俺、アリア、理子の三人パーティー――アリアはそれぞれをパートナーと言っていた――が結成されてドンチャン騒ぎしたり(主に理子が)、UFOキャッチャーで(主にアリアが)ムキになったり、誰かさんを慕う後輩ちゃんに(俺だけが)絡まれたりした数日後。ただいま強襲科の訓練場所なり。
「いっくよーアリアん! そおぃっ!!」
「は? ちょっと何――うきゃあああぁぁぁ!?」
「え、何それ――ヘブン!?」
理子に俵担ぎされたアリアがぶん投げられ、俺の鳩尾にクリティカル頭突き。反応遅れてモロに喰らったでござる……
「くぉらあ理子ぉ! いきなり何すんのよ!?」
「よっしゃユーくん撃破ぁ! アリアんイェーイ!!」
「イェーイ――じゃないわよ!? 人をぶん投げるとかどういうつもりよ風穴空けるわよ!」
その割にはノリノリでハイタッチしましたねアリアさん。俺? 未だ腹押さえてうずくまってるよ。その様子を
「近接訓練とは言ったけど、投擲武器を使っちゃいけないとは言われてないからね! そんな盲点を突いた一撃ですよ!」
「アタシは武器扱いか!? いやたしかに盲点を突くのは正解だけど!」
「流石アリアん、理子の作戦を評価してくれるぅ!」
「……そこに痺れる憧れるぅ」
「それ以前に怒ってんのよアタシは! あと潤は調子に乗らせるな!」
昼に食べたチャーハンと菓子パンを戻さないよう必死になりながら続けたのに一蹴された、解せぬ。
キレたアリアにコブラツイストを掛けられる理子(〆られて嬉しそう、いつも通りダメだなコイツ)。ここ数日で見慣れた光景である、他の生徒達も全く気にしないくらいには。
一応、『お互いの能力を知るのと連携をとりやすくするため』という名目で始めた訓練だったが、毎度こんな感じでgdgdだわ。いや連携は出来てるんだけどね?
二挺拳銃と二刀小太刀を臨機応変に使いこなす前衛のアリア、
発想がぶっ飛んではいるがアリアと同様のオールラウンダーで前衛の理子、
近接戦そこそこで射撃に長じている俺が後衛兼支援役である。
……あれ、俺の負担でかくね?
「おら遠山、いつまでも寝とらんで起きんかい!」
『金剛』と書かれた一升瓶を片手に、酒臭い蘭豹先生が倒れた俺に蹴りを入れてきた。流石に酷くね? まあ起きるけどさ、普通に。
「何ややっぱり元気やないか。しっかし、強襲科のSランク三人がパーティ組むとは、贅沢やのぉ」
「二名は元でしょうに。分かってて言ってますよね?」
実は俺と理子、入学試験で強襲科のSランクに格付けされている。まあ俺は一学期、理子は二学期で転科したが。
「別にええやろ、細かいことは。何だったら峰と戻ってもええんやで?」
「評価してくれるのはありがたいけど、まあ気が向いたら戻りますよ、っと!」
「ふごぁ!?」
後ろからナイフを振るおうとした、知り合いの男子に蹴り上げが顎に命中し、空中に飛び上がった野郎を掴んで。
「オラァ!!」
「ザンギ!?」
スクリュー○イルドライバーを見舞ってやった。何か曲がっているような気がするけど、死んでいないからいいや(雑)
気絶した野郎から離れると同時に発砲音。背後から迫る銃弾を取り出した分厚いナイフで背中越しに弾き、
「ふぇ!?」
間抜けな声を上げる女生徒にハイキックをぶち込み、吹っ飛ぶ。ワタクシ、女子にも手加減しない主義でして。
やーれやれ、合間を狙って毎回襲ってくる輩がいるから困る。
「……どこが近接戦苦手なのよ」
アリアが何か言ってるけど、キコエナーイ。
明けて翌日。昼休みに剛、亮、アリアと俺の四人でポーカー中。理子は別件の依頼でおらず、周囲は騒がしいがここは静かなもんだ。ちなみにアリア、剛、亮の三者は俺と理子を通じて仲良くなった。
「よっし、ストレートフラッシュ! ふふん、これならいけるでしょ!」
「あーくそ、俺はワンペア」
「僕はツーペア」
「ファイブカード」
