そんな感じで、一週間で完成しましたので投稿します。モチベの力を実感。でもやっぱり疲れた。
「起きるんだ、シュレディンガー」
「?」
少佐の声が聞こえて目が覚めると、『ひぐらしがなく頃に』の鉈女こと竜宮レナのコスプレをした少佐と、一人称がおじさんの園崎魅音のコスプレをしたドクが無言で立っていた。ドクはメイド・イン・ヘブンな、イリーの方が似合うと思うが……。
「……少佐?」
「嘘だーーーーーーーーーーッッ!!」
少佐がいきなり叫んだと思ったら、手にした鉈を豪快に俺の顔に叩きつけた。叩き斬ったのではない、叩きつけたのだ。見事に頭にヒットした鉈は恐るべき弾力で俺に多少の精神的ダメージを与えた。
「なんですかこれ? 何で出来てるんですか?」
「葛。本物は危ないからね」
今度は少佐とドクが葛で出来た鉈を片手鍋に入れて加熱し、ドロドロに溶けた葛を湯飲みで飲みだした。
「「あったまるわ~」」
「二人とも何してるんですか?」
「おお、そうだそうだ。頑張っている君にこのコアメダルを渡そうと思ってね」
少佐はズズズと湯飲みを傾けながら、ピンク色のメダルを3枚俺に渡してきた。
「さあ、そのメダルで変身してみたまえ」
メダルの両面に何も描かれていないので、ドライバーの何処に入れても、どちらの面を表にしても同じなのだろうと解釈して、適当にメダルをドライバーに装填してスキャンする。
「変身!」
『ラブ! ラブッ!! ラブゥゥゥッッ!!!』
全身にハートマークがあしらわれたプリキュアにでも出てきそうな姿。仮面ライダーオーズ恋愛コンボが降臨した。ちなみにスキャンした時の音声は少佐の声だった。
「……何か言いたい事はありますか?」
公式が病気と揶揄されたプリチーな外見で少佐に迫る。何時から居たのか、時報こと富竹ジロウのコスプレをした大尉が俺の写真をバシャバシャ撮っている。
「私の趣味だ。いいだろう?」
すぐさま教室の奥に移動してロッカーを漁り、中に入っていた金属バットを手にして少佐に無言で襲い掛かる。悟史と書かれていたが、マジックで塗りつぶしてリボルケインと書き直した。
「リボルクラッシュ! リボルクラッシュ! リボルクラッシュ! リボルクラッシュ!リボルクラッシュ! リボルクラッシュ! リボルクラッシュ!」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめ……」
「あはははははははは。はははははははははははははは……」
しこたま殴ったら気分が晴れた。教室の中には『シグルイ』の仕置き後の伊良子清玄みたいにズタボロになった少佐。未だに狂った様に真顔で笑い続けるドク。そして、赤く染まった金属バットを持つ、返り血を全身に浴びた仮面ライダーオーズ恋愛コンボ。大尉は何時の間にかいなくなっていた。
「もう一度だけ聞きます。何の用ですか?」
「おお、そうだ。こんな事をしている場合じゃないんだ。君にゴイスーなデンジャーが迫っているんだ」
「ゴイスーなデンジャー?」
「凄い危険って事!」
それは分かる。具体的にどんな危険なのかを知りたいのだが。
「さあ、そろそろお別れの時間です。アンクが君を待っていますよ」
「オサラバだ、シュレディンガー。また何時かコミケで会おう……」
少佐とドクが一方的に別れを告げて、俺は悪夢の世界から追放された。
●●●
「起きろ。面白いことになってるぞ」
起きるとアンクがベシベシと俺を引っ叩いていた。気分が優れないまま、アンクについて行くと、モニターに多数のISが写っていた。大半が第二世代の量産型ISラファール・リヴァイヴだが、何機か専用機もチラホラ見える。
昨日までは周囲は砂漠で何も無かった筈なのに、朝になったらISの団体さんに包囲されているこの状況。うん、確かにゴイスーなデンジャーだな。
「状況を詳しく説明してくれるか」
「ここを取り囲んでいる連中は『亡国機業』でも、ドイツ軍でも無い。国際IS委員会によって各国から選抜されたIS操縦者達。簡単に言えば連合軍だ。『テロリストに拉致された篠ノ之束博士の救出』って大義名分を掲げて、このラボを取り囲んでいる」
「……つまり、そのテロリストってのは俺とお前の事か?」
「その通りだ」
