「到着、ウワッ暗いな、遅くなってしまった」
人里から戻って来た時には、もう完全に日が落ちて、外は真っ暗になっていた
「今日はもう寝よう」
「あら、そうはいかないわよ?」
「!?」バッ
いきなり後ろから声が聞こえたのでバッと振り向くとそこには、いつの間に来ていたのか霊夢が立っていた
「なんだ霊夢か、ビックリさせないでくれよ、で?なんのようだ?」
正直こんな時間に声をかけられるような覚えはない
「宴会の誘いに来たのよ」
「ハァ?おれは行かないって朝言っただろう」
まさか俺が言ってたことを忘れてたのかなーと思いながら聞いていると、霊夢が笑顔をつくりながらとんでもないことを口走った
「あら、私はそれを認めた覚えなんてないのだけど」
「ハァ?!何だよそれ!嫌だ!おれは絶対宴会なんて行かないぞ!」
「そんなこと通るわけ無いでしょ?もう修が行くことは決まっているのだから」ガシッ!
霊夢に思いっきり手を掴まれてしまった、アレ?なんでだろう?今女性と手を繋いでるはずなのに全く嬉しくない
この後おれは無理やり連行されてしまった
「よし、やっとついた、修、あんたもいつまでもウジウジしてないで覚悟を決めなさい」
この鬼巫女め!
「はぁ、来てしまったものは仕方がない、少し楽しむとするか」
この霊夢を説得するのは無理だろとおもい、おれは、仕方なく楽しむことにした
「そうよ、せっかくの宴会なのだから楽しまないと損よね」
ハァ、テンション高いな、でもまぁ、何故かコイツを見てると自然と肩の力が抜ける
「たく、ちょうしいいな」
霊夢とこんなやり取りをしていると、不意に後ろから声をかけられた
「仲がいいのね、手なんて繋いで、私とだったら嫌がるのに」ギロ
「ヒッ!?」ビク
物凄い殺気を後ろから感じる
「あら、あんたが宴会に来るなんて珍しいわね、幽香」
おれが恐怖で言葉を発せないでいると、おれの代わりに霊夢がしゃべってくれた
「今回はたまたまそういう気分だったのよ、それで?霊夢、いつまでそうやって手を繋いでいるつもりかしら?」
幽香が、怒りと殺意を含んだ声で霊夢に問いかけると、なにを思ったのか霊夢が手を握る力を更に強めた
「霊夢!?」
おれが驚いて声を上げると霊夢がこちらを見てニヤっと笑った
「なんのつもりかしら?霊夢」
幽香が今までと比べ物にならないくらいに、殺気を強めて霊夢にそう問いかけると、霊夢が相変わらずにやけ顔を浮かべたまま幽香の問いかけに答えた
「いやぁ、別に?ただなんとなく手を強く握りたくなっただけよ?別に他意はないわ」
(嘘つけ!あきらかに面白がってんだろお前!)
ヤバイ完全に修羅場だ、幽香が怒っている理由は分からないし、霊夢はやめる気ないし、これは本当にヤバイぞ
「いい加減その手を離しなさい、霊夢」
「えー、なんであんたに命令されなきゃなんないのよ、もしかして妬いてんの?」ニヤニヤ
「ハァ?」イラ
(ああもうダメだ、誰かー助けてくれ!)
おれはそんな願いを込めて周りを見渡すがなかなか知り合いが見つからない
(あっ!いた!)
ちょうど一人でうろついてる文を見つけたのでこっちに気づけ!と視線を送っていると文と目があった、おお気付いた!文!助けてくれ!と視線で伝えると仕方がないという感じでこっちに歩いて来てくれた
(おお、こっち来た!ナイスだ文!)
この時おれは、文の性格をスッカリ忘れていた、この時助けを求めなければ良かったと後々後悔することになった
「お二人とも、落ち着いてくださいよ、修さんが困ってますよ?」
ここで終われば万事解決だというのに文が更にややこしくなるようなことを言った
「明日、修さんは、私とデートしないといけないんですよ?もし修さんがデートの日に体を壊したらデートできないじゃないですか、ですのでお二人とも修さんを開放してください」
何を言ってんだよコイツは!
