遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

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作者(以下( ゚д゚))「鍋の美味しい季節になりました」

潤「そう言いながらこの話を出すのはどうかと思うが」

( ゚д゚)「お鍋の話ですよ?」

潤「闇って付く方のな」

( ゚д゚)「あ、時系列は文化祭終了直後です」

潤「今更過ぎね?」





小話 食材は合わせ方次第で天国にも地獄にもなる

「なんで、なんでよりにもよってこのメンツなのよ……!」

 

「あ、アリア落ち着いて、ね? きっと大丈夫だから……」

 

「アリア様大丈夫ですよ、幾らなんでもこの状況なら、理子様やご主人様でも……」

 

「だってこいつらよ!? メヌはともかく、他二人が致命傷通り越して即死級じゃない!?」

 

「劇物扱いされてる件について抗議せざるを得ない」

 

「りこりんとユーくんは上告を望みま~す」

 

「お姉様が苦悩する姿、いつ見てもいいですねえ。理子、写真お願いします」 

 

「食事前から堪能してるんじゃないわよメヌ!?」

 

 うまい、のかもしれない返しである。どうも、遠山潤です。

突然だが、東京武偵校には悪しき伝統と呼ぶべき文化がそこそこある。上級生が絶対的強者になる縦社会構造とか、戦略室とか。

前者に関しては色々やったのでほぼ機能していないが、その話はまた今度にでも。

 

 さて、今アリアが頭を抱えている原因だが。悪しき伝統の一つ、文化祭後に行われるチーム単位での鍋パーティー、『武偵鍋』である。

 

 一見すると、チームの結束を深めるための良い行事なのだが、

 

「なんで、『ハズレ』の食材を持ってくるのがこの三人なのよ!? よりにもよって!?」

 

「くじ引きだから致し方なーし!」

 

「別に食えないもんは用意してないから大丈夫だ、問題ない」

 

「ジュン、あんたクジに変な細工したんじゃないでしょうね!?」

 

「何故真っ先に俺を疑うし」

 

「お姉様、メヌの推理が確かなら、これは純粋なくじ引きの結果ですよ」

 

「くっ、アタシの勘もそうだって伝えてるわ……! 神は死んだのね……!」

 

「ダイスの女神は微笑んでそうですわよ、お姉様」

 

「それ厄神の類でしょうが!?」

 

「稀に味方するぞ、稀に。

 というか分かってるなら疑うのは良くないと思いまーす」

 

「どう考えても普段の行いでしょうが!? 少しは自覚しろ!?」

 

「自覚はしている」

 

「だが反省も後悔もしてないよ!」

 

「知ってたわよガッデム!!」

 

 中指立てないの、女子なんだから(違)

 

 さてアリアの言うとおり、武偵鍋はただの鍋にあらず。チームで『アタリ』と『ハズレ』の担当に分かれ、食材を持ってくるのだ。 

 

「そしてハズレ担当は私、遠山潤と」

 

「みんな大好き峰りこりんと!」

 

「お姉様大好き、メヌエット・ホームズになります」

 

「ノリと勢いで最悪にするジェットストリームアタックが揃うってなんなのよ!?」

 

 車椅子の上で微笑んでるメヌを中央に、左右でポーズを取る俺達にカリスマガードとなるアリア。ついに妹もヤベーの扱いするくらい追い詰められたか(原因の一角)

 

「だーから、普通に食べられるもの持ってきたっての」

 

「じゃあ何持ってきたか言いなさいよアンタ達!?」

 

「マーマイト」

 

「ジンギスカンキャラメル」

 

「アボカド」

 

 順に理子、メヌ、俺である。

 

「待って、もうツッコミどころしかないからちょっと待って、順番にコメントさせて」

 

 チョイスを聞いた白雪は盛大に顔を引きつらせ、味付け担当のリサは、どうにかして食べられるものにならないか苦心して調味料の選別に悩んでいる。

 レキ? 我関せずこの乱痴気騒ぎをイラストにしてるよ。

 

 感情が一周回って冷静になったっぽいアリアが、手で額を押さえながら一度深呼吸。一間開けてから顔を上げると、青筋を浮かべながらこちらを睨みつけてきた。

 

「まず理子! なんでよりにもよってそれ持ってきたのよ!? 

 しかもそれ、食材というより調味料の類でしょうが!」

 

「いやあ、アリアんとヌエッちも日本暮らしが長くなってきたじゃんじゃん?