確かに対ISを掲げる反抗勢力と化していたミレニアムはテロ集団と言っていいだろう。準備するだけで、実行に移す前に潰れたけど。
「とは言え、連合軍と言っても各国が裏で何を考えているか分かったもんじゃない。実際は隙あらば自分達だけで利益を独占するつもりだろうな」
まあ、人間が徒党を組んだ時点で一枚岩じゃないわな。この状況はライダー大戦ならぬIS大戦と言った感じか。
「傍から見れば俺達が正義の味方に立ち向かう悪の怪人なんだがな。このまま黙っていれば奴等はここに乗り込んでくる。一応、投降するように勧告がきている」
「具体的には?」
「人質になっているウサギ女を連れて投降しろ、さもなきゃ突入して制圧する……だ」
「そうか。しかし、奴等はどうやって俺達の居場所を知ったんだ?」
「はっ! 決まってる! ウサギ女。お前の仕業だろ」
「ん? なんで束さんがそんな事をするのかな?」
「とぼけても無駄だ。俺は触れた機械の情報を読み取れるんだ。お前が3日前にこのラボの座標と、『オーズ』のドイツ軍との戦闘記録を各国と国際IS委員会に流したのはとっくに知ってる」
ああ、そう言えばそんな能力あったね。原作の『オーズ』のアンクは信吾の頭に触れて記憶を読み取り、iPhoneやパソコンを使っていた。この世界のアンクは人間の記憶は読み取れないが、機械に触れさえすれば情報を読み取れる。
いや、ちょっと待て。それじゃアンクはこうなると分かっていてラボに留まっていたのか。何を考えて……まて、こいつの性格を考えるとむしろ、セルメダルの稼ぎ時と考えていた可能性が高いな。
「……な~んだ。ばれちゃってたのか。そうだよ。束さんがアイツ等を呼んだんだよ。何?コレで満足?」
束が開き直って告白する。その目の光は鈍く、失望の色が見える。ずっと欲しかったものが手に入るかも知れないと期待して、それが手に入らないと諦めたような感じ。気になる事はあるが、とりあえず言わせて貰おうか。
「とりあえず、お前とは相容れないことが分かった」
「………」
「俺に強姦の趣味は無いんだ。どっちかって言うと両者合意の上が趣味でな」
「……へ?」
「オイ、ゴクロー。何を言ってるんだ?」
「え? か弱い女を集団で、力で言う事を聞かせて、欲望のままに好き放題しようなんつー強姦魔みたいな連中を自分で呼び寄せたんだろ? つまりは、束はそう言う趣味が有るって事で……」
「ちょっと! 違う! 違うから! 束さんにそんな趣味ないから!」
先ほどとはうって変わり、必死で弁解する束。反応を見て楽しむゴクロー。『え? まさか……』と言う感じで束を見つめるクロエ。アンクは傍観している。
元が一般人とは言え、ナチスの残党に育てられた影響は少なからずあった。最初の一年でマラソンしながら『エスキモーの○○○○は~冷凍○○○○~♪ 俺によ~し、お前によ~し、皆によ~し♪』とヒワイな大変態ソングを歌いながら走らされていた。
更にゴクロー自身、元が素直で真面目な性格なので、無敵の敗残兵の皆さんから、『死地に突撃する前は冗談や軽口を叩くことで緊張を解き、リラックスすると良いんだ』と教わった事をクソ真面目に実践しているだけである。
そのお蔭で『進撃の巨人』のライナーの台詞である『もしくはコイツを奴等のケツにぶち込む!』を何時か誰かに言ってみようとさえ思っている。
そんな事は全然知らない束は、この状況でそんな下ネタを投下して来るとは露ほども思わなかった。ラボで一週間一緒に過ごしていたがそんな気配は微塵も無かったし。
「……で、真面目な話どうするんだ?」
「出撃準備だ。連中が攻める前に此方から攻めるぞ」
束の反応を一通り楽しんだ後で、アンクの問いに即座に答える。逃げるなど論外。逃げても地の果てまで追いかけてくる。ここで戦い、勝ち残る以外の選択肢は無い。
「ねえ、なんで戦うの? さっきも言ったけど束さんが原因なんだよ? 逃げないの?」
「無理だな。相手は多分俺がミレニアムの構成員だと知ってる。ミレニアムの支援者は世界中にいる。逆に言えばそのミレニアムがなくなった以上、世界中の支援者達は俺を狙い続ける。いつか必ず戦う日が来る。それが早いか遅いかだけ。何時か来る明日が今日になっただけだ」
「……束さんの事怒ってないの?」
