遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

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作者(以下( ゚д゚))「えーでは、時間をすっ飛ばして三月です」

潤「飛ばし過ぎじゃね?」

( ゚д゚)「いやだって、極東戦役と緋々神関連が終わっちゃいましたし、進級するまで日常シーンくらいしかないですよ」

潤「読者様が求めてるのは日常系(ギャグ)だと思うぞ」

( ゚д゚)「ルビから感じる自覚症状よ。
 あと、恋愛関係のイベントは一気に終わらせたいんですよね。伏線回収とか絶対に出来ないんで」

潤「鶏以下の記憶力な奴が、年単位の伏線回収とか出来るわけないわな」

( ゚д゚)イウナシ

( ゚д゚)「さて、潤。覚悟はOKです?」

潤「俺は出来てる、向こうは知らん」

( ゚д゚)「展開は私にも分からん」

潤「引くくらいプロット書いてないからな、この作品。ガチで勢いだからどうしてこうなったな展開が多いし」

( ゚д゚)「どうしてこうなった」

潤「オメーが書いたんだよ」


第三章 お返しはちょっと豪勢くらいがいい、マウントを取れるから

「犯人はあなたですね、執事殿」

 

「な!? 何を根拠に仰ってーー」

 

「犯行時刻、部屋の間取り、凶器、そして動機。その全てについて知っているのは、あなただけなんですよ。完全と言っていたアリバイを崩すことも、なんなら犯行現場の再現も出来ますよ?」

 

「ぐ……仕方ないのだ、奥方様が、奥方様が……

 

 

 私をハンガーで叩く快感に目覚めてしまったのだ! 

 

 

 こんなバカげたことを止めるためには、こうするしかなかったんだ……」

 

「いや他にあるでしょ、なんで凶器が壺なんですか」

 

 どこぞの鉱山司令かあんたは。

 

 

 はいどうも、遠山潤です。なんか最近しょうもない依頼が多いんだけど、気のせいだろうか。高天原先生から警察だと動きにくい相手だからお願いね? って言われて受けたけどさ、なんだこれ。

 

 解決したのに意味が分からなかった。被害者も階段から落ちて気絶しただけでケガもねえし、なんだこれ(二度目)

 

 さて、本日は3月14日、ホワイトデーなり。ウチのメンツ+αにはほとんど渡したのだが(何人かから襲われそうになった、イメージカラーの宝石を使ったアクセサリーだけでどうしてこうなった)、まだ渡せてないバカ筆頭が一人。

 

「理子の奴、用がある時に限って携帯が死んでやがる」

 

 電池切れか、はたまたサイレントマナーにしてるのか。こういう時は足で行くしかないのだが、魔力を探れば大まかな場所は分かる。魔術師って便利だよな(無駄遣い)

 

 というわけで、お台場に到着。依頼とかの用事がないとわざわざ来ない場所だから、あんまり詳しくない。スイーツ関連は網羅してるんだけどな(全部制覇した顔)。

 

「さーて、あのアホンダラはどこにいるのやら」

 

 「お返しは十倍でいいよー」とか言ってたくせに、見つけられなきゃ渡すことも出来ないじゃねえか。

 何か弄ばれてる気がするし、見つけたら凹ーー

 

「あれ? 遠山先輩? ひょっとして峰先輩を探してます?」

 

「おう火野さん、偶然。超偵もビックリな正解を出したけど、心読めるようになった?」

 

「出来るならやりたいですよ、麒麟に振り回されなくて済むんですから……」

 

 たまに訓練を付けてやってる後輩、火野さんは溜息を吐く。言いながら口元にやけてるぞ、相変わらず仲が良い(意味深)なようで。

 

「女心は秋の空って言うしな」

 

「遠山先輩は季節外れの台風って感じですよね」

 

「予測出来ない災害って言いたいのかコノヤロー」

 

 その評価は理子に与えるべきだよ(五十歩百歩)。

 

「さっきカフェ近くで峰先輩に会ったんですよ。「理子と会ったこと言うなよ、絶対に言うなよ!? 特にユーくんには!」って言ってましたけど。

 ……フリですよね、これ?」

 

「だろうから教えてくれ、そろそろホワイトデーのお返しを叩きつけてやりたい」

 

「相変わらず仲良いですねー、お二人は」

 

