遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

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理子(以下理)「ぐあああああ出なーい!! キズナ○イちゃんが出なーい!!」
潤「完全に物欲センサーに囚われた結果である。……オイ、その手に持ってるリンゴのカードは何だ」
理「追い課金!」
潤「……まあいいけどよ」
かなめ「げ、孔○先生被った……寧ろ他の人のところに行ってあげてください」
潤「殴られても文句言えないセリフだなオイ(I'm ready♪)ん?」
メヌエット『無課金でSSRまみみん出ました(`・ω・´)ドヤァ』
理「何でそんなに出るんだよみんなーーーーー!!?」
潤「知らんがな」
 近況報告です(適当)


第三話 事前準備は万全すぎて損はない

「……なあ兄貴」

「何だよジス」

「何でハイマキの散歩してるんだよ」

「レキが「唐突に閃きました」とか言って引きこもったからだが」

「ワフ」(訳:ご主人には困ったものです)

「そうじゃねえよ!? 依頼受けたのにのんびり散歩なんぞしていいのかって話だ!」

「お前散歩が犬にとってどれだけ重要なのか分かってないのか」

「ワウ!」

「論点そこじゃねえよ! ていうか犬じゃなくて狼だろそいつ!?」

「Σ(・ω・)ワフ!?」

「何忘れてた!? みたいな反応してんだよ!?」

 あんま騒ぐなよ、狼飼ってる人は珍しいから群がられるぞ、俺ら以外いないけど。どうも、遠山潤です。

 菊代から依頼を受けた翌日、ただいま俺とジスは男(+雄)だけの散歩である。最近デブ一直線なハイマキのため、全力疾走していたのだが。

「まさか巣鴨から東京湾まで走らされるとは思わなかったぜ……」

「汗一つかいてない癖によく言う」

「そりゃ兄貴もだろ。というかそのロースペックで息切れ一つしないとか、何をしているのか聞ききたいんだが」

「さらっと低スペックとディスるこの弟である。呼吸法や走り方に気を配れば、これくらいの距離と速度余裕だろ。技量で補える範囲だ」

「……世の中でそのレベルはクレイジーだぞ、兄貴」

「バンナソカナ」

「マジ顔で言うなよ怖くなってくるだろ」

 何がだよ、おかしいことなんて一つも言ってないだろ(真顔)

 まあそんな話は置いといて、ここは東京湾の中でも外れの位置にある倉庫。業者は滅多に近寄らず、少し寂れている区画である。

「で、兄貴。なんで早朝から散歩なんぞ出たんだ?」

「バカとメイドとマイシスターが一晩掛けて女装計画を練ってたから」

「ああ、そういや良くやらされてるんだっけか……ご愁傷さん」

「他人事みたいに言ってるけど、お前もターゲットだぞ」

「……はあ!? いや、何でだよ!?」

 何でと言われても。

「経歴はどうあれ、お前遠山家の血縁だろ」

「……まあ、ゴンザのDNAが使われてるしな」

「で、金一の兄貴がアレだろ」

「ああ、『カナ』のことか」

「つまりそういうことだよ」

「いやわかんねえよ!?」

 多分分かんない方が幸せだと思うが、ツッコミ入れられたなら仕方ない。

「要するに、『兄貴に似合うならその弟もイケるんじゃね?』のノリでお前の衣装も用意されてた。理子の奴は「これで姉妹丼ならぬ兄弟丼だね!」とかアホなこと言ってたが」

「頭おかしいんじゃねえか兄貴のコレ!?」

「どれだよ。ちなみにハイマキも可愛くデコられるとか何とか」

「ワフ!?」

 そんなバカな、と言われても事実なんだよなあ。可愛いは正義っつっても限度あるだろアイツ等。俺? 当たり前のように確定枠だよコノヤロー。

「……ちょい待て兄貴。もし俺が早朝に出掛ける姿を見かけなかったら」

「最初の犠牲者になってただろうな」

「言えよ!!?」

殿(しんがり)って重要な役割だよナコトシャホン!?」

「囮か餌って言うんだよクソ兄貴!! 殴るぞ!!」

「もう殴ってるだろ……」

 しかも義手でアッパーカットするなよ、脳ミソぐわんぐわんするわ。速攻で手が出るとか、アリアかお前は。

 

 

「だあれが口より先に手が出る暴力系ロリよ!?」ガバリ

「……お姉様、朝から大きい声を出さないでください……」

「あ、ごめんメヌ……ってなんでアンタアタシの布団に入ってるのよ!?」

「ふふっ、お姉様あったかいナリィ……」ギュー

「アタシは石か……ってもう寝てるし、ガッチリ腕掴んでるし。

 ……寝直そう」

 

 

「……」

「どうした兄貴」

「アリアの絶叫を聞いた気がする」

「……兄貴なら聴こえてても不思議じゃねえな」

「人を盗撮魔みたいに言うな」

「この場合盗聴じゃね?」

 確かにそうだ。バカだなあとカラカラ笑うジスが無性に腹立つ、殴りてえ(返り討ち確定)