「次からは止めてくれ。さっきのお前の目を見て思ったんだが、お前は何か欲しいものがあってやったんじゃないかと思った。何が欲しいのかは分からないけど」
「………」
「いずれにせよ、あんな世界のルールに屈服して、縛られた戦い方しか出来ないような卑劣な弱者に負けるなんぞ、俺の沽券に関わる」
「どういう意味?」
「秘密を知る人間はそれを知らない人間を意のままに操れる。連中はその力で何も知らない民衆を利用して、正義を量産して、大義名分を手に入れてから戦う。それ以外の戦い方を選ばない。自分達の欲望に責任が持てない、持つつもりが無いから」
「………」
「なら戦うさ。そんな連中認めてやるもんか。例え敵が何百、何千、何万、何億、何兆いようが関係ない。例外なく叩き潰してやる」
ゴクローにとってISと戦う事は生きるために必要なことだ。何時か必ずこんな状況が我が身に起こる事を前提にして生きてきた。むしろ、相手のやる事が気に入らない。
世の中にある理不尽な物事の一つ。弱者は自分の弱さを理由にして強者を攻撃することがある。相手の中身など関係無しに、強い力を持つというだけで排除する事を正義にする。相手の強さを理由に強者への暴力を正当化する。それが気に入らない。
「髪の毛を掴んで引きずり回し、眼を開けさせ思い出させてやる。連中に恐怖の味を思い出させてやる。天と地の狭間には、奴等の哲学では思いも寄らないことがあるのだと思い知らせてやる!」
少佐が居ないのでゴクローは自分に言い聞かせる様に演説する。『どんなに頑張っても何兆はいないよ』と束は思ったが、世界が相手でも戦ってやると改めて宣言する姿に目を光らせている。
「どんなイレギュラーが起こったとしても! 連中がどんな卑劣な手段を使ってこようとも! 束もクロエも連中には渡さん! 俺達に任せて置け! 奴等にたっぷりと敗北を味あわせてやる!」
『DXオーズドライバーSDX』を腰に装着し、デウス・エクス・マキナ号へ走っていくゴクロー。追いかけるアンク。束とクロエが色んな意味で置いてけぼりだが、ゴクローとアンクが振り返る事は無かった。
「兄様……お気をつけて」
「ん。行ってくる」
「あの……必ず、帰って来て下さいね」
「……I'll be back」
後から追ってきたクロエに見送られ、親指とフラグを立てつつラボのハッチへと歩いていく。準備は万端だ。おじやに梅干にバナナ、そして炭酸抜きコーラを補給した。小便は済ませた。お祈りも済ませた。だが、命乞いだけは絶対にしない。
しかし、コンボを使えないのが非常に痛い。このオーズは本家と違って『同色同系統のコアメダル3枚が揃えばコンボが使える』と言う仕様になっていない。コアメダル一枚一枚に戦闘経験をある一定のレベルまで積ませ、それを同色同系統で3枚揃える事で漸くコンボが解禁になる。
更に言うと、恐竜系のプトティラコンボと、怪人系のタマシーコンボは亜種形態を想定していない為にメダルの入れ替えが効かず、6種類のコンボが使えるようになると使用出来るとか言う、謎の制限が掛かっている。使えるまでにどれだけ時間が掛かるのだろうか。
つまり、面倒な事にポケモンのレベル上げの様な地道な努力が必要なのだ。アンク曰く、少佐が俺のモチベを上げる為に設定したのだそうだ。あと、何か有ったら直ぐにコンボに頼るような癖を無くすためとも言っていた。
「言っておくが、コンボが使える様になるまでまだまだ経験値が要る。今回の戦闘中でもコンボは使えないだろう」
「戦闘中にコンボが解禁になる事は期待できないって訳か。つーか恐竜系と怪人系外しておけば良いんじゃね?」
使えないなら搭載する意味は無い様に見える。それよりなら、少佐が趣味全開で作ったであろう、鴻上製の未来のコアメダルを使いたいのだが。
「無理だな。一度登録してからこの二種類は交換できない様にロックが掛かってやがる」
「なにその呪いの装備みたいなメダル」
訳がわからんが何か意味があるのだろうと思っておこう。
しかし、ISが7機もあれば世界でも有数の軍事国家と戦えると言われているが、ざっと見積もってもその5倍はいる。コレを単独で撃破する必要があるわけだが……。
「さて、どう戦うんだゴクロー?」
「誰も殺さずに無力化させる。それが絶対条件だ。」
