主人公が女の場合はヒロインって呼べるのだろうか……
※訂正 呼べました
※2013328 名前の由来がなかったので書き加えました。 そのほかにも修正
ビュービューと耳元で風が吹く
目の前の光景がだんだんと遠ざかり、闇に包まれていく
「………………」
何のことはない。ただいま絶賛落下中です
「…………はぁ」
どのくらい落ちたんだろう……もう地球の反対側まで落ちたんじゃないか? 実際はそんなに落ちてないみたいなんだけど
落下中は等加速していってるけど、風切り音が強いところをみると、100キロは超えていると思う
このまま地面に落下しても、私の頑丈になってる体には、余程、運がない限り多分大したことはないと思う
それよりも……
……落ちる前にノヴァが言いかけた言葉が気になる。 大事な話とはいったい――
ドンッ!!
堅い地面に落下
衝撃が全身に走る
「あああぁっ!!」
激痛のあまり、叫んだ
「……っ……あ……」
激痛の主な部位は……腰からだ。堅い地面に激突したと思ったけど、腰の部分だけなにか堅いものが当たっている。身体が反らされていて、息苦しい
……ちょっと待って、痛みはすぐ引いた
「…………?」
身体を動かそうとして、下半身に違和感を感じた
「……そんな…………」
足が……動かない。ピクリとも動かない
とうとう感覚がなくなってしまった
……いや、わかっていたんだよ。こうなることぐらい。 完治してまた痛くなったときから、もうわかっていました
「……はぁ」
このまま体を反らしているわけにもいかないから、とりあえず上半身だけでも起こそう
両手をついて少しだけ体を起こした
……薄暗いなぁ。 気味が悪い
そういえば、”’みる’能力”をもらったんだっけ
もしかしたら……
能力発動。 ”周囲を見る”
「おお」
予想通り、薄暗い空間が明るくなった
こういうことに使えるのか。 確かに便利だ
そういえば、一瞬のうちに痛みが引いていった。 もしかして無意識のうちに何かが発動したのかな?
痛みは引いても足腰が動かなきゃ意味がないんだけど
見えるようになったので、辺りを見回すことにした
「………………」
見回してみると、壁が結晶に埋め尽くされていた。そして、上を見る
「あ、あんなところから……」
動揺を隠せなかった。 ……隠す意味はないか
光が点になっていた
能力発動。 ”遠くを見る”
……まだまだ、点になってる。 いったいどんだけ深いんだよ……
確か他にも能力があったはず。 ”’ひく’能力”でも使ってみる
能力発動……能力発動……能力発動……
…………
………………
……………………
……何も考えてなかった
汎用できるって言ってたけど、思い浮かばない
諦めて下を向く
平らな地面。 そして、大きな結晶の欠片の上に私が座っている
これの意味するのは……
「偶然ですよね~……」
周りには何もないのに、私のちょうど真下に結晶の欠片が待ち構えて、ちょうど腰の部分に当たるように置かれていて、ちょうどクリーンヒットして腰痛が悪化するようになっていたことに対して若干の違和感を覚えたけど、全部偶然だよね
偶然でも……悪化どころじゃない。 動かないんですけど
「…………うぅ」
……悲しくなって、涙が出てきた
気分はまるで落とし穴にはめられて、誰かがしたことは知っているけど、復讐するだけ空しくなってくる感じだ
身体を起こしていることにだるさを感じ、後ろに倒れる。 ……落ちてきたときとまったく同じ姿勢だ
「……ろ、狼華、大丈夫?」
目の前に、ノヴァが翼をはためかせて降りてきた
逆さに映ったノヴァはァヴノさんでオッケーですね
……何を考えてるんだろう、私
「……わざわざ降りてきてくれたの?」
「飛べるから」
「そう……」
言いたいことと聞きたいことを間違えた
一切使わずに降りてきたなら、その翼は飾りか!! って言おう思ったけど、普通に使ってたから言えなかった
「この有様をみて大丈夫だって言うなら、こんな恰好してないんだけどね……っと」
「……?」
体を起こそうとして手が滑った
……汗なんてかいてないんだけどなぁ
「……どうしてこっちを向いてくれないの?」
「反抗期」
「足が動かないの?」
「……反抗期」
「じゃあ、治すからうつ伏せにするね」
「…………」
無視された挙句、何もかもばれてるなんて……この子、なんて恐ろしい
「っ……」
平らな地面にうつ伏せに寝かされ、裾を捲りあげられると、ノヴァが息をのむ音が聞こえた
「……これはひどい」
「え……」
背中を撫でまわしながらノヴァが言った
「どのくらいひどい?」
「う~ん……」
「考え込むぐらいなの!?」
「えっとね……みせられないよ!! って看板を持った男の子が飛び出してきて、今見ている部位をその看板で隠しちゃうくらい」
「意味がよくわからないんだけど」
「とりあえず、そのくらいひどいってこと」
どのくらいと聞いたのに、例えを出されてそのくらいと言われてわかるものが果たして……存在するのだろうか?
