東方星霊宴~気がついたら転生してた~   作:ALUM

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これから……一体どうしたらいいのだろう


第四話 苦悩と決意、そして……

「……はぁ」

 

 

……これでやっと半分、かしら?

 

現世に執拗に攻撃を繰り返してくるせいで、落ちてきた魂たちが全く減らない

 

もしかして……術式の核にしていることがばれたのかしら

 

目の前にそびえたつ世界の門を閉じる

 

…………ん?

 

今さっき閉じたはずの世界の門が開き始めた。 私が監視をしている世界、狼華達がいる場所

 

その門が、内側から開かれた

 

そんなことができるのは……

 

 

「ノヴァ……」

 

「………………」

 

 

無言。 そのまま私の目の前に来る

 

 

「……ロディ」

 

「何かしら?」

 

 

声音は……暗い

 

 

「当分先の戦の件……今すぐ関係者を……殲滅する」

 

「…………」

 

 

それだけ言ってそばを通り過ぎて行った

 

……また、あの時に戻ってしまったわね

 

私が初めて目にした時と同じ……感情を一切宿さない漆黒の瞳。 水色のほうが好きだったのだけど……

 

……大方、あの子にまた厳しいことでも言われたのかしら? だとしても豹変ぶりが顕著だわ

 

何かひどいことでも言ったのね……あまり責めないように釘を刺しておいたのに

 

 

「……はぁ」

 

 

ノヴァがああなってしまった以上、狼華達のもとにもう行くことはないと言っていい

 

とりあえず、引き留めておいて……リオに言っておかないと

 

 

 

 

 

 

 

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「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

 

互いに無口……

 

リオは術式でこの星……地球の根源を操作している。それに集中しているから当然だった

 

私もそれを手伝わされているんだけど、術式の中にただ座っているだけ。 憂いに浸りながら……

 

操作をするために組み立てた術式の中に座って、かれこれ太陽が何十回も何百回も沈みました。多分……数百年は経った

 

 

「…………」

 

 

術式が解除された。 ということは終わったってことか

 

何も聞かされずに座らさせられたから、身体に何か変化がないか ”みて”みる

 

……異常はなし。 特に何もなかったみたいだ

 

 

「っ……ん~」

 

 

がちがちにかたまった体をほぐすために伸びをする

 

 

「……はぁ」

 

 

リオには三つの能力があるらしい。星命力を操る能力、他より勝る程度の能力、そして、ありとあらゆる術を知っている程度の能力

 

星命力は根源と同じらしい。 大地が肥え、空が澄み渡っているのも星命力が星に満ちているからだとか。 それを今さっき、術式を介して活性化させた。 だから、本来よりも早く生命が進化することになる

 

力が完全には戻っていないと言っていたから、これだけの時間を費やしたのか

 

 

「…………狼華」

 

「何?」

 

 

呼吸を整えてリオが話しかけてくる

 

 

「どのくらい扱えるようになった?」

 

「3割程度」

 

「……意外と早いね。もっとかかるかと思った」

 

「ノヴァが相性がいいって言っていたから……」

 

「そう……」

 

 

……会話が続かない

 

 

「……はぁ」

 

 

唐突にリオが溜息をついた

 

 

「狼華、これ受け取って」

 

「ん?」

 

 

そう言って渡されたのは、ネックレスだった

 

 

「どうしたの急に?」

 

「いいから付けて」

 

「うん……」

 

 

わけがわからないけど、とりあえず付けてみる

 

 

「これでいい?」

 

[すごく似合ってるわ]

 

「!?」

 

 

……今のはなんだ?

 

 

[似合ってるわよ?]

 

「ねえ、リオ……」

 

「幻覚じゃない。 そのネックレスを介して話しかけてきてる」

 

[その通り]

 

「………………」

 

 

なんで事前に言ってくれなかった……

 

 

[私はそこにいるリオの知り合いよ。ロディって呼んでね]

 

「う、うん……」

 

[ちなみにノヴァの知り合いでもあるわ]

 

「知ってるの?」

 

[もちろんよ。 とても古い付き合いね。 さて、早速だけど狼華……あなたに伝えないといけないことがあるわ]

 

「…………」

 

 

聞きたくない……聞いちゃいけない気がする……

 

 

[ノヴァはもうそこにはいないわ]

 

「っ…………」

 

 

それを聞いた途端、身体に力が入らなくなった

 

 

[正確にいうと、こっちに戻ってきてしまったわ。 あの様子だと……もうそっちに行くことはないでしょうね……]

 

 

そう……そうなんだ……

 

 

[リオ、聞くけど……何を言ったの?]