「ウサギ女はともかく、俺達に関しては殺してでも手に入れようとしている連中を相手にか?」
「それが『仮面ライダー』の流儀ってやつだ。誰も殺さない。束もクロエも渡さない。それが今の俺の欲望だ」
「ふん。出来たら褒めてやる。……いや、この場合こう言うべきか?」
「ん?」
「その欲望、解放しろ」
ナイスな台詞と共にドライバーと融合するアンク。ドライバーにタカ、トラ、バッタのメダルが装填される。とりあえずタトバか。メモリはジョーカー。パッケージは『Type-ZERO』。何時もの装備だ。
『精々期待通りにな』
「ああ……変身!」
『タカ! トラ! バッタ! タ・ト・バ! タトバ! タットッバ!』
タトバコンボに変身し、ラボから魔女の釜の底の様な戦場へと躍り出た。
○○○
世界各国のISが集結する戦場から少し離れた場所。そこからターゲットが現れたことを、ハイパーセンサーで確認した。
「出たぜ。例の『オーズ』って奴だ。まあ、しばらくは高みの見物と行くか」
「―――ッッ!!―――ッッ!!」
「ちっ、面倒なだな。保険だかなんだか知らないが、こんな荷物が必要とはな」
組織に入ったときから気にいらねぇクソガキがブツクサ言ってやがるがしょうがねぇだろ。このまたとないチャンスで、あの篠ノ之束を逃がすわけにいかねぇんだ。
スコールが見たことも無いほどボロボロの状態で帰ってきたときは、心臓が止まりそうになった。左腕は無くなってるし、両足も原型を保っていなかった。スコールをこんな目に遭わせた奴に怒りが湧いてくるが、同時にどんな化物が相手だったのか気になる。
戦闘記録を見せてもらったが、死に損ないのデブが余計な事をしなけりゃスコールが勝ってた。要するにラッキーだったってだけだな、アレは。
今回は人質も確保できたし、奥の手も用意してある。あの『オーズ』とか言うのを奪取するのは問題ねぇ。対IS最終兵器だなんて大層な肩書きがついてるが、そんなレッテルも直ぐに剥がれる。
どれだけ強いか知らねぇが、流石にこの数のISは死んだろ。大半が量産型だが、専用機持ちも混ざってるしな。それでもいくらかは倒すだろうが、倒したISは私たちが全部有効利用させてもらう。
それにお前がスコールをズタボロにした恨みはそう簡単に晴れそうもねぇ。死ぬ前にとっ捕まえて、アジトで生かさず殺さずじっくりと苦しむ様を楽しんでから殺してやる。
「踊れ踊れ、私に地獄を見せてみろ」
最高のタイミングで横あいから思いっきり殴りつけてやるからよ。
○○○
相手が大勢だろうが少人数だろうが、俺のやる事は変わらない。
まずはトラクローで銃弾を弾き、懐に飛び込むか背後をとって、相手のシールドエネルギーをトラクローでゴリゴリ削る近接戦闘。削られたシールドエネルギーが、セルメダルに変換されていく。
『愉快だ! 実に愉快だ! この調子でドンドン稼げ!』
三機のラファールからセルメダルを一通り削った後で、キックホッパーの様にラファールを踏み台にしてバッタレッグで移動する。次々に蹴り飛ばして一箇所に集めた所で、トリガーマグナムを召喚。スパイダーガジェットと合体させて、発射したネットで三機を纏めて拘束。メダルをスキャンする。
『スキャニングチャージ!』
「セイヤァアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
身動きの取れなくなった三機のラファールがタトバキックを受けて、砂漠に放り出される。今度はちゃんと決まって嬉しいが、一度に三機のISを倒したことで相手の警戒レベルが上がった。
今度はパッケージを通常の『Type-ZERO』から高速機動装備の『イエーガー』へと変更する事をアンクに告げる。
『ならコイツに変えろ!』
『クワガタ! トラ! チーター!』
銃弾とレーザーが飛び交う中、コンボチェンジに発生するメダルのエネルギーに守られてガタトラーターにチェンジし、背中に紺色を基調とした可変式大型イオンブースターが装着される。背中のパッケージがいきなり変わったことで、若干の動揺が相手から見られる。