「ちょっ!何言ってんだよ!お前は!?」
「本当のことでしょ?」
「そうだけどさ!場所を考えろよ!場所を!それにこんな時に言うことでもないだろう!?」
「いいじゃないですか別に、まぁ、そういうわけでその人から手を離してもらってもいいですか?霊夢さん」
文はそれだけを霊夢に伝えると霊夢が握っている方とは反対の手に自分の腕を絡めて思いっきりおれの腕を引っ張た、それに対して霊夢も文と同じく腕を絡めて引っ張ってきた
「射命丸、明日修が体を壊さないように最大限の注意をはらってあげるから今は、私に譲りなさい!」
「いえいえ、そうは言っても絶対に修さんが体を壊さないと言う保証はないじゃないですか」
「それを言うならあんただって一緒じゃない!」
「それでも、霊夢さんたちのところよりはずっとマシですよ」
そうやって霊夢と文が口論している間、おれは、前からくるプレッシャーに押しつぶされそうになっていた
「修、さっき射命丸が言っていたデートと言うのはどういうことなのかしら?詳しく教えなさい」
「は、ハイ!実は・・・・・」
幽香のあまりのプレッシャーに耐きれなくなり昼、文と戦った時のことを幽香に告げた、勿論おれが文にしたセクハラまがいのことは、説明してはいない
「なるほど、大体の事情は把握したわ」
「本当か?」
「ええ」
てことは
「この事についてはもうコレでいいわ」
幽香が納得してくれたので、今まで俺にのしかかっていたプレッシャーは綺麗に消えた、そしてそれと大体同じくらいのタイミングで、今まで口論をしていた二人もやっとで落ち着いたのでコレで終わったと思っていたらどこからともなくスキマが現れた
「紫、どうしたの?今頃現れて」
霊夢が紫に話を聞いていたが、紫はそれに対しては何も言わず、ただその代わりと言うように無言でビデオカメラを取り出した
「コレを見てほしいのだけど」
嫌な予感がする
「ん?何よそれ」
「これはビデオカメラという物よ、向こうの世界の道具の一つで一度撮った映像を何度も見ることのできる機械よ、まぁ、言葉で伝えるより実際に見てもらったほうが早いわね」ポチ
機械音と共に映しだされたのは、さっき幽香に説明した時にあえて省いたところ、つまりおれが文にしたセクハラまがいのことをした時のシーンだった、勿論ビデオカメラなので言葉までハッキリと聞こえた
「テメェ!なんで今それを見せるんだよ?!ふざけんなクソBBA!」
いつもならBBAと呼ぶときれるのに、今回はよほど周りの反応が気になるのか、BBAと言う単語には反応しなかった、さて、このままじゃまずいな、よし!逃げよう
「逃がさないわよ?」ニコッ
「少しお話しましょう?」ニコォ
声をかけられた瞬間物凄い量の汗が流れた、駄目だこいつら完全にキレてやがる、ちなみに文はと言うと
「うう」
と、言うようにアレを見てあの時のことを思い出したのか、完全に気絶している、うん、分かるよその気持、出来ればおれも、気絶してしまいたいぐらいだが、二人はそれすらも許してくれない
「あの、二人共少し落ち着いて?」
俺が必死になって懇願しても、二人はそれを聞き入れようとはしてくれない
「落ち着け?どの口がそんなことをほざいているのかしら?ねぇ、霊夢?」
「幽香の言うとおりよ、あんたが今私達に意見していいような立場だと思う?」
(ヤバイ、このままだったら殺られる!なんとかしないと)
「な、なぁ二人共、いまは宴会中だろ?こういう話は別の日にして今は宴会を楽しむべきじゃないか?なぁ?」
宴会、この言葉を使えば今の状況をどうにかできるかな、と思い使ってみると、二人は少しの間沈黙して、仕方がないと言うように息をはいた
