ズラ丸、ヨハネ、曜ちゃん可愛いよ。
型抜きを堪能した僕は先輩と別れてスーパーに向かった。
スーパーの中にはこの蒸し暑い中で分厚いコートを着ている男が居た。
「あの男は危険だな」
あの男に近づかないようにしないといけない。
臭いで空腹の虫を麻痺させられてしまう。
僕は今回の祭りの日に作られる花火ちらし寿司弁当を見に行くと残りの数が二つしかない今回は本当に修羅場になるだろう。
この場に居る狼の戦闘を観察してから動くためレジの近くまで移動して見ることにしたが戦場は荒れている。
弁当が置かれている周りは一瞬にして狼たちの戦場になっている。
「この中に飛び込むのか」
僕は呟きながら移動できる隙間を探すが見つからない。
こんな場面は初めてだそれほどまでに今回は壮絶な戦いになるのだろう。
なぜだろうこんなにも自分を生かせる戦術が行えない中なのに喜びを隠せれない。
早くあの中に行きたいと思う。
そう思ったら体は前に進む素早く気配を殺して戦場に向かう。
弁当に近づくにつれて鼻を突くような臭いが匂う。
肺の中に大量の酸素を取り入れて前に進む弁当を手に入れる為に集中する。
進むルートを導くために脳をフルに回転させる目に映る景色を幾つものルートを導くがどのルートも狼の多さでルートが途中で無くなってしまう。
それでも進むルートがなくなる前に新たなルートに切り替えながらも前に進む。
世界がゆっくりになる自分が早く動いている錯覚を覚える。
弁当に近づくために走る息をするのも忘れて前に進む。
次第に視界が狭くなってくる。
自分の体に違和感を覚えた時には僕の体は地面に倒れている。
毒を恐れて酸素をとっていないから酸欠で頭より体が先に駄目になってしまった。
負けてしまった。
お弁当を取れなかった僕はおにぎりを買って近くの公園に向かった。
「遅かったやん」
先輩は先に来て待っていたみたいだ先輩の膝の上にはお弁当が置かれている。
「負けてきました」
そう言って僕は静かに先輩の横に座りおにぎりを食べ始める。
空には花火が暗闇の中に咲き誇る。
「花火綺麗やね」
「そうですね」
花火を見たのは何年ぶりだろうかそう思いながらおにぎりを食べながら花火を見上げる。
「幽君」
先輩に呼ばれて横を振り向くとちらし寿司が乗った箸をこちらに向ける先輩がいる。
「一口だけ食べる?」
そう言った先輩の顔は赤かった。
僕はそんな先輩が面白く少し笑ってしまった。
「貰います」
僕はそのままちらし寿司を貰うことにした。
綺麗な花火を見ながらこんなにおいしいものを食べるのは幸せだと思ってしまった。
早い進路の選択をされたが今の僕はここに居たい先輩の居るこの場所に居たいと思えた。