・ワールド』のインドミナス・レックスの様な化物になってしまった。

バーサークユニット
 元ネタは恐竜系ゾイドのアルティメットX。最後期に造られ、他のパッケージと比べて貧弱に見えるが、「バスタークロー」をビットの様に飛ばして遠隔操作出来る等、元ネタのオリジナルよりも強化されている。
 元ネタであるアニメ版の『ゾイド新世紀/0』で某アルティメットXが使った荷電粒子×3が非常に印象的だった為、メダガブリューのストレインドゥーム×3を使わせてみた。破壊力200tの破壊光線が三つに増える上に、トリガーのマキシマムで更に火力が強化されている。それでもタマシーボンバー(1000t)には届かない……かも。

白騎士強化体
 束が組み込んだ『エターナルRX』の因子により、『白式』の第二形態『雪羅』の要素が融合した『白騎士』の強化形態。全体的に戦闘能力が急上昇し、燃費の悪さも大幅に改善されている。しかし、相手が悪過ぎた。
 今回のVSプトティラは、昔見たブレードライガーVSジェノザウラーをそれとなくイメージ。アニメ第一期のバンとレイヴンの最終決戦は「レイヴンマジパネぇ」と思って見ていた。第二期でもジェノブレイカーの性能もあって、アホかと思う位に強い。

仮面ライダー1号
 偉大なる原点にして頂点。「徒手空拳で戦い、バイク以外には乗らない」と言うイメージが強いが、ほぼ毎回の様に敵の武器を奪って武器戦闘をこなし(どんな武器も使いこなしてこそ『仮面ライダー』なのだ by鳴滝)、更には劇場版「仮面ライダー対じごく大使」で馬に乗って戦うなど(どんな乗り物も乗りこなしてこそ『仮面ライダー』なのだ by鳴滝)、正に『仮面ライダー』の鑑と言える御方。
 桜島一号が黒いのは「スーツ修復の際に現場に黒いスプレーしか無かったから」と言う理由なのは、あまりにも有名。ちなみに作者は『仮面ライダー1号』を見逃した。

 おのれ、ディケイドォオオオオオオオオオオオッッ!!
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