「……はっきり言っちゃったほうがいいの?」
「それはそれでなんか嫌だ」
「でしょ?」
具体的に細かく離されるよりも、たとえ話のほうが数段楽だ……心が
「実際は内出血がすごいのと、腰骨が粉砕骨折してるんだけどね」
「結局言ってんじゃん!?」
心に大きなダメージ!! ……ものすごく傷ついた
私の心はガラスよりも少し強いだけだから、あと一回言われると折れる
「たとえでどれくらい予想できた?」
「背中がぐちゃぐちゃになってると思った」
「中身はそうなってるけどね」
さいですか……
「とりあえず治すね」
「ん……」
背中が温かくなる。 でも、腰から下は相変わらずだ
「どーおー?」
なんで伸ばしたんですかね……
「……腰から下は駄目でございます」
「なんでへりくだってるの?」
「……なんとなく」
向こうはほんと……言いたい放題だなぁ……
こっちは……言ったら最後だから
「……先に謝らないといけないことがたくさんあるの」
「……え、たくさん?」
この子は罪をたくさん背負っておられるのですか
「実は、狼華の初めてを奪ったときは意識があったの」
「………………」
それは……知ってた
「実はね、寝ている間に尻尾もふもふしてました。抱きついてたりしてました。まさぐったりして遊んでました」
「それは知らなかった!!」
やけに起き掛けがだるいと思ったら……そうだったのか。体力を無駄に消費されてたんだ……
それよりも……
「ねえ、ノヴァさん?」
「はいなんでしょう?」
「……あなたは何かとても大切なことを話し忘れている」
一旦、ノヴァの手が止まる
「狼華は私の正妻だよ?」
「いや、そうじゃなくて……」
別に正妻でもいいんだけどね。 い・せ・い、って黒ノヴァ様が言ってたから、同性婚にはならないし
っていうか、正妻ってことはほかにも作るんですか……
「狼華が私の子を授かっても離さないからね?」
「え……? ……あ、……うん///」
見なくてもわかる。 この子……本気だ!!
「……あ、そっちね」
「そっちです」
再び動いた
「そっちは……後で話すよ」
「どうして後?」
「ちょうど会っておきたいのがいるの」
「……それはいったい誰?」
質問ばっかだ。 ……まだ二つほどだけど
「いろいろと混ざっちゃっている系女の子です」
「……それはノヴァのことじゃないの?」
主に性別とか性格とか人格とか属性とか
「そうだけど……物理的というか精神的というか面で、その子も混ざっちゃってるんです」
そうなんですか
想像してみた……できなかった
「んで、その子はどこに?」
「ここから、道なりに行ったところ」
「うつ伏せになってるからわからないし、道なりにって言われてもわからないんだけど……」
「そうだったね」
……辛辣に聞こえるのは気のせいではない
「……狼華。腰の具合なんだけど」
「……?」
「完治はするけど……」
「するけど?」
「腰の痛みは一生引かない」
物理的なものを完治できない治癒って……それって治癒なのかな……
「……力を分けすぎた代償ってことになるんだね」
「どんな代償ですかそれ? 初めは痛みなんて感じなかったんだけど。 ……もしかして、無意識に渡してる?」
「…………」
ノヴァの手が止まった
「そ、そんなことないよ? 渡してるわけないじゃん」
「……ふ~ん」
図星ですか
ノヴァの口から、抱きついてるとか、もふもふしてるとか、体をまさぐってるとか出たから、そんなことだろうとは思ってたんだよね
「……で、でも、渡した力を完全に制御できれば痛みはなくなるよ。……たぶん」
「たぶん!?」
「絶対でした!!」
何なんですか……もう
「どのくらいの年月が過ぎれば制御することができるんでしょうね……」
渡した本人がいうんだ……
「狼華の妖艶なお姿を早く見てみたいなぁ、なんて」
「私も早くその大人姿とやらを見てみたいね」
