遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

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 お久しぶりです、もう夏も過ぎて大分経ちますが、夏休み編ラストです。遅刻ってレベルじゃねえよ本当に……
 もう忘れ去られてても仕方ないですが、これからボチボチ頑張っていこうと思います。あ、小説リクエストは締め切りました(今更)
 



閑話その六 心当たりがありすぎる

 

 

 8月31日、要するに夏休み最終日。俺と理子はアリアから呼び出しを受けた。

「アリアんからご指名か~……は、まさか告白イベント!?」

「やらかし過ぎてアリアの怒髪天が有頂天に達したに一票」

「いあいあ、理子何かをやらかした記憶はございませんよ? 精々夏コミでえっちぃコスプレを無理矢理着ていただいた程度でして。

 寧ろユー君の方が何かやらかしたんじゃないかな~?」

「何で自白してるのに疑われなきゃいけないんですかねえ……俺こそねえよ、アリアのももまん間違って食っちまったくらいだし」

「いえいえりこりんだって――」

「オイオイ俺こそ――」

 そんな感じに喋りながら先へ進んでいく。しかし武偵校の屋上とか、クソ暑い場所やん……(←超能力(ステルス)で自分を冷却中)

 そうして辿り着いた屋上に続く扉を開けようとした瞬間、俺は恐ろしいことに気付いてしまう。

「ん? どったのユーくん?」

「……なあ理子、『どちらか』じゃなくて『両方』ボコられる可能性もあるんじゃないか?」

「へ? ……いあいあ、それこそまっさか~」

「この八月中にやらかしてアリアを怒らせた回数」

「……両手の指じゃ数えらんないかな~。寧ろ足を入れても足りねえ!」

「この時期、屋上なら誰も来ないな」

 暑いし、休暇中だし。

「oh……」

「……」

 

 

『殺さないでくださいサーセン!!』

 結論:謝って許してもらおう、エクストリーム土下座で。プライド? 命と比べるもんじゃない(真顔)

「……いや、いきなり何なのよアンタ達」

 唐突に謝られたアリアは困惑、というか軽く引いていた。人が全力で謝ってるのにその態度はヒドくね?(←説明すらしてない)

「今までの行いは十二分に反省しますので」

「命ばかりはお助けを!」

「……ああ、そういうこと。別にぶっ飛ばすために呼んだ訳じゃないわよ、安心しなさい。

 大体、アンタ達反省したところで後悔もしないし、またやらかすでしょ」

『もっちろん!!』

「……」(ブチッ)

 

 

 ――しばらくお待ちください――

 

 

「少しは考えて喋んなさい」

「ウゴゴゴゴ……まさか突撃、粉砕、勝利思考のアリアんに言われるとは」

「オゴゴゴゴ……ゲンコツ制裁の時点で説得力ないやろ」

「まだ懲りてないみたいね」(ゴキゴキ)