 

「別に……何も」

 

 

そっけない返事

 

 

[……はぁ、最近のあの子の様子なら、狼華を置いて戻ってはこないはずよ。 ……何を言ったのかしら?]

 

「……あいつが死んだのはお前のせいだってことを遠まわしに言った」

 

[……禁句ね。 あの時のこと……そんなにいらいらしてたの?]

 

「創作した世界の重みと自分自身の命の重みをわかってない……対等だと思ってるんだ。優しすぎる。 自身が作ったものなら遠慮なんていらない」

 

[それは彼にも言われたことよ。 遠慮しなくてもいいってね]

 

「…………」

 

[わかっていたのよ……あの子は。 だからこそ優しさを選んだの。 全部一人で背負う覚悟を決めてね]

 

 

この二人も、あの時のこととか言ってる……

 

 

「ねえ、あいつって誰? 彼って誰なの? ノヴァは……ノヴァはどうなっちゃったの?」

 

「…………」

 

[いいわ、教えてあげる……]

 

 

少し間が置かれた

 

 

[……あいつというのも彼というのも……あなたのことよ、狼華]

 

「え……?」

 

 

ふと、頭上を見上げる

 

緑色の宝玉が、そこに浮いていた

 

彼が転生したのが……私?

 

 

[ノヴァは今は私の近くにいるわ。 さっき出ていこうとしたのを無理やり止めたところよ]

 

 

……よかった

 

 

[さてと、あなたが転生していた理由を話さないとね。 もう何も知らないふりをしているわけにもいかないわ]

 

「うん……」

 

[……アレが直接、現世に攻撃した。 現世は術式の核にしているから、封印を破ろうとしたのね。ノヴァはそれを防ぎきれず、現世に被害を出してしまった。そして、彼……雨野龍人は死んだ]

 

 

雨野龍人……それが彼の、私の前世の名前……

 

 

[そのとき、彼の魂は今にも霧散してしまいそうだった。 犠牲者の中でも特に被害を受けていたのよ。 それをアレが狙いを定めていたみたいなんだけど、ノヴァが空の魂に取り込ませることで回避させた。 それが狼華ね]

 

「………………」

 

[無傷だったらよかったけれど……ボロボロだったのよ。 そのまま転生させようとしても、向こうにたどり着く前に消滅するのがオチだった]

 

「そうまでしてその……龍人を助けようとした理由は何?」

 

[…………]

 

 

無言

 

話す気はあるようで、考え込んでいるようだった

 

 

[う~ん……あっ!]

 

 

いきなりロディが声を上げる

 

 

[一番の理由は見境なく、アレの手から守りたかったのが主な理由ね。 だけど、それだったら狼華にそれほどまでに執着する理由はないわね……]

 

「…………?」

 

[狼華。 龍人はね、ノヴァにこう言ったのよ……被害者面して何もせずになんて終われるか、って、それにあの子に、仲間だって言ってくれたのよ……ただの男子学生……ただの人間なのにね]

 

「…………」

 

[多分ね、ノヴァは龍人に惚れたんだと思うのよ]

 

「……じゃあ私は……私はなんなの?」

 

 

龍人のことが好きなら……私はいったい……

 

 

[大丈夫よ、狼華。 あの子は、狼華のことを彼の代わりだなんて思ってないわ。 あなた自身のことが好きになっただけよ]

 

「…………」

 

 

ノヴァがいなくなってから感じていた胸のつっかえが、取り除かれた気がした

 

ノヴァ……

 

 

[それと……ノヴァは知らないだろうけど、あなたには言っておくわ。 龍人はいなくなってはいない]

 

「! 取り込まれたんじゃなかったの?」

 

[確かに取り込まれて吸収されたわ。 だけど、あなたの名前が龍人を繋ぎ止めていたの。 あの子は消えた彼を想って付けたんだろうけど、実際は全然違った。 それが幸いしたのね。 ノヴァが聞いたら驚くわ。 このことは内緒よ]

 

 

魄霊……狼華……

 

どんな意味が……?