精一杯の皮肉を込めて言ってやる
……多分、聞いてないと思うけど
本音を言えば早く、この腕輪が用済みになって力を完全に制御できて腰痛も完治した大人バージョンになりたいです
「はい、終了」
「ふぅ……一時はどうなるかと思った」
安心して身体を起こし、裾を戻す
足を動かしてみる
「……動いた」
「痛くなるときは、力を使い続けたときだよ。量に応じて痛みの度合いが違うから注意してね」
6割くらい出したら落下ダメージと同じになるのかな
「制御できればできるほど、痛くなくなるからね」
「うん……?」
「ちなみに、長い年月をかけなきゃ体に馴染まないからね?」
「……うん?」
「ちなみに! 今の時代は超太古です。狼華が誕生したのはB.C.44億20年。すっごい昔だね」
き……紀元前44億20年だと? どんだけ昔なんだ……
「ちょうど、微生物が産まれてきたころには……0.5割くらい出せてると思う。……結構速いよ?」
「地球に生物が誕生しだしたのはB.C.36億年でしょ? ……遅くない?」
「自慢だけど……私の力が膨大過ぎて、時間がかかっているだけなの」
自慢ですね~
「それじゃあ、そろそろいこっか」
「うん……」
「あ、そうだ忘れてた」
ノヴァが何かを思い出したみたいだ
「……?」
「狼華が火柱を上げたときあるでしょ?」
命名、超圧縮メOO-マ
……これじゃだめだ
命名 超圧縮爆火球
……これでよし
まさかあんな小さな火の玉があんなに巨大な火柱になるなんて、予想なんてできないです
「ついさっきだよね」
「うん。それが雲の一部を吹き飛ばして、光が入ってくるようになったの」
そんなことになってたのね
「……それが?」
「今の時間は……っと」
ノヴァが亜空間ボックスから時計を取り出した
「……ちょうど、吹き飛ばしたところに太陽が重なる頃。そして、この穴にも光が入ってくる」
「……それが?」
……無視されてる?
「ここの結晶は特殊な水晶だね。どうやら光をよく吸収と反射、しかも、増幅するみたいなの。 だから、ここまで、光は届く。 これがどういう意味かわかる?」
「えっと……」
無視されてなかった!!
特殊な水晶が、私の腰を粉砕骨折させたんですか……
「あたりは真っ白に包まれる、と?」
「その通り! というわけで目をつぶって頂戴な」
促されて目をつぶった途端、瞼の裏から光が溢れてきた
「ああっ!! 目が! 目が痛い!」
目が焼かれたかのような感覚が襲い掛かってくる
「おかしいなぁ。貫通したわけじゃないみたいなのに……とりあえず治癒しま~す」
目の痛みにのたうちまわり、転がっている私にノヴァが馬乗りになり、手のひらを目にかぶせてくる
……痛みはすぐになくなり、何事もなかったかのようになった
「ありがと……」
「何言ってるの? 私の正妻でしょ?」
「……///」
……すごく恥ずかしい
治癒し終わるとノヴァが立ち上がり、壁のほうへと歩き出す
壁沿いを歩き、とある場所で止まった
「ここだね……それっ!」
ノヴァが手を振るうと、ノヴァの目の前の結晶が粉々になり、大きな横穴が姿を現した
「……? 何ぼーっとしてるの?」
「いや、そんなに派手に壊してもいいのかなーって」
「大丈夫大丈夫。それくらいのことでここの横穴は少なくとも崩れる心配はないよ」
ここの……横穴? 少なくとも?
「……それ、他の横穴にはしないでよ?」
「しないとたどり着けないんだもん……」
「はいはい……あ、そうだ」
「うん?」
実は、まだノヴァが神様で、とんでもないことだけしか知らないんだよね
「ノヴァって、いったい何者?」
「とある湖で魂を喰らって生きている龍だよ♪」
尻尾を揺らしながらそう答えてくる
「……ばればれなんだけど?」
でもなんか、翼とか尻尾とかそれっぽい
そもそもとある湖ってなんだ?
