潤「
※亀龍:人気急上昇中の力士。横綱候補の一人と言われている。
理子「!!? え、嘘でしょ!? どんなラッキーなのユーくん!? あとそれ頂戴!」
潤「やらねえよ、俺の名前書いてもらったんだぞ。 とりあえず、中国で使える幸運全部使ったわ」
この後乾桜に滅茶苦茶自慢した。
※遠山家の人間は全員相撲見てます。
第一話 幸福と不幸は後者が多めな気がする
「きょうちゃん、ユーくん女装させて連れてきたよ! 今日はパチュ○ースタイル!」
「でかしたわ理子」
「いやごめん状況がまるで掴めないんだけど」
「ジュン、助けてください」
「すげえ切羽詰った声初めて聞いたけど、どうしたのメヌ」
「締め切り間際の修羅場を甘く見ていました……モモコも寝かせてくれないし、全員死にそうなのよ」
「五徹くらいで情けないわよ」
「常人なら死ぬでしょ、メヌは体力もないんだし。で、買出しでも行けばいいの?」
「それはいいから製作手伝って……私の推理によると、このままじゃ体力が持つかどうか五分なの」
「手伝いのために女装させたの理子」
「くふふー今回はりこりんの推しだから超気合入れたよダカラタスケテ!」
「……疲労でおかしくなってるわね、これは。いや、いつも通りかしら?」
というわけでコミ○には間に合わせました。二年生が修学旅行行くから早めに済ませたんだろうな、もうちょっと余裕持てよ。
どうも、予兆なく女装させられアシをやらされた遠山潤です。とりあえず死んでる理子とメヌを仲良くベッドに放り込み、本日は修学旅行の準備でござい。行き先は中国の香港、ということで。
「予備のUSP、サクソニア、H&K PSG1、パンツァーファウストⅢ……後は携行型に改良したHEAT弾と」
「修学旅行で何しに行くのよ」
「殴り込み」
「ヤクザかアンタは!?」
「相手もチャイニーズマフィアだし、やっちまっても問題ないべ」
「アタシ達はぶ・て・い!! 意味分かってる!?」
「殺さなきゃ問題ないし、万が一やっても海外なら隠蔽が」
「無力化って言葉の意味を覚えてこい!」
「ラクシュミー!?」
覚える前に脳味噌が吹き飛びそうなんですけど。強烈な右フックで顔面スパーンするかと思ったぜ……
「アリア、あんまり潤ちゃんを苛めちゃダメだよ?」
「この程度でへこみもダメージもないでしょ」
「ダメージは受けてるんですがねえ」
白雪も慣れてきたのか、最近は俺がぶん殴られても苦笑するだけになってきた。じゃれてるって思われてるのかね、手乗りタイガーも比べ物にならないくらい凶暴かつ理不尽だけど。
「それより白雪からも言ってよ、ジュンったら戦争でも行くみたいな準備してて」
「あ、潤ちゃん。頼んでたのはどうかな?」
「ああ、終わってるぞ。M60は取り回しとクールタイムの短縮、色金殺女は研磨と魔力の収束率を上げといた。あとこれ、頼まれてた槍の『
先端の刀身を変えれば薙刀としても使えるぞ。こっちは替刃な」
「わあ、ありがとう……! ふふ、潤ちゃんからの贈り物、嬉しいなあ。夕飯は潤ちゃんの好きなものにするから、期待してね!」
「白雪!?」
アンタもなの!? とか叫んでるけど、武器の更新してないのお前だけだぞ。寧ろガバメントとポン刀だけでその戦闘力なのが謎だわ。
「潤ちゃんからの贈り物……こ、これって、恋人のプレゼントかな?」
「そんな血生臭いプレゼントで恋人シチュの妄想出来るあたり、アンタも逞しいわね……で、ジュン。幾らなんでも重武装過ぎない?」
「中国行くと毎回ろくな目にあわないんだよ。殺生専門の仙人に狙われたり、キョンシーの素材にされかけたり」
「……自業自得じゃないの?」
「ただの偶然なんだよなあ。ちなみにこれ、一例だから」
「……まあ、そこまで備える理由は分かったわ。ただ、よっぽどやばくなければ使うんじゃないわよ!」
「つまりやばいと感じたら使っていいんですね分かります」
「アンタの所感じゃなくて状況で考えろって言ってるのよ!? 街中でロケランとか使うんじゃないわよ!?」
「相手が使わなきゃ使わないよ」
「撃たれても使うんじゃないわよ!?」
解せぬ、目には目をは基本だろうに。
で、そんな準備期間から数日後。飛行機の中でお相撲さんに会うという嬉しいハプニングに会いつつ(並んで座ってたリサも嬉しそうに握手してた。興奮したのか耳が出て、お相撲さんビックリしてたけど)。