 そろそろ故郷の味が欲しくなるかなーと、りこりんは思ったのですよ」

 

「その心意気が一番欲しくないもののせいで台無しじゃないの!? アタシ達(イギリス人)でも好み分かれるわ!」

 

「好き嫌いはいかんぞーアリア。それじゃあ大きくなれん」

 

「色金のせいで成長が止まってるって言ったのアンタでしょうがジュン! というか順番じゃないんだから黙ってなさい!

 あと理子、アタシがマーマイト嫌いなの知ってるでしょ!?」

 

「だから選んだので「風穴打ち上げ花火!!」ストライクノワール!?」

 

 蹴り上げで天井に吹き飛び、そのまま突き刺さる理子。スカートの中身見えるぞアリア(違)

 

「次、メヌ! 理子よりはまだ食材だけど、それお菓子の類でしょうが!?」

 

「以前試しに買ってみたのですが、ちょっと独特な味が合わなかったので……死蔵していたものを持ってきました」

 

「遠回しにまずいって言ってるでしょそれ!? 武偵鍋は不良在庫の処分セールじゃないのよ!」

 

 一発引っ叩かれるだけで済んだメヌ。「お姉様、ひどいです」と嘘泣きで頭をさすっているが、天井に頭から突き刺さった理子と扱いの差が凄い。 

 

「最後にジュン!」

 

「おう」

 

「……なんでアンタだけ、まともな食材持ってきたの?」

 

「素で言われてもこっちが困るんですがそれは」

 

 本気でこいつおかしくなったかみたいな視線を向けないでくれ、俺は正常だよ。

 

「そもそもハズレの条件は、『普通鍋に入れない食材』だろ。買い過ぎたから剛達のチームにも分けてやったし」

 

「いやまあ、そうなんだけど……

 アンタのことだから、バカ理子と合わせてドリアンか、最低でもくさやくらい持ってくると思ってたわ」

 

「シュールストレミングは候補に入れてたぞ」

 

「食べ物というよりBC(生物)兵器の類でしょうがそれは!?」

 

「ガスマスク装備なら大丈夫だ、問題ない」

 

「そんなもの用意する時点でおかしいことに気付け!?

 まあ、そっちが選ばれなくて良か――」

 

「じゅ、潤ちゃん、それ、それは本当に……」

 

「ご主人様、リサは、リサは……初めてご主人様を、恐ろしゅう思います……」

 

「……ちょ、ちょっと白雪、リサ? どうしちゃったのよ? 

 アボカドはまとも、というか美味しい食材じゃない」

 

 横にいた二人の取り乱しっぷりが怖くなったのか、恐る恐る声を掛けるアリア。無知は時に救いなんだよなー(確信犯)

 

 白雪とリサは一瞬顔を見合わせ、悲痛な覚悟を宿した顔で口を開く。

 

「あのねアリア、アボカドは色々な調理法があって、実際美味しいんだけど……茹でたりするのって、ないよね?」

 

「……そういえば、そうね」

 

「……アリア様、アボカドは湯煎するとですね……えぐみと食感が、凄いことになってしまうんです」

 

「……簡単に言うと?」

 

「クッソマズいです」

 

衛生兵(メディック)ーー!? ワトソンいないの!? リサが壊れたー!?」

 

「いや正常だから、お前が落ち着け」

 

 このメイドから出たとは思えないセリフだから、混乱するのは分かるけどよ。

 

「元凶はアンタでしょうが!? 理子とメヌ以上にヤバいもの持ってくるんじゃないわよ!?

 いいジュン、それ絶対に入れるんじゃないわよ!? 絶対よ!?」

 

「え、アリアが騒いでる間に投入しタングドシャ!?」

 

「何してくれてんのよアンタはああああ!!?」

 

 食材入れたんだよ(真顔)

 

 三〇の極で殴られて頭蓋骨が凹むレベルのダメージを受けたが、幸い鍋にはぶつからなかったのは僥倖。理子も穴から降りてきたし、調理開始だな。

 

「いっそぶち撒けた方が、幸せだったかもしれないわ……」

 

「食材勿体ないだろ」

 

「食べ物を冒涜してるのはどこのどいつよ!?」

 

「どう足掻いても武偵鍋はマズくなるんだし、それなら普段やらないようなことしてもいいかなーって」

 

「悪い意味で開き直んな!? バカかアンタは!?」

 

「どうもバッカでースワンレイク!?」

 

 今度はアッパーカットを決められた。頭の上下でダメージとか勘弁してくだせえ。

 

 そんな風にじゃれ合っていたら、鍋も程よく煮えたようだ。闇鍋形式なので、中がどうなっているかは分からない。

 