 

 

[それにしても……かなりの被害が出てしまったわね……核になってる現世も、その周りの世界も……]

 

「どのくらいひどいの?」

 

[攻撃自体は凄まじかったわ。だけど、ノヴァは結構やってくれた。 ……彼を含めて、両手の指に収まるくらいの人数の犠牲者で済ませたんだから]

 

「……そもそも封印せずに消滅させてしまえば、そんなことにはならなかった」

 

[……はぁ]

 

 

ロディが溜息をついた

 

 

[リオ……あの時、アレは何をしていたと思う?]

 

「何って……魂を喰らっていた」

 

[そう。 そして溜めこんでいたの……光と闇相手に戦争をふっかけるためにね]

 

「……それが?」

 

[魂たちは溜めこまれ、そして配下の刻印を刻まれ力を与えられる。赤カーソルとはちょっと違うわね。 ……何が言いたいのかわかるかしら?]

 

「わからない」

 

 

溜息

 

 

[……溜めこんでいるのよ。 その状態で消滅させたら、中にいる刻印を刻まれた魂たちまで消滅するわ]

 

「そんなことはわかってる……」

 

[あの子にそれができると思っているのかしら?]

 

「出来ないから代わりに私がやろうとした。 でもノヴァがそれを阻止した」

 

[あの子は創作した世界の魂までも救おうとするお馬鹿さんよ。 当たり前のことじゃないの]

 

「アレを野放しにしておいたらもっと喰われる」

 

[そうならないためにも、あなたは神であることをやめたのでしょう?]

 

「…………ああ、そうだった」

 

[神の身である私たちには、喰われた魂たちを救い出すことができない。私たちの力は器である肉体ではなく魂を直接攻撃するものであるから。 だけど、人の身になれば救い出せる。 器を攻撃する術をいくらでも生み出せるから]

 

「…………」

 

[……信じたんじゃなかったのかしら?]

 

「信じた。 けど……」

 

 

ちらりとこちらを見る

 

 

[けど?]

 

「狼華は何? なんで狼華まで? よりにもよって裁断者に……」

 

[それが最善の策だったからよ]

 

「理由になってない!」

 

[……十分な理由よ。 彼は消滅寸前だったのよ? それを狙って喰らおうとしたのをあの子に阻まれたんだから、狙ってくるのはわかるはずよ。そんな子を何も知らないまま残酷に死なせてもいいっていうの?]

 

「それは……」

 

[裁断者にしたのは、力を持たせたかったからよ。 転生者殺し。幸い、アレは転生という形で送り込んできているわ。逆に翻弄できる]

 

「…………」

 

 

ノヴァ……私のことを想って……

 

 

「ねえ、ロディ……」

 

[何かしら?]

 

「ノヴァのところに連れて行って」

 

[……]

 

 

そう言うと黙り込んでしまった。 ……しかし

 

 

[いいわ、連れて行ってあげる。 あなたももう無関係ではなくなってしまったもの]

 

「ありがと……」

 

 

自然と頬が緩んだ

 

背後で風が吹く

 

振り返ると、空間が裂けていた。裂け目から光が溢れてくる

 

 

[そこに入って頂戴]

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

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裂け目を抜けて出た先は薄暗い空間だった

 

 

「こっちよ」

 

 

声がするほうに振り向くと、薄桃色の長い髪を片方の肩に掛け、白いコートに身を包んだ女性がそこにいた

 

 

「……あなたが?」

 

「そうよ。案内してあげるわね」

 

「お願いします」

 

 

ふと背後を振り向くと、鳥居があった。 中には光が渦巻いていた

 

歩きだし、その場所を後にする

 

通路を歩いていると、広い場所に出たり、狭い場所に出たり、そして所々に罠のようなものが仕掛けられていた形跡があった。 ……これはいったいなんなんだろう?