「戦妹を溺愛してる火野さんには負けると思う」

 

「そーそー、最近「お姉様に愛されるため、カワイイの成長期中ですわ!」とか言ってたんですけど、これがマジでーーいや何言わせるんですか!?」

 

 赤い顔して叫んでるけど、語りだしたのお前さんだからな。もう早く結婚しろよ、ご祝儀は多めに包むからさ(生温い目)

 

 まあ雑談を挟んだが、理子の居場所を教えてもらったのでそのまま向かうことに。  

 

 火野さんにはお礼として、女子のペアだとセールになる喫茶店のサービス券あげた、「行かないですよアタシには難易度高い!?」と言いながらも興味津々だったのバレバレだからな、仲良くしてこい。

 

「ーーあん?」

 

「どーん!」

 

「ドンドンパ!?」

 

 向かってる途中気配を近くで感じたと思ったら、後ろから理子が抱きつきという名のタックルをしてきた。なんで体当たりの殺意が高いんだよ、内臓飛び出るかと思ったわ。

 

「やほーユーくん! お探しのラブリーりこりんはこっこですよ~。

 くふふー、ねえビックリした? ビックリした?」

 

「二か月で原田の気配遮断術をマスターしつつあるお前に、脱帽と嫉妬してる」

 

「コツを掴んだからいけるぜ」

 

 いや無理だから、あいつのは知識とか見てどうにかなるもんじゃなく、独自の感性と理論で構成された技術だし。

 寧ろなんで不完全とはいえ出来てるんだよ、こいつを無能呼ばわりしてたやつの気がしれねえ(白目)

 

「くふふ! 探知でユーくんを出し抜けるなんて、せっちーの技はやっぱりすごいんだねー。

 さあそんなことは置いといてユーくん、デートとしゃれこもーぜ! 理子を見つけられなかったから、全部奢りで!」

 

「いつの間に勝負事になってたんだよ」

 

 あと原田をそんな風に呼ぶ度胸のあるやつ、お前だけだと思う(褒めてない)。

 

 まあ今回は負けた気がするので、素直に奢ってやるとしよう。

 

 

「わーこれキレ―! ユーくん、これ欲しい! 理子のコレクションにする!」

 

「それ同じの三つ目じゃなかったか、俺の記憶がたしかなら」

 

「いいものは何個でも欲しいんですよ! 保存用、布教用、観賞用って言うでしょ?」

 

「それお前の場合は漫画かラノベかゲームだろ」

 

 そもそも擦り減るくらいまで読んだり遊ぶ俺に言うな、本は消耗品だぞ(真顔)

 

 さて、理子の気の向くままに引っ張り回されているわけだが。お返しを渡すタイミングねえなあ、というか渡そうとすると「次あっち!」って言ってどっか行っちまうのだ。要らねーのかお前は(真顔)

 

「そしてここまで来てゲーセンである」

 

「新発売のア〇ちゃんを取るまで、理子は逃げちゃダメなんだ……!」

 

「節約からは逃げてるけどな」

 

「理子の辞書にそんなもんはぬえ!」

 

 知ってた、そして結局取るのに二千円かかった、最後にやった俺が。まあ本人嬉しそうだからいいけどさ、マジで人のサイフを容赦なく削るねあーた。

 

「くふふー♪ 楽しーなったら楽しーな♪ アリアんやユーくんと一緒に戦ったり、御南で騒いだりするのもいいけど、こうやって二人っきりなのもまた至福だよねえ」

 

「一番騒いでるのお前だけどな、大抵。

 で、理子。ホワイト」

 

「さー次どこ行こっかなー」

 

「よし、こいつはいらないってことでいいな」

 

「ごめんなさいふざけすぎたから捨てないで!?」

 

 海に用意したプレゼントを投げてやろうとしたら、全力で腕にしがみつかれた。涙目になるくらいなら最初からやるな。

 

「何がしたいんだお前は」

 

「え、あのいやー……改めて貰うとなると恥ずかしいっていうか、なんというか。

 あ、あれだよ、心の準備が必要だってこと! アンダスタン?」

 

「今思い付いただろその理由」

 

 大体準備も何も、お返し貰うだけだろうに。

 

「ユーくんのお返しはただ貰うには意味深すぎるんだよなあ……今日何回襲われれかけたの?」

 