「神様。 う~ん……創造主って言ったほうがいいのかな」
「創造主……」
大体予想はしていたけど……当たったか
封じ込められていない知識がおかしなものだらけだから、まさかとは思ったんだよ
「それだけ」
「ふ~ん……」
「その反応はちょっとさびしい……」
ノヴァはがっくりと肩を落とした
「予想してたからね。絞りに絞り込んだ結果がそれだった」
「外した場合はどうするつもりだったの?」
抜かりない……
「……永久パスあげてた///」
本音を言う
「…………」
ショックでくずおれる創造主様。永久パスの意味がわかり尚且つ、外してほしかった願望が砕かれてしまったことに、胸を痛めているんだと思う
「……じゃあ、いこっか」
「うん」
すぐに復帰したノヴァに連れられ、その場をあとにした
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「道のりは長い。横穴だけならまだしも、開けた場所もすごく広い。 ……ここは、本当に地球のなかなんだろうか……? まるで、別の世界に来てしまったかのような錯覚を覚える」
「……何をぶつぶつと呟いておられるんですか、そ・う・ぞ・う・しゅ・さ・ま?」
「ありのままの思いを口にしただけなのに……」
前を歩いているノヴァが、尻尾を不機嫌そうに揺らしてくる
「ありのまま? 今のが? どう見ても電波を、それも怪電波を受信しているとしか見えなかったんだけど?」
「ねえ、狼華」
「はいなんでしょう」
「私ね、最近暴走しているときしか欲求を解消していないみたいなんだけど、今から意識保ったまま襲ってもいい?」
欲求がたまってるって自覚はしてるんだ……
「それは今からは駄目だけど、これから会う子に全部ぶつけて解消するといいと思う。ついでに娶っちゃえば?」
「今じゃなきゃいいの!?」
なぜそこだけ反応したし……
「心の準備が整ったらね。それまではおあずけ」
「いつ整うの?」
「それは私から、し・た・い、って言うよ」
「約束してくれる?」
「もちろん」
「誓いのキスは?」
「それは結婚したらだって」
気が早いなぁ
「それじゃあ、約束のキスは?」
「仕方ないなぁ……こっちおいで」
「♪~♪♪」
嬉しそうに寄ってくる
そのまま身体を抱き寄せて、唇を重ねる。重ねるだけで離す
重ねていた間、首筋と下腹部がほんのりとあったかくなったけど……上気していただけかな
「あっ……」
「このまま続けたら暴走しちゃうから続きは……約束を果たした後で」
「……うん///」
「はい、道案内よろしくね」
くるりと回転させ、前を向かせる
「狼華……」
「ん?」
か細い声でノヴァが呼んだ
「なんか……体がだるくなっちゃった……」
「はいはい。 運んでほしいんでしょ?」
「うん……」
なぜかキスをした途端におかしくなったノヴァを背負い、歩こうとしていた道を行く
途中、結晶が道を阻んでいたときは蹴り飛ばし、蹴り飛ばしたものが山になって塞いだときはさらに力を込めて蹴り飛ばした
そうこうしてようやくRPGでいう、ボスが出てきそうな広場にたどりついた。中央にはとても大きな結晶があった。いかにもな場所だ
中央に向かい、一旦ノヴァをおろす
「うん。 ここで合ってるよ。そろそろ……蓄え終わる頃だと思う」
「何を?」
ピキッ
聞き返したら、返答とばかりに目の前の巨大な結晶にヒビが入った
ピキッ! バリッ! バリバリッ!!
