セリフ中に、R-18に引っかからない程度のぎりぎりな描写があります。 お気をつけて
「逃げてばっかりで……正々堂々戦え!」
「嫌だ!! 真っ向からなんて無理だ!!」
ノヴァを無事説得し、こちら側に戻ってきてかれこれ30億年が経過しました。空は青く澄み渡り、大地は緑溢れて、海は穏やかに波を立てています。 リオのおかげで、環境はかなりよくなったんです。
こちら側はロディの言っていた通り、億単位の時間が流れていったんだけど……10億年とか曖昧にもほどがあるよ
「そろそろ後がない……今日という日は勝たせてもらうぞ!」
「ひっ……! 目が本気だ!」
それで、私はこの世界の住人だから時の流れには逆らえないわけで、体がそれなりに成長しました
目に見える変化は髪が背中まで伸びたこと、身長が少し伸びたこと、それから……元から大きかった胸がさらに大きくなったことです。 尻尾は年月を経たのにもかかわらず、一本だけだったからどうしたのかなって思ったら9本もあって、半透明になっていました。 合計10本も実体化できて超もふもふになったよ
「母上ぇ~何か打開策を~」
「捕まったら負け」
「よっしゃぁああ!!」
「ちょっとぉお!?」
身長が伸びたことなので、服を新しく二枚ほど、それから膝まで覆えるサンダルのようなものを能力を使って新調しました
片方は、お腹まではない半袖の胴着に膝まであるかないかの青い袴。 戦闘と旅用として着るようにしまして、 変身! って言えばいつでも瞬時に着替えることができます。 妖力を練っただけだからこそできる芸当だね。 胴着の裾が短いから私の胸のサイズだと下乳が出てこぼれそうです。 袴の帯がなんだか大きかったのは気にしないことにしておこう
「そうとなれば全力を出さねばならないな」
「母上がへんなことを言うからぁ……」
「すみませんでした……」
もう片方は、通常のものより丈の長い鮮やかな藍色の振袖。 これは今着ているもので大胆に肩を丸出しになんかしちゃって、裾をはだけちゃったりして着崩しています。 いわゆる……妖艶な雰囲気っていうやつ? 前に来ていた甚平と同じように、帯は柔らかいものにして、緩く結んで結び目を斜め前にもってきています。 そうするのは堅く締めると背筋が無理やり伸ばされて辛いし、姿勢が固定されるし、なによりも……息苦しいから
「受けろ……秘技、戒めの鎖!」
「っと、あぶな!?」
「くそ……避けられたか」
「避けられたか、じゃないでしょ! 鎖なんか投げてくるなよ!」
「鎖なんかとは失礼だな。 これでも、巻きつければ力を封じることができるんだぞ?」
「いや、知らないから!」
「戒めの鎖!」
「正々堂々と言っていたのは嘘なのか!?」
「武器を使うのも一つの手だ!」
「素手以外は意に反するとか言ってたくせに!!」
「知らんな!!」
「…………」
……さっきから母上とか、ヒステリックに叫んでいるのは私のかわいい息子第一号の繋。繋ぐと書いてけいと読む。 容姿は私に似て顔つきは女の子っぽく、華奢な体つきをして、真っ白な髪と狼の耳と尻尾をつけてる。 男の子なんだけど、言われないと女の子と間違えそうです。 この子には、活発に動くので袖がない水干に指貫を着せてあげました。 能力が二つほど発現していて、調べてみると ”光を操る能力” と ”繋ぐ能力” だった
光を操るのは私譲りで、繋ぐっていうのはロディ曰く、名は体を現すとのことらしい。 言葉の力って恐ろしいね
「ほらほらぁ~避けないと捕まえるぞぉ~?」
「ひいっ!? お顔がものすごく怖いですよ!?」
「お兄ちゃん……やかましいよ」
「…………」
お兄ちゃんと呼んだのは、私の可愛い息子第二号の朔。 月に逆らうと書いてさく。 繋とは双子なんだけど、女の子なので顔つきが少々異なり、なんだかリオに似ている。 黒い髪に狼の耳と尻尾をつけて、黒い振袖に身を包んでる。 振袖にしたのは、朔があまり激しく動かないからぴったりだと思ったので。 体つきは幼いのに、胸が少し大きく出てるのはきっと、動かないからかな。 この子にも能力が二つ発現していて、”闇を操る能力” と ”’さく’能力” を備えていた。 平仮名表記はレアだね
「よそ見をしてる暇があるのか?」