「それもそうよね、いまは宴会中、こういう時は宴会の方を優先させるべきよね」
「仕方ないわね、今は何も言わないでいてあげるわ、そう今は、ね」
ふぅ、コレでひとまずは、この話を先延ばしにすることができた
「じゃあ、ちょっと周りの人たちと仲良くなるために誰か見つけて一緒に飲んでくるよ」
「わかったわ、私達は、魔理沙たちと一緒に飲んでいるから、あんたも、後で来なさい、それじゃあ、また後で」
「おーう」
そう言っておれは、霊夢達と別れた
「さて、どうしようかな?ああは言ったものの、自分から声をかけるなんて無理だしな、う~ん」
一人でいるやつとかいないかな?と、一人で悩んでいたら、向こうから、メイドの格好をした女性がこっちに向かって歩いてきた
「修様ですね?レミリアお嬢様があちらでお待ちになられております、レミリアお嬢様のもとにご案内いたしますのでご同行くださいますか?」
口では一応おれに同意を求めているものの目でおれに拒否権はないと言われているのが分かる
「ちょっと待ってくれよ、一緒に行くのは別に構わないけど、せめて名前ぐらい名乗ったらどうなんだ!」
あまりにも一方的な物言いなのでつい、感情的になってしまい、語尾を荒げた言い方をしてしまったが、その女性は特に表情を変えることもなく淡々と自己紹介をした
「わたくしは、十六夜咲夜と申します、どうぞ咲夜とお呼びください」
どうやら咲夜と言うらしい、自己紹介を終えるとすぐに歩き始めてしまった
「それではレミリアお嬢様のもとに向かいましょう」
「ああ」
そう言っておれも咲夜のあとに続いて歩き出した
歩いている間はずっとお互い無言だった
程なくして目的の場所についた
「レミリアお嬢様、修様をお連れいたしました」
「そう、ありがとう咲夜、あとは自由にしていいわよ」
咲夜がお嬢様と呼んだのは、外見が十代前半に見える少女だった
「そうですか?でしたら、わたくしはここで失礼させてもらいますね」
その後すぐに咲夜はどこかえ行ってしまった
「いきなり来てもらって悪いわね、色々と聞きたいことはあるでしょうが、まずは名乗らせてもらうわね」
そう言って、少女は自己紹介を始めた
「私はレミリア・スカーレット、吸血鬼よ、こう見えても、500年以上は生きてるわ」
「そうか、よろしくなレミリア」
おれのこの様子をみてレミリアは意外そうな顔をした
「貴方、外来人よね?今の自己紹介を聞いて驚かないの?今のを聞いたら普通正常の人間なら驚くと思うのだけど、もしかして今のが冗談だとでも思っているのかしら?」
意外そうな顔をしたままおれに聞いてきたので、おれは
「いや、もうそれぐらいで驚いていたら身がもたないだろ?」
まぁ、ほんの少しだけびっくりしたけど
「ハァ、からかいがいがないわね、これじゃあ、咲夜とたいして変わらないじゃない」
レミリアは、おれの反応がよほど気に入らなかったらしく、ものすごく不満顔だった
「そんな顔すんなって、美人な顔が可愛く見えるぜ?」
自分より年上だと分かっていても、外見が外見なだけに普段は恥ずかしくなって言えないようなことをサラリと言えてしまう
「そんなことよく平然と言えるわね、恥ずかしと思わないの?」
レミリアが軽い調子で聞いてくる、なるほど、コレで照れないとは、流石に500年以上生きてるだけあって流石に慣れてるな、幽香とかだったらすぐにてれるのに、でも、まぁこっちの方が良いな、向こうが照れるとこっちまで恥ずかしくなってしまうから、あとから気まずくなってしまうんだよな
「別に誰にでも言えるわけじゃないんだぜ?レミリアにだから言えるだけで」
「あら、そうなの?嬉しいわね」
そう言って、レミリアが軽く笑った