「で、ほとぼり冷めるまでこの辺いるのか?」

「いや、手ぐすね引いて執念深く待ってるから意味ねえな」

「……今からでもニューステイツに帰るか」

「知らないのか、変態からは逃げられない」

「その執念は何なんだよ!? というかジジイとバアさんに見つかったらどう言い訳するんだよ!?」

カナ(前例)があるからスルーされるんじゃねえかなあ」

「懐広すぎるだろ遠山家!?」

 色々諦めたんじゃねえかな、知りたくねえけど。っと、そんなことより。

「ジス、ちょい隠れるぞ」

「あん? オイ兄貴、いきなり掴む――うおお沈む、沈んでくぞ!?」

 

 

 ……

「ん? そこに誰かいるのか?」

「ワフ」

「……何だ、迷子の犬か。ほら、仕事の邪魔だからあっちに行ってろ」

「クゥーン……」スリスリ

「……はあ、しょうがないな。ほら、ジャーキーやるからあっちに行ってろ」

「! ワン!」ダダダダダ

「やれやれ、全く……どうも犬には甘くなるな、俺」

「……お前、そんなキャラだったか?」

「ほっとけ」

 

 

『ハイマキ、もうちょい離れてくれ。……よし、ここでオッケー。そのままビーフジャーキー食いながら待機』

「ワオン!」

 どうも、遠山潤です(二回目)。現在俺とジスがどこにいるかというと――ハイマキの影である。ちょっと原子構成その他を魔術で弄って潜り込んでみた。

『オイさらっと怖いこと言ってねえか兄貴!?』

『失敗しても新種のUMAかSCPっぽい形になるだけだから大丈夫だよ』

『何も大丈夫じゃねえだろそれ!? クソ、殴りてえのに手がねえ!』

 そりゃ影の一部だからな。影同士か持ち主のハイマキと意思疎通は可能だが、身体があるわけじゃないし。

『そんな場所に説明なしで巻き込むんじゃねえよ……でもこれ便利だな、ヒルダが使う影に潜り込む超能力(ステルス)か?』

『あっちほど便利じゃねえな。隠れるだけで何か出来るわけじゃねえし、魔力感知が出来る人間にはすぐ気付かれる』

『……それ、あっちに超能力持ちがいたらアウトってことだよな?』

『逆に言えば、気付かれたら超能力持ち相当の戦力がいるってことになる』

『……なるほどな。じゃああいつ等がカガミダカ組の人間か』

『何人か見知った顔がいるしな、組の徽章は外してるが。

 ……っと、お相手が来たな』

 影の中で雑談していると、倉庫の中から別の一団が出てきた。遠見で見る限り同じアジア系でも、中国系の特徴が強い。というか、

『……オイ兄貴、あれツァオ=ツァオじゃねえか?』

『だな。取引してるのは……携行型の無反動ガトリング砲、カラシニコフ、アヘン……』

 ぱちもんアリアことココ姉妹(眼鏡掛けてるから別個体っぽい)が指示して運搬させてる荷物の類は、『遠見』と『透視』の合わせ技で見る限り、重火器と麻薬がメインのようだ。