「というわけでとうちゃーく! ホテルセントラルタワーよりたっかーい!」
「「「オイヤメロ」」」
「うっさいわよアンタ達! ちゃっちゃと荷物出しちゃいなさい!」
「オッケー、ゲーム機とか衣装の準備はばん「必要なもん出せって言ってんのよスカタン!」ゼルガディス!?」
「オーイ、遊んでないで手伝えお前ら」
「オゴゴ、ニードロップは遊びの範疇を越えてると思うのですがユーくん……」
「いつも通り自業自得でしょ。で、ジュンは何してるのよ」
「部屋の異界化だけど。具体的に言うと迎撃用の結界」
「発案私、監修白雪ですお姉様」
「潤ちゃんとの共同作業なので、張り切って創りました!」
「物騒なのに共同作業ってどうなのよ……? いや、白雪がいいならいいんだけど」
荷物出す前にトラップ仕掛けるアリアが言えたセリフじゃないと思う。というかワイヤートラップに組み合わせての軽機関銃はやりすぎじゃないのだろうか。
「? これくらい避けられるでしょ?」
「アリア様アリア様。普通の武偵はそれで迎撃されたらよくて重症、悪いとQBみたいな風穴だらけになるかとリサは思います」
「……は!?」
「順調に重火力脳になっていますね、アリアさん」
「うっさいわよレキ! というかここに来てまでイラスト描いてるんじゃないわよ!」
「タイトルは『セーラー服と重機関銃』です」
「なんでグレードアップしてるのよ!? バカジュンじゃないんだし、そんなもん振り回さないわよ!!」
「二丁持ちで反動無視してた奴が何を言うか」
「誰がカイリ○ー系乙女よ!?」
「つまりアリアんは超能力を使えば四丁までは余裕でいける……?」
「ゴリラも裸足で逃げる怪腕ですね、さすがお姉様」
「ストレートにゴリラより酷いとか言うんじゃないわよ! アタシだって女子なのよ!?」
「「「ソーデスネ」」」
「そこに並べアホコンビィ!!」
何でメヌは外されてるんですかねえ、ドヤ顔するな妹様。あと配線振り回すなって、ワンチャン爆発オチに「爆発オチなんてサイテー!」こんな時だけ心読むなアホ一号。
「ハー、ハー……何かこんなにツッコミ入れるの、久しぶりな気がするわ。ジュンと一緒にボケ役がいなかったからかしら」
「潤ちゃんの帰省、私も付いていきたかった……!」
「……違うわね、ストッパー役の白雪がポンコツに戻ったからか」
「流石に酷くないかなアリア!? 私何か嫌われるようなことした!?」
「いや、最初に会った頃のしっかりした白雪が帰ってきたのは、やっぱり一瞬だったなあと……」
何か遠い目になってるけど、実際白雪って基本はしっかりしてるんだよな。部活も生徒会もしっかりやってるし、でも俺が注意してるから無茶しない範囲に抑えてるし。
ただ、俺と理子が関わるとこっち側になるもので。……最近は
「お兄ちゃんの浮気者ーーー!!! 妹はかなめがオンリーワンでナンバーワンでしょうがあ!!」
「う、うわ!? どうしたのかなめちゃん!?」
「あ、ごめんあかりちゃん。お兄ちゃんが他の
「あー、遠山先輩人気あるもんねー。でもそんな風に叫べるなんて、お兄ちゃん想いなんだねーかなめちゃん」
「世界で誰よりお兄ちゃんのことを常時考えてます」ドヤァ
「おー」
(そこは感心するとこじゃないと思いますあかり先輩……)
……何かマイシスターからの毒電波を受信した気がするが。スルー安定だな、うん。
「で、まあそれは置いとくけど。結局誰が偵察に行くのよ?」
「ぶっちゃけ誰が行っても余裕で釣れるんじゃないかなあとりこりん思います~。空港からここまでもーう視線が多いのなんの。気分はアイドルかな?」
「逃亡中の犯罪者だろ、殺気だった奴も多かったし」
正直、襲われなかったのが不思議なレベル。まー全員藍幇だろうな、それもココ姉妹の息がかかった連中。正直、襲撃されても不思議じゃないレベルだった。
「向こうも半端な戦力で手を出そうと思うほど、バカじゃないってことでしょ。アタシのパチモンがそれで痛い目あってるんだし」
「痛い目というより酷い目にあってたけどな」
「お姉様と私に害をなす輩が悪いのですよ」
いや被害あったの俺だけやん、ゲ○インという名の精神的ダメージを。
「ジュンはそういう役ですから諦めてください。
