遠山潤は楽しみたい   作:ゆっくりいんⅡ

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 今回の外伝は冬の祭典、そしてあのイタリア娘がフライング登場します。
?「やっと出番ね! この時をずっと待っていたわ!」
( ゚Д゚)いや大分早いですよ。
( ゚Д゚)ところでジャンヌさん、これ終わったらでば――


『探さないでください じゃんぬ』


( ゚Д゚)……
( ゚Д゚)次回までには連れ戻されると思います。
 
 
追伸:誤字訂正いつもありがとうございます。


外伝 お前等の熱意が俺を巻き込む

「ふふふ、遂に来たわよ冬○ミ! 私は帰ってきた!」

「イタリア出身なのに魂の故郷が日本という謎。というか時差ボケと旅疲れで死んだように寝てたのに、元気だなあ」

「ええ元気にさせられたわよ、寝ているあたしに無理矢理飲まされた変な薬でね! こうやってテンション上げなきゃ損ってものよ!」

「ポジティブだなあ」

「薬用意したのはユーくんだけどね!」

「鼻摘まんで飲ませたのはお前だよな理子。つまり俺は悪くぬえ」

「理子に飲ませるよう指示したのはあんたでしょジュン!?」

「そのようなことあろうはずがございません、ベレッタ嬢。寧ろ奪われたんだけどな、エリクサー」

「エリクサー!?」

「薄めたのだから、不老になったりはしないぞ」

「薄めた!? 不老!? 待って理解が追いつかない、あんたパラケルススか何かなの!?」

 いいえ、しがない魔術師です。

 というわけでどうも、遠山潤です。香港から帰ってきてようやく完治し、早めの年末大掃除を済ませて後はのんびりするべと思ってたら、

「冬コミ行こうぜ! ユーくん車の運転な!」

「来ないと女装した状態で以下略」

「という訳で準備してください、一晩で」

「ジェバンニだってもうちょっと用意する時間あると思うんだけど?」

 と、サークル『咲かせよ百合の花(リーリエ・ブリューエン)』のメンバー+αに言われたのが、前日の夕飯時。

 そのすぐ後に「○コミ!? 私も行くわ! というか連れてって!」と、アリア+観光目当てで来日していたベレッタ・ベレッタ嬢が同行を申し出てきた。

 まあ朝五時に出発と言ったら、「マンマミーア!? 日本人(ジャポーネ)はクレイジー過ぎるわ……!?」と戦慄していたが。大丈夫、早朝に叩き起こされて限定フィギュアの列に並ばされたことあるから(何)

 そんな訳で、なんの予告もなしに車(またハイエースかよ)を運転させられる羽目になったのだが。

「「「「( ˘ω˘)スヤァ…」」」」

 肝心のメンバー達は寝ていた。熟睡状態じゃねえか。

 「おーい、きょうちゃーん?」と理子が揺すってるが、ピクリとも反応しねえ。「声掛ければ普通に起きるわよ」とか自信満々に言ってた夾竹桃はなんだったんだ。

 しょーがねえなあ。

「あ! あんな所にノーマルを装った男装麗人とコスプレの百合が!」

「「「「<●><●>ユリッ!?」」」」ガバッ

「それで起きるの!? というか怖いんだけど!? 何なのよコイツら!?」

「うん、俺も予想外だわ」

 というかお前も釣られるんかい、理子。そこまで(百合が)酷くないメヌだけ熟睡中だが。

「……アレは知り合い以上友人未満ね、友情成立じゃないわ」

 何で見ただけで分かるのお前。

「なーんだ残念、ももちゃんの眼力は確かだし、起きて損した気分」

「嘘吐いたジュンチーには罰ゲーム~。りこち~」

「もう用意してあるよー超あるよー」

「わー準備良くて引くわー」

 いつも通り過ぎてこうなる未来が――予測してないと思ったのか?

「あポチっとな」

 ふはは、以前車輌科(ロジ)に侵入して運転席をイジェクション○ッド風に改造しておいたのだ!

 ガチン!

「あれ?」

「いつから予測してないことを予測してないと錯覚していたのかな、ユーくん?