「ちらって見ただけだろ!?」
この二人は今からおよそ10億年ほど前に産まれてきました
20億年も私のお腹の中にいることになるのか。 そんなに長く居た理由はよくわからないけど、別にがまんしたわけじゃないです。 私としては早く対面したかったけど。お腹がかなり膨れてきたころからがとてつもなく長くて、苦しかった。
それで、ようやくご対面ってなったときに気絶しちゃいました。 原因は力の源泉が急激に消費されて枯渇しかかっていたからだとか。 この子たちが、私の力をおよそ10割も引き継いでくれたのはいいんだけど……無意識の貪欲さは恐ろしいね。 きっと不老不死も引き継いだに違いない
「ハーッハッハ! 避けろ避けろ!」
「鎖は当たったら痛いからそんなに振り回さないで!!」
ちなみに立会いにはロディが付き添ってくれました。 抱きかかえられて茂みに連れ込まれて、無事出産です。 流石、慈愛の神と象徴されることだけあって、茂みに連れ込まれたこと以外にとても安心しました
「なら大人しく捕まれ」
「嫌だ!! こっちも武器出すぞ!?」
「お兄ちゃん……大人げない」
「朔……」
それで、さっきから繋に攻撃を仕掛けてばっかりなのは、一対の角を生やした血気盛んな女の子、
「明らかに刺そうとしてますよね!?」
「貫通したら我慢してくれ」
「横暴だ!」
ノースリーブのシャツに水玉模様が入った群青色のスカートを穿いて、ベルトを着けているのに通していないという開放的な着方をしていた。 私と身体年齢はだいたい同じくらいだから、女の子っていうよりは少女って言ったほうがいいのかな。 ’みて’みたら彼女は鬼でした。 それも鬼子母神。 ”ありとあらゆるものを打ち砕く程度の能力”を持っていて、自身の力量を上回らなければなんでも砕くことができるみたい
それで、隷音の頭の上には青く輝く宝玉……カーソルが浮いていました。 青だから前世の記憶があるかないかだけってことか。 鬼子母神はもともとこの世界にいるはずだ、ってノヴァが言っていたから、彼女は憑依ってことになるのかな。 見つけたなら保護対象だけど、何かしら防衛手段をロディから受け取っているはずだから、そうそう命を落とすことはないかな
「っ……!」
「今かすったぞ!」
「捕まえたらっていったじゃん……」
……あ、リオのことだけど、今はあっち側に行っています。 二人きりの会話をするんだとか。きっと億単位くらい時が流れないと戻ってこないかな
「あいたっ!」
「今当てたぞ!」
「だから捕まえたらって言ってるでしょ!?」
「当てたらこちらの勝ちだ」
「捕まえるって言ったのはどこに……」
昼間からこの二人は模擬戦ばかりしているんだよね。 ちなみにうちの繋が全勝中。 後がないから本気でいくのも仕方ないかな
そんな光景を朔と一緒に眺めている私は、力が戻ってくるまでろくに動けなかったので、ノヴァから与えられた力の制御や、自分流に術式を組み立てたりしてました。 身体が成長してある程度馴染んできて、知識や情報を少し解放することができたから、色々と試していたんです。 光のほかに闇も得意な属性だということがわかったね。それ以外は危険だったからやめといた。 長い時間をかけてようやく変化術が使えるようになって、小さなころの私になれたりして、胸に抱えている苦しみから少しの間解放されていたりしました。 今は元に戻ってます
「大人しく負けを認めろ!」
「嫌だ!」
動けないおかげで、30億年の間変わりゆく景色を見収め、形に残すことができなかったのは非常に残念です。 唯一見れたものは、二つあった月が一つになったことと、海から超巨大な岩が浮上していって空に消えていったことくらいです
「母上! 火をつけたのは母上です! なんとかしてください!!」
そんなこと言われても、言ったところで火に油を注ぐだけな気がするんだよね。
う~ん……あっ
「そこから逆転したら、朔がおっぱい揉ませてくれるんだって」
「え!?」
朔が驚く
「………………へ?」
繋の時が止まった。 ……私のせいか
「隙ありだ!」
「しまった……!」
隷音が鎖を繋に巻きつけた
「さて、後は体に触れたら勝ちだな」
「……お母様……どうして?」