 

 

「トラップはすべて解除してあるわ」

 

 

さいですか……

 

遠くに光が見えてきた

 

 

「もうすぐね……ちょっと待ってて」

 

「……?」

 

 

ロディが壁に手を突っ込み始めた

 

……何をしているんだろう

 

やがて探し終えたのか、壁から腕を抜いた

 

 

「……はい、これ」

 

 

そう言って渡されたのは、錠剤が入ったケースだった

 

つまりさっきのは、亜空間ボックスか

 

 

「何ですか、これ?」

 

「秘密♪ 会ってみて話しても無駄なようならこれ全部飲ませてみて。無駄じゃなくても飲ませてみて」

 

「??」

 

 

これ全部飲ませるの? 薬品中毒になりそう……

 

とりあえず懐にしまっておく

 

再び歩き出し、光のほうへと向かう

 

 

「ねえ、狼華?」

 

「?」

 

「狼華はノヴァのことが好き?」

 

「っ!?」

 

 

……どうしてそんなことを思ったのだろう

 

 

「好き?」

 

 

しつこく聞いてくる

 

 

「……もちろん大好き」

 

「それは肉体関係を持ったから?」

 

「……それは違うと思う」

 

「どうして?」

 

 

どうしてって言われても……

 

 

「好きになることに理由なんて必要ないです」

 

「……そうくると思ったわ」

 

 

ロディが額を押さえた

 

 

「その答えでも別に構わないわ。 むしろそっちのほうが理由づけて好きになるよりは、まっすぐでいいわね……そろそろ出口だから目に気をつけなさいよ?」

 

「…………うん」

 

「……実はね、あなたたちのことをずっと見ていたのよ。リオが加わるまでね」

 

 

出口の一歩前で止まる

 

それに続き、私も止まる

 

 

「その時のノヴァは素だったと思っているわ。 演じてなんかいないと思う」

 

「…………」

 

 

ロディは前を向きながら話し続けた

 

 

「あの子はただ、その感情を押さえてまでもしないといけない責務があるだけ……」

 

 

ロディがこっちを見る

 

 

「……ねえ狼華、あなたがあの子を支えてくれる? あの子をその責務から解放してくれる?」

 

「……私を誰だと思っているんですか?」

 

 

そんなこと……できるに決まってる

 

 

「そうだったわ。あなたはあの子の正妻だったわね。 その言葉を聞けて安心したわ。行ってらっしゃい、この先にあの子はいるわ」

 

 

背中を押され、前に一歩出る

 

……その前に言わなくちゃいけないことがあった

 

振り向きロディの顔をみる

 

 

「聞いてもいい?」

 

「どうぞ」

 

 

一番気になったことを言う

 

 

「全部見てたの?」

 

「全部よ」

 

「あれも?」

 

「あれも」

 

 

……見られてた///

 

 

「……いってきます」

 

「頑張ってね」

 

 

再び前を向く

 

 

「あ、待って」

 

「?」

 

 

踏み出そうとしたときに止められる

 

手に何か握らせられる。見てみると、カプセル状のものだった

 

 

「これは?」

 

「とりあえず飲んじゃいなさい」

 

 

薬?

 

 

「うん……」

 

 

飲んだ後、一歩前に出る

 

 

 

 

 

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一歩足を踏み出すと、そこは――

 

 

「…………」

 

 

懐かしい感じがした。 ここには来たことがないのに、来たことがある感じがした

 

中央の黒い湖を山で囲った場所。 その湖の傍に人影があった。3対の白黒の翼に龍の尻尾を生やした少女の姿が

 

 

「…………ノヴァ!」

 

 

駆け寄り、抱きしめる

 

 

「つっかまえた♪ こんなとこでどうしたの?」

 

「っ……!? ……狼華……どうして……」

 

 

ノヴァが動揺する

 

……無理もないか。 本来いないはずなのにいきなり現れるんだから

 

 

「ノヴァ……私を置いてくなんてひどいよ……」

 

「私は……」

 

「言わなくてもいいよ……。 今は……抱きしめられたままで居てよ」

 

「狼華……っ」

 

「っと……」

 

 

唐突にノヴァが座り込み、釣られて一緒に座る

 

膝の上に乗せて、顔を合わせる

 

水色だった瞳は濁り、青く暗い色に変わっていた

 

 

「…………」

 

 

大体事情はわかってるんだけどね……

 

 

「……」

 

「全部わかってるから」

 

「え……?」

 

 

ノヴァが驚く

 

 

「ノヴァがくれた能力で”みた”んだよ。 あまりにも無防備だったから」

 

「っ……!」

 

 

嘘。 そんなことなんてしていない

 

 

「雨野龍人って子のこと……気にしてるの?」

 

「…………」

 

 

頷く

 

 

「あの時の選択は、誰が何と言おうと間違ってなかったと思う」

 