 さー、脱ぎ脱ぎしましょうねー。大丈夫、カーテンは閉めておいて人の壁作っておくから」

「理子に対策されてた、だと……!? 嘘だと言ってよバー○ィ!?」

「ところがどっこい!」

「現実よ。大人しく新作キャラになりなさい」

「オイマテそれ完全に用意してただろこっちくん」

「目潰し用毒『ムスカ』」

 夾竹桃がぷっとキセルから針を飛ばし、眼球に超エキサイティング!!

「うおぎゃああああ!? 眼が、眼がああァァァ!?」

 痛い、これ刺さるのと毒のダメージで倍プッシュに痛い!? というかまたこのパターンかよ、ジャンヌ以来だな来て欲しくなかったよチクショウ!

「きょうちゃんナイス! ユーくん覚悟ー!」

「覚悟する間もなくやるだろうがいてええええ!?」

「コスプレさせるのに失明させるの何!? 大佐の数倍えぐそうなんだけど!?」

「この程度じゃダメージにもならないわよ」

 ダメージになってるよバカヤロ、あちょっと待て脱がすなアッー!!

「…………」(←チラチラ見て赤面するベレッタ嬢)

 

 

「もう、何ようるさいわね……あらジュン、女装してるなんて気合十分ね」

「私が進んで女装したと思います?」

「メヌエットのステップを踏むまでもなく違うのは分かりますが、そういうことにしておきます」

「話が通じないことは分かりました」

 

 

 時は過ぎ、冬コ○開始二時間後。

「ありがとうございましたー。並んでいる皆さん申し訳ありません、新作の『白百合の初体験』は完売になりましたー」

「え、マジ!?」「うーん、仕方ないよね~」「ふふふ、お姉様と一緒にプレイするの楽しみですわ……」

 多めで三百枚用意したのに、昼前に完売とか予想外でござる。ところで聞き覚えのある声が聞こえたんだが、気のせいだろうか。

「スケブは現在先着十名様受け付けていますので、整列中の皆さんは希望のキャラを記入して紙をお渡しくださ~い」

「私モモちゃんで!」「あたしはイチゴちゃん!」「わ、私は茉凛ちゃんで……」「アンタマジ!? いや、私も新しい扉開きかけたから分かるけど……」

「あ、あはは……」

 おう本人の前で扉を開いた話はやめてくれ、俺に効く。

 ちなみに茉凛というのはフルネーム『乙山茉凛(おとやままりん)』というゲーム内のキャラクターで、

『ヒロイン達の中心にいる主人公をライバル視している、秀才系の生徒会長キャラ――と見せかけて、実は本来の性別にコンプレックスを持っているシークレットヒロイン。可憐で上品な男の娘』

 長え、設定盛り過ぎ、あとプレイ前からバレてるのにシークレットヒロインっておかしいだろ。

 アレか、百合と謳ったゲームに出てきたシークレット(にしておきたい)ヒロインってか。じゃあ出すなよ(白目)

 というかこの客層(ほぼその手の趣味か興味のある女子or女子モドキ)で受け入れられてるのが予想外過ぎるわ。ネット告知の評判も概ね好意的だし。

 余談だがこのキャラ、俺の女装姿とアニエス学園に在学中のとある転装生(チェンジ)がモデルらしい。どこで知り合ったんだと思ったら、理子がどっかのイベントで仲良くなったとか。

 ま た お 前 か。

 更に余談だが、キャラのモデルについて相談したら、

「モチのロンでオッケーや! ウチみたいなのの魅力が伝わるなら、強力は惜しまんでー。

 あ、もし良ければなんやけど、もう一人のモデルさんにも会わせてもらえん?」

「モチOK! 日程は調整しとくぜ!」

 と、両者快く引き受けたらしい。知らぬところで妙な約束取り付けないでくれませんかねえ(白目)