どんどんヒビが広がっていく
そのまま割れるのかと身構えていると、ひびの部分から光が溢れてきた
思わず目をつぶる
しばらくして目を開けると、目の前には一人の少女が横たわっていた
結晶を見る。 大きな穴が開いていた
あのまま大きな音を出して割れると思ったけど、無音で割れてしかも欠片を出さないなんて……どうだっていいけど
再び視線を少女に向ける。 肩まで伸びた艶のある黒髪。 私とそっくりな顔つき。 服装は、真っ黒なインナーに真っ白な上着
スカートの切れ目が深くて見えてしまいそう。 ……インナーが
そして、極め付きは頭の上のほうで浮かんでいる白色の宝玉。これはなん――
ガラッ
音をしたほうを見てみると、来た道が埋まってしまっていた
「戻れなくなっちゃたね……。 でも安心して……万が一のために地上に転送できるようにしておいたから」
寝転がったままのノヴァが得意そうに、だけどけだるそうに言った。 そんなに身体が重たいのかな
「ねえ、ノヴァ」
「ん?」
「これ、何?」
宝玉を指して言う
「それは……その子が目を覚ましてから言うよ」
「わかった」
「それじゃあ、その子こっちに近づけて。動くの面倒」
「はいはい」
謎の少女をノヴァの元に近づける
ノヴァを中心に紋章が広がっていき、私たちは光に包まれ、気が付くと、地上にいた
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冷たい空気が肌を撫でた……
気が付いたら私は、真っ暗で自分の身体さえ見えないところにいた
周囲を見渡してみても、見たという感じがしなかった
…………ここは……
(ここは、とある少女の精神の中よ)
『誰だ……?』
声が響き渡る
(誰でもいいでしょ)
『まぁ、いい』
よくはないが……聞くだけ無駄な気がするから
(それよりも、率直に要件を伝えるわ。いい?)
『構わない』
(今あなたがいるところには、同じような境遇で入った者たちがいるわ)
率直過ぎる
……ん?
『どういった境遇だ?』
(死んだのよ。殺されたの)
天寿を全うしたわけではないのか
(その者達は、ある者は彼女に手を貸すだけに留め、ある者は全てを託して意識を手放していった。あなたはどうする?)
『手を貸す? 意識を手放す? どういうことだ?』
(彼女の剣になったのよ。別に強制ではないわ。 そうしないと消滅してしまうものもいるからなの。あなたは別にそうでもないんだけど……とりあえず、やり方は自由よ)
考えさせられるな……
『要は、力を貸せばいいんだな?』
(そうよ)
『じゃあ、私の全てを貸す』
(そう……)
『前者の考えだな』
(そうね。 ……言い忘れていたけど、あなたは別に誰とも話せないというわけではないわ。普通に体の持ち主と話せるし、他の力を貸したものとも話せるわ。 それと共有できる)
『……不覚だ』
(ちなみに、あなたの力が少女に一番作用しているみたいね。流石、意思を持った星たちの王、といったところかしら)
……!
『なぜ知っている?』
(別にいいじゃない。悪くはしないわよ。使命は代わりに果たしてくれると思うわ)
『そうか……』
それならよかった
(そろそろほかの在留者の姿が見える頃かしら。いても二人……? だけど)
真っ暗だった空間が次第に白みを帯び始め、明るくなっていった
明るくなるにつれて自分の身体が見えてきた
……具象化したときの人の姿のままだ。 受けがいいらしかったから性別は女にしておいたんだった
そして、視線を前に戻す
そこにいたのは……
『にゃあ?』
猫だった
(ワーキャットよ。女の子ね)
『あにゃたも残ることにしたのかにゃ? みんにゃ消えていったからすごくさびしかったにゃ……』
『私がいるじゃない』
『へんにゃことをしてくるからこっちにこにゃいでほしいんだにゃあ……』
後ろから禍々しい翼を生やした女性もやってきた
(元最上位の悪魔よ)
知らん
『これで全員か?』
(その通りよ。仲良く過ごしてちょうだい)
『というわけで、よろしくにゃ』
『ああ』
(それじゃあ早速、体の持ち主が見ている光景を見てみる?)
『見る!! にゃ』
(……はい)
『にゃっ……!?』
『…………』
その場が凍りつく
そこに映ったのは……
『ふふっ……』
意味深げに含み笑いをするんじゃない
<> <> <> <> <>
「………………」
謎の少女との出会いからかなりの年月が経ちました
あの後、私たちは無事に地上に戻ってこられました
「…………」
私は今、例えで言うなら心身ともにボロボロになって、また、この前と同じように地面に転がっていた
隣には、同じように転がっている少女の姿があった
目が覚める前は猫耳なんてものはなかったのに、今はそこにあった
「……大丈夫?」
とりあえず、安否を確かめる
とある一件で謎の少女は目を覚ましてくれた。くれたのはよかったんだけど……
「大丈夫に……見える……かにゃ?」
息も絶え絶えといったところかな
私がノヴァにされたことをこの少女は、私たちにしてきたのだった
……つまり、キャッキャウフフです。はい、だから服は脱がされてしまいました
私に襲い掛かってきたときは、猫耳と尻尾があって、ノヴァに襲い掛かったときは、悪魔の翼と尻尾を生やしてまるで、全部絞りってしまうような勢いだったんだけど……
「にゃんだか……体中が痛い……」
「主に腰が痛いの?」
「うん……」
逆にノヴァが、また暴走して……この有様。 先に少女のほうが力尽きてしまったんだよ
この少女が力尽きたのを見てノヴァは、今度は私に移ってきたんだよね……なんで?
