主人公はまだ戦いません。
顔に水をかけられて僕は目を覚ました。
「あれ、なんで寝てたんだろう」
目を覚ますと本当に知らない天井だった。
「目覚めたか小僧」
声のする方を見ると筋肉モリモリのおっさんがいた。
「目が覚めたなら早く出ていけ閉店時間だ、そこにあるカロリーメイトを一つ持っていけ」
おっさんが指をさす方には大量のカロリーメイト(チョコ味)が箱で積んであった。
「分かりました」
僕はカロリーメイトを一つもらい帰宅するがその間、意識を失う前の光景が何なのか分からなかったが明日先輩に会うことができたら教えてもらおう何をしていたのか。
その日の夕飯となったカロリーメイトで腹を満たすことができなかった僕は空腹と戦いながら学校に向かいホームルームが始まるまでにあの先輩を探そうと思ったが学校の事を全く把握していなかったので迷子にならないように教室で待機していたが空腹で死にそうだった。
放課後になり今度こそはと思って先輩の捜索をしようと思って教室を出たら先輩に出くわした。
「おっと、昨日の君やん」
名前を名乗っていなかったので変な呼ばれ方をされた。
「先輩「聞きたいことがあるんやろ」はい」
どうやら先輩は僕の聞きたいことが分かっているようだ。
「せやったらついてきて」
先輩に言われるがまま僕は後をついていき一つの教室に到着した。
「ようこそ、超常現象研究会へ」
そう言って先輩は教室の入り口の前で地王立ちする。
「へっ?」
僕は昨日の事を教えてくれるかと思っていて間抜けな返事をしてしまった。
「まぁ、今回はそれは置いといて教室に入った入った」
そう言って先輩は僕の背後に回ると背中を押して教室に僕を押す。
それにしても女性なのに腕の力が凄く強いと僕はこの時思った。
教室に入るとオカルトマニアが欲しがりそうなものが教室のあちらこちらに置いてる。
「先輩、そろそろ本題に入ってくださいよ!」
僕は先輩の軽い調子に乗せられてつい本音を叫んでしまった。
「本題に入る前に自己紹介しようや? いつまでも君って言うのもあれやし」
そうだ僕たちはお互いの名前を知らないけどそれがいま必要なのかと思いながらも僕は自己紹介をした。
「加藤
名前だけの簡潔な自己紹介をしたが先輩はつまらなそうな顔をしていた。
「幽君、もう少しおもろい自己紹介してーや」
そんなことを言いながら先輩はこうなったら人生の先輩の見本を見せたるでと言いながら自己紹介を始めた。
「うちは東條希。この超常現象研究会の部長、君の知りたいことを何でも知っているスピリチュアルなガールやで」
そう言って笑った先輩を見て僕はその笑顔が可愛くて頬を赤らめてしまった。
「どや、先輩の自己紹介」
そう言って僕に感想を聞いてくるが僕の回答は決まっている。
「そんなことより昨晩の事を教えてください」
そう、真剣に僕は先輩に聞く。
そうすると先輩は冗談のように笑っていた表情が真剣になりながら言葉を放った。
「もし君が知りたいんやったら今日も同じスーパーに来たらええよ」
僕は先輩の放つ言葉の色、表情に負けてしまった。
なんでそこまで真剣にそんなことが言えるのかが分からない。
「分からないって顔をしてるね」
先輩は僕の表情から僕の言いたい言葉を理解していた。
「昨晩のあれは口で説明するには君にも理解してもらわないと駄目やから」
だけど僕は昨晩の光景を思い出しながら思ったことを言葉にする。
「僕の推測ですが半額弁当を求めて争っている」
僕の回答が正解なのかは置いといて先輩は少しだけ驚いていた。
「昨晩の蹴りだけでそこまで推測できるんやね」
「そやで半額弁当を求めて争っている」
なんで半額弁当なんかをと思った瞬間風を切る音がしたと思ったら僕の目の前に先輩の拳があった。
「半額弁当なんかと思った、でもそれを私たちの前で言ったら次はこの拳がその顔に当たると思っていて」
先輩の口調が関西弁ではなかった、これは本当に真剣に言っているのだろうそう思うと僕は恐ろしいと思ってしまった。
「君はまだ狼でも犬でもない」
「君が私たちがやっていることがおかしいと思うけどそれは君が体験したことない世界だから」
なんでこんなに真剣語ることができるんだ。
「君が安全に夕餉を楽しみたいのなら半額になる前のお弁当をとることをお勧めするよ」
本当に先輩は半額弁当を本気で求めているんだ。
僕は何も言わずに教室から出て帰宅した。
僕にはそこまでして半額弁当が欲しいわけではない、だから僕はこれ以上関わることはできないと思った。
夕日の沈む空を見ながら僕は半額前になるお弁当を求めてスーパーに向かった。