『イエーガー』の可変式大型イオンブースターは上下左右に自在に可動し、急停止から高速飛行中の方向転換も自由自在。単に直線スピードの速いISとは比べ物にならない程小回りが利く事が最大の強みだ。装備事態は軽量化により薄く、一発でも被弾すれば不味いが当たらなければどうと言う事は無い。
クワガタヘッドの雷でダメージを与え、チーターレッグで蹴り飛ばす。相手をスピードで撹乱し、メダルをスキャンして必殺技の発動体制に入る。
『スキャニングチャージ!』
『セルバースト!』
「ララララララララララララララララララセイヤァアアアアアアアアアアッッッ!!!」
ラトラーターコンボほどの出力は出ないが、クワガタコアの雷撃とセルバーストによるトラクローの強化。チーターレッグとイエーガーの加速力と旋回能力で次々と切り裂き、瞬く間に落としていく。
『今度はコレだ!』
『ライオン! ゴリラ! チーター!』
ガタトラーターからラゴリーターへ。ライオネルフラッシュの閃光で視界を奪い、一気に接近してゴリバゴーンの突きや裏拳で次々と殴りつける。一人だけ下に向かって思いっきり投げた。ここで腰のメモリスロットをロケットに変更し、マキシマムスイッチをタップする。
『ROKET・MAXIMUM-DRIVE!』
「セイヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
ロケットメモリは本来、無数のミサイル攻撃を可能にするガイアメモリ。しかし、俺の『仮面ライダーフォーゼ』が使う、文字通り「ロケットで殴りつけるパンチ」のイメージが強かったせいか、ロケットが腕に出現する仕様になっている。
今回は攻撃力が元から高いゴリバゴーンに、ロケットブースターが追加された強化版。フォーゼのロケットステイツを上回る威力を引き出し、先ほど殴りつけた相手に錐揉み回転しながら突撃する。要は『ライダーきりもみクラッシャー』。
突撃された相手は回転しながら吹っ飛ばされてリタイア。地面に叩きつけた奴には強化された『バゴーンプレッシャー』を射出した。爆発を起こしてISが解徐されたのが確認出来る。
ここでふと、空中にいる相手に対してやってみたいメダルの組み合わせが思いついた。メモリをメタルに変更し、メダルの組み合わせをアンクに告げる。
『面白い。見せてもらう』
『サイ! ウナギ! ゾウ!』
目に付いたISをウナギウィップで相手を拘束し、無理やり引き寄せてグラビティホーンを叩き込む。しかし、ウナギウィップの拘束を解かずに振り回し、下に向けて振り切ったところで、更に上に引き上げる。
『セルバースト!』
下から此方に引き寄せられるラファールにゾウレッグの一本足キック『ズオーストンプ』をセルバースト付きで叩き込む。ここでウナギウィップの拘束から解放し、砂漠に落ちていく。ISが解除された操縦者は吐きそうにしている。
『お前……結構エグイ方法を考えるな……』
アンクが引いているが気にしない。次はこのメダルの組み合わせで頼む。
『タカ! クジャク! ワニ!』
タカジャワニへチェンジ。飛び道具をタジャスピナーで防御しながらメダジャリバーを手に突撃する。蹴りと共にワニレッグから発生する、ワニの顎の様なエネルギーが相手のシールドエネルギーを喰らい、セルメダルへと変換していく。ガオウライナーに見えなくもない。
タジャスピナーを開き、中のセルメダル三枚を、ドライバーのタカ、クジャク、ワニのコアメダルに変更する。このタジャスピナーは7枚ではなく9枚のメダルをスキャンできるようになっている。本家よりも出力が高い分消費も反動も大きいが、七枚目のメダルの音声が発声されない事は無い。ちゃんと九枚全部のメダルの音声が流れる。
『タカ! クジャク! ワニ! ギン! ギン! ギン! ギン! ギン! ギン! ギガスキャン!』
『PUPPETEER・MAXIMUM-DRIVE!』
「なんだ!? 炎弾? いや炎の歯車?」
「ヨーヨーだ……」
メモリをパペティアーに変更し、マキシマムドライブを発動。人形遣い記憶を持つこのメモリの能力は操り糸。しかし、俺は相性が良くないのか右の人差し指から一本の糸しか出ない。
しかし、モノは使いよう。そのパペティアーの糸を炎弾『タジャスピナーファイヤー』にくっつけてヨーヨーの様に振り回して、射程内のISに様々な角度からぶつけて戦闘不能にしていく。