……とある一件というのは、お目覚めのキス。 そしたらほんとに起きるんだからびっくりだよ
「にゃあ~……」
「どうかした? 今ならあの鬼畜少女は起きてないから好き放題言えるよ?」
「鬼畜少女? にゃ~……ノヴァのことかにゃ?」
「知ってるの?」
「知ってるもにゃにも……古い付き合いにゃ」
うつ伏せになったまま、猫耳少女は感慨深く話す
すぐにまた仰向けに戻った
「神様、ってこと?」
「元、が入るにゃ。今は……にゃあ~元人間にゃ。どっかの色恋沙汰どんとコイのせいで、複数の魂を持つことになった……う~んキメラスピリッツにゃ」
頭にはてなマークが浮かび過ぎてわからぬ。私にはそのような事情など一切わからぬ
「……今は猫耳少女だよね」
「んにゃ。 口調はその魂の影響にゃ」
「ずっとそのままで居てもいいんだけど?」
にゃーにゃー言われているとすごく和むから
「……にゃにを言ってるにゃ。この世界の猫耳少女はにゃ行のあをにゃと発音しにゃいし、語尾ににゃをつけにゃいにゃ。 ……にゃあああああ!!」
頭を抱えて叫ぶ猫耳少女。このままゲシュタルト崩壊しちゃいそうだ
ちらりと横目でノヴァを見る
ぐっすりと眠っていた。満足したような、いや満足しきった顔でぐっすりと
……まぁ、いっか
視線を戻す
身体が戻れば苛まれることはないのに
「通常に戻らない理由はにゃんですか?」
「戻らにゃいんじゃにゃくて、戻れにゃいのにゃ」
「それはいったいどうして?」
「あの通称、鬼畜少女のせいにゃ」
「あ~」
納得
「怖かったにゃぁ……」
私と同じ被害を受けたことに同情して、頭を撫でる
身体を寄せて、抱きしめる
「よしよし……私はあなたが居なかったときに、あの鬼畜の一方的な愛を全部受け止めていたから大丈夫だよ~」
「気持ちは嬉しいけどそれは……にゃぐさめにはにゃってにゃいと思うにゃ……」
「……よしよし、あなたに猛烈に貪られた挙句、ノヴァからは激しく掻き回された私に比べれば、あなたは全然ましだよ~」
「さらにひどくにゃってるにゃ!? にゃぐさめるのはこっちのほうだと思うにゃ。というか、どんにゃことをしているのか気ににゃってしまったにゃ」
「よしよし……耳元で、狼華は私の物って言われないだけましだったね~」
「所有物ににゃってしまったのか……恐るべし」
言うな
「狼華っていうのかにゃ?」
「うん。 魄霊 狼華っていうの」
「はくれい……ろうか……苗字が完全に一致にゃ」
完全に一致?