「はぁ!? ちょっとジュン、何でそんなポンポン揃うのよ!? イカサマじゃないの!?」
「イカサマは見破らなければイカサマとは言わない」
まあ実際してないが、ムッキー! と怒るアリアが面白いので匂わせとく。ハハハ、理子がアリアを弄る気持ちがちょっと分かる今日この頃。
「っと、ちょい失礼」
「何、勝ち逃げするつもり!?」
「ちげーよ、ちゃんとした連絡」
UFOキャッチャーもそうだったが、アリアは勝負事で熱くなる性質な上に負けず嫌い。ギャンブルには向いとらんね。
睨まれながら届いたメールを確認。個人的にツテのある人脈からの連絡で――、
「ジュン?」
内容を見て目を細めた俺に気付いたのか、アリアが硬い声で問いかけてくる。
「アリア、事件だ。断定はできんが、この件はお前さんも関係してる」
「! ……そう、じゃあ行きましょう」
「ああ。剛、亮、悪いが後片付けを頼む」
「分かったよ。遠山君、神崎さん、気を付けてね」
「おい潤、死んだら負け分は払わねーからな!」
「言ってろ負け犬」
大敗してる剛に笑いながら中指を立て、アリアと共に走って教室を出て駐輪場へ向かう。途中ある場所に連絡を入れるのも忘れない。
「あーもしもし? ……忙しい? わりいけど緊急の要件だ、『貸し』を使いたい。
……は? 支払いがでかい? 知らねえよ、人道的支援を行ったってマスコミにでもタレこんどけ。
……おう、助かる。じゃあ頼むわ」
通話を終えてスマホを仕舞い、寄りかかっていた自転車を逆に蹴り倒し、修理が終わったSV1000を引っ張り出す。
察して後ろに飛び乗るアリアに、中から防寒着一式とヘルメットを取り出して投げ渡す。ちと暑いかもしれんが、飛ばすからな。手がかじかむよりはマシだろう。
同様の防寒具一式を着用し、座ってエンジンをかける。遅れて準備を終えたアリアが、一瞬躊躇った後俺の腰に手を回す。緊急事態だから気にされても困るんだが、まあそれは後にしよう。
「飛ばすぞ、振り落とされるなよ!」
「分かってるわ――キャ!?」
初っ端からフルスロットで校舎を出る。後ろのアリアから可愛らしい悲鳴と、腰に回す腕の力が強くなる。なんで彼女が纏うクチナシの匂いが強くなるが、そんなムードじゃないしこれで動揺してたらDT丸出しである。……いや、未経験だけどね? あ、サイレン付けとこ。
『で、何があったの? アタシは『武偵殺し』の件だと思ってるんだけど』
ヘルメットに備えられたインカム越しにアリアの声が聞こえる。
『御名答、流石の直感といったところかな?』
『茶化さなくていいわよ。……で、状況は?』
『陸の次は空。知り合いのタレコミなんだが、奴さん旅客機でドデカイ花火を挙げるつもりらしい』
『! 旅客機の名称と出発時間は!?』
『ANA600、出発は12:42、約二十分前だな』
『それじゃあ追いつけな――あ、もしかしてさっきの電話?』
『ま、追い付くのは問題ないさ』
装備の確認や乗り込んでからの作戦を話し合い、十五分ほどで到着。
『飛行場?』
『個人所有のな。っと、いたいた』
バイクを停車し、防寒具とヘルメットを脱ぎ捨ててアリアと走る先にいるのは、
「お待ちしてました、遠山様」
五十代くらいのスーツを着た男性。手にはアタッシュケースを持っており、丁寧に頭を下げてくる。
「どうも平沼さん。すいませんね、お仕事中に」
「いえいえ、緊急事態なのですからお気になさらず。こちらが頼まれていた装備一式です」
「はい。……全部揃ってますね。コイツは?」
「機関に異常なし、燃料も十分です。あとはお二人が乗り込むだけです」
「パーフェクトです、平沼さん」
「お褒めに預かり光栄至極」
苦笑しながら頭を下げる。社長の趣味が読書(漫画)だから、ネタに付き合わされてるんだろうな。
「これって……戦闘機?」
アリアが見上げているのは、フランス製の戦闘機ラファール。武装は全て取り外されているが、佇む姿は飛ぶのを今か今かと待ち構えているようだ。