「繋が逃げ回ってばかりだから、勝負が着かないと思ったの」
隷音が鎖を手繰り寄せていく
ごめんね朔……私じゃ今の隷音を止められそうになかったから
「……っ! なんて厄介な鎖だ……」
「言っただろう? 力を封じることができると」
「そういえば言ってたね……わっ!」
隷音が繋に抱きついた
「私の勝ちだ」
そして勝利宣言
「あ、当たってる……当たってます!」
抱きつかれた繋が必死に叫ぶ
「別にいいだろう?」
なんて堂々としているのでしょう……
「よくないって……」
「…………」
「ひゃっ!」
隷音が繋の尻尾を握ると、繋が座り込んだ
「前に繋は、なぜ勝ちたいかと言ったな?」
「っ……!?」
「そのときには曖昧だったが――」
「隷音……付け根はやめてあげてね」
そこで朔の忠告
「よし、付け根だな?」
「――――っ!」
しかし、逆効果だった
「朔……ひどい……」
「ほれほれ~♪」
「ひいっ!」
尻尾を弄られて、繋が顔を真っ赤にして悶絶していた
そういえば、私も昔、ノヴァによくやられてたなぁ……。 マッサージと偽られて好き放題やられていたっけ
「さてと、あの時に言えなかったこと……はっきりと言わせてもらおう」
「!?」
「勝って……お前を私のものにするためだ」
「お母様、これって……」
「うん」
とてもストレートな告白です
「そして今、私はお前に勝った。 つまり、今からお前は私のものだ」
「そんな……無茶苦茶だ!」
「異論はないか? 狼華?」
私に振ってくる
「う~ん……」
「母上……何か言って……」
繋が快楽に耐えながら訴えかけてくる。 ……でもね
「そういえばこの前、彼女欲しいって言ってなかったっけ?」
「そ、それは……」
「私を差し置いてそんなことを言っていたのか。 いけない奴め」
「んぎっ!」
繋はただいま、絶賛彼女募集中な思春期真っ盛りな男の子なわけで、親としてそこのところは見逃していません
私が抱きついたときなんて、すごい可愛い反応を示したんだから
「告白してくれているんだから、答えてあげたら?」
「ごめんなさい!」
「断ったら……夫から玩具に位が下がるぞ?」
下がり過ぎです
「うぅ……この鬼怖い……」
「……ん?」
隷音が、繋を抱えてこちらに背を向けた
「隷音は既婚者じゃないの?」
「何を言っている。 私は独り身だ」
それは知らなかった。 仲間がたくさんいるから、一人くらいいると思ったのに
「さて、早速男の子チェックだ」
「っ!? ど、どこ触ってるんだよ!?」
「ねえ、お母様……お兄ちゃんはお婿さんに行くの?」
「うん、行っちゃう。……多分」
「ふ~ん……」
……あれ? 男の子チェックがなんなのか聞かないで、婿入りするか聞いてきた
「朔、男の子チェックの意味……わかってる?」
「えっと……器の大きさを調べるんでしょ?」
なぜ遠まわしに言ったし
……直接とも受け取れるか
「どこでそんなこと覚えてきたよ……」
「なんとなく浮かんできたの」
「へ、へぇ……」
この子には意味を汲み取る能力でもあるのかな
「もう一本の尻尾はどうかな~♪」
「や、やめ……手を動かすな……」
「おお、うっとりしてしまうほど大きくて立派な名器だ」
「……もうお婿に行けない……ぐすっ……」
「安心しろ、私がちゃんともらってやる。 ……今からな」
隷音が繋を抱きかかえて立ち上がり、近くの茂みに向かった
「お母様……お兄ちゃんはどうなるの?」
「教えてほしい?」
「……///」
勿体ぶったら顔を赤らめて俯いてしまった
「流石、私の見込んだ雄だ。 あっ、すごく、相性がいいぞ♪」
聞こえてきたからか
「隷音……血が……」
「大丈夫、それはお前に処女を捧げた証だ。 ……まだ少ししか動いていないのにもういったのか?」
「だって……」
「先にいった罰だ。 繋から動いてくれ」
「うん……」
「まだまだしてもらうからな?」
茂みから出ていた角が消え、代わりに尻尾が出てきた
「お母様……」
「耳を塞いでおきなさい」
「はい……///」
一応、朔には見えてないけど……私には行為の様子がばっちり見えているんだよね。 見てるんじゃなくて、’みえ’てしまってる
「はっ、はっ、繋、手を握ってくれ」
「隷音、僕もう……」
何気にヒートアップしている二人
ドサッ!