「どういうこと?」
「未来に生まれてくる少女の苗字と一緒ってことにゃ。読みだけは」
「ちなみに魂魄の魄に幽霊で魄霊だからね?」
「にゃ~ん」
そのにゃ~んは了承ってことでいいのかな
「あなたの名前は?」
「にゃあ~……思い出せにゃい……寝すぎて忘れたにゃ。……ぼけたかにゃ」
「地球が誕生してからずっと寝ているならそれは寝すぎだろうね……」
「寝ている間は覚えていた……かもしれにゃいし、覚えていにゃかったかもしれにゃい……」
「昨夜はお楽しみでしたねの間に完全に忘れたでしょ?」
「にゃあ……もうそれはいいにゃ///」
意味わかったんだ……
「名前がないなら考えてあげようか?」
「にゃっ、おねがいするにゃ」
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あの後、決める前に体が寒くなり服を着ました
いやぁ、火山だけじゃ暖は取れないからね
ちなみに、リオには私の予備の甚平を着せておいた
魔力で構成する類の魔装と呼ばれるものを着ていたらしいけど、猫モードのときは着ることができないらしい。 でも、通常時に着ていれば着ていられるとか
「……この身体が動けば……ノヴァの寝首を30回ほど掻き切ってやるのに……」
猫耳少女改め、リオが空を掻く動作をする
「そんなことしたら、襲い掛かって身籠らせちゃうよ? めかけにしちゃうよ?」
「狼華ぁ……」
「正妻が居る前でそんなことを言うの?」
「…………はい、そうです」
名前の件で色々と案を出したんだけど、全部却下されてしまったんです。 リオに
考えている間にノヴァが起きて、リオがビクついて私に抱きついてきて今もそのままなのはここだけの話
結局ノヴァが考えた名前に決まりました
ああ、なんでかな……
私の付ける名前はそんなにネーミングセンスのないものなのかな……
「にゃあ……」
私の胸に顔を埋めてくる
その頭を撫でてあげた
「ご愁傷様」
「お互い様でしょ……ところで、いつごろから意識が戻ったの?」
「意識は……ノヴァに覆いかぶさられたときに戻ったにゃ。にゃにが起こってるかわからにゃかったにゃ」
「古い付き合いだって言ってたけど、元神様の時はあの調子だったの?」
「全然。 まるで別にゃ。 吹っ切れた感じにゃ」
ちなみに名前はグロリオサって花から取ったっていうらしいです。花言葉で華麗というそうで。流石、博識であります
「行為を終えての感想をどうぞ」
「もうちょっと優しくしてほしかったにゃぁ……狼華はいつもあれを受けていたの?」
「そうだよ?」
「…………」
悲哀の眼差しを向けてくる
……あ、そういえばリオが目覚めたら話すって言ってたっけ
「ノヴァ?」
「ん?」
「そろったよ?」
「あ、うん……」
「…………」
ノヴァの表情に少し影が入ったのは……気のせいか
「リオの頭の上に浮かんでいるのは、カーソルっていって転生してきたものを簡単に示すもの」
「実は狼華にもそれがあるんだにゃあ」
そう言われて上を向く
「…………」
確かに緑色の宝玉が浮いていた
……私も転生者なのか
「青のカーソルはこの世界のことを知らず、記憶の有無関係なしに転生してきたものの印。黄カーソルは、知っていたり私たちが提供したりして、協力者になってもらっている印」
「私のは?」
「…………」
そう言うと、ノヴァが黙り込んでしまった
「……はぁ。 続きは私がはにゃすにゃ」
「うん……」
リオが話し始めた
「緑は裁断者の印。主に世界を壊そうとしている連中を徹底的につぶしていくんだにゃあ」
「どういうこと?」
「アレって言ってもわからにゃいか……」
アレ?
「ありとあらゆる悪の権化って言ったほうがわかりやすいかにゃ?」
「うん……」
「それが今は封印されているわけにゃんだけど……解かれようとしているわけにゃ」
「世界を壊そうとしてる連中によって?」
そう聞くと、リオが尻尾を揺らした
「察しがいいにゃ。 そいつらは、純粋にゃ配下にゃ。でも、今はほとんどいにゃいはずだから脅威ではにゃいんだけど……」
「だけど?」
「霊界の魂を吸収するなんてことをしてきたんだにゃ。 アレは魂が霧散したすきを狙って吸収し、刻印を刻み込んで再構成。 そして、転生という形で送り込む。それらは、赤カーソルって呼ばれてて、そのにゃの通り、赤い宝玉が浮かんでる」
「赤カーソルを消すのが、私の役目ってこと?」
「私もそれを手伝うことににゃってるにゃ。見つけ次第、バカやってるようなら問答無用で消し飛ばしてかまわにゃい」
「…………」