「…………」

 

「……多分、少なくとも龍人はノヴァのことを憎んではないと思うよ」

 

「…………」

 

「それに、転生して付け狙われる羽目になった私も憎んでないよ。むしろね……ノヴァに出会えてよかったって思えてる」

 

「…………! ……ほんとに?」

 

 

……反応

 

 

「当たり前でしょ?」

 

「…………」

 

「ねえ、ノヴァ?」

 

「……?」

 

「ノヴァは私のことをどう思ってるの?」

 

「…………」

 

 

顔を伏せ、黙ってしまう

 

 

「私はね、ノヴァのこと……大好きだから」

 

 

そう言うと、顔をあげて私を見つめてきた

 

頬には涙が伝っていた

 

 

「……私も……大好き……」

 

「だったら……置き去りになんてしないで……」

 

 

強く抱きしめる

 

 

「……ごめんなさい」

 

「寂しかったんだから……」

 

「ごめんなさい……」

 

 

涙を流しながらノヴァが謝る

 

……なんだか体が熱い。頭がぼーっとしてきた

 

ちらりと洞窟のほうをみる

 

ロディが微笑みながら親指を立ててきた

 

 

「…………」

 

 

……やれと?

 

ケースから色の違う白と黒の二錠取り出し、口に含む

 

 

「ねえ……ノヴァ」

 

「何……んっ、んんっ……」

 

 

唇を合わせ、舌を使って薬を送り込む

 

 

「んっ!? ……何……飲ませたの?」

 

「ノヴァには……罰を受けてもらわなきゃ……置き去りにした罰を……」

 

 

荒くなってきた呼吸を押さえながら言う

 

 

「ろ……うか……?」

 

 

だんだんと視界が狭まっていく。 それに……自分でも何を言っているのかわからなくなってきた

 

 

「きゃっ!」

 

 

ノヴァを押し倒した後、視界が真っ白に染まり……

 

……そこで意識が途切れた

 

 

 

 

 

 

 

 

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ペチペチ

 

 

頬に何か感触が伝わる

 

 

ペチペチペチペチペチ

 

 

頬を誰かに叩かれていた

 

 

「……戻ったかしら?」

 

「……?」

 

 

真っ白だった視界が開けると目の前には……

 

 

「……はぁ……はぁ……」

 

 

虫の息のノヴァが、そこにいた

 

 

「……何がどうなってるの?」

 

「とりあえず退いてあげなさい」

 

「はい……」

 

 

ノヴァの身体から退いて、すぐ傍に座り込む。そして、ロディがその隣に座る

 

 

「どうなってるの?」

 

「薬、飲んだでしょ?」

 

 

ああ、カプセルのあれか

 

 

「あれは意図的に暴走させるものなの。 ノヴァのあれね。 それで狼華はノヴァが力尽きるまで続けたのよ」

 

「へ、へぇ~……」

 

 

そんなことしてたんだ……できれば見ていたかったなぁ

 

 

「未完成だったけど効力は十分だったみたいね」

 

「未完成だったの!?」

 

「そうよ? 暴走してリミッターを解除する……だけど自我を保ってられるようにならないと駄目なのよ。 観ていたかったのでしょう?」

 

「うっ……」

 

 

ばれてる

 

 

「それで、ケースに入ってるもの……それはノヴァ専用のものね」

 

「ずいぶんひどいものを……」

 

「狼華用のものを作ってあげてもいいのよ?」

 

「もらいます!!」

 

「そこは普通、嫌がって作らせない場面よ……」

 

 

知らない!! もらえるものはもらいます!!

 

 

「……それで、その薬は属性剤なの。 二つ合わせて飲ませれば中間に、白を飲めば光寄り、黒を飲めば闇寄りになるわ。 ノヴァ以外が飲むと媚薬になるから注意してね。舐めても駄目よ かなり強力みたい。 ちなみに実証済みよ」

 

「どこまで知り尽くしているんですかね……」

 

「古い付き合いよ……全部知ってるわ」

 

 

暗い笑みを浮かべたまま、そう言うロディ

 

 

「それはどういう意味でですかね……」

 

「ふっ……どちらの意味でもとれるわ。この場合は体の構造のほうね」

 

 

この神様……怖い

 

 

「それはともかく……」

 

 

にっこりとほほ笑んでくる

 

 

「……?」

 

「おめでとう。 あなたは妊娠したわ」

 

「え?」

 

 

お腹を見る

 

ほんの少しだけど、いつもより膨らんでいた

 

 

「前々からしてきたのが功を奏したのかしらね。 準備が整ったのね」

 

 

…………言ってる意味がわからなかった

 

あれ? ノヴァはできないって言ってたはずなのに、なんで確定してるの?