「交渉先で貰ったんだと。空軍が使ってた中古品だけど、性能は保証するとさ」
「へえ、気前のいい人もいたものね」
特に驚いた様子はない。そういや貴方の実家、戦闘機くらいなら普通に買えましたね。剛なんか話を聞いたとき、「世界がちげー!?」とか騒いでたもんだが。
平沼さんに渡されたパイロットスーツを着込み、アタッシュケースを後部座席に放り込む。武装排除した分乗れる人数増やせるよう改造してるので、楽々乗れる。
「って、アンタが操縦するの?」
「そうだが?」
操縦席に座って計器の確認をしている俺を見て、アリアが胡乱げな目を向ける。こいつ信用してねえな。
「……免許は?」
ほらやっぱり。
「何度か飛ばしたことある。ダイジョーブ、こち亀の両さんだってゲーセンで鍛えて飛ばせたんだから」
「その例えでどう安心しろと!? あとそれ免許持ってる証拠にならないから!」
人を疑うお前さんが悪い。隣でギャーギャー騒ぐアリアを無視し、エンジンを入れる。
「遠山様、社長からの伝言を忘れておりました! 『大事な交渉潰されかけた上に緊急で用意したんだ、今度はこっちの貸しにしとくから耳揃えて返せ!』だそうです!」
「『ちっせえこと気にしてるとスクラップにして返却するぞ!』って伝えておいてください!」
地上の平沼さんにでかい声で返し、ラファールは空へと飛び立った。伝わったかどうかは知らん。
『……借りてるくせに無茶苦茶言うわね、アンタ』
インカム越しに聞こえるアリアの呆れた声。いーんだよ別に、これくらいでガチギレするような奴じゃないし。
『それにしても、本当に飛ばせて安心したわ。ちょっと辛いけど……』
『急発進したからしゃーないさ。直に慣れる』
『何でアンタは平気そうなのよ?』
『鍛えてますから』
『絶対違うでしょそれ……ああそうだ、どうやって向こうに乗り込むの? あと、この戦闘機は? アンタが飛行場まで持って帰るの?』
『乗り込むのは平沼さんがあっちの機長に話付けといた、見掛けたら非常扉開けてくれる。
ラファールに関しては自動操縦機能がある。飛行場まで勝手に戻るよう設定してるんだと』
『……地味に最先端機能使ってない?』
『最先端かねえ? 借りてる社長がこういうもんを扱うところの代表だからな』
寧ろもっとロクでもないもん付けてても驚かない。まあこのラファールは遊覧飛行が用途らしいし、多分ないだろうが。
体感時間で約十五分、目視の範囲内にANA600便を発見。減速して近付けると、貨物部分のハッチが開いて制服を着た女性が手招きしている。
ラファールの運転を自動操縦に切り替え、後部座席のアタッシュケースから取っ手が二つ付いた、パッと見は巨大な巻尺を取り出す。
『これで向こうまで飛び移るの?』
『うむ、安全性は保障されないけど。とりあえずアリア、取っ手を絶対放すなよ? 絶対だぞ?』
『……それはネタじゃないわよね?』
『流石に命を張ったネタを強要はしねえよ、今回は』
『今回はって何、普段は誰かにやってるの!? もう嫌な予感しかしないわ……』
軽く目が死んでる。オイオイ気楽に行こうぜ、手を離さなきゃ高確率で死なないんだから。
握ったのを確認し、ラファールのハッチを開ける。暴風が身を弄ぶ中立ち上がり、乗務員さんにジェスチャーで退くよう指示。巻尺モドキの先端、銃口にも似た筒部分をANA600に向ける。
風向き、風速測定。射出後の誤差予測、修正完了。――射出。
ボタンを押すと、先端から銀色のワイヤーが飛び出す。ある程度の距離を飛ぶと傘を広げるように展開して、吸盤状に変形して扉奥の床に貼り付く。よし、安全圏内。
ギャリギャリギャリ! ワイヤーが耳障りな音を立てて先端部分に巻かれていく。
Q:ワイヤーが先端と一緒に飛んでった巻尺モドキに戻ろうとすると、取っ手を掴んでいた俺達二人はどうなる?
