それが僕の始まり   作:りりなの

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今回はベン・トーの原作混じっていきます。


帝王

 あの一件以来僕の食生活は少しだけ改善した。

 

「幽君、このお弁当は何?」

 

 会長は僕のお弁当を見て訪ねてくる。

 

「どう見ても鯖弁当ですよ」

 

 鯖と白いご飯だけのお弁当が僕の目の前に広げられている。

 

「いやいや、うちとエリチが渡したレシピはどうしたん?」

 

 実際に僕は料理ができないのでこの2人に作り方のレシピを貰っているとても詳しく書かれている。

 

「包丁が危ないと思ったんでやめました」

 

 その言葉に2人は滑りこけた。

 

「昨日は火が危ないから止めたって言ったけどその前から駄目やん」

 

 僕は怒られながらも鯖弁当を食べていく。

 

「でもその鯖って」

 

「冷凍です」

 

 会長の言葉にすぐさま返す。

 

「いかにも自分が作りましたよみたいな顔をしても駄目やから」

 

「僕はお昼のお弁当を作るように言われたのでこのように持参してきてますよ? それに誰も冷凍食品は駄目だと言ってないですよね」

 

「それにしてもどんどん話が進むにつれて幽君のキャラが変わってへん?」

 

「先輩、それはここでする話ではありません」

 

 僕はそう言ってお弁当を食べ終えて鞄を持って教室に戻る。

 

 午後の授業はいつも通りに終わり放課後は真っ直ぐに生徒会室に赴き雑用をこなす。

 

「では、今日は帰ります」

 

 挨拶を済ませて僕はスーパーに向かうと自動ドアのところにホモが待ち構えていた。

 

「よぉ、待ってたぜ」

 

 僕はお前を待ってもいないしいて欲しいとも思ってない。

 

「それにしてもここはお前の狩場になってるな」

 

 樹林は今の僕には丁度いい場所になっている。

 

「そんなお前に朗報だ」

 

 ホモは近づいてきて真剣な顔をする。

 

「東区の狼がこの北区に来ている」

 

 僕にはその意味が分からなかった。

 

「それがどうしたんだ僕には関係ないだろ?」

 

「なっ、舞姫はお前をどこまでも放任主義で育ててるんだよ」

 

 ホモは真剣な顔から驚いた顔をしたがすぐさま真剣な顔をする。

 

「帝王が率いている組織の男が最近この北区のスーパーに顔を出しているみたいなんだよ」

 

 それがどうしたんだと思いながらも話を聞いていく。

 

「俺が聞いた内容なんだがよ、二つ名の狼に西区に攻めるための勧誘をしているらしい」

 

「それは僕には関係ない」

 

 そんなことを言いながら夕餉の下見をしていたらこちらに近づく足跡が聞こえてきたので振り返ると片耳にピアスをしている男が立っていた。

 

「二階堂何しに来た」

 

 ホモは僕の一歩前に出て二階堂と呼んだ男を睨み付ける。

 

「お前にも言いたいことがあるが今はこっちに用事があるんだ」

 

 そう言って僕の方を見る。

 

「お前がステルスの加藤(ゆう)だな」

 

「〈ゆう〉ではなく〈かすか〉です」

 

 僕はすぐさま名前の間違いを指摘した。

 

「そうかこちらのミスだ済まない」

 

「それで何の用だ?」

 

「噂を聞いているのなら話が早いのだが俺たちのグループに手を貸してほしい」

 

「知っているか、人にものを頼むときはそれ相応の報酬を用意するものだろ」

 

「情報通りの性格だな、お前が協力してくれるのなら『青森の正直』」

 

「協力する」

 

 僕は相手が言い終える前に返事をする。

 

 会長に家の鯖缶を全て没収された今の僕には美味しい話だ。

 

「なら明日にでもこのスーパーに宣戦布告に行ってほしい」

 

 渡された紙にはホーキーマートと書かれていた。

 