 

 

「……?」

 

「そんなに考え込まないで。 できたならそれでいいじゃない♪」

 

「う、うん……」

 

 

なんか複雑な気分

 

 

「あえて言うなら……その所有印のおかげかしらね」

 

 

私の下腹部に目を向けて言ってくる

 

 

「……///」

 

 

隠した

 

結局言ってきたし……

 

 

「それとノヴァが最後まで意識を保っていられたからね。 いつもなら、黒くなるでしょ?」

 

「確かに……」

 

「今までのは全部遊びみたいなもので、これが本番だったんじゃないかしら」

 

 

……あれが遊び?

 

 

「なにはともあれ……改めて、おめでとう」

 

「もういいって///」

 

「晴れて母親ね。 双子よ。 男の子と女の子」

 

「わかるの?」

 

 

そう聞くと、ロディが不敵の笑みを浮かべた

 

 

「私を誰だと思っているの? 慈愛の女神よ? こんなことはできて当然」

 

「知らなかった」

 

「今度狼華に開発薬を投与してみようかしら……」

 

「すみませんでした! それはさすがにやめてください」

 

 

そんなの使われたら……社会で生きていけない……

 

 

「それにしても……」

 

 

ロディがノヴァを見つめる

 

 

「すごく満足したような顔ね……初めて見たわ」

 

「…………」

 

 

一緒になって見つめる

 

目は閉じられ、表情は安らかだ

 

……初めて?

 

 

「今までなかったっていうこと?」

 

 

そう聞くとロディは頷いた

 

 

「一番初めに声をかけたとき、あの子……ずっと無言だったのよ。そして、狼華のもとを離れたときもそうだった」

 

「…………」

 

「それが、ただいま狼華のおかげで改善されたわけ。 ありがとう」

 

 

顔が熱くなった

 

 

「……別にただ、一緒に居てほしいって言っただけです」

 

「それでもよ。 ……危うくこの子は、取り返しのつかない大きな過ちを犯すところだったんだから」

 

「素直に受け取っておきます……」

 

「……あっ、いけない! 衰弱してるのに放置してたいたわ」

 

「え、ちょ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

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あの後、衰弱しきり心肺停止していたノヴァを蘇生させた

 

それでもノヴァは目を覚まさず、眠ったままだった

 

……すっかり忘れていたじゃ済まされないんだけど、これも不死のおかげなのかな

 

 

「起きないのは、疲れているだけよ」

 

 

それはよかった

 

 

「……ん」

 

 

起きないと思っていたけど、ノヴァが目を覚ました

 

 

「……こう見えて、ノヴァはかなり体力があるのよ」

 

「そんなことをひそひそ声で言われても……」

 

「…………」

 

 

起き上がってきょろきょろしていた

 

 

「ノ――」

 

「ノ~ヴァ♪」

 

 

先にロディに言われてしまった

 

 

「!?」

 

 

驚いて、ノヴァが翼を広げた

 

そのまま飛び立つ気なのか?

 

 

「待って!」

 

 

今にも飛んで行ってしまいそうなノヴァの身体を抱きしめる

 

 

「落ち着いて……」

 

「……狼華? 狼華なの?」

 

「そうだよ。 愛しの妻ですよ~」

 

 

そう言うと、ノヴァが羽ばたくのをやめた

 

翼をたたんだのを見て、手を放す

 

 

「どうやってここまで?」

 

 

ノヴァが怪訝そうな表情で聞いてくる

 

 

「神様にお願いしてもらった」

 

「…………」

 

 

半目で見てきた

 

 

「ほんとだって」

 

 

一応、神様だから合ってる……はず

 

 

「ノヴァ、帰ろ?」

 

「でも……」

 

「リオが何か言ってきたら、いじめておくから」

 

「…………えげつないことをするのね」

 

 

ロディ……それはあの薬を作った時点で同じだよ……

 

 

「ノヴァは私が守ってあげる」

 