『おい! 出来るだけセルを消費するな! 近接戦闘メインでいけ!』
セルを一気に6枚消費した所為でアンクに怒られた。じゃあ、お前に任すからメダル変えてくれ。
『ちッ! じゃあ、コイツはどうだ?』
『サソリ! カニ! コンドル!』
本作初登場。甲殻類系コアメダル。順番は頭からサソリ・カニ・エビだ。理由はノブナガグリードの鎧に頭にサソリ、腕にカニ、足にエビの意匠が刻まれていたから。
サソリコアメダルは、黒いサソードと言った感じの外見だ。特殊能力は尻尾の針に該当する部分からの毒液の注入。身体を流れるラインドライブを介して、毒液を腕など他の部分に添付する事もできる。
カニコアメダルが一番悩んだ。少佐とも随分話し込んだ。最大の問題点は鋏をどうするか。結果、劇場版『るろうに剣心 京都大火編』で十本刀のニワトリが鋏状になる後期型殺人剣を使っていた事で、『二刀の合体する事で鋏になる剣』で決定した。落語家高校生も結構捨て難かったのだが仕方無い。蟹刑事? 知らないな。
武器の名前は『シザースカリバー』と少佐がカッコよさげな名前に勝手に決めていた。俺は『カニバサミ』とかでいーじゃん、いーじゃんと言ったのに聞いて貰えなかった。解せぬ。しかし、代わりに一つ機能を追加してもらった。
両肩に備えられたカニバサミ改め、シザースカリバーを取り出す。見た目では剣と言うよりは鎌。ぶっちゃけ、鍔の無い逆刃刀に見えなくもない。俺はきっちり刃の付いた方を使うが。
合体機能は鋏状の他にもう一つ。少佐がカリバーと名付けやがったから、シャイニングカリバーみたいな薙刀モードを追加してもらった。『もうそれ鋏じゃない』とドクが言っていたが無視した。
薙刀モードのシザースカリバーを高速回転させて銃弾とミサイルを防ぐ。懐に入り武器を破壊して、コンドルレッグの真空波を纏った連続キックを浴びせて空中で一回転し、連結を解いたシザースカリバーで×字に切り裂く。
『セルバースト!』
「セイヤァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
最後の締めはライダーカッティング。鋏状に連結したシザースカリバーから発生したエネルギーで挟み込み、相手を切り裂き戦闘不能にする。大分数を削ったと思うが、残りはどれ位だろうか。
『撃破したのは17機。残りは19機。そろそろ本命が来るぞ』
全部で36機もいるのか。本命ってどんな奴だと思っていたら、高速で此方にウィングガンダムの様な機体が迫る。高く舞い上がり翼を展開したと思えば、翼から無数のエネルギー弾を放ってきた。
『第三世代IS「銀の福音【シルバリオ・ゴスペル】」。アメリカ・イスラエルで特殊射撃による広域殲滅を目的に共同開発された射撃特化型の軍用ISだ。コイツで行ってみろ!』
『タカ! カニ! チーター!』
同じように連結したシザースカリバーで弾雨を弾き接近を試みるが、撃ってくるエネルギー弾の数が多く、着弾すると爆発する上に連射速度も高い。更に相手の機動力が高い事もあって中々距離を詰められない。専用機だけあって一味違う。タジャドルコンボならいけそうだが今は使えない。
そう思っていたら、エネルギー弾が可変型大型イオンブースターに被弾し爆発した。そのまま空中に放り出される。落下する俺達に容赦なく追撃のエネルギー弾が迫る。
『コイツでやり過ごせ!』
『タカ! カメ! ゾウ!』
落下しながらも、タカカゾにチェンジ。更に両手を合わせてオレンジ色のエネルギーシールド『ゴーラシールデュオ』を張る。そんな防御体制を取ってやり過ごそうとする俺達に今度はタイガーストライプの機体が急接近してきた。
「オラァアアアッッ!!」
「ぐぅうう!!」
『ゴーラシールデュオ』の上から思いっきり殴りつけられ、そのまま砂漠に叩きつけられる。これをチャンスと思ったようで、上空から次々と此方に向かってレーザーやミサイルが発射される。逃げ場が無い。ゾルダのエンド・オブ・ワールドを喰らう気分だが、近くに誰もいないのでガードベントの発動は不可能だ。
『ちっ! 次々来るぞ、どうする! 『ゾーン』で逃げるか?』
敵は軒並み上空から撃ってきている。むしろ、ここら辺が『パンツァー』の使い時だと思うが、どうだ?