A:引っ張られる
というわけで、強制スカイダイビングでござーい。
『イイヤッホオ!!』
『!!!!????』
空を高速で横切るのはドラゴン○ール気分で悪くない。アリアは余裕がないのか、叫びながら命綱代わりの取っ手を握っている。
浮遊感は数秒。俺は床で受身を取り、アリアは柔らかい荷物にぶつかったので双方ダメージなし。目を閉じてたら受身も取れんし、事前に連絡してもらって助かったわ。
「し、ししし死ぬかと思った!?」
「アリアー、初グライドの感想は?」
「二度とやんないわよこんな無茶苦茶な乗り込み方!! アンタいったい何考えてんのよ!?」
「んなこと言っても、パッと用意できて飛行機に乗り込めるものなんてこれしか思いつかなかったし」
「理子もそうだけど、アンタも大概無茶苦茶じゃないの……」
「大丈夫、出来ない無茶はやらんから。出来る無茶は率先してやるけど。
ちなみにこれの設計・開発は
「帰ったらアンタもろとも、安全性の文句ついでに風穴開けまくってやるわ……」
「あの、大丈夫ですか……?」
瘴気のようなものを吐いているアリアに、女性の乗務員さんは恐る恐るといった感じではあるが手を伸ばして助け起こす。幸い、腰が抜けたとかはないようだ。こういう無茶苦茶に慣れてきたのかね、良いことだ(←原因)。
ちなみに聞いたところだとこの乗務員さん、今日が初仕事だったらしい。まあ運が悪いと思ってくだせえ。
『この飛行機には、爆弾が仕掛けられて、やがります。乗客・乗務員が勝手に部屋から出ると、爆発、しやがります。繰り返す……』
頭上からはお馴染みボーカ○イド。延々と繰り返され、軽くノイローゼになりそうだ。
「乗客の様子はどうなってるの?」
「今のところは皆さん落ち着いていられますが……中には悪質な悪戯だと怒鳴るお客様もいまして」
「決壊するのは時間の問題、と」
前回以上にスピーディな解決が求められる訳だ。乗客の説得、武偵殺しが仕掛けている罠の突破、爆弾の解除。やることはいっぱいだねえ。
「ま、
「ええ、アタシ達チーム最初のミッション、成功させるわよ。理子はいないけど……」
「なんだ、アイツが恋しいのか?」
「な!? ち、違うわよバカジュン! 誰があんな変態のことなんか……!」
赤くなっちゃって。そこまで必死に否定すると、そっちの気があるんじゃないかって思われるぞー。
制服姿で身軽なり、憮然としたアリアを先頭に突入しようとするが、
「ジュン待って、嫌な予感がするわ。扉の奥に何かあるのかもしれない」
静止を促され、扉の横の壁に張り付く。耳を当ててみると、微かな機械の動作音。
「多分扉を開けると発動するトラップだな。赤外線探知じゃないから、爆弾じゃなくて小型の銃だ」
「そこまで分かるの?」
「ま、推測だがな。んじゃ、俺は左を」
「OK、アタシは右ね」
それぞれ得物を構え、飛び込む。侵入と同時、荷物に紛れていたスーツケースの側面が口を開き、そこから銃口が覗く。
「おせぇ!」
「はっ!」
俺とアリアは銃口を狙って発砲。計四挺のけたたましい音が響き、破壊に成功する。偽装してる分タイムラグがありゃ、破壊も出来るわな。
「流石の『
「そりゃどーも」