『ハイスイマセン直すよう善処します!』

「そこで絶対って言わないのがらしいわね」

 ハアと溜息を吐かれる。そこで改めたら俺達じゃないんで「威張んな」ハイスイマセン。直感によって体も心も謝りきったぜ……

「何でジュンはやりきった顔なのよ……とにかく、別にどうこうするつもりはないわよ」

「どうこうするって何かエロい響きがするよネクロマンサー!?」

 縮地からのアッパーカットが綺麗に決まった。あ、理子舌噛んでる。

「話進まないからちょっと黙んなさい」

「ふぁい……口の中切ったかも」

「自業自得でしょ。で、今日は何で呼んだかっていうと――お礼を言いたかったのよ」

「お礼?」

 俺が問い返すとアリアは頷き、こちらに背を向けてフェンスの方に歩いていく。

「ジュン、理子。アンタ達がパートナーになってくれなかったら、ここまで来れなかったと思う。

 だから、その……ありがと」

 背を向けているので見えないが、きっとアリアの顔は夕日と同じように赤くなっているだろう。こういうところは相変わらず恥ずかしがるんだねえ。

 俺の治療を受けている理子は一瞬ポカンとした顔になるが、

「ユーくん! 今、今理子はアリアんの顔を見なきゃいけない気がする! いや見る!」

「しんみりしたシーンが台無しになるからヤメレ」

 突撃しようとする理子を羽交い絞めにする。はーなーしーてーって言いながら頭振らんで、ツインテがペチペチ当たるから。

「……ほんと、シリアスが続かないわよね」

 特に理子は、と苦笑しながら振り向くアリアは、いつもと同じ顔だ。「チクセウ見逃した!」とか叫んでるアホがいるけど、ここは見ないもんだろJK。

「というか、何当然のようにイチャついてるのよ」

「別にイチャついてはいない」

「正面からなら良かったんだけどネ!」

「……ああうん、ジュンもだけど理子も自覚ないのよね……そりゃ極自然にこの距離感なら、白雪が愚痴るのも無理ないわ」

 どうしろっていうのよ、とぼやくアリア。そして俯いていたと思ったら急に顔を上げ、

「だいたい理子、アンタがヘタレなのがいけないのよ!」

 何故かキレ気味に指差す。

「いきなり何!? 理子のどこがヘタレだと言うのですか、失礼しちゃうね!」

「誰からどう見てもヘタレでしょうが! アタシの苦労の半分はアンタのそれなんだからね!」

「何だとぉ!? 幾らアリアんでもおこだよ、りこりんぷんぷんがおーだよ!

 そこまで言うなら理由を言ってもらおうジャマイカ!」

「アンタに足りないものそれは情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さそしてなによりも勇・気が足りない!!」

 わあ、一息で言い切ったよ。

「くう、なんていう説得力……!?」

 あるんだ、まあ兄貴なら仕方ない。

「もうまどろっこしいから今すぐジュンを押し倒すくらいの根性を見せなさいよ! その無駄にでかいのを使って!!」

「いいいきなり何とんでもないこと言ってるのかなあ!? そりゃアリアんのぺったんに比べれば理子のお胸は豊満に育ってますが!」

「誰が草も生えない大平原だあ!!?」

「自分から言ってキレるのは理不尽じゃないですかねえ!?」

 アリアに胸の事は思ってもいけない、あっちから言ってもな。

 理子が俺の腕から抜け出し、フェンスを飛び越えて「サラダバー!!」とか叫びながら地上へ自由落下していった。。般若顔のアリアも躊躇せず飛び降りて追跡する、元気だなーアイツ等、というか何だったんだこのイベント。ギャルゲならフラグ? いいえ、現実です(真顔)

 とりあえず帰るかと足を屋上の扉へ向けると、

「どうも、潤さん」

 ハイマキを伴ったレキが立っていた。服装はいつもの夏制服、ドラグノフを収納したケースを抱え、横にはお供のハイマキが付いている。

「おおう。レキ、お前いつから居たんだ」

「アリアさんがいらっしゃる前からです。潤さんは察知していたのでは?」

「いや、アリアが気付けないのに俺が分かる訳無いだろ」

 ないないと手を振るも、レキの目は無表情ながら疑惑のものだ。なんで皆さん俺に対する期待値が異様に高いんですかねえ。

「で、お前さん何して――って、聞くまでもないか」

「はい、『風』を感じながらイラストを。ここは絶好の執筆環境ですから」

 なるほど分からん。レキのイラスト力は『風』が関係あるのだろうか。

「ところで潤さん、少しよろしいでしょうか?」

「ん、何か用?」

「はい、御用です。実は潤さんを待っていました」

「その言い回しだと俺が逮捕されそうなんだが。

 まあいいや、話でもあるのか?」

「いえ、お願いしたいことがあるんです」

 おや、レキにしては珍しい。どっかのアホなら「立った、フラグが立った!」とかはしゃぎそうだが、俺は訓練された恋愛素人、そんな甘い展開ねえことは分かってます(ドヤァ)