『それならメダルも変えろ!』
『クワガタ! ゴリラ! ゾウ!』
『QUEEN・MAXIMUM-DRIVE!』
ガタゴリゾにチェンジし、パッケージを『パンツァー』に変更。濃淡2色の緑からなるカラーリングの超重量の装甲に覆われる。ゴリラアームとゾウレッグによる強化のお蔭で何とか動かせるレベルの重さだ。
更にクイーンメモリのマキシマムで防御力を強化する。本家では使われなかったが、クイーンメモリは鉄壁のバリヤーを張る能力だ。断じてAKBな女子高生に変身するメモリではない。エリザベスメモリなんて無い。
動けないと判断して威力の高い遠距離武器に変更したのか、先程よりも強い容赦のない弾雨が降り注ぐ中、反撃の準備を着々と始める。ターゲットスコープ起動……と。
『面だ。面を意識して攻撃しろ』
うむ。とりあえず、銀の福音を最優先して攻撃だ。しかし気分はベルドナットを取り込んだセラスだな。
『セルバースト! セルバースト! セルバースト! セルバースト! セルバースト! セルバースト! セル……』
『おい! 何枚使う気だ! もう止めろ!』
いや、面を意識してって言うから、点が面になるくらいまで強化された極太のビームを撃ってやろうと思ったんだ。アンクが抗議するが無視して10回セルバーストした。
『くそ……必ず当てろよ!』
局所的で猛烈な強いゲリラ弾雨は数分で収まった。砂埃が収まって視界がクリアになる。俺が未だに健在なのを見て、動揺する顔が見える。
「オイオイ嘘だろ!?」
「あれだけの数を撃ち込んで無傷ですって!?」
『TRIGGER・MAXIMUM-DRIVE!』
マキシマムを鉄壁防御のクイーンから、火力重視のトリガーに変更。ターゲットを銀の福音に定める。
「セイヤァアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
重砲ハイブリッドキャノンから極太のビームが放たれ、回避行動を取ろうとした銀の福音の片翼に被弾する。だが、まだ終わらない。マルチロックオンシステム起動。装甲内部に搭載されているミサイルポッドを全部開き、更に超大型ガトリングガンを展開する。
「ミレニアムの科学力は……世界一ィィイイイイイイイイイイイイイイイッッ!!」
空を覆わんばかりの数のミサイルをお返しとばかりに『銀の福音』に向けて発射する。
「きゃあああああああああああああッッ!!」
単純に圧倒的な物量で押す。機動力を奪われた銀の福音は回避行動を取ろうとしたが、回避しきれず多数のミサイルに次々被弾し、撃墜された。銀の福音を撃破した後も、周囲に展開している連中を相手に、ミサイルも弾薬も全て使い切るつもりで発射し続け、さらに振り回してガトリングの銃口の向きを変える。
「オイオイ、あのガタイで動けんのかよ!」
このパッケージを見て身動きが取れないとタカを括っていたな。さっきまでしこたま撃ち込んでくれた連中が回避行動をとる様は、まるで殺虫剤から逃げ惑う蝿を見る様だ。しかし、物凄い振動と轟音と発熱だ。しかし、大量の弾薬を一気に消費するのは気分がいい。全ての実弾を使い果たし、大量のISを一気に撃墜する事に成功したが、無理に振り回した所為で両膝を痛めたようだ。
しかし、一機だけ猛烈な勢いで此方に向かってくるISがいる。さっき殴りかかって来たタイガーストライプの機体だ。
『アレは「ファング・クエイク」。近距離型の機体だ。パージして早くコイツに変えろ!』
アンクが急かすが、ただパージするつもりは無い。ファング・クエイクがナイフを投擲するのに合わせて一手加える。
『CYCLONE・MAXIMUM-DRIVE!』
メモリをトリガーからサイクロンに変更しマキシマムドライブを発動させる。風を操るこのガイアメモリは、周囲の風を吸収しスタミナアップの効果を齎す事もできる。本来は動くなり落ちるなりして風を受ける必要があり、身動きが取れない状態ではその能力を使う事が出来ない。しかし、今回は爆風だが周りに風が吹いている。それを装甲の隙間から取り込み、圧縮して一気に解放する。つまりは……。
「キャストオフ」
高い防御能力と相当な重量を持った装甲を空気圧で散弾の様に吹き飛ばす。装甲のパージと相手への牽制を兼ねた攻撃だ。ナイフは散弾と化した装甲にぶつかって砕け、ファング・クエイクにもぶつかって、その足を僅かだが止めた。