「ただいまー。……あら、もう完売したの? 凄いじゃない(Bravo)!」

「お帰りなさい、マーズベレッタ。お目当てのものは見付かりました?」

「……え、ええもちろん。色々勉強になったわ。日本の創造力はやっぱり凄いわね……」

 セーラーマー○姿のベレッタは、目を逸らしながら顔を赤くしている。

「だから買うのはイラスト集かグッズだけにした方がいいって言ったじゃないですか」

「抱き枕を間違えて指差してしまったわ……」

「とんだスケベですね」

「間違えたって言ってるでしょうが!?」

 知ってる、でもその格好で蹴るのはやめような。擬似百合シーンで微笑ましそうに見られるから。

「他の娘達は?」

「店番押し付けて買物に行きました」

 理子なんて未成年に間違われないよう大人びた変装してまでな。

「……あんた、それでいいの?」

「運転役も含めて、たっぷり奢ってもらうことにしてるので。とりあえず羊羹一本とケーキ1ホールからですね」

「甘いのばっかり食べてるから、そういう扱い受けるんじゃない?」

「男女差別と言いたいところですが、否定できませんね。まあ食べるのを辞めるくらいなら受け入れますが」

「何があんたをそこまで駆り立てるのかしら……?」

「マーズは銃を作るのをやめられますか?」

「ああ、その例えなら納得だわ。……いや、セーラー○ーズは銃を作らないわよ! 何を言ってるの!?」

 だからゲシゲシ蹴るのやめなさいって。アリアに比べたら子猫に噛まれたようなもんだけど。

「はあ、もう全く……疲れたからちょっと休むわ」

「飲み物どうぞ。初めてのコミ○、どうですか?」

「なんというか、予想以上の人混みと熱意だったわ……流石、日本の主要産業の一つね」

「熱意のせいで超能力が使えない謎の空間と化してますからね、ここ」

 電波も魔力も通らないとか、冷静に考えて恐ろしいよなあ。アキバが『武偵殺しの街』なら、こっちは『魔術師殺しのイベント』だし。

「ねえジュ「茉凜です」それ呼ばせるのね……じゃあマリン、ありがとね。無理言ったのに連れてきてくれて」

「構いませんよ、一人増えただけですから。というかお礼はサークルチケットを用意した桃子に言うべきですよ?」

「いや無茶なオーダーに全て応えたあんたに真っ先に言うべきだと思うけど?」

「……」

「目頭押さえてどうしたのよ」

「いえ、余りにも常識的かつ労いに満ちた言葉だったので……いい子ですね、あなた」

「ええ……何でガチ泣きしてるのよ……」

 軽く引かれてるが、まあ仕方ない。普段ならハーレム野郎とか潤だしで済ませられるし、白雪とかリサ以外で純粋に労われたのなんていつ以来だろう……

「はあもう、いつまでも泣かないの! 販売も終わったら午後からは一緒にコスプレスペース行きましょ。

 日本のコスプレがどんなのあるか、楽しみだわ!」

「あら、それはデートのお誘いですか?」

は、はあ(コ、コオーサ)? なな、何言ってるのよ?」

 からかうように言ったら、顔を真っ赤にしたマーズベレッタが上目遣いで睨んできて、思わずクスクスと笑ってしまう。随分可愛らしい怒り方だ。

「……あんた、その笑い方だと女子らしさが増してるわよ」

「やる時は徹底的にやる主義なので」

「そういうことしてるから、他の連中にやらされるんじゃない……?」

 否定はしない、でも辞める気もない。

 その後、ベレッタマーズと一緒にコスプレ広場へ行ったら、ウチの作品に出てくるキャラのコスプレしてる奴がチラホラ見えたんだが……え、あいつ等のサークルってそんなに有名なの? 発売日今日だよ? アトリ○シリーズの新キャラじゃないんだよ?

 

 

 

 

 




後書き
 コミケ編&ベレッタ登場回でした。まあ年末を利用した旅行なので、本格参戦は(あれば)もうちょい後ですね。
 さて、次回から修学旅行というか、欧州編ですね。ジャンヌさんは無事アリアさんと理子さんに捕縛されたらしいので、次回はキチンと出てくるでしょう(愉悦の笑み)。
 それでは、今回はここまで。感想・誤字訂正・評価・批評・質問・リクエストなど、良ければ付けてくださるとこれ以上なく嬉しいです。
 読んでいただき、ありがとうございました

ぶっちゃけ中学時代の話って見たいです?

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  • いいから続きを書け
  • 各ヒロインとのイチャイチャを……
  • エッチなのはいいと思います()

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