さて、事前に話していた散策の件ですが、固まって動くと敵も手を出し辛いので動かなくなるのは、メヌエットのステップを踏むまでもなく分かることです。なのでツーマンセル、もしくは単独での行動がいいかと」
「はいはいはい!! 理子、ユーくんと一緒に回りたい!」
「あ、抜け駆けはずるいよ理子ちゃん! というか潤ちゃんの実家に行くなんていううらやまけしからんことしてきたんだから、私に譲りなさい!」
「白雪様、言い分はごもっともですが、ご主人様の横は簡単に譲ってくれるものではないかと。もちろん、リサもご一緒したいです!」
「面白くなってきたのでメヌも仲間に入れてくださいな」
「では私も」
「大人気ね、潤」
「ツーマンセルとはなんだったのかという件。俺が残ればいいんでね」
「そうなったら誰が残るかで争いになるだけね」
それな。いつから俺はラブコメの主人公みたいな立ち位置になったんだろう。約二名はノリでやってるけど。
「自覚なかったの……?」
「そんなマジ顔で驚かれても困るんだが」
まあ険悪にならないのは、こいつ等のいいとこだと思う。火に油は幾らでも投下するけど。あーこら理子、白雪とプロレス始めるんじゃないっての。ここ寮じゃねえんだから防弾とか防音パーフェクトじゃないぞ。
「ふむ、全員譲る気はないということですね。では、私から提案があります。ここはくじ引きで天を運に任せましょう」
「運ゲーなら任せろバリバリー!!」
ガチャで定期的に爆死してる奴が何言ってるんだ。
「ガチャは悪い文明だから仕方ないんだよユーくん」
「急に真顔になるなよ怖いわ」
「出るまで回せばいいんです」
「そう言って十万単位を毎回突っ込むのやめなさいメヌ。この間ママが心配してアタシに相談してきたんだから」
「課金は呼吸と同じなのですよお姉様」
「うん、理解しちゃダメなのは分かったわ」
収集欲を刺激されてるからな、諦めろアリア。
「まあそれはともかく。ここにももまんがあります」
「いつの間に用意したのよアンタ……ってそれ、アタシの分じゃないでしょうね!?」
「お姉様は自分用の亜空間に仕舞っているじゃないですか」
「いや、アンタのことだからそれくらい干渉出来そうだし」
「流石にやりませんよ」
出来ないとは言わないんだな。
「そう、それなら安心だわ。じゃあ一ついただい――」
「この中から当たりを引いた人が勝ちです。ハズレを引いたらご愁傷様ですね」
ピタッ、って擬音が付きそうな感じでアリアが停止した。額に汗を浮かばせながらメヌの方を向き、
「……ねえメヌ。ちなみに何が入ってるの?」
「カプサイシン、鷹の爪、デスソースその他諸々の辛味+酸味を混ぜた究極の一品です」
「アンタももまんになんてことしてるのよぉ!!!??」
うわ、アリアがガチギレした。
「自作したものですから大丈夫ですよ。中身がばれないように巧妙な偽装を施しましたが」
「この間作った時に減ってるなあと思ったらアンタのせいか!?」
作ったの俺だけどな、近所の店舗で全滅しててももまん欠乏症になってた誰かさんのために。
「というわけで、勇気と無謀を履き違えた方は参加してくださいな。あ、覗くのは無駄なので悪しからず」
「く、『透視』が効かないなんて……メヌちゃん、本気なんだね……!」
「というかヌエっち、『隠蔽』とかの術式すっごい得意だよねー。これは理子と一緒に怪盗コンビを組むしか」
「お金は間に合ってるので結構です。お姉様のものは真正面から正々堂々騙して奪ってあげますので」
「アンタ正々堂々の意味を辞書で引いてきなさいよ!?」
「正しく整っていて勢いの盛んな様、ですね」
「くっ、人間コンピュータより優れた頭脳は伊達じゃないわね……!」
「あんなのと一緒にしないでください。あ、私の分は公平を期すため潤が代わりです」
「被害担当艦ですね分かります」
「当てればいいんですよ、頑張れお兄ちゃん☆」
「ごめん寒気がした」
「(言葉で)殺すわよ?」
じゃあやるなよ、お前がお兄ちゃん大好きキャラとかいっそ怖いわ。
「むきゃーーーーーーー!!! メヌちゃんお前もかーーーーー!!??」
「だから急に叫ばないでください!?」
「じゃあ恨みっこなしで」
各人、テーブルに置かれた桃まんを一つずつ手に取る。リサ、泣きそうなくらいなら参加しなくても――え、女には譲れない一線がある? そっすか(投げた顔)
