それが僕の始まり   作:りりなの

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今年もそろそろ終わりですね。


二つ名

 調子が良い僕は樹林ではなくりんりの方にやって着いたら危険な男に鉢合わせてしまった。

 

「おっ、イイ肉を持ってるワンコじゃないか」

 

 ホモ野郎に出くわしてしまった。

 

「今から樹林に行こうかな」

 

 そんなつぶやきをしたのだがこの男に見つかったのが悪かった。

 

「今から行っても戦闘中だ、今日の夕餉の下見でもいこうか」

 

 そう言って男は僕の腕を掴んで店の中に連れていった。

 

 店の入り口付近に先輩が立っていて僕の方に視線を向けた。

 

「あれ、幽君やん」

 

 今の状況の僕を見つけないでほしかった。

 

「今日はこっちに舞姫がいるのかよ」

 

 また、先輩を舞姫と呼ばれていた。

 

「せや、今から買い物するから幽君荷物持ちしてや」

 

 この言葉に僕とホモ野郎は固まってしまった。

 

「えっ、先輩普通に料理するんですか?」

 

 僕はそんなことを聞いてしまった。

 

「一人暮らししてるんやから料理ぐらいできるで」

 

 頬を少しだけ膨らませながら怒っている先輩を見て僕はさらに驚いてしまった。

 

「一人暮らししてたんですね」

 

 先輩の言葉で気になったのはそこの部分だけだった。

 

「一人暮らしやから平日は学校帰りにご飯を作るのが大変やから土日は栄養が偏らんようにこうやって食材を買いに来るんよ」

 

 すごいな先輩は僕にはできないことをするのかと感心した。

 

「それで、幽君はご飯食べに来る?」

 

 そうだったそんなことを言われていたんだった。

 

「そうですね、久しぶりに誰かが作ったご飯を食べるのもいいかもしれませんね」

 

 今日はなんだかんだで誰かと食事をとることが多いな。

 

 僕と先輩は買い物を済ませて先輩の住んでいるマンションに向かった。

 

「本当に一人暮らしをしてたんですね」

 

 僕は先輩の部屋に入るなりそんなことを言った。

 

「親が転勤族やからね」

 

 そう言って先輩は微笑んだが僕には分かってしまう辛そうにしている。

 

「今の僕と少しだけ似てますね」

 

 先輩と違って親が一方的に海外に行ったことを話した。

 

「うわぁーそれはないわ」

 

 話をして同情ではなく引かれてしまった。

 

「夕食の準備するからまっててや」

 

 そう言って台所に向かう先輩を見て僕はお言葉に甘えることはできなかった。

 

「余り料理はできませんができるだけ手伝わせてください」

 

 そう言って僕も台所に入っていくが先輩の言われたとおりに動いたためそこまでひどいことにはならなかった。

 

 料理ができてテーブルに運び食べているときに僕はスーパーでのことを聞いた。

 

「そう言えば、なんで先輩は舞姫って呼ばれているんですか?」

 

 そんなことを急に聞いたため先輩はむせてしまった。

 

「いきなりなんなん」

 

「いえ、普通に気になって」

 

 僕は何もなかったかのようにご飯を食べる。

 

「二つ名やね」

 

「二つ名ですか……中二病ですか?」

 

 僕は自然とそんな言葉を発していた。

 

「中二病ちゃうし、勝手につけられただけやから」

 

「それだけ先輩が有名なんですね」

 

「大抵の狼は月桂冠をとった時に名付けられるのが多いんよ」

 

「ふーん」

 

 僕は黙々とご飯を食べていく。

 

「幽君が聞いてきたのに興味示してや」

 

「いえ、興味はあるんですけど先輩の料理が美味しくて」

 

 最近誰かの作った料理は口にしていなかったからしょうがないが先輩の料理はなんだかんだでとても口にあう。

 

「はいはい、お世辞はいいからもう少し先輩の話も真剣に聞いてや」

 

「お世辞じゃないですよ? こんなに美味しい味噌汁なら毎日飲みたいですよ」

 

 僕はそう言って味噌汁を飲み干して空いた食器を流しに持って行くときに先輩の顔を見たら顔を真っ赤にして口をパクパクとしていた。

 

「どうしたんですか、金魚の物真似ですか?」

 

 そんなことを言われた先輩は僕を睨みながら違うと言いながらご飯を食べる。

 

 ご飯を食べ終わってお茶を飲みながらゆっくりしていたら先輩が突然聞いてきた。

 

「そう言えば、親がいないっていうことは朝食とかはどうしてたん?」

 

「コンビニでご飯と缶詰を買ってましたよ、それと半額弁当ですよ」

 

「ほんまにそんな生活をしてたん」

 

 もう一回聞いてきたので頷いたら先輩はすごい顔で詰め寄ってきた。

 

「何考えてるの、栄養が偏ってそのうち倒れる!」

 

 先輩の口調が標準語になっていた。

 

「大丈夫ですよ」

 

「そんな生活してたら体がおかしくなる」

 

 そういう事か僕を心配してくれているんだ。

 

「それなら大丈夫ですよ」

 

 僕は冷静に冷酷に言葉を発する。

 

「僕の体はもう壊れていますから」

 

「えっ」

 

 先輩はそう言って固まってしまった。

 

「どうしたんですか? 普通に過ごしている僕が自然だと思ったんですか、違いますよ作っているんですよ」

 

 何もなかったかのようにお茶を飲み僕は続ける。

 

「これ以上、壊れないように普通を装っているんですよ」

 

 お茶を飲み終わった僕は一息ついてから席を立って玄関に向かう。

 

「だからこれからも変わらず接してください」

 

 また、生徒会でと一言述べてから僕は先輩の部屋を出た。

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