『
「はい皆さん落ち着いて、武偵です! 爆弾が仕掛けられたと聞き、参上しました!」
客人が騒ぎ出す前に大声で自分達の身分を明かし、武偵手帳を掲げる。先手を取って希望を見せれば銃声によるパニックは防げ――
「ふざけないで! 今更遅いのよ、何様のつもり!?」
防げたが、ヒステリー起こしてる相手には通じないな。立ち上がったスーツ姿の女性が、こちらに詰め寄ってくる。
「救助のために地上から飛んできたので」
「はあ!? 何それ、もう少しマシな言い訳はないわけ!? どうせ事件が起こるのを待ってたんでしょう、未然に防げなかったあの無能な武偵みたいに!!」
「そんなことはしませんよ。申し訳ありませんが、状況は一刻を争うので通していただけませんか?」
「何よ、逃げるつもり? 大体貴方達武偵は――」
延々と武偵への罵倒を続けていく女性。周囲が不安げに見守る中、「こいつぶっ飛ばす?」とイライラした様子で視線を送るアリアを制する。
「大方この事件も、あんた達が手柄欲しさに――」
なおも言い募る女性の背後。彼女の頭に狙いを定め、天井に吊るされた監視カメラ――に偽装した小型ライフルが牙を剥く。
「マズ――!」
アリアが反応するも、罠の起動の方が早い。派手な音を立てて鉛球が放たれ――それより先に、USPから三発の銃弾が放たれる。
二発は銃弾に当たって無害な場所に軌道を逸らし、一発はライフルを破壊する。弾いた三発分が足元に突き刺さり、女性はその場に膝を突いた。
再びの銃撃戦に乗客が悲鳴を上げるが、弾創を抜いたUSPで空砲を放ち、強制的に黙らせる。
「お静かに。今のように皆さんを狙う罠があるかもしれないので、可能な限り席から動かないでください。乗務員の方々も同様です。
ここまで言って動かれた方の命は保障できませんが、救助を待てずに逃げたければどうぞご自由に。乗っている人間全員を巻き込む無理心中になるでしょうが」
シンと静まり返った中でそれだけ言い、倒れた女性に手を伸ばしながらニコリと微笑んでやる。
普通なら文句なり叫びが出るだろうが、誰一人声を上げることはない。それどころか俺を見て顔を青褪めさせていたり、蛇に睨まれたように動けないものも――
ガツン!!
「いてぇ!? 何すんだよアリア!?」
グリップで殴りかかってきたアリアに文句を言うと、ツリ目を更に吊り上げてこちらを睨み、
「くぉのバカジュン! 今は乗客脅してる場合じゃないでしょうが!! アタシ達が今やるべきことは何!?」
「……事件の解決」
「分かってるならさっさと行く!」
「へーい……」
見事な空気クラッシュである、いい意味で。まあこれだけ脅せば動く阿呆もいないだろう。
ああそうだ、一つ伝えておかないとな。
「
「――!?」
小声で耳打ちすると、助け起こされたのにまたもへたり込む女性。それを素通りして出口の罠を破壊し、先へ進む。
「……兄の件って何よ?」
耳聡いアリアが聞いてくるが、手をひらひらさせて答えを濁す。今やるべきは事件の解決ですよっと。
長くなりそうなので後編へ続きます。四話構成とはなんだったのか……ヨソウガイデス(汗)
2019/5/28 本文訂正しました。