「うう、過去最低のものが出来たんじゃないのこれ……」

 

「かしこみかしこみ……天照大御神様、このような所業をお許しください……」

 

「主よ、これはリサがご主人様に認められる試練なのでしょうか……?」

 

「殉教者の列みたいですね、潤さん」

 

「俺は予防注射の列を思い出した」

 

 調味料がまともなせいか、異臭がしないのも不気味さに拍車をかけてるよな。

 

「どっちも嫌なものに自分から向かってるのは間違いないわね……

 とりあえず潤、今日一番の戦犯であるアンタが行きなさい!」

 

「俺『透視』と『暗視』の魔術使えるから、鍋の中身分かるけど」

 

「りこりんもー」

 

「前言撤回、アンタ達はこっちで選んでやるから大人しく座ってなさい!」

 

「炸裂掌音速返しのアリアさん」

 

「というかヌエっちやユキちゃんも同じの使えるよね~?」

 

「白雪は無条件で許すに決まってんでしょうが!」

 

「私は潤と理子の二人が食べるものを選別する使命がありますので」

 

「「解せぬ」」

 

「いい加減解かれアンタ達は!」

 

 なんでだよ、俺達は行事のルールに従っただけだぞ(真顔)

 

 さて、そんな感じで武偵鍋という名の闇鍋が始まったのだが。

「よ、良かった……普通のにたまーーうっ、これ……ちょっとマーマイトが掛かってる……」

 

「この白菜は……セーフ、セーフです! ご主人様、リサはやりました!」

 

「マーマイトをアクセントにした米沢牛もいけますね、これ」

 日頃の行いからか白雪は軽傷、リサはノーダメージで済んでいた。というかリサ、嬉しいのは分かったから尻尾振りながらこっち向かないの。

 メヌ? こいつ推理を使って自分からマーマイト混じりの牛肉食ってるぞ。実は珍味好きなのだろうか。

そしてお次は我等がツッコミの星、アリア「誰がツッコミ(物理)の化身よ!?」思ってねえです、そうだけど。

「うう、どれにすればいいのよ……」

 

「いつもの直感使えばええやん」

 

「全部で警鐘鳴らしてるから意味ないわよ!」

「アリアんならアタリを引いてくれるって理子、信じてるよ!」

 

「それネタ的にって意味でしょどうせ!? アンタ後で覚えてなさいよ!

 ……ええい、女は度胸! これよ!」

勢いよくお玉を鍋の中に突っ込み、出てきたのはーー

「白滝だな」

 

「マーマイトとジンギスカンキャラメルがたっぷり掛かって、変色してるねー」

 

「いやああああああぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

 箸を持ったのとは反対の手で頭を抱え、絶叫するアリア。その悲鳴、今までで一番女子力高いぞ(オイ)

「ささアリアん、一気にグイッとどうぞ!」

 

「アンタ他人事だと思ってえ……

 でもそうよね、一気に食べた方が被害は少ないわよね……いただきます!」

 

 ラーメンのように一口で白滝を啜るアリア。ほとんど噛まずに呑み込む音がやけに大きく響き、

 

「うう、う……ううううう……」

 

「え、ええ!? アリア、もしかして本気で泣いてる!?」

 

「あ、アリア様お気を確かに! 今お水を……」

 

 口を抑え、唸るような泣いているような声を上げながら、大粒の涙をこぼしていくアリアに、白雪とリサ(良心コンビ)の献身によって何とか復活した。

 

「……ありがと、リサ。人ってあまりのまずさにも泣けるのね……」

 

 二度水を一気飲みし、落ち着いたアリアは遠い目になって語る。リバースしなかっただけ偉いと思うぞ(真顔)

 

「ねえジュン」

 

「どした、メヌ」

 

「泣いているお姉様を見たら、不覚にも興奮してしまいました。どうすればいいかしら?」

 

「もっと泣かせばいいんじゃないかね」

 

「りこりんもドキッとしちまったぜ……」

 

「――風穴じゃ済まさないわよジュン、理子?」

 

「「スンマセン調子に乗りました!!」」

 

 即座に土下座スタイルで許しを請う。レイプ目で拳を構えるアリアの姿には、流石に死の予感を感じた(震え声)

 

 さて次は、我等の食神にしてイラスト神、レキ様である。

「……」

 

 無言で掬い上げたのは、話題に上がっていたアボカド(茹で済み)だった。遂に来たか。

 