「白雪に一回、マイシスターに一回、リサに二回」

 

 リサぇ……このエロメイド……とか理子が呻いてる。その手のことに一番積極的だからな、ウチのメイドは。体育倉庫に閉じ込められた時はもうダメかと思ったわ(遠い目)

 

「何その薄い本みたいな展開、詳しく。

 ……はっ! じゃなーくーてー! デート中に他の女の子の名前を出すなんて、りこりん激おこですよ激おこ! ぷんぷんがおーだぞ!」

 

「お前が話題振ったんだろ。ほら、もういいから貰っとけ」

 

「うわっぷ!? ちょ、押し付けなくてもいいじゃん! ユーくんのデリカシーなし!」 

 

「オメーにだけは言われたくない」

 

 素直に受け取ってれば、こんな渡し方しなかったわ。もう夕日が落ちそうなんだぞ、お月様がこんばんはするわ。

 

「いやそうだけどさあ……これ、懐中時計?」

 

「チェーン付きで携帯にも便利なサイズにしといた。邪魔にならない程度にイエローダイヤモンドも付けてみたぞ。

 あと、これも」

 

「……あ。これ、ロケット?」

 

「思い出は大切にするんだろ。ご両親か仲間か、好きな写真を入れるといい」

 

 こいつが写真撮るのは思い出作りが半分だからな。残り半分? スケベ心(真顔)。

 

 あとは理子の好物のチーズタルト、市販のより数倍は甘いやつ。正直、チーズ要素あるかは若干怪しい。

 

「……もー。手作りでこんなのとか、大切にするしかないじゃん。

 ありがと、ユーくん。末永く使わせてもらうね」

 

「寝ぼけて踏み潰すなよ」

 

「理子を何だと思ってるんですかねえ、こーの乙女心スルーマンは」

 

「三徹でゲームぶっ通した挙句、薄型P〇2を枕と勘違いしてぶっ壊した阿呆」

 

 うぐうとか呻いてるが、事実なので何も反論できない理子。しかも直したの俺だし、リサはご立腹だったからな。 

 

「と、とーにーかーくー! これはちゃんと大事に扱うから、大丈夫ですたい!」

 

「その返事で不安だよ、まあ壊したら直すからちゃんと言えよ。

 ……で、だ。理子」

 

「ひょえ? な、何ユーくん、急にマジ顔になって」

 

 なんだその声、始めて聞いたぞ。いつも自分からくっついてくる癖に、こっちから行くと固まるよなコイツ。

 

「バレンタインの返事、だよ。まさか忘れた訳じゃねえだろ?」

 

 ご丁寧にキスまでしてメッセージ渡してきたんだし。

 

「あ、うん、はい。もちろんです」

 

 何キャラだよそれ。

 

「「……」」

 

 そして何だ、この微妙な空気。カップル以外の野次馬が興味深そうに足止めてるぞ、こっち見んな。

 

「……ふう」

 

 まあ、躊躇しても仕方ないか。

 俺は息を吐き、口を開いてーー

 

「ちょ、ちょーーっと作戦タイム!」

 

 想いを告げようとしたら、アワアワした理子に手を突き出されて止められた。

 

「…………お前なあ」

 

「えっと、あの、そのーーごめんユーくん、後ろ向いて! 理子もそれまでに、心の準備を整えるから!」

 

「……まあ、いいけどよ」

 

 完全に出鼻挫かれた。そう思いながらも、素直に後ろを向く。まあ動揺したまま受け取るより、マシと考えーー

 

 

 

「そおい!!」

 

 

 

「は?」

 

 急接近してきた理子が背後から俺の腰を掴み、全力で空に放り投げられた。いやどういうことーー

 

 ドボン。疑問が晴れぬまま受け身も取らず柵を超え、頭から川に落ちる俺。三月半ばということもあり、中々冷える。

 いや違う、そうじゃない。

 

 『さ、サラダバー!!』

 

 水中だったが、理子が叫んでダッシュしていく音が聞こえた。魔術って便利だよな(二度目)

 

「…………いつぞやのお返しか、コノヤロー」

 

 周囲がざわつく中、ずぶ濡れの俺はさぞかし目が据わっているだろう。次はコンクリ漬けで沈めてやろうか、マジで。

 

 

 

「あーうー、やっちゃったよお……これもう絶対にダメな奴じゃん、やっとだと思ったのにい理子のバカあ……

 でも、でもなあ……」

 