「本来なら……私が狼華を守るはずなのに……」

 

「いいの。 守られちゃいなよ♪」

 

「うん……そうする」

 

 

互いに見つめあった

 

唇を合わせる

 

舌を伸ばすと、向こうから絡めてきた

 

 

「……とりあえず戻りましょ。 向こうと比べて、ここは時間の流れがとても曖昧よ。 もう数億年は経ったわ」

 

「……はぁ、……もうそんなに?」

 

 

行為を中断して尋ねる

 

 

「……続きはまた今度にしないと、リオが可哀相よ」

 

「わかった……ノヴァ」

 

「……え? うん」

 

 

少し呆けてた

 

 

「あれ……?」

 

 

急に足に力が入らなくなり、膝をつく

 

……急にどうしてしまったんだろう

 

 

「狼華?」

 

「……あまり無理はさせられないわね」

 

「どういうこと?」

 

「実はね、あなたの子を身籠っているのよ」

 

「……それ、ほんと?」

 

「自分で言おうと思っていたんだけどなぁ……ロディ、肩貸して」

 

「いいわよ」

 

 

ロディが脇に入り、体を支えてくれる

 

 

「ノヴァ、あれは夢なんかじゃないよ。 全部ほんとのこと、実際に起こったことだよ」

 

「じゃあ……」

 

「そう……できちゃった。 それも双子だよ?」

 

「狼華ぁ!」

 

 

ノヴァが勢いよく抱きついてきた

 

 

「ちょっと! 無理させちゃだめよ」

 

「あう……ごめん」

 

「いいって。 それより、早く戻ろう」

 

 

億単位も年月が過ぎてるなら、なおさらだ

 

 

「狼華」

 

 

ロディが話しかけてくる

 

 

「……?」

 

「向こうの世界は億単位で時間が経ったから、それなりに体が成長しているんだけど……覚悟はいいかしら?」

 

「……何の覚悟?」

 

 

ロディが顔を覗き込んできた

 

その表情は、私に妊娠宣言してきたときと同じ、にっこり笑顔だった

 

 

「自分の子供を見る覚悟よ♪」

 

 

……え




これから……一体どうしたらいいのだろう(サブタイが思い浮かばない的な意味で

相変わらず、うちの犬が執筆と惰眠の邪魔をしてきます。これが美少女だったらなぁ~と思うわけですが、現実は非情でただの犬なわけです。某魔法少女のようにはいかないんですね
起こす時刻は深夜の三時半、私が寝るのは大体十二時ころ。 ……夢見ることさえ許されぬ
そして、起こしてくる理由は……特に何もないんです。 昼間寝てばっかりだから夜型になったんですね

とある本で見かけた言葉なんですけど、キャラクターというのは勝手に動くみたいなんですね。放置しておいたら勝手に進展している。この時を主として書き綴るか、それとも勝手に進展させておくのをよしとして書き綴る。とても参考になったので、前者後者を4:6で書いていきたいと思います
タイトルは忘れました


以下、小説の説明


ロディが大量に送った魂の行き先はほとんど東方の世界です。主人公がそこにいるから主人公補正なのと、そこが一番安全だからということでいいです

狼華=あいつ=彼なんですけど 狼華はなんのことかわかっちゃいません。話しがわからないままいきなり、もう戻ってこないなんて言われたらそりゃもう、心底ショックでしょうね。代わりをリオに努めてもらいましょう

前世の名前は隠そうと思いましたけどやめました。ちなみに適当につけたので、意味なんて多分ないです。後付けで設定するかもしれません
ちなみに読みは アメノ タツト です。出席番号的に窓側の一番後ろを取れそうです

狼華が真実を知ってもなお、心を許したのは……フラグですね。膨大な数のフラグが乱立しました。9割が死亡フラグです。1割に回避したいですね

っていうか、復帰早いですね。 小説内では数百年経ってますけど、前話からこの話でもう復帰ですからね。しかも前よりもイチャイチャ度が増したという。……薬のせいです

今までの話の中の全部にカットしてますけどR-18が含まれているという。 R-15イチャイチャが好きな方がいてしてほしい方がいたら、別視点で声だけ解禁しますね(キリッ

とうとう狼華が母親に!!
実はノリでやってみました。アドリブです


P.S セリフが多くなってきて、感情とか動きとか表現がおろそかになってきた
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