「――いきます」

 一部を除き固唾を飲んで見守る中、レキは一言だけ告げるとアボカドを口の中に入れ、

「――――」

「ちょ、レキ、大丈夫なの!? 見たことない震え方してるわよ!?」

 

 アリアの言う通り、正座したまま振るえるレキの姿はまるで携帯のマナーモード。ハイマキもビビってるのか助けようとしてるのか、横で固まってるし。

「……アリアさん。今、私は――

 

 

 初めて、怨みという感情を、理解したのかもしれません」

 

 

 俺の方を無表情で見つめながら、そんなことを宣うレキ。その目にはこの世全ての悲哀と憎悪が詰まっている、気がする。

あとアリア、「うんうん分かる、分かるわレキ……! あとでバカジュンとバカ理子はぶっ〇しましょう……!」って発言怖いからやめーや。レキも力強く頷くなよ、武偵法九条はどうしーー

「おおうレキ、いつの間に移動したんだお前」

 

「潤さん、あなたは私に感情を教えました。そのお礼を、存分に味わってください」

 

「それお礼参り的な意味だいでででで!? 腕を捻じるな腕を!?」

「にゅあああああ!? ヌエっち、小指はダメ、ダメだってえ!? というかなんで理子まで!?」

 

「いえ、お姉様に対する劣情を抑えるために、ちょっと」

 

「はっきり劣情とか言うんじゃないわよメヌ!?」

 

阿鼻叫喚を遠めに眺めてたら、拘束されたでござる。俺がレキに両腕を捻じられ、理子はメヌに小指が折れる瀬戸際まで曲げられてな。

「美少女にあーんしてもらえるなんて、アンタには夢のような光景でしょ理子? 喜びなさいよコラ。

 それじゃあーーはーい理子、Say ah(アーんして)♪」

 

「ちょ、アリアんあっついあふぃ!? せめてふーふーしてから食べさせて!? マズいのとあっついのがダブルパンチで理子の味覚を襲って――る、るるるるる!?」

 

 アリアが食ったのより倍以上の濃さとなった牛肉を、次々と押し込まれる理子。あ、味覚のダメージから言語機能がダメになってきたっぽい。

「拘束されながら青筋立てた相手にあーんしてもらえるって、あいつが初めてなんじゃないかね」

 

「潤さんも似た光景ですが」

「じゅ、潤ちゃんごめんね、でもあーんしてあげられるのはいいかも……

 じゃ、じゃあはい、あーん……」

「あーん」

 

 モテない野郎なら誰もが羨ましがる、美少女が顔を赤らめながらあーんしてくれる光景。差し出されてるのは湯煎したアボカドなので、ネタじゃなかったら好感度ガン下がりだけどな。

「……」

 

 咀嚼し続ける俺を、無言で見守る周囲。メヌは俺が醜態さらすのを楽しそうに見守ってるけど。

 横の理子は責め苦(食事)が終わったらしく、

「おおお、ジンギスカンの味と油とミルクの甘さとダシが最悪なフュージョンをして、理子のお口を蹂躙蹂躙してくるぅ……」

などとグルメリポーターみたいに詳細を語りつつ、床の上で亀みたいに丸まっている。だらしねえな。

「……んっ」

 

 パートナーが撃沈してる中、俺も噛み砕いたアボカドを呑み込む。

うん、えぐみと食感最悪、ついでにジンギスカンキャラメルも掛かってるなこれは。

 

「……うん、やっぱ当然ながら――マズいな」

 

「ちょっと待てえええええ!!? なんでアンタ平気そうな顔してるのよ!? 味覚遮断してるんじゃないんでしょうね!?」

 

 普通の顔してるせいか、アリアが即座に聞いてきた。顔に返答次第では〇すって書いてあるぞ、殺意が高すぎる。

「遮断してたら味のコメントしねえよ、嘘吐いても速攻でメヌにバレるだろうし。

 単純に対毒・劇物の訓練をガキの頃にやってたから、これくらいなら問題ないだけだって」

 

まあ平気というだけで、まずいものはまずいのだが。下限を知っている以上、アレよりはマシ理論で耐性出来てるんだよなあ。

「潤ちゃん、子供の頃にそんなことやらされてたの……?」

 

「いや、自主的に」

 

「「「自主的に!?」」」

 

「うん、鮒寿司(ふなずし)を大量に食ってたら、師匠に引かれた」

 