「場所が遠い」

 

「それに人に頼むのならお前たちのトップが来るのが常識じゃないのか」

 

 僕は紙を男に返す。

 

「元からお前には協力ではなく時間稼ぎをしたかっただけだ」

 

 こいつ何を考えているんだ。

 

「帝王が舞姫に接触するのにお前は邪魔になるからな」

 

 僕の何を知っている。

 

「そう思ったが情報と全く違っていたから安心した」

 

 僕はそれだけを聞いて店の外に向かって歩き出した。

 

「おい、どこに行くんだ?」

 

 今まで空気になっていたホモが聞いてきた。

 

「帝王を見てくる」

 

 僕はそう言ってりんりを目指して歩き出したがなんだか嫌な気がしたので少しだけ早足で向かった。

 

 僕が向かっていた時には争奪戦は終わっていて帝王の姿を見ることはできなかったが代りに先輩が額から血を流し倒れていた。

 

「運ぶか」

 

 僕は先輩が気絶している事を確かめて家に運ぶことにした。

 

 

 side希

 

 なんで体が揺れてるし頭が痛い……そうか、私は帝王にやられて気絶したんだった。

 

 私はそう思いながら薄っすらと目を開けると彼の顔が見えた。

 

 私は目を閉じて思った、お姫様抱っこされていることに気が付いてしまった。

 

 恥ずかしい! 年下の男の子にお姫様抱っこされていることも恥ずかしいけど彼にされていることがとても恥ずかしい。

 

 私は目を閉じて時を経つのを待ちながら意識を闇の中に落としていく。

 

 次に目を覚ました時には光が視界を埋め尽くした。

 

「あれ」

 

 私は目を覚ましながら先ほどまでと違う感じがした。

 

「包帯」

 

 頭には綺麗に包帯が巻かれていた。

 

 そんなことを思っていたら足跡が近づいてきた。

 

「目覚めましたか?」

 

 彼はそう私に聞いてきた。

 

「幽君の家ここ?」

 

「そうですよ、スーパーから近いのは僕の家なので処置もしといたので」

 

 そう言って彼はテーブルに座ってパスタを食べ始める。

 

「先輩も食べますか?」

 

 私も欲しいと言う前にお腹が鳴り私は顔を真っ赤にした。

 

「そうですかわかりました」

 

 彼はそう言って台所に行ってもう一つお皿を持ってきた。

 

「鯖パスタです」

 

 私はその言葉に成長したと思ったがお皿を見たら固まってしまった。

 

「なぁ、これって茹でたパスタに鯖缶をのせただけやんな」

 

 私は引きながらも彼に聞くが彼は自信満々に頷いた。

 

「鯖缶料理です」

 

 彼はそう言って私の前にお皿を置いて自分の分を静かに食べ始めたと思った。

 

「帝王に負けたんですよね」

 

「知ってるんやね」

 

「僕は気絶していた先輩を見つけただけです」

 

 彼は食べ終わった皿を持ち上げて言う。

 

「その傷、あとには残りませんから」

 

 そう言った彼の瞳はいつもの様などこを見ているのか分からない瞳が怒りに満ち溢れている事だけはわかった。

 

「縄張りの意味分かってるん」

 

「今日聞いたから知っている」

 

 彼は皿を持って行く前に聞き忘れていたかのように口を開いた。

 

「帝王はどこのスーパーにいるんですか?」

 

「ラルフストアによく出るらしいで」

 

 私はこの情報を彼に言ってよかったのか後悔した。

 

 彼はそこまでして帝王と戦いたいのだろうか。

 

「先輩、数日は激しい運動は避けてください」

 

 彼はそう言ってお皿を台所に持って行き戻ってきたら外を見ながらつぶやく。

 

「今日は遅いので親の部屋で寝てください」

 

 彼はそう言って自分の部屋に戻っていった。

 

 今日は彼の家でお泊りになった。

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