 そもそもレキ相手にフラグとかねーべなどと考えていると、

「潤さん」

 レキが口を開き、

 

 

「死んでください」

 

 

 何か酷いことを言われた気がする。

「……すいません、間違えました」

「とんだ間違いだなオイ」

 これが理子だったらリアルファイトに発展するぞ。

「では改めまして、潤さん」

「おう」

 俺が返事をすると同時、レキはケースを蹴り上げてドラグノフを取り出し、両手に構える。

 え、何それカッコイイ。額に銃口を突きつけられていなければ、素直にそう思えただろう。というか前も似たような展開なかったか、ハイマキも臨戦態勢だし。

 

 

「あなたを、殺します」

 

 

 さっきの「死んでください」と大差なかった。どこの自爆大好きMS乗りだよ。

 というかいきなり殺す宣言される心当たりなんて……多すぎて絞れん(オイ)

「……とりあえず、何でそんなオーバーアクションの取り出し方したんだ?」

「『こうすれば相手はレキュんの演技に見惚れて動けなくなるよ! あと理子が見てみたい!』と言われたので」

「……いや、最悪故障するだろ」

「はい、二度とやりません」

 じゃあ頼んだ本人の前でやってやれよ。まあ動きを止めるのには成功してるけどさ。

 

 

 おまけ その頃のアリアと理子

「よく考えたら押し倒す発言はなかったわね……ごめん理子」

「殴る前に気付いて欲しかったナー」

「それはアレよ、直前に恥ずかしいこと言った反動よ」

「恥ずかしさを誤魔化すためなんですね、分かります。そんなアリアんもいいと理子は思います!」

「寄るなヘンタイ。まあアレね、ツンデレって便利な言葉よね」

「自分の属性を冷静に語っている……!? アリアん、恐ろしい子……!」

 

 

 




登場人物紹介
遠山潤
 殺される理由に思い当たりがありすぎる主人公(仮)。真っ先に思い浮かぶのはアリア、そりゃ(あれだけツッコミさせてれば)そうだ。
 フラグは早々成立しないと考えている主義。どの口が言うのだろうか(しかも自覚あり)。
 
 
神崎・H・アリア
 胸の話題は原作より禁句となっている色々ちみっこツインテ。まあ草も生えないことに草を生やすしかないとい(銃声)
 自分の属性(ツンデレ)について冷静に語る姿はどこかシュール。でも本作のアリアにツンデレ成分はほぼないと思う。
 
 
峰理子
 土下座して許しを請うのになんら躊躇の無いブリっ子。アリア相手なら命を優先するのは仕方ない。
 恋愛に関しては相も変わらずヘタレな模様。その癖潤とベタベタするのには躊躇しないので、一部女子達がヤキモキするのも無理はない。
 
 
レキ
 動かなければアリアに気付かれない程度の気配遮断を持っている狙撃手兼イラストレーター。忍者属性まで持ち始めて、風魔さん涙目である。
 告白フラグだと思った? まあ間違ってはいない。狙われてるのはハート(物理)だが。
 
 
後書き
 そんな訳で三ヶ月ぶりのお久しぶりです、ゆっくりいんです。忘れてしまった方と所見の方は始めまして、そしてすいません(挨拶)
 ここまで遅れた理由なんですが、アレです、リアルはクソだなという奴で一つ。……とりあえず、今後はどれだけ忙しくても執筆から離れないようにします。久しぶりだと書き方とか完全に忘れてるんですよね……
 リハビリも兼ねて今回は短めになりましたが、いかがでしたでしょうか? とりあえず潤にフラグ(殺害)が立ったところで、次回は『修学旅行Ⅰ(キャラバンⅠ)編』始まります。
 それでは今回はここまで。感想や批評、辛口のコメントでもいただけるだけで嬉しいです。
 

ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

  • 読みたい!
  • いいから続きを書け
  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

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