「「「「「せーの」」」」」
「「「「「…………」」」」」もきゅもきゅ
ふむ、普通のももまんだな。じゃあこれはあた――
「むぐっ、うっ、ふぐおぉぉぉ!!!??」
あれ、理子だけ急に顔色がやばくなってきたな。他の面子はギョッとしてるし、まさかメヌ――
「チッ、使えないわねジュン」
「舌打ちはやめような、はしたないから。じゃなくて、当たりってもしかして」
「ええ、いい思いをするには相応のダメージを受けなければいけません。理想の展開としては、ジュンが苦しんで私に付いてこさせたかったのだけど」
「わーこの車椅子少女ドッエスー」
真顔で言い切るあたり、もう完全に開花してんじゃねえかな。ところで理子の顔が信号機みたいにコロコロ変わってるんだが。
「おめでとうございます理子、コンビの権利は貴方が得ました」
「ふおおおおやったぜい……! 理子の圧倒的しょう、うぐう口とぽんぽんにくるぅ……」
「……これ、悔しがればいいのか安堵すればいいのか分からないよ潤ちゃん」
「メヌにはめられたって思えばいいんでね」
「失礼ですね、誰も当たりがやばいのなんて言ってませんよ」
「だから性質悪いんでしょ」
呆れた目で妹を見るアリア。そろそろ妹補正も限界なんじゃねえかな。……いやねえか、この無自覚シスコンは。
「ごめんユーくん、恥とか遠慮とか捨てて理子をおトイレに連れてって……」
「何故俺に頼むし。リサ、頼む」
「は、はいご主人様! 理子様、お気を確かに……!」
それ発狂してる奴に言うセリフだから。やばいもんでも混ぜたのか、メヌ。
「……というか、コンビ決めるだけなのになんでこんな掛かるのよ」
「それな」
いつも通りとも言うけど。
おまけ
「そういえばジュン、アンタが張った結界……大丈夫なの?」
「どういう意味での大丈夫かによるが、耐久と攻撃性はそんなでもない」
「……大丈夫なの?」
「全く信用してないな。まあアリア相手なら大丈夫だろ」
「へえ……言うじゃない、アンタの結界くらい易々と突破してやるわ」
「え、アリア? あの、入らない方が……あー、行っちゃった」
「まさかマジで乗るとは」
「お姉様はチャレンジャーですから」
五分後
『ふんぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』
「おお、全く色気のない悲鳴」
「ああ、お姉様の悲鳴いいですねえ」
「いや言ってる場合じゃないんじゃないかな!? というかアリア何を見たの!?」
「常時雷の鳴る幽霊屋敷というクローズドホラー。ただの幻影だから倒せないし、寒気と怖気がとまらない」
「ああ、それはお姉様倒れますね。倒せないゴーストとか悪夢以外の何者でもないですし」
「相手の『苦手』なものを展開させる結界だからなあ。とはいえ殺傷力が相手依存だし、もうちょい攻撃系の罠増やすか」
「潤ちゃん殺しちゃダメだよ!?」
この後アリアはメヌの気付け(意味深)で起こされた。
後書き
オイ進まねえぞいつものことか。どうも、作者のゆっくりいんです。
さて中国という名の藍幇編、スタートしましたが……まあ、次回から戦闘シーンもあると思います、うん。ちなみに誰が付いていくかはマジでダイス振りました。原作では白雪だったけど許してちょ――
白雪「…………」<◎> <◎>
が、外伝書くか何かリクエストもらったら書くんで、勘弁してくだせえ(震え声)
白雪「……約束ですよ」スッ
へい、そりゃもう。
……あー怖かった、アリアさんなら泣きそうな勢いでしたわ。
さて、次回は散策編となります。ココ姉妹のヘイトと殺意がマックスですが、まあ潤君が恨まれるのはいつものことなので(オイ)
感想・誤字訂正・評価・批評・質問・リクエストなど、良ければ付けてくださるとこれ以上なく嬉しいです。
では読んでいただき、ありがとうございました。
ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?
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各ヒロインとのイチャイチャを……
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エッチなのはいいと思います()