『サイ! ゴリラ! タコ!』
サゴリタにチェンジし、パッケージも『Type-ZERO』に変更する。タコレッグは柔軟性に優れ、その構成は動物の軟骨組織に近く、この構成により完全に痛めてしまった両膝が非常に楽になった。なるほど、タコレッグにはこんな使い方もあるのか。
「オラァッ!」
「セイヤッ!!」
拳と拳がぶつかり合い火花が散る。近接格闘型は他にもいたが、全員が近接ブレードを使っていた。それに対してこの相手は完全に徒手空拳で戦っている。
「拳で戦う女、嫌いじゃないぜ!」
「ははは! アタシも嫌いじゃないぜッ!」
おっと、つい口に出していってしまった。なんか純粋に楽しんで戦っている感じだ。しかし、徒手空拳のIS操縦者は予想以上にやりづらい。有効打を与える数は此方の方が多いが、相手も確実に此方に有効打を与えてくる。このままでは分が悪いと思ったのか、相手が距離を取った。
「成功率は40%程度だが……ココで決めるぜ!」
なるほど、必殺技で決めるつもりか。いいだろう、受けて立つ。
『HERT・MAXIMUM-DRIVE!』
メモリをヒートに変更し、マキシマムを発動させる。両腕のゴリバゴーンに熱が集り、拳に炎が宿る。両腋を締めてファイティングポーズを取り、真っ直ぐにファング・クエイクを見つめる。
「来いッッ!!」
「!! いいぜ! いいぜ! 惚れちまいそうだぜ、アンタァ!!」
実に嬉しそうな声を上げて突撃するファング・クエイクは、四基のスラスターを使用した『個別連続瞬時加速【リボルバー・イグニッション・ブースト】』によって生まれる圧倒的な加速を乗せた右ストレートを繰り出してくる。それに対して左手を突き出すが、拳ではなく掌で受け止める。凄まじい衝撃が左腕を襲うが耐え切り、相手の拳を握り締める。
『セルバースト!』
セルバーストの発動により、炎を纏ったゴリバゴーンが更に激しく発熱し、白く輝いている。
「ッッ!! そう来るかよッッ!!」
「セイヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
渾身の一撃をファング・クエイクに向けて解き放つ。ファング・クエイクは左拳で迎撃するが、腕部装甲が耐え切れずに粉砕。そのままゴリバゴーンがファング・クエイクに叩き込まれ、吹っ飛んでいった。飛ばされた先で解除された事を確認。
確認出来るISは、残り6機。
キャラクタァア~紹介&解説
ナターシャ・ファイルス
アメリカのテストパイロット。専用機の『銀の福音』をアニメで見たときは、見た目ウィングガンダムだと思った。でも無人機設定で出番なしのリストラ組だった……。
今作ではイエーガーユニットを破壊するが、パンツァーユニットの『弾幕はパワーだぜ!』を受けてリタイア。結果として二つのパッケージを使用不能にし、オーズ本体の膝を負傷させるなど、実は大金星だったりする。
イーリス・コーリング
アメリカの代表操縦者。アニメではナターシャの問題もあってリストラ組。スポーツの筈のIS競技の国家代表が軍属って実際どうなんだろう。でも、嫌いじゃないぜ!
絶頂を覚えるような弾幕の嵐を突っ切る根性と徒手空拳の戦い方で地味に苦戦させたが、ヒートマキシマム+セルバーストのゴリラパンチでリタイア。でも満足した。この戦いの後、ナターシャと酒を飲みながら真っ向勝負を振り返り『野朗、とんでもねぇタマだったぜ……』とスカーフェイスのヤクザの様に語った。
恋愛コンボ
公式が病気と云われた一発ネタにして伝説のコンボ形態。ラブコンボ、ラララコンボ、キュアオーズなど様々な異名を持つ。何気に本作初の統一メダルのコンボだったりする。スキャニングチャージすればピンクのハートを撒き散らす『萌え萌えきゅ~ん♪』な必殺技を発動できる。
甲殻類系コアメダル
劇場版『MOVIE大戦CORE』で登場した黒いコアメダル。ピクシブ見ると、メダルの順番はエビ・カニ・サソリらしい。でも今作はサソリ・カニ・エビ。サソリがサソード、カニがガタック、エビがアクセルを参考に手を加えた感じ。
他の人とダブらないように色々考えたら、カニメダルの鋏がおかしな方向に。原因である劇場版『るろうに剣心 京都大火篇』は、どうみても野上良太郎VSアンクに見える。ノブナガは戦国時代で剣心は明治時代だけど。