『……ヤクザが持つ武器にしては過剰すぎるな。それに、カガミダカでドラッグはご法度じゃなかったか?』

『ああ、菊代も方針は親父さんと一緒のはずだが……まあ、ここまで見れれば収穫は充分か』

『それじゃあ――』

『帰るぞー。ジス、ハイマキ』

『おう! ……って何でだよ!? 今なら一網打尽に出来るだろ!?』

 そりゃそうだが、何で血気盛んになってるんだコイツ。そもそも、

『依頼人の意向も聞かずにしばき上げるのはまずいだろ、もしかしたら組の方針が変わったのかもしれんし。

 とりあえず証拠は取れたし、まずは菊代への連絡と確認が先だ。ヤクザの問題に無闇矢鱈と首突っ込むもんじゃねえぞ、あっちにも面子があるんだし』

『いやでも藍幇の連中もいるだろ!? 麻薬の密輸とか捕まえる理由も充分じゃねえか!』

『捕まえてもすぐに保釈されるだろ常考。最悪、蜥蜴の尻尾切りされて情報はなし、藍幇全体の警戒度を無駄に上げる羽目になっちまうぞ』

『いや、でもよお……』

 理由を話してやったが、ジスは納得できていないようだ。なんというか、

『そういうとこは遠山の人間だな、お前も。悪を見逃せない正義のヒーローってとこか』

『ばっ……バカ言うな、俺が暴れてえだけだよ! そんなガキが夢見るヒーローみたいな動機なんてねえよ!』

『じゃあ大人しくしてろっての。暴れたいならしっかりした場を用意してやるから』

『……チッ、分かったよ』

 ようやく納得してくれたようだ。兄貴ほど頑固じゃなくて良かった良かった。

 ハイマキに離れてもらい、影から出てくる。ジスは身体に異常がないかしきりに確認しているが、問題ねえっての。

「その言葉がどれだけ信用できるんだよ……で、兄貴。これからどうするんだ」

「とりあえず、菊代にメールは送ったから返信待ち。結果が来たら理子達に情報共有、後に行動開始だ」

「おう、分かった。……なあ、俺の光学迷彩(マテリアル・ギリー)使えばよかったんじゃないか?」

「あの先端科学(ノイエ・エンジェ)版透明マント? ダメージ受けるとすぐバレるし、あんまり好きじゃねえんだよなあ」

「そりゃどっかしらダメージ受ければ故障するからな……」

 だろうな、しかも勘のいい奴なら気づくし。まあ、今回いたココは戦闘能力のないタイプっぽいし、運び屋してる連中も大したことないっぽいが。一部除いて。

「藍幇の連中、幹部クラスはココだけっぽかったから、今回の密談はアレの独断……いや、まだ断定には早いか。

 そういやジス、全く関係ないんだが」

「何だよ兄貴」

「ノイエ・エンジェって聞くと、某○Aを思い出すよな」

「……かなめも全く同じこと言ってたぞ。本当思考パターンそっくりだよな」

「設計図作るとこもか」

「そこまではやってね……え、あるのか?」

「地上対応にカスタマイズしたのなら」

「何と戦う気なんだよ兄貴は……」

 何でもだよ。嘘だよ趣味だ(真顔)

 などと雑談しつつハイマキの労いを兼ねて頭を撫でていたら、メールが届いた。宛先は――かなめ?

 

 

『見 せ て ! ! ( /゚Д゚)/ウオーーー!!』

 

 

 ……

「……盗聴器かカメラでも付けられてるんじゃねえか、兄貴?」

「ナチュラルに覗くんじゃねえよマイブラザー。出る前に全部取り外したから大丈夫な筈だよ」

「付けてんのかよ何やってんだあいつ……」

「全部で三十六個あった」

「多いわ!? 何考えてるんだよアイツは!?」

 寧ろカメラとかなしに察してる方が怖いんだけどな。……ないよな?(再確認)

 

 

おまけ

 ヤーミヲーハラーイスースメー

「ん? 理子からか」

『準備いつでも万端なのです! さっちゃん共々お帰りをお待ちしてますぞー( ´・ω・`)ムフー』(添付:数々の女装衣装)

「……なあジス、先に一人で帰ってくれねえ?」

「嫌に決まってんだろ!? 兄貴こそ先に帰れよ、ハイマキは俺が連れて行くから!」

「ワウ!」

「それこそごめんだよ何度やられてると思ってんだ」

 ヤーミヲーハラーイスースメー

「ん?」

『二人とも、逃がさないからね(ハート)』

「……退くも進むも地獄だな、これ」

「オイ兄貴、逆ハニトラでどうにかしろよ」

「爺ちゃん婆ちゃんがいる前でやれと?」

「女装よりマシだろ!?」

 結局逃げようとしたらかなめと理子によって捕縛された。……どこから調達したのか、ヘリからのヒモなしダイビングによる上から来るぞ! で。

「ううチクショウ、何でこんな目に……」(樹○私服スタイルのジス)

「こうなれば、なりきった方が、楽ですよ……」(凛○着物スタイルの潤)

「いやダメだろ!?」(でも声帯チェンジはする)

 後日、メールで女装姿が触れ回られたことにより、ジス陣営の一部(女子共とオカマ)が歓喜の渦に包まれ、仲間に加わったとか。変態が増えた(白目)




あとがき
 藍幇キャラが出ると思った? 残念キンコちゃんでした!(格好は違うけど)
 どうも、遠山家は女装の呪縛から逃れないを忠実に再現しました、ゆっくりいんです。恐ろしいのは原作と何一つ違ってないことなんですよね(原作のサードは割とノリノリでしたけど)
 というわけで今回は、誰が得するのか分からない男だけの回でした。本当は散歩してから女装するまで女性陣に追い込まれるシーンも書こうかと思ったのですが……いつもと変わらねえなこれ! と悟ったので省略しました。哀れサード、君も女装(遠山)の呪縛からは逃れられないのだ……(原作では平然としてた気がするけど)
 次回は鏡高組視点のお話……の予定です。潤なりに今回の依頼をこなします、つまりいつも通りです。
アリア「こんなに早く投稿するなんて……アンタ本当に作者?」
 泣きますよアリアさん(自業自得)
 では、今回はここまで。感想・評価・誤字脱字のご指摘、いつでもお待ちしています。アンケートも行っていますので、良かったら投票してください。
 それでは、読んでくださりありがとうございました。

ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

  • 読みたい!
  • いいから続きを書け
  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

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