「ちなみに、白は特ににゃにもにゃい。 強いて言うにゃら赤がアレのものなら白はノヴァのものにゃ」
……知らない情報が多すぎて、頭がおかしくなりそうだ。 とりあえず能力で記憶しておこう
そして情報整理
………………
「っ…………」
簡単に捉えてしまえば正義の味方
深く捉えれば……
ただ世界を守るためだけに生まれてきた存在
……考えすぎたか
「……そういえば、どうやって封印したの?」
頭から拭い去るようにリオに問いかける
「えっと……にゃんだっけ? ……あ、思い出した。 無作為に世界をつにゃぎ合わせて、術式に組み込んだっけ。 それで、ひとつ壊されても維持し続けるようにいろいろと細かく仕込んだにゃ」
「ふ~ん……そのくらいしないと封印できないようなものだったの?」
「んにゃ。 封印される前は、そいつはにゃん十もの世界を滅ぼして、にゃん億兆もの魂を喰らっていったにゃ」
「強大すぎて手に負えなくなったってこと?」
「にゃ~ん。 そうでもにゃかったにゃ」
リオが私を押しのけて立ち上がった
「でも……このおもいやりのあるバカのせいで封印することににゃった……」
「……だって、被害者まで一緒に消滅させることになるでしょ?」
ノヴァがここで声を出した
「……それはそうにゃ。 だけどノヴァ……その優しさのせいで今もにゃにも知らずにぼろぼろににゃって喰われていく奴らは……どうにゃるんだ?」
それにリオが反論した
「っ……」
「あいつはその優しさのせいで消えていく羽目ににゃったんじゃにゃいのか?」
……あいつ?
「やめて……」
「覚悟を決めたって言ってくれたのは……あれは嘘かにゃ?」
「やめてよ……」
「ノヴァ……」
「明るく振る舞うって決めたのに……!」
「あっ! ノヴァ!!」
制止を振り切ってノヴァが飛んで行ってしまった
「リオ……どうして……」
「ああでもしにゃいとその気ににゃらにゃいから」
「だからって……」
「…………ごめんにゃ。もうノヴァは……帰ってこにゃい」
「っ…………!」
すぐに追いかけようとしたけれど……組み伏せられる
「狼華……ここでノヴァを連れ戻したら……あの子は腑抜けににゃる……」
「でも……」
「駄目……にゃんだって……」
「…………」
<> <> <> <> <>
別れからかなりの年月が経った
海には生物が生まれ始めてきたころだ
ずっとノヴァの帰りを待ったものの……一向に戻ってくる気配はなかった
……リオの言った通り、もう……帰ってきてはくれないんだ
ノヴァからもらったカメラを取り出す。 私が景色を撮りたいって言ってもらった代物だ
……………
……リオの言っていた、あいつというのが気になった
リオなら知っていると思うけど、未だにそのことを聞き出すのは何か気まずい……
あれからリオはすぐに元に戻り、口調も元通りになった
……だけど、心に深く掘られた溝は元通りにはならなかった
前話のネタがキャラ設定に取り込まれてからは設定として正式に考えなければならない、と勝手に自分のなかでルールを作ってみた
セリフは多めに導入してみました
多いほうがいいのか少ないほうがいいのかは、わたしにはわかりません
以下小説の件↓
リオに複数の魂を持たせるとき、星霊以外で真っ先に思いついたのは猫と悪魔でした。
ちなみに、作者は化物語の某障り猫のにゃ攻めに屈した口です。阿なんとかさんが言わせた場面のところで吐血しました。……リオの口調とは一切関係ありません
狼華とリオが話している間はずっと狼華にくっついていた(膝の上に乗っていた)ことが判明。書いていて推敲するまで気づきませんでした。そのせいで、ノヴァが黙ってしまったかもしれませんね(意味深
アレについて少しだけ詳しく出ました。それとカーソルについて
青カーソルは転生、または憑依という形で東方の世界にやってきます。博麗霊夢に憑依するかもしれないし、その産みの親に転生するかもしれません。そんな感じです
黄カーソルは転生のみでやってきます。協力者とリオが言っているので主に、あまり関係のないところで活躍しそうです。原作の過去とか
赤カーソルはアレによって転生してきます。赤カーソル自身はよくあるテンプレものです。問題は、させる側ですね
世界を壊すと言っても、文字通り崩壊させるわけではありません。その物語のキーパーソンを始末するだけです。……あれ?
どうして封印されてしまったのかは次回以降に回さないといけないですね
P.S ネガティブな気分の時はなんだか悲しいお話ばかりが浮かぶ……
なるべく明るくしようとしたけど……無念なり。まだ三話目なのに