 異口同音のオウム返しで恐ろしいものを見る目になるアリア、白雪、リサ。あの時の師匠にそっくりだよ、メヌもマジかよって顔になっている。

そういやお前さん達良家の育ちだから、まずいものとはあんまり縁がないか。

余談だが、鮒寿司は滋賀県の名物料理で、塩漬けにしたニゴロブナを米と一緒に漬けて発酵させたものである。

ちゃんと手順を踏んでお茶漬けとかにすれば美味しいが、発酵したものをそのまま食うと――まあ、味覚と嗅覚に大ダメージとだけ言っておこう。茹でたアボカドよりはマシだけど。

 

「……メヌ、どう?」

 

「……少なくとも、嘘でも強がりでもないのは確かですわ、お姉様」

 

「そうよね、アタシの勘もそう言ってるわ。

 ……じゃあ潤、アンタ残りの分全部食べなさいよ!」

「はあ、まあいいけど」

 

 どうせ他の連中はほとんど手を付けないだろうし、捨てるのも勿体ないから食うつもりだったしな。

そして十分後。

「ふう、ご馳走さん」

 

 手を合わせる俺の前には、空になった闇鍋改め、武偵鍋だったもの。やっぱ三人前は多いよな、というかなんで三人前も作ったんだよ。

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

 女子達は平然としている俺に引いているが、まずいもんはまずいんだって。

「ジュン……アタシは今初めて、アンタを心の底から尊敬してるわ……」

 

「こんなことで尊敬されてもねえ。劇物訓練すれば「「却下!(です)」」そうかい。

 んじゃ、普通の鍋準備するぞー。俺は十分だから、お前らで食いなさい」

「ホントにあんた、味覚と胃どうなってるのよ……?」

 

 そんな化物を見る目で見なくてもいいんじゃないですかねえ。

余談だが、アボカドをお裾分けしたチームから後で苦情が来たのは言うまでもない。

全部スルーしたけど。罠にはまる方が悪い(真顔)

「というかジュン、これ自分が平気なイベントだったから悪ノリしたわね?」

 

「私、勝ちの可能性がない戦いはしない主義でして」

 

goddamn(チクショウ)……! そういやバカに見えて計算高かったわね、アンタ……」

 

 

おまけ

「でも理子が調味料役じゃなくて、本当に良かったと思う」

 

「いあいあユーくん、りこりんだってスープくらいちゃんと作りますぜ?」

 

「隠し味にカテンフェ(砂糖の3500倍甘い)とペッパーⅩ(防護服前提の辛さ)考えてた奴が何言ってんだ」

 

おまけ2

武偵鍋の話を聞いた妹のコメント

「いやー……私その時転入してなくて良かったよ。

 というかお兄ちゃんが思った以上に飯テロ耐性高いみたいで、流石私のお兄ちゃん!」

 

「なんでそこで褒めるのよ。というか来年はアンタもやるんだからね、かなめ」

 

「あかりちゃんにハズレを押し付けられるよう創意工夫しよっかなー」

 

「アンタ友達を盾か何かと思ってるの……?」

 

「? 騙される方が悪いってのは、武偵の基本でしょ?」

 

「……ああうん、潤の妹だわアンタ」

 

「えへへー」

 

「褒めてないわ照れんな!?」

 

 




あとがき
( ゚д゚)「闇鍋をする時は、用法容量と限度を守りましょう」

潤「面白いは何よりも優先される」

( ゚д゚)「その結果がこの地獄絵図なのですが」

潤「まあ、食える範囲のものにしような」

( ゚д゚)「茹でたアボカドは、食える範囲のものなのか……?」

 という訳でどうも、ゆっくりいんです。最近寒くなってきたのと、久々に漫画を読んで思いついたので書いてみました。
 忘れていたネタの回収ともいう(オイ)

 ちなみにアボカドのネタですが、ある作家さんの実体験を参考にさせていただきました。食べる勇気? 作者はありませんし、鍋を囲む友人もいません(白目)

 さて、次こそは本当にコラボ小説を書いていきたいと思います。……並行で進めてますよ? ホントウデスヨ?

 それでは今回はここまで。感想・誤字訂正・批評などいただけると嬉しいです。
 読んでくださり、ありがとうございました。 
 



最後に

( ゚д゚)「食材で遊ぶのはマジでやめましょう」

潤「この話書いたやつが言うか」

( ゚д゚)「マズい料理は心を荒ませ、殺意の波動に目覚めさせます」

潤「サドンデスソースとぜんざい混ぜた春雨をクソ上司に喰わされて腹壊しかけたの、まだ恨んでるのかお前」

(## ゚д゚)「ははは、オコッテナイヨ?」

潤(ガチギレじゃねえか)


ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

  • 読みたい!
  • いいから続きを書け
  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

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