傍観していると、背後に何かが落ちてきた
「にゃっ……」
振り向くとすぐ傍に……猫耳姿のリオが倒れていた
「にゃあ……にゃあ……」
「……?」
「にゃあ……」
さっきからにゃあにゃあと……どうしたんだろう
「…………はぁ」
にゃあではなく溜息
「……リオ?」
「ああ、狼華……そこにいたのかにゃ……」
すぐ傍なのに気付かなかったんだ……
「大丈夫?」
「ちょっと頭がぼけてるにゃ……」
「向こうで何があったの?」
リオの身体を抱き起す。 ……少し重くなってる
「ありがと。 まぁ……襲撃とかではにゃいにゃ」
リオが寄り掛かってくる
「首筋を見てもらえれば、にゃにがあったかわかるにゃ」
「うん」
見てみると、ノヴァの所有印が刻まれていた
「どういうこと?」
「にゃあ~……簡単に言ってしまえば……押し倒されたにゃ」
「あ~はいはい。 あんなふうになってたんでしょ?」
「にゃっ?」
リオの肩をたたいて繋達のほうへ向かせる
「はぁ、はぁ、隷音……」
「繋……大好きだ……」
「…………あれは一体にゃんにゃんだ?」
リオが目を逸らしながら聞いてくる
「仲良くなりすぎて、友情よりも100歩くらい前に進んだ光景だけど?」
「いや……まぁいいにゃ……あんにゃふうではにゃいけど、されたのには変わりにゃいにゃ……はぁ」
またまた溜息
「そんなに溜息をついてどうしたの?」
「にゃあ……所有印のほかにも……ほら……」
右手の甲を見せてくる。 そこには、見たことがない紋章が三つ刻まれていた。 そのうちの一つがうっすらと輝いている
「それは?」
「私のにゃかにいる魂を示すものにゃ」
「へぇ~」
紋章が三つだからリオの中には魂も三つあるのか。 ……っとそうだ
「猫でいる理由は? 力を吸いとられたの?」
「……あれは私が勝手に消耗していただけみたいにゃ」
「猫でいる理由は?」
「…………」
脇腹をつねってくる。 しかし、そんなものはなんともありません
「……可愛いって言われたからにゃ」
「誰から?」
「……ロディとノヴァから」
「っ…………」
頬がヒクついて……やばい。 きっと弄られていたに違いない
「……はぁ」
「溜息多いよ?」
「幸福は逃げていかにゃいから大丈夫にゃ」
そうですか……
リオが右手を上げる
「輝いていにゃい二つの紋章のうち、一つは元最上位の悪魔、もうひとつは星霊の王らしいにゃ」
紋章に指をさしながら言う
「輝いているのは?」
「化け猫にゃ。……はぁ」
またもや溜息
「そんなに溜息ついて大丈夫?」
「……実は今、頭のにゃかで声が響き渡っているわけにゃんだけど、それを狼華のネックレスで聞こえるようにできるにゃ。 聞いてみたいかにゃ?」
「は、はい」
リオが私のネックレスに手をかけて目をつぶる。 すると――
[いやぁ……止めて、止めてくださいにゃあ……]
[さっきからずっと止めてるわ。 あなたが自分から動いてるだけよ]
[こんにゃの……こんにゃのわたしじゃにゃい……]
[…………]
「…………」
なんだか百合百合しい。 これがリオの中にいる魂達か
「ロディみたいにゃ口調が悪魔、にゃあにゃあ言っているのが化け猫にゃ。 ……わかるか? さっきからこれがずっと頭のにゃかで響いているわけにゃ」
「…………ご愁傷様です」
「…………」
脇腹をつねってくる。 だからそんなものは通用しません
「……っと、そういえば狼華に伝えにゃきゃいけにゃいことがあるにゃ」
「ん?」
つままれた脇腹が解放される
「ここから数十キロ先に集落があるにゃ」
「それってもしかして……」
「んにゃ。 人が誕生しているってことにゃ」
ということは……
情報を参照……時代を今に特定……あった!