 

 

おまけ 帰宅後の第三男子寮

「バカね」

 

「バカですね」

 

「バカだね」

 

「バカとしか言いようがないね」

 

「バカかと」

 

「理子様、愚かにも程があります」

 

「リサが一番辛辣辛辣ですねえ!? というか満場一致で理子がバカですか!?」

 

「バカ以外どう言えって言うのよ、このバカ。

 ジュンも大概だと思ってたけど訂正するわ、アンタの方が酷いわよ理子」

 

「恋愛ゲームなら、積み上げてきた好感度が一瞬で台無しにする最低最悪の選択肢ですね」

 

「理子さん、潔く腹を切りましょう」

 

「ユキちゃんの目が本気で怖いんですけど!?」

 

「当たり前でしょこの大馬鹿! 潤ちゃん不貞寝しちゃったんだよ、部屋に結界をガッチガチに張って、『起こしたら殺す』って張り紙まで張って!

 もう抜け駆けされたとか以前に、潤ちゃんが可哀想すぎるでしょ!? 出てこなかったらどうするの!?」

 

「ごめんなさいマジでごめんなさい白雪姉様、理子もさすがにあれは無いと思ってるんですホントです! 心の底から反省してます」

 

「謝るなら私じゃなくて潤ちゃんに謝りなさい!! あとあなたのお姉ちゃんじゃありません!」

 

「おー、白雪お姉ちゃんが長女と恋愛強者の風格を醸し出してる」

 

「……妹様、今後についてどう思います?」

 

「いやまあ、もうダメなんじゃないかなあ。

 ……と言いたいけど、お兄ちゃんのことだから明日にはケロッと顔出すかも」

 

「ご主人様の懐の深さは、底知れないですね……」

 

「まー聞いた限りだとお兄ちゃん、似たようなこと理子お姉ちゃんにやられてるからねえ。今回のが一番ひどいと思うけど」

 

 この後封じ布を吹き飛ばした白雪に、滅茶苦茶説教された。

 

 

おまけ2 次の日の朝

「あ……ユーくん、あの「はいドーン」ぬあー!? ちょ、暗!? 何被せたの!?」

 

「バケツね」

 

「バケツですね、灰色の」

 

「バケツ!? バケツナンデ!? ちょ、ユーくんとって、これ前が見えぬえ!?」

 

「うるせえ、今日一日はそれで過ごしてろ」

 

((((あ、まだ怒ってた))))

 

 

おまけ3 更に翌日

「にゅあああああ痛い痛い痛い!? ちょ、ヌエっち、足の小指は本当にダメだってえ!?」

 

「うふふ、次はどこにしますかねえ……」

 

「チクショウ恍惚としてて全く聞いてくれねえ! でもその表情も理子的にはおいしーー

 あちょ、耳に付けてるのは引っ張らないでーー」

 

「えい」

 

 

 みぎゃああああああ!?

 

 

「……ナニコレ、新手の拷問?」

 

「あ、ジュンお帰り。白雪からのお達しで、理子に罰ゲーム中よ。内容はメヌにお任せで」

 

「考えうる限り最悪の組み合わせだな、それでクリップまみれにされてるのかアイツ。

 うーん、その時々で一番痛いとこを的確についているところに、職人の技を感じる」

 

「どんな職人よそれ。まあ、我が妹ながらどうかと思う所業だけど……」

 

「あ、ユーくんボスケテ!?」

 

「あらあら、ジュンに助けを求めるなんてーー理子は反省の意味が分かってないようですね?

 では、もうちょっとレベルを上げていきましょうか♪」

 

「えちょ、ヌエっち待って、そこは捻じらないでえええええ!!!??」

 

「…………」

 

「引いてやるなよ、妹だろ」




あとがき
 理子ぇ……書いてみたら想像以上にひでえなこれ、どうしてこうなった(白目)
 
 というわけでどうも、ゆっくりいんです。罰ゲームで告白ドッキリってのはありますけど、それ以上に酷いんじゃないですかねこれ。皆さんやられたらどんな顔します? 私は真顔になると思います。
 
 ……という感じで、次回に続きます。まあ潤だし、どうにかするかどうにかなるでしょう。……マジでどうなるんだろ(知らん)





ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

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  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

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