本来ならもっと先の出来事のはずの文明の発展……そして消滅。 原因は、人妖戦争……。
そして、その時代の重要なファクターは……
「……後に月の頭脳と呼ばれる少女、八意永琳にゃ」
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<気を付けるにゃ。 もう赤カーソルが来ていてもおかしくはにゃい。見かけたら奇襲をかけて一気に
「発動したらどうなるの……?」
<安心するにゃ。刻印から解放されて霊界に戻るか、この世界の住民として転生しにゃおす。 消滅させることはにゃい>
私は今現在、村から遠く離れた茂みでリオと通信をしながら中の様子を探ってる。
結界は村を覆うように展開され、中の様子が全くと言っていいほど見えなくされていた
能力発動。 ”透視”
物見櫓の上と門の前に人影。 服装は近代的だ。 能力で ”うつし”、着替えてから集落の人々に変化する
変化術を行うと、変化した対象によっては能力が大幅に下がる。 場合によっては不死もなくなる可能性がある。 そんなリスクを背負ってまでするのは、なるべく本当の姿をさらすのは避けたいからだ
「…………」
<迂闊に飛び出せばやられるにゃ>
「……わかってる」
詳しく調べていくと村の中には、カーソルを浮かばせた人がたくさんいた。 黄色がとても多い。 ロディがたくさん送り出したって言っていたけど、この時代に集中して送り出したのか
十分に調べ終わり、茂みから出ると――
「おーっとぉ? こんなところに妖怪さんが」
「っ!!」
男の声が背後から聞こえてくる
前に飛んで距離をとった後、振り向くと男が青白い光を放つ剣をこちらに向けていた。 頭上には赤く輝く宝玉があった。 これは……迂闊だった。 いて当然だったのに……なんで出てしまったんだろう……
「さて、早速だけど死んでもらいましょか」
男がものすごい勢いで刀身を伸ばし、貫こうとしてくる
遅い。 これなら間に合う――
「残念でした。 遅延術式はつどー」
男が指を鳴らすと、地面が凍り、その場に縫い付けられてしまった
なんとか体を反らし、直撃を避ける
「うわー雑魚妖怪のくせに避けやがったわー」
こいつ……
「でも、次は避けられないぜぇ?」
男が剣で弧を描き、魔法陣を描いていく
「さて、かっこいいセリフを聞きながら絶望に浸っておけよ。 ……我招くは天を這う大蛇達なり。 地に降りて、汝の敵を食い尽くせ」
魔法陣が光る
早く抜け出さないと……
『雷竜行軍!』
抜け出した時には、もう目の前に大量の稲妻が迫っていた
避けきれずに直撃。 吹き飛ばされ、地面を転がる
「っぐ…………!」
……左腕の感触がなくなっている。 見てみると、吹き飛ばされて跡形もなくなっていた。 出血がひどい
「まだ生きてんの? しつこ――」
「何をしているの!」
もう一撃を放たれようとしたとき、少女の声がした
姿を見ようにも……視界が霞んでよく見えない
見えたのは……銀色だった
「何って、妖怪が攻めてきたから退治してたに決まってるだろ?」
「そこの結界は並大抵のものじゃ打ち破れないわ。 どうしてあなたはそうなのよ……今治すからね」
身体に何かを塗りこまれた途端、左腕に感触が戻り、痛みが走った
「……もう治ったというの……?」
少女が驚く
治癒が早いなら……変化が解けてしまいそうだ
「おいおい。 そんな勝手なことすんなよ……」
「何しようが私の勝手でしょ? わかったなら消えて頂戴」
「はいはい、愛しのハニーが言うなら」
「……っ」
魔法陣の発動音とともに気配が一つ消えた
頭がぼんやりとしてくる。 どうやらかなり……血を流してしまったみたいだ。 これだけで危なくなるなんて……人の身体は……脆弱だ
「……ごめんなさい。 あなたをこのまま帰らせるわけにはいかなくなってしまったわ。 しばらくあなたを匿う。本当に……ごめんなさい」
それだけ聞くと、今になって痛みが来た
痛覚を遮断していたはずなのに、激痛が体を走る
あまりの痛さに声を上げることもできず……そのまま意識を失った
……まったく……脆弱すぎるよ……
そろそろR-17のタグをつけたほうがいいですね
これを書いている間は、必死に考えているのでムラムラナンテシマセン
この一話を書き終えるだけで二回ほどフリーズしました。何かがぽっきりと折れたような感じがしましたね。警告でしょうか
最近、うちの犬が誰もいないのに外に向かって吠えることが多くなってきました。 幽霊でもいるんですね
以下、小説の話
時間を飛ばしたのは単純に何もなかったからです。 ほのぼのだけで書けるような才はないので、変化が訪れるように飛ばしました
繋はショタっ子なので弄られ系ですね。 可哀相に、これからとんでもない()災いに巻き込まれるなんて知りもしません。 ショタで男の娘なので、女の子たちの取り合いが激しそうです。 ハーレムですね。勝手に声だけ解禁しました
止めに入った少女は、勘の鋭い人ならだれかわかりますよね?
個人的に赤カーソルの口調を考えていたとき、ものすごく寒気がしました。 術の詠唱を考えていたときもものすごく寒気がしました
赤カーソルに重傷を負わされた狼華はこの後いったいどうなってしまうのか、次話をお楽しみにしてください
P.S 男の娘の喘ぎなんて誰得なんですかね……